本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (348ページ) / ISBN・EAN: 9784408536279
みんなの感想まとめ
主人公の総理の夫、相馬日和の日記を通じて描かれる物語は、政治と愛情が交錯するユニークな視点を提供しています。女性総理の凜子を支える彼の日常は、彼自身の穏やかさや優しさが際立ち、時には彼女に振り回されな...
感想・レビュー・書評
-
『凛子のようにしなやかでピュアな女性政治家が、世界を変えることができるのかもしれません。女性たちの活躍によって、世界の色彩は変わるのです。 (解説・安倍昭恵さん より抜粋)』
内閣総理大臣、それは1885年の初代・伊藤博文から連綿と続く我が国の行政府の長の座。それは、『政治の世界に身を置く者であれば、ちょっとくらいは妄想する、大いなる夢』と政治家を志した者が目指す究極のゴールでもあります。しかし、一つしかない椅子を巡って繰り広げられる政権闘争はいつの世もきな臭いものです。出し抜き、出し抜かれの繰り返し。今この瞬間にも闇に蠢く多くの人たち。そんなこの国で、内閣総理大臣に就任した女性がいました。我が国初の女性総理大臣。赤い絨毯を一歩一歩下りてくる新しい内閣の面々。その先頭を率いるのは相馬凛子。彼女は『まっすぐに顔を上げ、前を向いていた。その目は、幾多のカメラを見据えて、決して逸らされることはなかった』という晴れ舞台のワンシーン。しかし、『凛子が見据えていたのは、カメラではなく、カメラの向こうの国民のまなざし。そして、日本の未来』というこれから始まる物語を予感させるシーン。『だから、あんなにも輝いていたのだ。美しく、気高く、鋭く。そして、どこまでもまっすぐに』という第一一一代内閣総理大臣・相馬凛子。この作品はそんな凛子が、”今度こそ”この国を変えていく姿を、誰よりも間近で支え、見守る彼女の夫、そう『総理の夫』が主人公となる物語です。
『二〇××年 九月二十日 晴天』から始まる日記を書くのは相馬日和(そうまひより)。『この日を決して忘れまい』と思い『日記をしたためることを思い立』ちます。『私の妻、相馬凛子という「神秘」を、書き残しておきたい、と強く感じた』という日和。『本来、日記というものは私的なもので、公開を前提に書くものではない』ということをわかった上で『これを、後年、一般公開される前提で書き進めよう』と考えます。公開される日が『いつのことかはわからない。私や凜子の死後のこと、遠い未来のことかもしれない』、『その頃、この国は、どうなっているのだろう。世界は、どうなっているのだろう』と思う日和は、この日記が『歴史の証人になる』と考えます。そんな日記は『未来の超一級歴史的資料になる』とも言い切る日和。そして『今日こそは、運命の日。神のゲームが始まる日』であるという日和。『吉と出るか、凶と出るか。いや、そりゃもう、大吉に決まってる、と私は信じている』という日和。『私の妻は、今日、総理になる。第一一一代日本国内閣総理大臣、相馬凛子』、そして『日本初の女性総理大臣が、誕生する日なのだ』と日記を書き始めた日和。ふと気づきます。『よく考えたら、私は今日から総理の夫なのだ。妻の体調管理に気を遣い、思う存分闘えるように出陣の支度をするのは、夫たる自分の役目じゃないか』と思い至った日和は朝食の準備をします。『日本初の「女性総理」誕生ってことは、日本初の「総理の夫」誕生、ってことだよね?で、そもそも総理大臣の伴侶って、どんなことすりゃあいいんだ?』とも考える日和。そんな時、凛子が『おはよ』と現れました。並べてあった新聞の『史上初 最年少の女性総理誕生へ』という見出しに『ったく誰もかれも、女性女性って』とむすっとする凛子。そんな凛子の前にシーザーサラダを給仕する日和は『今日から僕は「総理の夫」だからね』と語りかけます。『君には、今後できる限り健康な朝食を食べていただく。それが僕の家庭内政策だ』と言う日和に『そりゃ、ありがたいわ。いただきます』と返す凛子。『僕は、女性が総理になったとは思わないよ』と続ける日和。『君は総理になった。これは必然だ。しかし、君は男性ではなかった。これは偶然だ。そうだろう?』と言い切る日和に『凜子は、ほんの一瞬、不思議そうな顔になった。けれどその顔は、たちまち笑顔になった』という妻の笑顔を喜ぶ日和。『気負うまい。とにかく凛子と、一緒に、朝食を食べよう』と決意する日和。それが、『本邦初の「総理の夫」としての、私の所信表明だった』という日和が書き始めた日記に記された、我が国初の女性総理大臣誕生の舞台裏を通して『今度こそ、今度こそ。この国は生まれ変わる』という未来を読者が目撃する、そんな物語が始まりました。
総理大臣自身ではなく、その夫が書く日記が物語を引っ張っていくというこの作品。日記で綴られる物語というと、私が読んだ作品では角田光代さんの「予定日はジミー・ペイジ」というマタニティ小説を思い出します。一方で、私の場合、日記というと小学校時代に宿題として課された記憶しかなく、自発的に書いたことはありません。そんな日記をいざ書こうと思い立つには、誰でもきっかけというものは必要なんだと思います。この作品の主人公の相馬日和にとって、それは妻が我が国初の女性総理大臣になるということ、そしてそれは日和本人から見れば、自身が我が国初の総理の夫になるということでもありました。歴史上の有名人物の日記や手紙が後世になって研究対象になるというのはごく普通のことです。我が国初の女性総理誕生の舞台裏を記した日記は未来の研究者にとってはまさしく第一級の研究資料となり得ます。それを意識する日和。そんな日和が書く日記は『とまあ、この日記をここまで読み進めていたあなたが、「肝心の選挙のところを全然書いてないじゃないか!」と怒り出さないように、もちろん、少し時計を巻き戻して、凛子が選挙戦をどう闘ったかを、書き留めておこうと思う』というように読者を完全に意識したものとなっているのが特徴です。読む人のことを意識した文体、それはこれを小説として読む我々読者にも親近感を抱かせるとても面白い仕掛けだと思います。そんな日記が全体でどのくらいになるか数えてみました。(私、こういう体裁の作品では必ず数えてしまいます。はい。マメなんです)
9月 3編、10月 1編、11月 3編、12月① 4編
回想: 4月 1編、5月 2編
12月② 2編、1月 3編、7月 1編、8月 1編、9月 1編、12月 1編、3月 2編
数年後: X月 1編
という計26編という数になります。単行本350ページ(文庫460ページ)という分量ですから、一日あたり13ページ(17ページ)という圧倒的な文章量になるこの作品。日付の記載が出てくるので、あっ、日記だったと思い出しはしますが、特に日記形式だからどうということは全くなく、会話も大量に出てくることもあって、複数の章に分かれた、日和視点のごく普通の小説と捉えた方が自然に感じるように思いました。いずれにしても、日記形式は苦手、といった心配は全く不要の自然なストーリー展開を楽しむことができます。
『万人に支持される総理大臣とは、いかなる人物か』、おそらく伊藤博文から始まる総理の系譜に名を残す全員がそんなことを思い、試行錯誤をしながら政権運営を行なってきたのだと思います。そんな総理の座に女性が就くという、興味深い設定は、それだけで色んな物語が書けそうに思いますが、この作品の考え方が面白いのは、そんな総理を夫として見る立場の人物が主人公であるという点です。この作品の解説を書かれた安倍昭恵さんなど、総理の配偶者である方も良きに悪しきに注目を浴びがちです。この作品の主人公である日和は『日和さんも、総理とともに公式の場に現れるときは「公人」となるわけです』という説明を受けて最初は驚きを隠せませんでした。外交についても『決して「外遊」じゃありません。れっきとした「外交」です』と言われ、『首脳の配偶者は、もっともすぐれた外交官でなければなりません』とまで説明を受け戸惑う日和。そんな我々が普段意識することのない側面に光が当たるこの作品は、単なる政治小説ではなく、『総理の夫』という不思議な立ち位置の人物を主人公としたことで、政治小説を超えたとても面白い物語に仕上がっているように思いました。
また、そんな『総理の夫』は鳥類の研究者でもあります。原田さんは、その設定を上手く活かし、鳥類の生態と人間の営みを並列させて描いていきます。例えば、日和が凛子を意中の人と認識した瞬間を、まず鳥類を例に説明します。『鳥類のメスは、オスに交尾に誘われたとき、自分の子孫を残す相手はこのオスがいい、と瞬時にして選ぶ。まったく、本能的に』と読者に鳥類の生態をまず説明します。その上で、『私はオスであってメスではないが、あの瞬間ばかりは、メス的な本能で「この人だ」と決めたのだと思う』と、鳥類と自身の感覚を同じ俎上にあげます。そして『あの瞬間、体を貫通した電流のような感覚は、本能という名の神から私への落雷に他ならなかった』とまとめます。なんだか妙に説得力が増すシーンです。そして、このように様々な場面で鳥類の生態を登場させることで、どうしてもキナ臭くなりがちな政治小説を、なんだかバードウォッチングをしているかのような、そんな爽やかな印象に感じさせることができていたようにも感じました。
所信表明演説を「本日は、お日柄もよく」の『伝説のスピーチライター・久遠久美』が執筆するという、読者へのちょっとしたサービスもあるこの作品。そして『いまこそ、日本を新しく生まれ変わらせましょう』と国民に語りかける我が国初の女性総理大臣・相馬凛子が大活躍するこの作品。そんな活躍の舞台裏を日記という形で残した『総理の夫』相馬日和。身近なようで遠くも感じる政治世界を舞台にするこの作品には、この国のことを思い、この国の未来を考える人々の熱い思いが息づいていました。
『あなたにとって、いま、いちばん必要なことは何ですか。そして、これから必要なことは何ですか?』、そんな基本に立ち返った政治を現実のものとして見てみたい、この物語で生まれ変わったこの国の未来を見てみたい、そんなことを感じた作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公の総理の夫(相馬日和)が描いた日記を読む感じで話がすすむ。
原田さん作品の【本日は、お日柄もよく】 も読んだことあるので、本作でも伝説のスピーチライター久遠久美が出て来て嬉しかった。
原田さんの作品は、登場人物のキャラが細部まで分かり易くどんどん引き込まれた。政治の話も分かり易くて良かった。
最後の最後が凄く良かった。
日和さんも好きですが、日和さんのお母さまが一番好きになりました。
原田作品は間違いないです。 -
感動的な結婚式のスピーチから始まった『本日は、お日柄もよく』が
途中からおやおや?と思うくらい政治の世界へと針路を変えた時、思ってはいたのです。
原田マハさん、今の政治に物申したいことが、まだまだ山のようにあるんだなぁ。
伝説のスピーチライター、久遠久美さんのスピーチももっと味わいたいし
これは続編を期待してもいいかも♪ なんて。
そんな小賢しいファンの予想をかるがると飛び越えて、まさかの『総理の夫』。
えええ?! 総理の妻じゃなくて、夫?
そうきましたか!と呆気にとられた後には、「さすがマハさん」と、じわじわうれしくなって。
「もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?」といきなり訊かれて
「いいや、何も不都合はないよ」と即答してしまう日和さん。
野鳥をこよなく愛し、静かに観察日記をしたためるのが生き甲斐という人なのに
これから外遊やお偉方とのパーティに否応なく連れ出されるとは露ほども思わず。。。
初の女性総理となる妻、凜子のためにまず何ができるか、と考え
とりあえずロメインレタスをちぎり、パルメザンチーズを削って
いそいそとシーザーサラダを作るというほのぼのぶり。
忙しいとはいえ、愛情たっぷりのその一皿に手もつけずに出掛ける凜子に
「それはないでしょ!ひと口でも食べてあげてよー!」と抗議したくなります。
大企業創業者の次男坊らしく、育ちのよさがにじみ出ていている日和さん。
穏やかで優しくて、妻にぞっこんで、政治絡みの罠にかけられても
相手を糾弾したり恨んだりしない彼があまりに素敵なので
夫をあたりまえのように振り回しておいて、ちょっと癇に障ると
「何もわかってない!」とキレる凜子を、前半はなかなか好きになれなくて。
でも、愛情というエッセンスをたっぷり含んだインクで綴られた
日和さんの「総理の夫日記」を読み進めるうち、
日和さんがこんなに愛してる人なら、まあいいかな。。。なんて思えてくるのが不思議。
そう、これはまさに、日和さんが吟味に吟味を重ねて選んだ
赤革の日記帳を模した装幀が物語る通り、政治テイストの愛妻日記。
こんな政策ありえない!とか、おとぎ話だ!とか肩肘張らず
溢れんばかりの日和さんの愛に免じて、おおらかに楽しみたい一冊です。 -
4.6
面白かった。
想像してた以上に良かったです。良い意味で裏切られました。
びっくりしたのは、
原田マハの私の大好きな、本日はお日柄もよくに登場した久遠久美さんが同じ伝説のスピーチライターとして登場してきたことでした。
それもあってか、とても心温まるスピーチを読むことが出来ました。
頼りない総理の夫でしたが、何をもって頼りがいがあり、頼り甲斐がないのか、を考えさせられました。
引っ張っていくだけ、決断していくことだけが頼りになるとは限らない、決断力のある人にとっては支えてくれる人こそが頼りになる人という事もあるんだなぁ、あるんだろうなぁと思わせられました。
最後はびっくりな展開でしたが、綺麗にまとまって終わってます。
読後感も良かったですが、続きを読みたい気もしましたね。 -
さわやかで気持ちの良い読後感。
読み終えて、ひとりスタンディングオベーションです!!
凛子さんはもちろん最高に素敵ですが、夫の日和クン、なんとも愛おしいです。
この作品が書かれたのが2013年。
中に面白い記述がありました。
《政府専用機はMLJ(Michibishi Long-range Jet)。
日本初の女性総理が国産の政府専用機で乗り込んだのだ。
戦後長らく国産機を作る権利を剥奪されてきた敗戦国の日本にとって
外圧を目に見える形で押し返す快挙だ》
2009年の作品『翼をください』に、国産機についての伏線がありました。
作者の強い想いが伝わってきます。
ところで、ニュージーランドでは、 2017年10月に
アンダーソン氏が37歳という若さで女性首相に就任しました。
そして翌年6月には、事実婚で出産して産休を取得しています。
コロナ対応でも、国民への語りかけや、素早いロックダウンなど
世界が注目するような手腕を発揮しました。
日本でも将来・・・と期待したい!! -
女性初の総理大臣そ〜りんと、初のFirst gentlemenになった日和さんの目線から語られる愛と苦悩のお話。
政治は良く分かりませんが、政治家って大変なのですね。
「凛子ジェンヌ」「ひよラー」と呼ばれる追っかけがいる程、人気と支持率の高い総理大臣。
日本の将来を変えるため奮闘するそ〜りんに黒い策略が...
久遠さんもチョイ出てて何か嬉しかったです。
なんだかんだ言いながらも日和さんのお母様の行動にジーンとしました。
面白かったです。
-
最初の数ページで確信する。
この「夫」なる人物は信頼に足ると。
理想の夫ではないのだろうかと。
そしてこの夫の目を通して描かれる、妻である凛子のキャラクターもまた最高だ。
背筋をピンと伸ばした、正義感の強い真っすぐな人物。
本気で日本を変えていこうという気概に溢れた、ジャンヌ・ダルクのごとき闘う女性政治家、相馬凛子。
内閣発足から初めて崖っぷちに立たされた妻である凛子の手を決して離すことのない夫。
全ての人が離れてしまったとしても、彼女を支える最後の人間になりたいと、本気で思ってくれている夫。
一緒に荒波にもまれ、飲み込まれそうになりながらも、決して船から降りようとはしない人。運命を共にしてくれるただ一人の人。
無言のうちにも一票を投じたくなる総理。
再起動、再出発。この人ならばこの国を任せられるのではないかという期待。
誰よりも強く、たくましく。
がむしゃらにまっすぐと突き進むジャンヌ・ダルク。
そんな2人の闘いともいうべき記録を、この一冊は物語る。
国民へ向けられた心を揺さぶるスピーチ。
何事からも目をそらさない真っすぐなまなざし。
相馬凛子という一人の女性の懸命さは、物語の有権者たちだけでなく、読者である私たちの心をも熱くする。
-
自民党総裁選を前にしてこの本を読むと、考えるところがありますね。
総理大臣とはこれほど国のため、国民のために時間を使い生きているのかと。
政治には詳しくないが、それでも日本のお先が真っ暗であることは若者は皆分かっている。
日本沈没はリアルであるからこそ、未来に希望が持てず、国外へと出て行く人が後を経たない。
物語だからこんなにうまくいくのは百も承知だが、これほど軽やかに、しがらみにとらわれず政治を変えていける総理が現れないものだろうか。
総理を支える日和さんの溺愛っぷりが愛くるしいですね。
どんな時も凛子さんを、「いいね、やってみれば?」と背中を押せるところが良いです。
お母様のちょっとお茶目で、粋な行動もじーんときました。
伝説のスピーチライターも随所で良い仕事してます。
総じてそーりん、最高。
Who will change our country’s future?
We are waiting for someone who is with us and makes big decisions for the nation like her. -
わが国では初となる女性の総理大臣が誕生した。
しかもその人物たるや
才色兼備でありながら、真の政治家魂をも持ち合わせているという、非の打ち所無きスーパーヒロイン♪
私は政治に関しては全く疎いので
これは的外れな表現なのかも知れないが、
これまで日本のTOPに立ち、
リーダーシップをとっていたおじ様方が守っていたのが
『国』だとすれば、
凛子さん(物語のヒロイン)が守っていたのは『国民』
テレビでの国会討論や、選挙での候補者達の演説云々には全く耳を傾けた事が無かった私にも、
凛子さんの演説だけは一国民である私の心にもしっかり響いてきた。
(伝説のスピーチライター、久美さんのお力添えも嬉しい♪)
物語は彼女を支える夫の目線からの日記形式で語られているのだが、
この彼が、彼女にとっての陽だまりの様な存在であり、
堅苦しい政治界の重い扉を開け放ち、
誰もが行き来しやすいフィールドにしてくれた。
お陰で
物語の居心地は大変良く、政治界の隅々までゆっくり歩き回ることが出来たのはいい勉強になった。
こんな大統領だったら
ホントに日本は変わるかもなぁ、
と、いう大きな夢を抱かせてくれた作品。 -
-
面白くて、一気読み。
お坊ちゃま育ちの、主人公の人の好さに、ハラハラしたり。
妻を愛する姿が、ほほえましかったり。
思わず応援してしまう。
そして困難な状況でも、信念を貫く、妻。
こんな総理大臣が本当にいたら、と思ってしまう。
痛快で、ほっこりした気持ちになる一冊。
http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-12c7.html -
映画化すると聞いて手にとった。
田中圭、中谷美紀。ぴったりだなあ。
「伝説の」スピーチライター・久遠久美がちょくちょく登場して、にやりとした。
後半、ある戦いが幕を開けて、すでに深夜だったけれど展開が気になって夜更かしした。
「けれど、たとえ世界中が敵になったとしても、君の側につく。君を守る。君に、ついていく。」(231ページより)と断言できる夫、素敵だなあ。
お互いを思いやりあってて信頼しあってて、素敵な夫婦だった。
…ただ。
「本日は、お日柄もよく」も政治が絡む物語だったが、全く気にはならなかった。
しかし、今回の「総理の夫」”も”、冒頭、野党が結託して与党になるという展開だったので
フィクションとはいえど、さすがにちょっと個人の政治思想を前面に押し出している感じが拭いきれなくて、ちょっとそこまではのめり込めなかった。最後までずっとちらついてしまった。
(執筆当時の政治情勢の影響もあるかもしれないが)
くしくも、2021年9月現在、このリアルの世界でも女性総理がもしかしたら誕生するかもしれないという状況になっている。
物語の世界の凛子が初の女性総理に就任するのは、20XX年9月下旬だ。
全くの偶然なのだが、映画が公開されるというタイミングで実際の政治もそうなるかもしれないことについて、原田さんはどうお考えなのだろうか…と考えてしまった。 -
第111代日本国総理大臣、相馬凜子。史上初の女性総理となった凜子の夫であり、鳥類研究家である日和(ひより)の日記形式で展開する作品。
凜子の経歴が華々しすぎた。しかも、日和の日記形式で話が進んでいくため、凜子の主観が全く入っていなくて、凜子に感情移入できなかった。凜子さんは、東大にハーバード大に、東大大学院を卒業した国際政治学研究者かあ。
対する日和のほうも、東大理学部卒、同大学院博士課程修了・・・おまけに相馬大財閥の御曹司。うーん。
まあ、日和がこんなスーパー金持ちのスーパー秀才であっても、ほとんど欲がなくて、自分の研究と自分の妻を愛するところには、うっとりしました。
それにしても、誠実で正義感にあふれ、率直に実直に、自ら掲げたマニフェストを実行していこうとする凜子は、やはりかっこよかった。
人間関係の根回しとか、妊娠と仕事の両立とか、大変でややこしいことをたくさん抱えることになる凜子だけど、日和くんがそばにいてくれるから、きっときっと大丈夫。
日和くんが「これからも、僕は凜子についていく」と何度も日記で決意表明しているところが好き。
あと、凜子のスピーチライターとして、久遠久美さんが出てきたのも嬉しかった。 -
史上初の女性総理の物語、ということでどんなに政治色が強い本かと思いきやそれほどでもなく、素敵な夫婦の物語でした。
「現代のジャンヌ・ダルク」凛子は本当に現実離れした格好よさがあって、それを「めでたい人」の日和の視点で描くという設定が絶妙で、登場人物も魅力的でした。後半は本当にノンストップで読みました。
特に演説については本当にこんな人がリーダーならいいのに‼︎とめちゃめちゃ胸に響きました。
結幕はなんとなく読めてしまってしまってうーん…となったけど…
原田マハ作品初めてだったので、また違う作品も読んでみたい! -
長い間、政権をほしいままにしてきた民権党が野党に転落し、民心党を中心とする4党の連立政権が樹立
相馬凛子が最年少、史上初の女性総理大臣に選出される
相馬内閣は、異例の速さで、行政改革に乗り出し、ばっさばっさと大鉈を振るっていく
現実には、そんなにうまくいかないよ!と思いつつも、まあ、そこは、お話の中だから・・・と自分を納得させつつ
ドラマ化するとしたら、凛子役は、絶対に米倉涼子だなと、いつのまにか自分でキャスティングしていた
伝説のスピーチライター久遠久美 (「本日はお日柄もよく」 )
が久々に登場!
所信表明演説や通常国会の演説では、
「国民の皆さん、私たちは、今日、生まれ変わりました」
「国民の皆さん、新しい年をどこで、どんなふうに迎えたのでしょうか」
と、国民に語りかける久遠節は、相変わらず胸を打つ
現実の政治家の顔が重なったり、何年か前の政権交代劇が浮かんできたりした -
凛子の総理大臣としての断固たる行動、誠実な振る舞い、国民に対する想い、そしてそれを支える日和の素直で純朴な凛子に対する愛。
どこをとっても本当に感動させられた。夫婦愛だけでなく、本著出てくる人物ひとりひとりが国を思う凛子に引っ張られ変わっていく様。こんな日本なら、総理なら、どんなに痛みがあっても共に分け合い成長していくことができるのにと心から思った。
映画化される予定だけど、ぜひこれからの日本に必要な作品だと思うので、多くの日本人に見てもらい、感動し、日本人ひとりひとりがこれからの日本を思い、考えていけるようになってほしい。そしてともに寄り添い支え合う夫婦の在り方に、日本全国が共感することを切に願わずにはいられない。
原田マハさん、感動をありがとうございました。 -
史上初の女性総理大臣とその夫の物語という設定はいいよね
生き馬の目を抜く政治の世界に日和のほんわかした感じと2人の信頼関係と周りの人たちの助けによって暖かさを加えてる
ただもっと本当にこんな総理大臣がいたら!って思わせる何かがあとひとつふたつあったらもっと良かったかな
-
政治家大変過ぎ。
総理大臣がワークライフバランス取れなければ、国民だって同じだ。日和君が総理の夫として支えるというスタイルが違和感なく自然に感じる時は、もうそこまで来ている?いろんな選択肢があるって事がいいと思う。 -
原田マハさんにしては変わったテーマですが、楽しめました。政策の是非はともかく、政治が絡む物語としては軽めで、特に中盤以降はスピード感もあり、さくっと読めました。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
原田マハの作品
本棚登録 :
感想 :
