霧の城

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 57
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535951

作品紹介・あらすじ

武田軍に攻められ、落城寸前の美濃・岩村城。元城主の妻として、城を守るおつやの方に敵の大将・秋山善右衛門から一通の書状が届けられた。そこには和議の条件として、おつやと夫婦になりたいという驚きの申し出が-著者渾身の歴史時代長編。

感想・レビュー・書評

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  • ドラマを見ているみたいに読めました。
    史実として、おつやも善右衛門も殺されてしまうのは分かっていたのですが、読んでいてやっぱり辛かったです。
    二人の想いが深い分、戦国の時代に生きる定めというか、勝った者が生き残る時代の儚さが、哀しく感じられました。
    「霧の城」の描写が伝承だけなのが残念でした。

  • 織田信長の叔母にして、武田信玄の家臣である秋山虎繁の妻となったおつやの方。その悲劇の生涯を描く。

  • 女城主として有名な通称おつやの方と、その亭主となった敵方の男の物語。歴史というより、恋愛かも。期待していた霧の描写はなかったような。

  • 信長が政略結婚として叔母を岩村城主の遠山家に嫁がせたことによる悲運の女性おつや。城主の夫の死後、織田の敵方である武田勢に攻められ、遠山家を守るため苦渋の決断で敵の大将と結婚し新たな城主として迎えることに。その後悲劇を迎えてしまう。
    この悲劇的な史実だけは知った時は、織田信長の残忍さとあまりにも悲しい人生を送った人だと言う思いが強かった。けれど、もしかしたら作品(史実に基づいたフィクションであるとは思うけれど)のように善右衛門とおつやの心が結ばれていたなら悲劇に中にも救いがあるような気が。
    そういう意味でこの作品は歴史を舞台にした恋愛小説と言ってもいいのかも。映画や大河ドラマにも出来そう。

  • 戦国時代の歴史秘話。
    美濃・岩村城 元城主の奥方おつやの話です。

  • 戦国時代の真っただ中で信玄が最後の戦いを進めながら京を目指す中で信玄の信頼が厚い武将秋山善右衛門は先立って美濃の岩村城を落とす命を受ける。難攻不落の岩村城を和議で手に入れる。この条件は全員今まで通り、城主に善右衛門が座り、後家のおつやを娶るとの内容であった。事は上手く進んだが善右衛門とおつやは相思相愛の中となっていく。しかし織田を裏切ったと信長の兵は岩村城を囲み降伏させられる。一類の望みをもっていたおつやも河原のつゆと消えていく。この時おつやのお腹には二人の子供が宿っていた。歴史小説には欠かせない武功のくだりがあっさりと描かれており読んでちょっと物足りなさを感じる。

  • 救われないのがわかりつつ読んだが、やはり救われんかった。おつやが受け身体質なのは、時代とか出自とかで、まぁ、こんなもんなんだろうかと読んだ。しかし男は勝手なもんだよ、全く。人を巻き込んでおいて責任の一つもとらん。

    文章自体は大変読みやすくおもしろかったです。タイトルが霧の城だけど、霧の描写は余りに少なくてちょっとね…というだけで。

  • 岩村城の城主夫妻が主人公。秋山の岩村城攻めから始まり、おつやの処刑場面で終わる。この小説では夫婦の処刑は岐阜城下。

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著者プロフィール

1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。1996年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞。『太閤の巨いなる遺命』『天下を計る』『情け深くあれ』など著書多数。

「2017年 『絢爛たる奔流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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