「お約束」考現学

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408534411

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  • <font color=red><b>【自分も知らない自分の行動、こんなところにお約束】</b></font><br> 外国の文化風習が面白く見えるのは、それが自分達にとって何の意味ももたない行為を大業に行っているからだ。ひるがえって見れば、文化の断絶などは同じ国の中でも見られることで、「お加減いかがですか」「ええ、お蔭様で…」というやりとりを見て、子どもが「何もしてないのに『おかげさまで』なんて言うのはおかしいよ」と指摘するような例はざらにある。テレビ業界で「うまい」を「マイウー」のようにものを逆に言うのもそれだ。それぞれの集団にそれぞれのルールがある。そして、たまにルールだけが残りその意味が忘れられる。<br>
     本書はそういった形骸化した日常の中の約束事をとりあげたエッセイ集だ。<br>
     会話に詰まったときの無難な話題や、飛行機内や旅先の外国でいかにも旅慣れた人間を装う方法、クラス会で名前が浮かんでこない人間と会話を続けつつ名前をさぐる方法やエレベータ内での行動など、旅や日常生活で出会う様々なお約束に出会った筆者が感慨深げに語る四方山話に共感して「自分もすっかりお約束に染まっている」と笑うもよし、自分の知らないお約束を見つけて時代を感じてみるもよし。各年代の楽しみ方ができる一冊だ。(M

著者プロフィール

1956年、東京生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、東京ニュース通信社に入社。テレビ雑誌の編集者を経てフリーに。東京、昭和、サブカルチャー、街歩き、バス旅などをテーマに数々のエッセイ、コラムを発表している。著書は『大東京23区散歩』『東京23区外さんぽ』『大東京 のらりくらりバス遊覧』『冗談音楽の怪人・三木鶏郎〜ラジオとCMソングの戦後史』など多数。

「2019年 『1964 前の東京オリンピックのころを回想してみた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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