迷子の大人

  • 実業之日本社 (2012年9月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784408536132

みんなの感想まとめ

都会で疲れた主人公が、故郷である田舎の地を旅する中で再生を遂げる物語が描かれています。物語は、主人公の梓がホームヘルパーとして抱える理想と現実の葛藤から始まり、彼女の心の動きや成長が丁寧に描写されてい...

感想・レビュー・書評

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  • 都会で疲れた人が、田舎で再生する話は結構好きです。
    でも今作は、いきなり移住ではなく、旅先の地の居心地の良さに、何度も足を運ぶようになるお話。

    冒頭は、ちょっと唐突な感じはしましたが、高遠の人達が登場してからは、気持ちよく引き込まれました。

    星子さんとの行き違い、いや、読んでいる側は、分かっていました(笑)
    改めてホームヘルパーの仕事って、理想と現実と…難しいなと思いました。

    色々な世代の人が、助ける・支えるなどと声高な意識を唱えることなく、みんなで助け合う高遠の暮らし(本の中での)は、ある意味理想的に思えます。
    梓の行動は色々突っ込みどころ多かったけれど、読みやすく楽しく引き込まれて、読後も心地良い、満足の一冊でした。

  • どうにも梓さんに気持ちが寄り添えなくて…

    迷子の大人。確かに迷子になる時期はあると思う。自分がどうしたいのか迷って迷ってどんどん分からなくなって。そんな時は一時期流行った自分探しとかしたり。だからって見つかるものでもないんだけど。

    高遠町の方たちがみんな温かい。

    長野県、まだ行ったことがないから行ってみたくなった。城址公園に桜を見に行きたいな。

  • 主人公の梓は27歳。
    純粋で優しいいい子なんだけど、
    ホームヘルパーという職業に理想を持ちすぎて疲れてしまい、
    曾祖母の故郷だった上諏訪に旅に出る。

    ケアプラン外だからと、お茶やお菓子を勧められてもお断りしなくてはいけない。
    うーん…難しいとこなんでしょうね。

    こういった悩みを抱えつつ、それでも毎日のケアに追われるお仕事。
    「介護に理想を持っている人は続かない」って厳しい現実なんですね…

    民宿「すやすや」の人達や、
    ぶっきらぼうで照れ屋さん、でも優しい桂との出逢い。
    不器用な二人の恋の展開にキュンとします。

    泣き虫で、お年寄りと子供には妙に好かれる梓に、親近感いっぱいで…。フフッ
    いろいろ思い悩んでいるわりに、無鉄砲なところに、ハラハラさせられたりもしました。

    でも、”あずさ弓”の梓ですからね。
    折れることなく強く生きて行けますね。きっと。

    高遠城址公園のコヒガンザクラ、一度でいいから見てみたいなぁ…。

  • 泣かされた。
    梓の真っ直ぐさに。
    心の動きがすごく良くわかるから、どんどんこの世界に引き込まれて、本から現実に戻る時、ちょっと戸惑うほどだった。

    • kuroayameさん
      心の動きがすごく良くわかるから、どんどんこの世界に引き込まれて、本から現実に戻る時、ちょっと戸惑うほどだったとのことでしたが、私も余韻に浸り...
      心の動きがすごく良くわかるから、どんどんこの世界に引き込まれて、本から現実に戻る時、ちょっと戸惑うほどだったとのことでしたが、私も余韻に浸り過ぎてしまうと、しばらく放心状態になるときがあります。
      2012/11/05
  • 帯を見てほっこりした小説なのかと思ったけど、かなり残酷で現実的なドラマがあって、主人公の梓が自分の人生で本当に大切なものを、'’自分が''幸せになるための要素を選択して自分の人生を切り拓いていく描写が泣けた。特に最後の方の星子さんとの会話は泣きそうになった、、。

    主人公の優しくて優柔不断で、感情が豊かで理想主義な人って、東京とかで忙しく働くのはとことん向いてないし自分を蝕んでるなぁとも思った。

  • 流されやすい、でも人間味ある優しい梓。介護サービスの仕事では、理想と現実の違いに苦しんでいる。行き着いた旅行先ののんびりさに感化され、次第に自分と向き合っていく。
    浜田マハさんの作品に近しいものを感じた。
    ゆっくりと、でも着実に変わっていく梓を応援したくなる。みんなが最初から強くある必要はない。変わっていければいいのだ。

  • 主人公が訪問ヘルパーということで、利用者とのやりとりが容易に想像できた。少し行き過ぎたところもあったが。

    何事も行動しないと人生は変えられないということが改めて感じられ、自分も旅に出たいと思った。

    梓と桂さんの胸キュン行動の表現が生々しくなく、キュンキュンしながら読めた。

  • 「あの町でおばあちゃんになりたい。そしていつか、あの町の土になる」と言うセリフが好きです。
    自然体でいられる、そんな場所を見つけられた梓がうらやましいな

  • 2013年一冊目の本。読後感ほっこりしてて、やわらかな、いい感じ。
    ホームヘルパーの梓(あずさ)が、仕事や恋愛に悩みながら、突然の思いつきで新宿からスーパーあずさに乗って長野に旅に出かけたことにより、これまでの人生を全く変える出来事に出会って、自らの人生を大きく変えていくストーリー。
    コンクリに囲まれた環境に育ち、ひかれたレールに疑問を持ちつつも、変えられない変わられないという毎日を送っておられる方に、小説の中の爽快感をお届けできます。

  • 都会でとりあえず目の前のことをやっていた介護職員の梓がふと気持ちの赴くまま行った田舎に移住することを決めるまでの話。
    結婚はやはり自分が求めてするべきだし、生活をゴロっと変えたくなる、思い切って行動できるってすごいな、と思う。よく考えると人は言い訳を考えながら生活してる。やりたいことをやる、というのは難しいけど、自由に生きれるって羨ましいなと思った。

  • 旅行
    子どものときに行ったことがないと確かに馴染みがないもんなんだろうな
    自分の気持ちを伝えなかったことでのすれ違い
    逃げることで、余計まわりに
    お年寄りとの関わりも難しいな
    デイサービスが悪とはならないし、介護の家族のことを考えるといたたまれない

  • ホームヘルパーの梓が田舎の良さにふれて成長していくお話。
    最後、桂が梓に送ったメールの内容が気になった。
    お幸せに…。

  • 初読みの作家さん。マイナーな本だけど、わたしは好みだった。都会で疲れた主人公が、田舎で過ごす話が好きなのかも。桂さんっていう不器用な男の子がタイプかどうかで好みが分かれると思う。わたしは死ぬほど桂さんが好きすぎて、読みながら桂さん…。ってなった。婚約者がいるけど桂さんと田舎の町に惹かれる主人公の気持ち、わかります。

  • 人間ってみんなどこかが少しずつズレていて、それを補うために他の誰かが必要なんだ。

    「あんたはたしかにいい子だけど、たまにすごく心配になる。もっと怒りとか憎しみとか、捻じ曲げずに出せばいいのに」
    「でも私、そういうマイナスの感情ってちょっと」
    「マイナスって、誰が決めたの」
    「え?」
    「あんただよ。そやって決めつけて我慢するから、よけいこじれるんじゃない」
    じゃあもっと、怒ってよかったの?違和感を覚えるたびにちゃんと口にしていれば、ここまでひどいことにはならなかったのかな。

  • 作者さん初読み。他の作品も読んでみよう!!
    星子さんとのやりとりが好き。やっちゃんとのやりとりも好き。泰子さんとのやりとりも好き。
    人生に迷った時は、思い切って一人旅にでてみるのもいいのかもね。

  • あの一言だけでも読んで良かったと思う。
    そして脇役達の存在感、存在意義。

    読みながらもしやと思いましたが、やっぱりずっと前に利用させて頂いたことのある(かつ好感度のとても高い)民宿がモデルでビックリ。これだけのことですが、親近感爆上がりです。よって甘めですが★5つ。

    そんなわけで坂井希久子さん、印象的な初読みとなりました。

  • 派遣社員を辞めて介護福祉士となった27歳の
    畠山梓。ところが理想と現実のギャップに悩み、
    仕事を続けていく自信をなくしてしまう。
    ある夜、梓は新宿駅でふと思い立ち、特急
    「あずさ」に乗り込んで…。

  • ストーリーはありがちだけれど、文章がとても良かった。この人のこういう話は好き。高遠にいる時の感覚が共有されていたように思う。

  • 別れた男がけっこう爽やかで。

  • 秀作。日常的で自然な恋愛。ほっこり感満載。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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