刀伊入寇 - 藤原隆家の闘い

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535890

感想・レビュー・書評

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  • 平安時代の貴族の藤原隆家の物語。

    葉室さんが主人公として取り上げる歴史上の人物は、自分の不勉強かもしれないが、
    これまでドラマや小説でほとんど扱われなかった人たちだと思われ、意表を突かれる。
    本小説は、大鏡や枕草子を読んでいる人ぐらいしかわからない藤原隆家を、
    これまた日本史でもちょっとしか触れられていない刀伊の入寇をメインイベントにして描かれている。
    なぜか葉室さんの歴史小説は、時代小説ほどはワクワクしないのが残念ですが、
    創作部分はともかく、お勉強にはなります。

  • 刀伊の入寇は、平安時代の1019年に大陸から来た刀伊と呼ばれる女真族に、壱岐、対馬、博多湾沿岸部が襲われた事件。知らなかったなぁ。
    いつもながら、葉室さんの史実を調べこんでその中にドラマを描くうまさには感心するけど、今回は壮大な絵巻だ。
    刀伊の乙黒、瑠璃、烏雅の三人の造形と花山院に与していたという設定がそれをおもしろくしている。
    藤原家内部の権力争いや清少納言や紫式部も関わる盛衰も興味深いが、この時代、呪詛や祈祷が政治に無くてはならないものだった様子に驚いた。

    待ちに待った第2部は一気にスピードが上がり隆家の活躍が爽快。
    こんなにまっすぐな(しかも眉目秀麗!)武士がいたとは。博多をそしてこの国を救ってくれてありがとう。
    葉室さんの話はいつもすがすがしい読後感だ。

  • 平安時代というと、雅なイメージがありますが、その雅な貴族の中にも勇猛な人物がいたのです。

    とにかく登場人物が魅力的

    主人公の藤原隆家、かっこよかったですね?
    また、清少納言や紫式部など、当時の有名な人物も登場し、華を添えています。

著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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