いっぺんさん

著者 : 朱川湊人
  • 実業之日本社 (2007年8月17日発売)
3.59
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  • レビュー :76
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535067

いっぺんさんの感想・レビュー・書評

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  • いっぺんさん
    いっぺんだけ・・、いっぺんに・・、ちょっと泣いてしまった
    八十八姫の話は切ない・・・昔は本当にあったんだろうが、
    子供たちの寂しさが居た堪れないちょっと後味が悪い話もあるが
    とても引き込まれよみやすかった。

  • ラストに収録されていた八十八姫という話が一番心にグっと来ました。
    じんわり泣かせる話やブラックな話、ちょっとギャグテイストの話などを載せた短編集です。
    最後に載っていた八十八姫~感想を書きます。

    ・八十八姫
    究極の片思いの話だなぁと思いました。
    慣習というか、その土地の縛りのようなものから抜け出せない運命の二人。
    幼い頃から互いを知っていて、成長とともにだんだんと惹かれあっていくのに、その運命に翻弄されるところが悲しいです。
    山の嫁になり、山と一体化してしまったことは永遠の別れのようであるけど、
    その山があり続ける限り存在を慈しめるので、逆に一生一緒にいることができる。
    山の嫁になった者を愛し続ける存在である主人公もまた、忌み嫌ったはずの慣習に縛られてるよなぁと思いました。


    ・いっぺんさん
    表題作。
    しーちやんの境遇が泣けた。
    一度しか願いの叶わない神様に、家族の幸せを願った結果、自らの死で家族が結束するなんて悲しい。
    最後に、幻だけど主人公としーちゃんが会えてよかったのかなぁ…。
    「しーちゃんは優しくって、バカだから。」


    ・コドモノクニ
    子供が神隠しに逢う話。
    こんな消え方をする子供が時々現代にもいたりするから怖いなぁ。


    ・小さなふしぎ
    戦後の混乱期。
    復興の波に乗って上手く立ち直った人がいる一方で、戦争で受けた傷を一生抱えたまま見捨てられた人が混在した時代。
    チュンスケと中山さんの生き方が重なります。
    生かされてる・やらされてるという感覚では駄目だ。自ら生きるんだ! みたいな感覚、フィクションでは綺麗なんでしょうけど、特にこの時代はそんな綺麗事だけでは生きていけなかっただろうと思います。そこが綺麗ごとで終わってないところが良かった。


    ・逆井水
    文明から見放された寂しいムラに言ってみたら、女性に次々と身体を求められ、何たるハーレム展開!
    と思ったら、若返りの水で一時的に若返っただけの老婆でした。主人公は水を飲まされすぎて子供になってしまいました。というブラックオチ。
    オチは読めたけど楽しかったです。


    ・蛇霊憑き
    本当におかしかったのは、アケミか主人公の姉か。


    ・山から来るもの
    これ、本当に怖いのは、最後の最後に、唯一の見方だった祖母から冷たい言葉を投げかけられるシーンだと思いました。
    なんだろうな。同情の余地があるとはいえ、主人公は冒頭から自ら壁を作りすぎている気がずっとしていました。
    だから餓鬼を見て、だから見捨てられる。


    ・磯幽霊 ・磯幽霊・それから
    作家である主人公は、ふと立ち寄った浜辺で磯幽霊に海に引き込まれそうになる。その後ある男と知り合い、その男は「磯幽霊は自分の父の愛人だった人で、昔は自分とよく遊んでくれた優しいお姉さんだった。その後あの浜辺で自殺した」と明かす。主人公は作家としてその話を小説に書き起こす。ここまでが磯幽霊の内容。
    これだけならそうでもないけど、「それから」がこの話の真骨頂。
    例の男は磯幽霊を愛人にして捨てた父親の病床で、主人公が書いた小説を読み聞かせ苦しめる。そして「いくらなんでも病床でそれは…」という主人公に「あなたも少しはすっきりしてるくせに」と言って立ち去る。
    壮絶な復讐劇が書かれていてブラックでいい。

  • 図書館にて。

    表題作が一番、心に響いた。

    いっぺんさん、何だか太っ腹で、素敵な神様だなと、心が温かくなりました。

    きっと、神様が一番強い力を発揮するのは、自分のための願いではなくて、誰かのために、心からの願いや祈りを捧げる人の声を聞く時なのかもしれないなと思った。

    改めて、その人の幸せを祈ろうと思うような存在がいるって、素敵なことだよなと感じた。

    そして、身近な人達の見えない祈りに支えられて、生きている人間は沢山いるんだろうなと思った小説でした。

  • 話によってはちょっとゾッとする話もある。全体的に子供時代の理不尽さが感じられました。大人になっちゃうとこういう理不尽を忘れちゃうんだなぁ…。表題作「いっぺんさん」はちょっと泣けます。

  • この「作品集」の中では
    「いっぺんさん」と「八十八姫」が
    よろしい ですね。
    不思議譚と哀愁と彩りを
    感じました

  • 相変わらず背筋がぞくっとする、けれどどこか哀しいホラーが朱川氏は得意だ。
    全編的に日常に潜む、日本の土俗的な信仰や怪異のお話だが、いくつかは怖いのに、切なくなるお話が多く、読後感は怖い!というより哀しいな、という印象。
    「八十八姫」という最後の作品の終り方は、少し意外。もっと違う終り方をすると思ったが、まぁ「らしい」のではないのでしょうか。

  • 朱川湊人はなんかこう、胡散臭く感じる。
    なんだろうね。
    うまく出来すぎてるかな。
    押すとへそが出るボタンを自在に押されているような気がする。
    好きなんだけどね。

    表題作「いっぺんさん」が出色。
    ほんのり優しく悲しい気持ちになったらそれが罠ですよ。
    次ページからは微妙に後味の悪い作品が続きます。
    なぜいっぺんさんを最後に持ってきてくれなかったのか!!
    これが最後ならほんのりで終われたのに!!!
    最後はほんわり率が高い世にも奇妙な物語を見習うべきだと思うよ!!

  • 2017/6/11

  • 短編。
    『いっぺんさん』いちどだけ願いがかなうという石を探しに行く子ども
    『コドモノクニ』居場所のない子供が消えてゆく、今もこのようなことが起こっているのかと想像すると怖い
    『ちゅんすけ』小鳥のおみくじ
    『八十八姫』生き神様?
    『山からくるもの』その姿を見たら不吉なことが・・
    他に不思議な水や、蛇憑き、磯の探し物をする幽霊のお話など等。

  • 表題作がよかったです。
    他の作品も楽しめましたが、居心地の悪い余韻を残します。

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