- Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408534312
作品紹介・あらすじ
大手都市銀行の次長職から地方銀行の庶務行員となった恋窪商太郎。駐車場の整理とフロア案内の傍ら、融資に悩む後輩社員へアドバイスする…そんな日々に、以前より「人間らしさ」を取り戻した恋窪だったが-。「正義」を求めたばかりに組織を弾き出された男が、大銀行の闇に再び立ち向かう!メガバンクの内幕と、地方銀行の実情を描ききる銀行ミステリーの傑作。
感想・レビュー・書評
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初期池井戸作品。
まだ、今のような重々しさがない。
そして、主人公の都合のいいように話が進んでいくなど、甘さも目立つ。
ただ、連作短篇集として読んでいくには、完成度は高いと思う。 -
大手銀行の黒幕打倒へ執念を燃やす庶務行員の物語。
・庶務行員
・貸さぬ親切
・仇敵
・漏洩
・密計
・逆転
・裏金
・キャッシュ・スパイラル
東京首都銀行常務・峰岸の不正を暴き、相手をあと一歩まで追い詰めた企画部次長の恋窪商太郎だったが、相手の策略により、責任を負わされ退職させられてしまう。
再就職したのが東都南銀行武蔵小杉支店、しかも庶務行員だった。
前職の多忙な銀行マンとしての出世競争とは無縁の事務方に徹していた恋窪だったが、融資課の若手・松木に相談を持ち掛けられ、きな臭い事案を解決していく。
そのなかで自分を陥れた峰岸と経済ヤクザ・中島容山と接触し、自らの遺恨を打開すべく立ち向かう。
いつもながら「正義」が貫かれるストーリーでスカッとします。
黒幕逮捕のあたりはちょっとあっさりしすぎた感があって★4つです。 -
都銀で上層部の不正追求をしたが、反撃にあって辞めざるをえなかった主人公は地銀の庶務行員となっていた。支店の若手行員の相談相手となっていたが、宿敵の姿をみて再度追及を行った。う〜ん、財務分析もぴか一、度胸も知恵もある恋窪商太郎。劇画の主人公のようで、読んでいて面白かった。
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短編集のような長編。初期の作品だけあって、主人公の恋窪、仇敵の中島容山、峰岸を含め各登場人物の個性があまり感じられず、感情移入が難しく思われ、盛り上がりに欠ける印象でした。容山はあまりに恋窪に対して不用心で、彼以外はあっさりと殺してしまうのに彼はなぜか生き残り、みたいな。。。
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ライバルの仇をとってやる。
これは銀行員ではなく、人間としての戦いだ!
地方銀行の東都南銀行で庶務行員の職を得た恋窪商太郎。
元大手銀行で次長職を務めるエリートだったが、不祥事の責任をとり退職していた。
融資課の若き行員・松木から相談を受け、行内の事件を解決に導く充実の日々。
しかし、退職のきっかけとなった〈仇敵〉が恋窪の前に再び現われ、人生の闘いに再び立ち上がる……
銀行話書かせたら右に出る者いないな、マジで。 -
悪人も頭の切れる人がたくさんいるなと感心する。その頭脳を私服を肥やすのではなく、世のために使ってもらえないものか。人の善悪はどこでねじ曲がってしまうのだろうか。まっとうに生きる人間、人のためを思える人間が生き残る社会になってほしい。
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元は優秀な銀行員がお気楽な行員になってあれこれ問題を解決する話。恋窪。
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面白い作品でした。池井戸潤さんの初期作品なので、最近の作品よりはアッサリとしている印象。特に最後がアッサリと終わりました。
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8つの短編があわさって1つのストーリーになってます。 主人公は恋窪商太郎、元エリート銀行マン、今は庶務行員。読みやすかったです。恋窪商太郎は、半沢直樹ほど強烈なインパクトはなかったけれど、優秀で正義感が強いのだけはそれなりに伝わってきました。 ラストがちょっといまいちだった気がします。もっとガツンと強烈に終わって欲しかったです。