おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535432

感想・レビュー・書評

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  • 先日、宇江佐さんの小説を読み、
    もう少し読んでみたいと手に取ってのがこの本です。

    江戸下町に暮らす人々の日常が
    しっとりとした文章できめ細やかに描かれていました。

    ・ため息はつかない  薬研堀
    ・裾継  油堀
    ・おはぐろとんぼ  稲荷堀
    ・日向雪  源兵衛堀
    ・御厩河岸の向こう  夢堀
    ・隠善資正の娘  八丁堀

    江戸下町の堀の近くに住む人々が主役です。
    貧しいけれども一生懸命に生きている市井の人々の
    生の喜びや悩みがひしひしと伝わってくるようです。

    庶民の食事として
    小説の中に出てくる料理も素朴ながら
    とても美味しそうに書かれていて、
    それだけでも、味のある小説です。(笑)

    みな面白く読める作品ですが、
    ちょっと残念なのは、小説中に「絵本」という言葉がでてきたこと。
    江戸時代に「絵本」はないのでは?
    「御伽草子」とかならわかるのですが・・・・

  • あいかわらず
    庶民の生活や人情をつむぎだすのが
    上手だな

    最初はむしろ気に喰わないのに
    いつの間にか心に留まる
    中年叔父さんと思った親方の
    心遣いがニクイ!

  • 江戸市井ものは好きで、よく読みます。今よりずっと不便で厳しい社会であったろう時代の話に心惹かれるのなぜか、といえば、そこに人の温もりが感じられるからかなぁ。貧しいからこそ助け合うその温かさと、厳しい現実のなかで「しゃんと生きていくんだ。」という気概を普通の人達がもっている。それを読んでいると、「私も頑張ろう!」と思うのです。なんだかわからないけれど、最初の話結構好きでした。

  • 江戸の6つの掘割にちなむ6つの人情短編集。相変わらず江戸情緒に溢れてしみじみと浸ることができた。遊女屋の女将、女料理人、瓦焼職人、奉公人などいろんな主人公のささやかな人生の悲しみや幸せが慎ましくしんみり描かれている。やっぱり宇江佐さんの作品は人情味があって良いなあ…

  • 2016.7.26

  • 江戸情緒あふれる人間模様。

  • 読みやすくて良い。
    今回は蕎麦じゃなくてうどんが食べたい。

  • ちょっと文体かわったんだな、と最初ちょっと違和感。本当に市井の暮らしの一場面を切り取ったという感じで、話の結末は大団円というわけでなく、どこかすっきりとしないものが残る。

  • 短編集なのでとても読みやすいです。
    その短さが話の内容にあっててちょうどいい感じ。
    色んな種類の話が楽しめて良かったです。

  • 二度目だけど、やっぱり好き。
    家族って血の繋がりだけじゃない。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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