- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408536194
感想・レビュー・書評
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女子中学生のスクールカーストの話。
グループのトップでも、いつグループを放り出され、休み時間にひとり席に座っていごこちの悪い時間をすごすかもしれない怖さ…
クラスで目立たないように過ごしてきた範子が、めいっぱい我慢して、解決策も考えて、最終的には恵理菜をぶっとばした時には、スカッとした。
すらりとしたスタイルに、ずばぬけた美しさ、やはり見た目に人は左右されると改めて感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
途中は、はらはらどきどきしたけど、最後はスッキリ、前向きに完!よかった。
お嬢様中學校2年B組で起こるピラミッドの頂点の争奪戦。
こんなにクラスの頂点が目まぐるしく短い時間で入れ替わっていいのか。
地味に生きて無関係のはずの範子、スーさん、リンダ、チヨジも巻き込まれていく。
いつの間にか、滝沢さんを応援してしまう。王妃はやっぱり王妃。
15歳、四捨五入したら20歳。
15歳の頃、四捨五入したら20歳なんて、考えたことなかったなと、つくづく振り返った。
四捨五入したら・・・って思い始めたのはいつからだったろうと、考えこんでしまった。
10年後くらいの設定で、続編求む!!
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スクールカーストを描いてるのに、なぜかカラッと明るくて
「さあ、次はどう来る?!」とわくわくしてしまう、不思議な本。
『ベルサイユのばら』や『おにいさまへ・・・』が大好きだった方、必読です!
美貌とプライドで聖鏡女学園中等部2年B組の頂点に君臨していた滝沢美姫。
彼女がちょっと調子に乗りすぎて起こした「腕時計事件」で姫グループから蹴落とされ
主人公の範子が属する地味グループに身柄を押し付けられて。。。
なんといっても面白いのが、フランス革命オタクの範子の視点。
彼女の脳内では、滝沢美姫はもはやマリー・アントワネットのごとき王妃!
腕時計事件でクラスのみんなの前で王妃がつるし上げられるホームルームは
まさに、コンコルド広場での公開裁判。
王妃の権威が失墜した今、姫グループの居城に
恐れを知らぬゴス軍団が攻め入ったら・・・と、あわあわする。
姫グループ、ゴス軍団、ギャルズ軍団、チームマリア、地味グループと
5つの階級が入り乱れ、スキャンダルを起こせば移籍を余儀なくされて
移籍先でさらにまた新たな火種となるあたりは
フランス革命というよりはAKBのあれやこれやみたいで、くすくす笑いが止まりません。
お情けで地味グループに入れてもらったにもかかわらず
全く空気が読めなくてわがまま放題の王妃。
グループ内平和を取り戻すため、総力を上げて王妃をプロデュースして人気者に祭り上げ
姫グループに帰還させようと作戦を練る範子たち。
「ギロチン」・「マカロン」・「王政復古」など、
マリー・アントワネットの面影が浮かんでは消えるような章タイトルも楽しく
身も蓋もないいじめを受けても、知恵を絞り、行動に移して
したたかに乗り越えていく少女たちが眩しい、ちいさな革命の物語です。-
フォロー&コメントありがとうございます!
柚木さんの本は最近知ったばかりですが、どれも面白い話ばかりで、好きな作家さんの1人になりました。
...フォロー&コメントありがとうございます!
柚木さんの本は最近知ったばかりですが、どれも面白い話ばかりで、好きな作家さんの1人になりました。
文章を書くのが苦手で、レビューも短文になりがちですが、こちらこそ、よろしくお願いいします!
私も近くに読書友達がいないので、うれしいですw2013/06/01
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女子校の中学生クラスで巻き起こるカースト騒動。
トップの女子が転落したことから‥?
やや戯画化されていますが、いきいきと描かれていて、好感が持てます。
どことなく可愛くて、一生懸命な女の子達です。
聖鏡女学園中等部2年B組28人は、姫グループ、ゴス軍団、チームマリアといった5グループに分かれている。前原範子は一番地味なグループに属していた。
広報担当のチヨジ、落ち着いているスーさんに、上がり症の範子と、目をつけられやすいリンダさんは守られている格好。
範子がひそかに「王妃」と呼んでいた滝沢美姫が、とあることからつるし上げにあって失墜。
マリー・アントワネットの首飾り事件ならぬ腕時計事件、と歴史オタクの範子は思う。
姫グループの2番手の恵理菜から、滝沢をグループから出すのでそちらに入れてくれと打診され、一度は断るが、孤立する様子を見かねて入れることに。
まぢかに見る滝沢はとても綺麗な女の子だった。だが空気が読めない滝沢にお手上げとなり、姫グループに戻すのが一番!と計画を練ることにする。
王妃の人気を回復する作戦に出た範子らだが、つぎつぎに意外な事態が‥?
範子の母は独身で雑誌の編集長。
チヨジの父とくっつけようと娘達はロッテ作戦(「二人のロッテ」の)を展開していたのに、クラス担任のホッシーと母は恋仲になっていた?!
女子校には貴重な若い男でけっこうハンサムな先生は大人気だったので、範子は誰にもそのことを話せない。
王妃のことに熱を入れた範子は、親友チヨジとの関係が危うくなってしまうが‥
それぞれの弱点もあらわになるけど、よく知らなかった子が意外にいいやつだったり。
大人しくて真面目な範子も矢面に立つ苦しみを初めて知るが、そこから‥?
王妃が立ち直り、少しずつ皆が成長して、後味がいいのがよかった!
派手に区分けされたグループは、現実にはちょっと違うだろうなと思いつつも、いろいろな感情が飛び交う様にはわかるところも。
私が中学生だった頃には、仲良しでグループは分かれていても、はっきりしたカーストはなかったし、小学生の頃はワガママだった子ももう直っていたけど~持ち上がりで家庭環境も露骨にわかったりすると案外いるのかも?
大人になっても、華やかな人は目立つし、気の合わない人もいることはいるし、似たようなことはないでもない‥
学校で上下があったらやりにくいだろうな~徒競走で順位をつけないような教育をしていたのは無駄だったんじゃないの?などと、思わせられました。 -
王妃の帰還この題名を見て、これは世界史の本かと思ってしまうほどびっくりした。いやしかし青春小説でした。思春期の少女たちを扱った小説はなかなか読む機会がないのである意味新鮮でした。小学生と違い中学生になると成長したなあとつくづく思います。母親と先生が、もしかしたら結婚するくだりは、何かどきどきしてしまうほどでした。ホッシー先生が「生徒になめられっぱなしで、正直あの年頃の女の子たちが怖くて仕方がないんだ。気分はころころ変わるし、無邪気な顔で悪魔みたいなこと平気でする。」
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クラスの中でも一番地味なグループに属する
4人の女の子を中心として、女の子の内側を
時にヒリヒリさせながら見事に見せてくれる、
女の子のヒエラルキーの戦い。
クラス最上位「姫グループ」の
ロベスピエールばりの恐怖政治はとてもリアル。
善良で目立つことなく過ごしてきた自分にも
悪の芽があることを知る主人公のりちゃん。
思春期の女の子が通る心の葛藤と多感の道を
マリー・アントワネットやフランス革命の
歴史になぞらえつつ展開していく。
上も下も立場が変われば視点も変わり、
どちらにもどちらの意見も欠点も美点もある。
狭い社会での絶対的な閉塞感。
かわいさも残酷性も恐怖も強気もその身に潜め、
どこで誰と戦い、何を掴み、誰と歩いていくのか。
女として生きる道はその先も長く険しいけれど、
がんばれ!女の子!
成長していく姿がとても清清しかった。 -
大学でフランス文学を学ばれた柚木先生が描く、クラスのマリーアントワネットとスクールカーストの話。中学生だった自分や今もオンナが多い会社で働く自分が感じるモヤモヤを言語化して、そのうえで元気をくれる一冊でした。
グループの明確化とか受け入れとか、社会人になったってこんなに大人な考え方できないよ〜と思う登場人物が多いけど、だからこそ学校が舞台にも関わらずどんな年齢でも楽しめる作品なのではないかと思います。
マリーアントワネットの史実に基づいた小説とかも読みたくなる。 -
女子中学校の内情というものを私はほとんど知らない。
こんな幼いときから、異性のいない学校生活を送ると、ものの見方や人との付き合い方、或いは恋愛感情が歪なものになるのでは、と心配になる。
中学が男だけだったら毎日つまらんだろうなあ、と高校が男子校の私などはしみじみ思ってしまう。
まあ、そんな女子中学生による学園で、王妃を頂点としたヒエラルキーのお話である。
ある事件がもとで、王妃の座からすべり落ちた女子が別のグループに入ったことで、そのグループ自体が崩壊していく。
女の子のグループ意識というものはこの年齢でも凄まじい。
私なんか、誰のグループかなんて一度も考えたことなかった。
とにかく女子の自意識は煩わしいほど過剰だ。
でも、それはこの世代の女子にとっても大問題なのだろう。
この年代の女の子ってこんなことばかり考えているのかと勉強になるような、面白く練られたストーリーである。
現実の作者の柚木さんはアラサーの年齢らしいが、こんなのばかり(鋭い着眼点で)書いており、今はどういう大人の女性になっているのか、一度お会いしてみたいものである。 -
みんなすごくいい子たちだなぁと思いながら読んだ。
当事者たちはすごく悩んでいるけど、大人になってから振り返ったらどれもこれもよい思い出に思える。
現実はきっと立ち直れないくらい傷つく人とか、やり直せない失敗とか、いっぱいあってこんなに上手くはいかないけど、この本の登場人物はみんな優しくて、みんなちゃんと成長してる。
そしてバトンは渡されたにも通じる、柚木さんの優しい文章だと思った。