乙女の日本史 文学編 (コンペイトウ書房)

  • 実業之日本社
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本棚登録 : 481
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408411477

作品紹介・あらすじ

『源氏物語』も『里見八犬伝』も『こころ』も乙女目線で読み解けば新たな「日本」が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 今度は文学編。
    これも切り口がユニークで、おもしろかった。
    最近、平安時代の時代小説をけっこう好んで読んだり
    昨年は古典や文豪の作品を意図して手に取っていたので
    すごい興味惹かれる内容でした。
    日本の文学、奥が深くておもしろい。
    女性の立場や貞操感、草食男子の歴史とか。

    文学作品の巻末には、だいたい作家の略歴と解説がついてますが、たいがい難解すぎてイマイチ読む気にならないので、こういう乙女目線とまでいかなくても「やわらかい」解説をつけてほしいものです。

    ”文学の本来の価値や魅力とは、おもしろいか、おもしろくないか。ただそれだけです。”
    ほんと、素晴らしいことばだと思う。

    なかなか原文を読むのは骨が折れますが、現代語訳とかでいろいろ読んでみたいなぁと思いました。

  • 全体的に字が細かく情報びっしりだったにもかかわらず、あまりの面白さに一気読みしてしまいました。堅苦しい日本文学史を「乙女」目線からわかりやすく語ってくれるわけですが、意外に日本文学、俗っぽくて下ネタ満載で、ゲスなキャラばかりで(笑)正直ちょっとびっくりしましたけど、かえって興味が湧きました。まぁ、日本の神々なんて近親愛ばっかでそうとうエグいわけですけどね。
    図版として、名作を描いた漫画(『真夜中の弥次さん喜多さん』、『ざ・ちぇんじ!』etc…)や映像作品(『銀河鉄道の夜』、角川映画『里見八犬伝』)なども多数掲載されており、色々懐かしかった。
    好みは分かれそうだけど、くだけた文章のため、かえって文豪達の人間臭さが伝わり易くてよかったと思う。特に古事記や平安文学なんて、学生時代に古典がしんどかった思い出しかないものだから。文学史を辿りながら歴史のトリビアにも色々触れており、今更知ることもたくさんあって新鮮だった。
    「文学の本来の価値や魅力とは、おもしろいか、おもしろくないか。ただ、それだけです。」
    それには心から同意。今からでも、名作日本文学を面白がりたいと思うのだ。

  • 上代文学から近代文学までの主だった作品を乙女目線で解説している。意外なくらい面白くて止まらなかった。
    やじさんきたさんはあの漫画でしか読んでなかったけど改めてあの漫画を読みたくなった。田辺聖子さんの落窪をも再読したい!
    あと目から鱗だったのが「豊穣の海」が「浜松中納言物語」が下敷きであるという説。有名な話なんだろうか。私は単純に三島由紀夫はマンに傾倒してるんだなーぐらいにしか思わなかった。阿仏尼も面白そう。ふうてん老人日記にかんしゃくとルビを振っていたがどちらでもいいんだろうか。私はずっとふうてんと読んでいた。中長編だと「正造〜」と「瘋癲〜」が好きです。

    • だいさん
      最近のレビューちょっと読ませていただきました。
      他書と比較したり、自分なりの評価が決まっているようで、おもしろかったです。
      最近のレビューちょっと読ませていただきました。
      他書と比較したり、自分なりの評価が決まっているようで、おもしろかったです。
      2014/08/26
    • 美希さん
      >だいさん☆

      ありがとうございます。気分であっさり終わらせたり長々書いたりとまとまりがないですがなんとなく続けております。
      >だいさん☆

      ありがとうございます。気分であっさり終わらせたり長々書いたりとまとまりがないですがなんとなく続けております。
      2014/08/27
  • 乙女の、と銘打っておきながら内容は大人。乙女モビルスーツってですか。でも、神話の世界から昭和まで幅広く文学を乙女チックな視点から拾い上げてくれてなかなか楽しめました。あとは気に入ったどれかをピックアップして図書館で探せばいいのですから、親切な構成なんですね。
    さしあたって、「今昔物語」とか「梁塵秘抄」とか紐解いてみましょう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「乙女チックな視点から拾い上げてくれて」
      「乙女チックな視点」を理解するために読んでみようかな。。。
      ところで、この「乙女の●●史」って何冊...
      「乙女チックな視点から拾い上げてくれて」
      「乙女チックな視点」を理解するために読んでみようかな。。。
      ところで、この「乙女の●●史」って何冊も出てるから人気シリーズなんですね。
      2012/05/29
  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00168309

  • 「『源氏物語』も『里見八犬伝』も『こころ』も乙女目線で読み解けば新たな「日本」が見えてくる。」

  • 紙面が少しごちゃついていて読みにくいですが
    内容は文学について面白く書かれていて楽しく
    読めました。作品や作者の人となり…文学を書く人は
    昔からキャラクターが濃い人が多かったのですね。

    内容もよくよく読み込むとぶっ飛んでるものが
    多いですもんね(ФωФ)

    斎藤茂吉(52歳)が24歳の女性に送ったラブレター
    「ふさ子さん! ふさ子さんはなぜこんなにいい女体なのですか。
    何ともいへない、いい女体なのですか。どうか大切にして、無理しては
    いけないと思います。玉を大切にするやうにしたいのです。ふさ子さん。
    なぜそんなにいいのですか。」
    に爆笑してしまいました…。

  • 2017/4/21読了

    文学の歴史はそのまま「日本史」としてもたどれるほど
    現代薬、現代解釈で見るのも十分に面白いけれど、「乙女の」とある手前、「女性」に終始フォーカスを当てているためなおさら面白い。
    これを「楽しい」とか思えるのが、「勉強ができる」ということなのよね。
    古文分野の訳 とりわけ今のブロガーとか、薄い本に見立てたり
    ロリとかヤンデレとかで(実質そうなのだけれど)表現していくと
    日本人は昔っから変わらないなぁというか(笑)
    和歌の解釈も様々な風味の訳があるが、その詩を詠まれる背景こそが大切なわけで。
    歴史、政治、そして当時の「文化」の中の恋を追うと、学問では扱われない分野のそれ。とくに、性的なものがとても多い。
    近代文学になると、恋や愛は感情よりも社会的なものだと認識することがより濃くなる(反するものも)
    今に至るまでの道のりをしっかりと体感できるのだ。

  • w

  • 誤字が気になって…文庫版が出ているのでこれから読む人はそっちの方がいいかも。文学がテーマなのに作品の名前を間違えているというのは致命的な気がするので。
    きっかけ本なのだろうけど、この本を読んで新たに「この作品読んでみたいな」と思わせられたものは特になかった。乙女というかちょっとオタクな女子向け?

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著者プロフィール

堀江宏樹(ほりえ・ひろき)
1977年生まれ、大阪府出身。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒。
日本、世界、古代、近代を問わず、歴史の持つ面白さを現代的な視点、
軽妙な筆致で取り上げている。
綿密な検証と考察、臨場感溢れる描写には定評がある。
主な著書に『本当は怖い世界史』『本当は怖い日本史』『本当は怖い世界史 戦慄篇』『愛と欲望の世界史』『眠れなくなるほど怖い世界史』(以上、三笠書房《王様文庫》)、『乙女の日本史』『乙女の美術史 日本編』『乙女の美術史 世界編』(以上、KADOKAWA)、『三大遊郭 江戸吉原・京都島原・大坂新町』(幻冬舎)などがある。

「2022年 『本当は怖い江戸徳川史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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