てのりくじら (枡野浩一短歌集 1)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (63ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408533193

感想・レビュー・書評

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  • 、、、なんというかこれは…後ろ向きで、暗い、そして、皮肉が効いている、歌が多い。だけど、共感できて、何故か癒やされる。

    気になる歌


    こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう


    もう愛や夢を茶化して笑うほど弱くはないし子供でもない


    「複雑な気持ち」だなんてシンプルで陳腐でいいね
     気持ちがいいね


    無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分


    とりあえずひきとめている僕だって
            飛びたいような気分の夜だ


    階段をおりる自分をうしろから突き飛ばしたくなり立ちどまる


    有名な画家の絵だからすばらしい 値段を知るとなおすばらしい


    気づくとは傷つくことだ 刺青のごとく言葉を胸に刻んで


    ハッピーじゃない だからこそハッピーな歌をつくって口ずさむのだ


    だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け


    もっともなご意見ですが
    そのことを
    あなた様には
    言われたくない


    冗談はさておきという一言で気づきましたよ 冗談ですか

    オゾン層破壊のせいで美しい夕日なのだとわかってはいる


    よくまわる地球まわれよ B面をなくしたツケが
    まわってきても


    無駄だろう?
     意味ないだろう?
      馬鹿だろう?
       今さらだろう?


             でもやるんだよ!




    、、、オカザキマリさんの、シンプルな可愛らしい絵がつけられているのも、よかったです。

    • りまのさん
      湊川晴斗さん
      こんにちは。嬉しいコメントをありがとうございます!
      小説を書いてらっしゃるなんて、素敵です。ぜひぜひ、頑張ってください!及ばず...
      湊川晴斗さん
      こんにちは。嬉しいコメントをありがとうございます!
      小説を書いてらっしゃるなんて、素敵です。ぜひぜひ、頑張ってください!及ばずながら、応援しています!このコメントを頂き、ハッピーな気分になれました。どうもありがとうございました!どうか、頑張ってくださいね!
      2021/07/22
    • りまのさん
      湊川晴斗さん

      なんだか恥ずかしくなって、削除してしまいました。
      お返事ありがとうございます。
      いえいえ、自分の文章力は、わかっているのです...
      湊川晴斗さん

      なんだか恥ずかしくなって、削除してしまいました。
      お返事ありがとうございます。
      いえいえ、自分の文章力は、わかっているのです。時々、クロッキー帳に、短い物語のようなものを、書いていますが、人様に、お見せできるようなものではないのです。ですので、結構自由に書いていました。去年の今頃、ブクログを知り、皆様のレビューを読んで、その内容に、尊敬の思いでいっぱいです。私、レビューが、苦手なのです。
      皆様、自分の感想を、的確に、表現され、凄いなぁと、いつも思います。
      私の拙い詩や物語は、こっそり書いていようと、思います。

      どうもありがとうございます (*^^*)
      2021/07/22
  • 枡野さんの短歌集。かわいいくじらがたくさんついてます。

    前半から二つほど引用。
    ○こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあしたもありうるだろう
    ○もう愛や夢を茶化して笑うほど弱くもないし子供でもない

    もう一つだけ。
    ○無駄だろう?意味ないだろう?馬鹿だろう?今さらだろう?でもやるんだよ!

    東村山の図書館を初めて利用した。そこそこ使えそうなので月間2万円を節約していこう。

  • 5・7・5・7・7のリズムって心地よい。
    日本人だなぁ。

    ちょっと後ろ向き、でもクスって笑える。
    皮肉ってる、でも優しい。

    そして、イラストのクジラたんがかわゆい。

    バラ色の未来のためにフラスコの中で生まれた
    灰色のバラ

  • 好きな短歌作家さんそのいち。枡野さん

  • いい意味で後ろ向きなものが多い。
    頑張れ頑張れ脅迫しないからそっと頑張れる。

  • いい短歌って何なのかわからないけど、
    作者の体温が感じられるのは大切なことのように思う。
    この歌集のうたたちは、もう肌にふれそうに近い。

    枡野さんは「短歌だけで読者が最後まで読んでくれる自信がないから、情報量を落としてイラストも付けた」というようなことを
    おっしゃっていたけど、
    わたし短歌だけでよかったんじゃないかと思ったよ。

  • かわいいイラストや字体に反して、なかなか痛かったり暗かったりする短歌がそろっていました。だけどそのあべこべさがとてもいい味を出しています。斜に構えて世の中を見ているような、ひねくれているような、でも共感できる、そんな本。

  • 短歌ももちろんだが、絵の感じもいい。
    オカザキマリさんはこういう絵も描かれるのね。漫画とは全然違うイメージです。

    短歌は全体的に、暗い。
    普通の暮らし、があるとして、その一枚ベールが下の部分について書いている感じがある。
    短歌はそういうものがいいと思うので(ただの幸福は短歌になりにくい)、いい歌集だと思う。
    さらっと読めるが、何かが残る。

  • 自らも詠みはじめても あるあると また変わらずに読んで頷く

  • 「ショートソング」を読んだ後に買った、枡野浩一さんの本2冊目。

    共感できる歌も多い。
    短歌ってこういうものなんだー、って思えます。

    解説とかも付いてないので、純粋に短歌を楽しめていいかと。

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著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。歌人。雑誌ライター、広告会社のコピーライターなどを経て一九九七年、短歌絵本を二冊同時刊行し歌人デビュー。短歌代表作は高校国語教科書に掲載された。短歌小説『ショートソング』、アンソロジー『ドラえもん短歌』、入門書『かんたん短歌の作り方』、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』など著書多数。目黒雅也や内田かずひろの絵と組み、絵本・児童小説も手がけている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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