モーニング Mourning

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535265

感想・レビュー・書評

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  • 2014.6.1 読了

    大学時代に 共同生活をしていた
    男5人。
    かけがえのない日々。

    卒業してから、ほとんど会わず
    二十数年 たってしまった。

    そして、突然の仲間の一人の死。

    久々に会う4人。

    葬儀が終わって 帰ろうというとき、
    その中の一人が 自殺を考えていると告白。。。

    さて どうなるの?
    。。。というような話で、
    面白くて 一気に読んでしまいました!


    真相は
    。。。え? そうなの?
    というようなとこ ちょっとあったけど、
    でも 読みごたえあったので、
    アリです!


    相対的に 面白かったと思います。

  • ★思い出してくれたら、死ぬのをやめる(p.23)
    ▶真吾の葬儀の後淳平が自殺すると言い出した。▶淳平は俳優で人気が出はじめたところだった。▶止めるために三人の仲間がドライブを共にすることになった。▶自殺の理由は言えない頑固だが脅迫した結果、理由を「思い出してくれたら」死ぬのをやめるとなった。▶理由探しと楽しかった過去を振り返る記憶の旅が始まった。▶一種のミステリでもあるでしょう。▶中島の存在と彼への対応だけがちょっと後味わるいけど、総じてしんみりいい話。

    ■簡単なメモ

    【一行目】葬儀が、終わった。

    【茜】緒川茜(おがわ・あかね)。皆が十九歳だったとき二十四歳のOLだった。かわいい感じの人だった。ダイが「パラダイス」でしでかしたほとんど唯一の失敗によって親しくなった。短大の頃バンドでボーカルをやっていた。
    【あゆみ】ダイと結婚する女性。
    【インターフェイス】ダイたちのバンドの名前。
    【柿沼裕平/かきぬま・ゆうへい】淳平の父。離婚した父親は後に有名な調理人になった。
    【花凛/かりん】ある人物と結婚する女性。美術関係の仕事をしている。
    【関係】淳平と真吾は高校の同級生で後の三人は大学に入ってから知り合った。ダイと淳平が同じカフェ「パラダイス」でアルバイトし知り合い、ダイの祖父母が亡くなり空き家になった一軒家で一緒に暮らすことになったところに他の三人も参加した。バンド「インターフェイス」を組んだのは淳平以外皆が高校時代にバンドをやっており偶然、真吾がドラム、ヒトシがベース、ワリョウがキーボード、ダイがギターとうまい組み合わせとなった。淳平は歌がうまくルックスが良いのでボーカルにスカウトした。そのまま四年間仲良く暮らした。その家を改装して始めたのが今ダイが経営しているカフェ。ワリョウいわく《ヒトシはやたら熱くて、真吾は素直で優しくて、ダイは不思議で温かくて、淳平はスマートでカッコよくて》p.237
    【時代】1980年からの四年間を五人は共に過ごした。ジョン・レノンが殺され、ファミコンが発売され、映画「ET」が話題になり、バブル期の萌芽の時期。
    【淳平/じゅんぺい】大野淳平。やたら大きなワンボックスカーを借りてきた。劇団俳優。売れなかったがテレビでヒロインが通うバーのマスター役をして以来その甘いマスクと渋さで人気が出てきているところ。真吾の葬儀のあと、レンタカーで行けるところまで行って自殺すると言い出した。真吾とは高校の同級生。バンド「インターフェイス」ではボーカル担当。母子家庭だった。
    【真吾】河東真吾(かわとう/しんご)。『モーニング』冒頭で彼の葬儀が行われた。交通事故だった。妻の裕美子(ゆみこ)は茜の妹、娘は結花(ゆいか)。バンド「インターフェイス」ではドラム担当で才能があった。皆の中では弟キャラだった。メガネ男子だったがいつも奇妙なメガネを選んだ。酔っぱらうとメガネを失くした。実家は福岡なのに横浜の高校に来ていた。
    【ダイ】語り手の「私」。弓島大(ゆみしま・だい)という名前らしい。カフェを経営している。四十五歳で初めて結婚したい相手ができ、十七歳年下らしい(ということは二十八歳)。父親は大学教授で偶然同じ大学の同窓生だった(顔を知っている程度)だったがその後本当に親しくなった。バンド「インターフェイス」ではギター担当。《無個性であることが逆に個性になるタイプ》らしい(p.159)。
    【丹下】ダイのカフェの使用人。
    【チップス先生さようなら】茜さんがよく読んでいた本。
    【中島宏】茜の婚約者だった男。
    【並び】学生の頃から歩くときなぜかダイと淳平、その後ろにヒトシとワリョウ、最後に真吾という並びになった。
    【年齢】ダイが四十五歳ということなのでだいたい皆それくらいだろう。
    【パラダイス】ダイと淳平がバイトしていたカフェ。オーナーで店長は渋谷。
    【ヒトシ】上木晃一(うえき・こういち)。名字が「ウエキ」なので淳平が「ヒトシ」と言い出した。水戸で中学校教師をしている。大柄で四角い顔。今は丸刈りに近いが昔はアフロっぽい頭だった。バンド「インターフェイス」ではベース担当。
    【裕美子】真吾の妻。茜の妹でよく似ていたが姉に比べ元気で活発。話題があっちこっちに飛ぶタイプ。
    【ワリョウ】美園和良(みその・かずよし)。金沢の豆腐屋「美園豆腐/みそのとうふ」の四代目。学生時代から継ぐと決めておりそれまでは遊びまくるとナンパを繰り返し成功率は高かった。バンドではキーボード担当で才能があった。

  • 青春って感じがする。想像するだけで楽しそうな学生時代。

  • 茜さんの手紙が気になる

    こんな楽しい大学生活ができるなんて
    一生の宝物としか言いようがないですよね
    羨ましい



  • 大切な友人の葬儀に集まった仲間たち。そのうち1人が自殺すると告げる。自殺を止める方法は、その理由を見つけること。大学時代の思い出を振り返り、大切な友人の自殺の理由を見つけるロングドライブに出る。

    絵に描いたような青春を送った5人。若さや友情に溢れている。そこに茜という1人の女性が加わったことで、結果的に悲しい出来事に繋がっていく。

    ドライブが進むにつれて過去の出来事が明らかになっていく。そして最後にはずっと隠されてきた秘密が明かされる。少しずつ明かされるそれらが気になって一気に読み上げる魅力があった。

    ただし、少し物語が出来過ぎているような気がした。

    仲間は[いい奴ら]で、仲間には嫉妬しないし嫌な一面も見ることがない。まるで少年漫画の仲間達のよう。
    反対にすごい悪い奴=中島が出てくる。中島のキャラクターは掘り下げられないので単純なゲス野郎である。何をされても勧善懲悪で済まされそうな感じ。
    そしてそのゲス野郎に負い目があり献身的に付き従う茜は控えめなのか、社交的なのか。

    すごく登場人物がシンプルなキャラクターを持っている気がしてしまった。人間ってもっと複雑なんじゃないかなと。

    しかし全体的に先が気になるストーリーと読みやすい文でとても良かった。

  • とっつきにくい感じで読み始めた。
    うーん 微妙
    ところが 好きな青春物と感じると
    とつとつと 読み続けた。
    隠された事実を読むにつれて 興味深く読めた。

  • 面白かった。大学時代の親友の死によって集まった4人。そのうちの一人が自殺すると言い出し思いとどまらせるためのロングドライブ。青春時代の回想をしながら自殺の理由を考える3人。
    性こそ違え、自分も同じ年代の人間として自分の大学時代を思い出しながら読んだ。
    最後の最後にとんでもない事実が告げられ本当に驚いた。その展開は全く考えてなかった。でもそういうの嫌いじゃないし、逆にすごく心に残った。モーニングは「朝」じゃなくて「喪」って意味なんだ~。そう言えばスペルが朝じゃなかった。
    そしてダイの力も何も使わない、最後の残酷な仕打ちというのがなんだか分からない…

  • 青春時代を振り返る。
    バカ騒ぎができた学生時代が懐かしい。
    茜さんのことは、もっとやりようがあった。
    相手の親を巻き込んでもいいし、裁判に訴えてもいい。
    後悔は募る。
    男同士の関係は意外だった。

  • 大学時代の親友である河東真吾の訃報に接した私。葬儀のため福岡に集まったのは、同じ大学でバンドを組み、四年間一つ屋根の下で共同生活を送った淳平、ヒトシ、ワリョウ。葬儀を終え、それぞれの家へ、仕事へ戻ろうとしたとき、今は俳優となった淳平が言った。「この車で一人で帰って、自殺する」。何故?しかもこんなタイミングで?思いとどまらせるために、私たちは明日の仕事を放り投げ、レンタカーで一緒に東京まで向かう決意をする。「自殺の理由を思い出してくれたら、やめる」。淳平のその言葉に、二十数年前のあの日々へと遡行するロングドライブが始まった。それは同時に、懐しい思い出話だけでは終わらない、鍵をかけ心の奥底に沈めた出来事をも浮上させることになっていくが…。

  • 大学時代の親友の訃報に接した「私」は、葬儀の席で大学時代バンドを組んでいた仲間と再会する。葬儀を終えたとき、仲間の1人の淳平が自殺を口にする。説得を試みる「私」と仲間たちだったが、封印してきた過去が浮上し…。

    重い内容かと思ったけど,重く残らず読めた。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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