砂漠

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 4091
レビュー : 816
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408534848

作品紹介・あらすじ

「大学の一年間なんてあっという間だ」入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…。学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という"砂漠"に囲まれた"オアシス"で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。パワーみなぎる、誰も知らない青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 伊坂幸太郎のようであってそうでないような。
    でも、ユーモアがあって軽快で知的な感じだね。
    お洒落でちゃんと内容もあるよ。

    ちょっとした違和感はあったものの、1年の話として読んでいたら4年間の話だったとは。
    なるほどねー。
    いいなぁ、ガッツリ人間関係濃くなってての展開だったのね。
    青春だなー、くそー。

    北村くん、鳥井くん、東堂さん、南ちゃん、西嶋くん、鳩麦さん、みんないい。
    西嶋くんのキャラが、なんともいえずカッコ悪くてカッコ良くて、愛おしいわ。

    マージャンもパンクロックもキックボクシングもまるで興味がないけど、面白い話でした。

    大学時代を懐かしく思い出して、砂漠に雪を降らせるくらい余裕でできそうな気がしました。
    なんてことはまるでない、はずだ。

  • 「(中略)心のどこかでは、自分が本気を出せば、言いたいことが伝わるんだ、と思ってるはずですよ。絶対に。インターネットで意見を発信している人々もね、やろうと思えば、本心が届くと過信しているんですよ。今は本気を出していないだけだってね。でもね、三島由紀夫に無理だったのに、腹を切る覚悟でも声が届かないのに、あんなところで拡声器で叫んでも、難しいんですよ」p.200-201


    「目の前で、子供が泣いてるとしますよね。銃で誰かに撃たれそうだとしますよね。その時に、正義とは何だろう、とか考えててどうするんですか?助けちゃえばいいんですよ」p.205

    「人間とは、自分とは関係のない不幸な出来事に、くよくよすることですよ」p379他

    「残念ながら、俺を動かしているのは、俺の主観ですよ」p.206

    「学生はね、時間を持て余しているし、頭もいい。しかもこう思っている。『自分だけは他の人間と違うはずだ』と。自分は何者かである、と信じてる。根拠なくね」p.235

    「たぶんね、頭の良い人の陥りやすい罠ってあると思うんだけど」「賢くて、偉そうな人に限って、物事を要約したがるんだよ」「超能力はこうだ、とか、信じる人はどうだ、とかね。(中略)みんな一緒くたにして、本質を見抜こうとしちゃうわけ。実際は本質なんてさ、みんなばらばらで、ケースバイケースだと思うのに、要約して、分類したがる。そうすると自分の賢いことをアピールできるから、かも」p.240

    「つらいけど、楽だよ。何をすれば良いか分かっていて、しかも結果も見えるんだから。でも、結局さ、そういうのに頼らず。『自由演技って言われたけど、どうすればいいんだろう』って頭を掻き毟って、悩みながら生きていくしかないんだと、私は思う」p.264

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:913.6||I
    資料ID:50501230

  • 大学の先輩に大学時代に読んどいたほうがいい、と勧められて読んだ。最初、西嶋鬱陶しいなあと思っていたけど、堂々としてびっくりするほど真っ直ぐで、世間の目を気にしない姿勢が眩しかった。そして常に世間の目を気にして生きてる自分が恥ずかしくて悔しくなった。来年から大学二回生。本当にいい時期にこの本に巡り会えてよかった。ラストの莞爾の言葉をわたしもまんま北村くんたちに言いたい。

  • 伊坂さんの本を読んでるとは思わないほど青春だった。石田衣良さんの雰囲気を感じた。
    現実離れしているはずだけど、全くもって現実で、砂漠の中のオアシスで楽しんでいる彼らの姿に青春をあまり感じたことのない自分を重ね楽しんだ。

  • ☆以前に読了

    社会人が物語の主人公になることが多い、伊坂作品において大学生というのは珍しいと思う。
    大学生の時に読んだけれど、こんな魅力的な大学生活はおくれなかった。
    飲んで騒いで遊んでいた大学生活に自分もこんなエッセンスを加えられたのだろうか。

  • 親の庇護にあった高校生、そこから一歩社会へ近づいた大学生活、社会という砂漠の真ん中に放り出され右往左往するとき、オアシスにも似た大学生活を思い浮かべる。そこでオアシスに逃げ込んではいけない、世界を変えるための一歩を踏み出すのです。大学生活は人生における一種の猶予期間です。仲間ととんでもなく下らないことで笑ったり怒ったり泣いたりして、やがてそれがオアシスとなっていくのです。いろいろなアイテムが効果的に散りばめられ、時には重大な事件も起こり、パンクロックのビートに乗って駆け巡る5人の若者たちの群像です。

  • 再読。
    すごく馬鹿馬鹿しいのだけど、あぁこれが学生だな、と思った。
    4年間のモラトリアム以外の何物でもない時を過ごしてみて、そう思う。

  • 自分的ランキング伊坂幸太郎部門第一位。
    鳩麦さんを含めたこの6人の関係、好きだなぁ。
    学生時代は良かったなぁ、と思わされてしまう作品。

    図書館で借りた単行本を読んでいる最中に買う気になり、単行本を読み終わってそのまま廉価版を読み始めた。かなりいろんな部分がちょこちょこ変わっていた。伊坂幸太郎は版型を変えるときに手を入れる作家のようだ。文庫版はまた違ってるんだろうなぁ。

  • 雑誌のインタビューで、仲村トオルが答えていた「好きな本」。

    いやもう最高でしたね。去る大学生活の鬱屈も爽快も、すべてこの中にあるような。
    超能力や強盗も絡んできて面白いし深い。良い小説です。読むべき。
    読後の爽快感が堪らないッスね、伊坂幸太郎は。

    冒頭がサン=テグジュペリの「人間の大地」で、
    より一層「砂漠」について語るために「ある一つのオアシスについて語りたい」という文章から始まるのも印象的。卒論が『星の王子さま』だったので思い入れありますサン=テグジュペリ。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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