「今日」という日の花を摘む

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408111988

感想・レビュー・書評

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  • 有名大学病院の病理医として勤務後、がん哲学外来というものを開設した著者による人生指南書。がん患者のみならず、その家族や周囲の人々へ向けて、「こんな風に考えてみてはいかがでしょうか?」という優しい提案がいくつも書かれています。

    ありがたいことに私自身健康で身内にもがん患者がいないので、健常者としてではなく当事者として読まれるべき内容かな、と思います。がんのステージや、置かれている人的環境等により個別性が実に様々だと思うので、がんになって家族との関係に悩んだり、家族ががんになってしまった人向けの内容だと思います。

    第六章に、五組の夫婦の体験談が書かれており、どれも心打たれる内容でしたが、家族がいるという前提にたっているような感を受けました。単身の方など背景が異なる体験談が載せられていたら良かったのではと思いました。

  •  人は生まれた時から死に向かっている。人はいつかは、この世界とはさよならをする。その日まで「いかに生きるか」、その助けとなることが書かれている。

     特に感じたのは、「自分のことより、誰かのために生きよう」という筆者の思い。それを表す南アフリカのエピソードには感動したし、「与える」とはこのくらの覚悟が必要なのだとも感じた。
     ただ、「誰かのために生きる」その前提には「自分の生をしっかり生きていること」だと思う。


     「最後の5年間の生き方」として、一つの詩が掲載されていた。「これが最後の5年間」なんて、誰にも分からない。ただ、こういう心構えで生きるのは大切だと思う。

     これまでの人生は
     天からの贈り物。
     これからの人生は
     天への贈り物。

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著者プロフィール

樋野 興夫(ヒノ オキオ)
順天堂大学名誉教授
順天堂大学名誉教授、新渡戸稲造記念センター長、恵泉女学園理事長。1954年島根県生まれ。医学博士。癌研究会癌研究所、米国アインシュタイン医科大学肝臓研究センター、米国フォックスチェイスがんセンターなどを経て現職。2002年癌研究会学術賞、2003年高松宮妃癌研究基金学術賞、2004年新渡戸・南原賞、2018年朝日がん大賞、長與又郎賞。2008年順天堂医院に開設された医療現場とがん患者の隙間を埋める「がん哲学外来」が評判を呼び、翌年「NPO法人がん哲学外来」を設立し、理事長に就任。これまで5000人以上のがん患者と家族に寄り添い生きる希望を与えてきた。その活動は「がん哲学カフェ」として全国各地に広がっている。著書に、『がん哲学外来へようこそ』(新潮社)、『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)、『生きがいに気づく、いい言葉』(PHP研究所)などがある。

「2023年 『もしも突然、がんを告知されたとしたら。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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