花や咲く咲く

  • 実業之日本社 (2013年8月8日発売)
3.40
  • (15)
  • (30)
  • (49)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 313
感想 : 47
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784408536293

みんなの感想まとめ

厳しい時代背景の中で、青春を謳歌する女学生たちの姿を描いた物語は、読者に深い感動を与えます。戦時中の日本、特に昭和18年の夏を舞台に、14、15歳の少女たちが直面する困難を通じて、彼女たちの友情や日常...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 女学生でファッションが大好きな親友の4人組が昭和18年初夏から、終戦直後までどのように生活していたかが描かれた物語だった。

    4人ともファッションのことが大好きだったが、そのうち2人はファッションデザインや裁縫などの才能があった。
    しかし、当時のご時世的に、そのようなことをするのは絶対許されない。それでも気分転換やストレス発散のため、そして、戦争が終わって平和な世の中になったら、自分達が作った服を着るという将来の約束とともにバレないようにこっそりと4人で集まってお互いのスタイルや髪型などを考慮したブラウスを作った。

    やっとできてホッとしたのも つかの間、学校にいる生徒全員が勤労動員することになった。

    なかなか4人が揃って会えない時期が続く中、進学を目指している生徒が、試験を受けに関西に向かって移動している最中に原爆が落とされたことを知る4人組のうちの2人。あとの2人がその試験を受けるために関西に移動しているため、被害にあったかどうかヒヤヒヤしながらも、きっと無事だと強く願いながら、終戦直後も試験を受けに行った2人組の帰りを待つ、あとの2人。

    結局、試験を受けに行った2人は無事だったかどうか、そして4人組が今後どのような人生を歩んだのかが書かれておらず、とても気になった。
    また、戦時中は現代以上に理不尽なことがたくさん起きていたんだなと思った。

    本文から、知らなかったことなど
    1 昭和17年初めまでは派手でなければ、ブラウスやワンピース、セーラー服は着用してよかった。

    2 燃料の節約のため、路線廃止したため乗り合いバスがない、その節約した燃料は全て戦車などに回した。

    3 米や調味料、野菜、肉、卵も配給制になって日に日に手に入れにくくなっているため、旅館の廃業、休業、転業はよくあった。

    4 昭和18年初めには日本の誇りを守るため、アメリカ製品以外の国の商品(写真集、本、ポスターなども)を広場に積み上げて火を放った。それが例えドイツやイタリアなどの同盟国の商品であっても関係ない。

    5 日本の陸軍記念日に大日本婦人会連合会の全員が、戦勝祈願のために黒髪を奉納した。

    6 役場の壁にかかった垂れ幕に、「貯蓄なくして勝利なし」と書いてあった。

    7 出征した旦那のことを思って泣いたり、配給の品の少なさについて愚痴ったりしただけで憲兵隊に密告される。
    実際に、新婚2ヶ月の旦那が出征する前日の壮行会の時、「死んで欲しくない」と泣いたら密告されて3日後に釈放されたが、旦那の家に泥を塗ったということで無理やり離婚させられた。

    8 学校の軍事教練の時間で、まともな食事もしていないのに3時間も歩かされ倒れて気を失ってしまったら、翌日、全校生徒の前で校長から叱責された。しかし、校長が体調不良で倒れたら称された。

    9 勤労動員で被服工場に行くことになり、工場長から 人間のかえは いくらでもあるが、ミシンは貴重なため、ミシンを先に防空壕に収納してから人間が避難するよう言われた。

    10 軍手の支給などとっくになくなっていたため、空襲で焼け焦げた柱やトタン板を素手で運んだ。

  • 戦時中の女学生が主人公。
    どんな時代でも仲良しはキャピキャピしているのかもしれないなぁ。
    厳しい時代でも自分たちの楽しみを見つけ出しているところが素敵。

  • こういう時代があったことを忘れてはいけない。
    お腹いっぱいごはんを食べられて、好きな洋服を着ることのできる今。当たり前じゃないんだなって強く思いました。

  • 昭和18年、4人の女学生の物語。生活が逼迫する中、思いがけず手に入った布地で4人はブラウスを縫いはじめる。おしゃれが好きで、笑いあう――そんな仲良し4人組にも、やがて戦争の暗い影が忍び寄り…。

  • 2020.10.08

  • H29/6/18

  • 自由におしゃべりすることさえ許されなかった時代で隠れてブラウスを縫う四人の少女たち。ブラウスが縫い上がったら、いつか私たちだけの秘密のファッションショーをしようと語る四人が眩しくて、せつなくなった。最後の不如帰のきっちょん、きっちょんと鳴く声が悲しい。二人が待っているから「二人とも、早う、帰っておいで」。

  • なんかじわじわ来た。                 本当に「戦争なんて」という気持ちになる。 当たり前だった日常が少しずつ崩れ落ちていき、自分の気持ちの在り方さえわからなくなる様子が切なくなる。          決して非国民なんかではなく、当たり前の感情だと思った。

  • B29が本土爆撃を開始した昭和18年夏、その緊迫した情勢のなかで闇物資の布でブラウスを仕立て戦後のファッションシーンを夢見てはしゃぐ少女たちには違和感を抱くところなのだが…
    しかし思い起こしてみれば我が国では直接戦闘は行われておらず主要都市は焦土と化したものの男達が出征して行くことでしか戦争を実感できない地域が殆んどであったのは間違いない事実。
    つまりこの長閑に見える少女たちもひめゆり部隊の悲劇の少女たちも実は同じ時代に生きた少女たちなのである。
    中三の教科書に載ったそうだがこの新しい戦争の描き方に挑んだあさのさんの想いをきっと感じ取ってくれる若い感性があることを信じたい

  • 2016.7.22読了。今年からの三省堂の国語の教科書に一部が載っているから読んでみた。心理や時代が読みやすく語られている。でも、最後がなんか唐突に終わったような印象。戦後をたくさん書いてほしいというわけではないが。茨木のり子さんの詩「わたしが一番うつくしかったとき」を思い出した。

  • あさのあつこ2冊目。表紙の感じがよくて借りてみた本。終戦直後の少女たちの物語。何年昔だろうと、少女という人たちの瑞々しいきらめきが感じられるのはなぜだろうと思いながら読んだ。ワンピースをドキドキしながら作る描写に胸が締め付けられた。前回読んだ「あした吹く風」より面白かった。

  • 戦争中の普通の女の子4人の、日常。
    じわじわと訴えてくる。

  • 23/133

  • 読むんじゃなかった。戦争ものは救いがない。

  • あさのあつこだけに読みやすかった。
    戦争を実際に体験した世代が亡くなりつつあり、この頃は第二世代が書くようになったため、生々しさは薄らいできた。
    この本の主人公の子どもにあたるくらいの50代後半あたりの作家が、戦争体験の風化を恐れて、今の子どもも共感できる戦争ものを書こうと努力していることを素直に評価したい。朽木祥もそう。
    朽木祥より読み易い文章なので、より今の子どもに勧めやすい。
    実際に体験した人が読めば、甘いのかもしれないが、あさのあつこというネームバリューのある人が書くことに大きな意味があると思う。
    内容はおしゃれに興味のある女の子は、すごく共感できると思うが、女の子もいろいろだし、男の子はこれを読んでも女子のよろこびが今一つ分からないかもしれない。
    そういう意味では、朽木祥の方が性別を問わず、いいかもしれない。

  • 泣けた…がっつり泣けた

    戦時下の女学生のはなし
    ファッションに興味がある女の子たち

    学校や社会が押し付ける軍国主義に染まりながらも違和感や矛盾をかんじる
    でも国のためにという気持ちはきちんとある

    そういう感覚はたしかにあったんだろうな(無心に信じてたひともいただろうし)
    疑問をかんじながらもそういうご時世だからと耐えていたお母さんのような人もきっといっぱいいて

    でも今、お話になるとどうしても反戦とかそういうのが当たり前で
    戦争がいやだというのが当然って前提になるから
    「ほんとに当時こんなこと思えたのかな?」って思っちゃうけど
    まぁでもそうだったのかな

    食べ物や勉強したいという気持ちやおしゃれしたい気持ちや笑いたい気持ちを
    我慢しなければならない社会と
    いけないとわかっていながら欲してしまうところがリアルかな

    健気でかわいそうで泣ける

  • 戦争物はあまり食指が伸びなかったところを
    あさのあつこさんならと読んでみる。



    時代物なら読むのに戦争物を読まないのは
    戦争が実際あって
    (時代物も実のことではあるんだけど)
    その時代を現役で生きてきた人達が
    近くにいるからなんとなく避けてきたんだと思う。



    実際読んでみて小説だとわかっているけど
    いたたまれない。
    小説なんだけれど、うちのおばあちゃんも
    もしかしたらこんな思いで
    あの時代を生きていたのではないのか。



    三芙美、和美、詠子、則子の
    友情がまぶしく胸にしみる。
    ブラウス一枚に夢をのせて生きていた
    大和乙女たちを今の日本乙女たちはどう思うのか?



    現10代20代の人たちにも
    ぜひ読んでもらいたい。

  • 戦争中の仲良し四人組の物語です。食べることすら満足に出来ない時代に未来を語り、笑いあいおしゃれを楽しみたい気持ちを持った少女たちはキラキラしています。外に来ていけない自分たちの作ったブラウスを宝物にしている姿は胸が痛みます。当たり前の日常がこんなに幸せか考えさせられます。
    【加古川市立加古川図書館】

  • 昭和18年初夏。太平洋戦争が舞台。笑うことも、綺麗は服を着ることも憚られるという時代の中、それでも未来を夢見る女学校の仲良し4人組がいました。時代に翻弄されながらも懸命に生きる彼女たちの姿が、とても印象的な作品です。戦争が奪うものとは?深く考えされられます。

  • 戦中の女子学生4人の話。 最後は切ない

全41件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

あさの あつこ:1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI~VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『アーセナルにおいでよ』など多数。

「2025年 『あなただけの物語のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

あさのあつこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×