どぜう屋助七

著者 :
  • 実業之日本社
3.83
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本棚登録 : 44
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536354

作品紹介・あらすじ

こころに沁みる江戸の味――幕末の動乱の時代、浅草・駒形に今も続く「駒形どぜう」を舞台に市井の人々の笑いと涙を描く時代長編!

感想・レビュー・書評

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  • 江戸末期の浅草のどぜう汁の飯屋を舞台にした、店で働く人とお客たちの人情もの。

    ほろっときたり、笑ったり、浅草の往来の喧噪とそこに生きる人々の息づかいがとてもよく伝わってくる物語だ。
    タイムトリップして、店に駆け込みたいくらいだ。
    最近、時代物をいくつか読んでいるためか、この時代へのあこがれが強くなっている。

    外国からの開国の圧力が強まっている時代で、世の中がめまぐるしく動いていたときだかれど、江戸に生きる人々はそんなことはお構いなしに、したたかに生きている。その生命力が放つまぶしさに読者である私のこころも踊ってしまうのだ。
    さらに物語のもう一つの主役はなんといってもどぜう料理だ。熱々のどぜう鍋のにおいまで伝わってくる。
    こうなってくると、もう涎が止まらない。

    誰か一緒に駒形どぜうに付き合ってくれないかなあ!

  • ペリー来航から文明開化の時代、浅草駒形にある老舗どじょう料理屋「駒形どぜう」の主人・助七とその店に集う人々の生活が描かれている。

    人情溢れる、活き活きとした江戸っ子の生活ぶりが目に浮かぶよう。初代の味をしっかりと守る二代目に、フラフラとしながらもアイデアマンの才気で店を発展させていく三代目、そして地に足をつけた堅実的な経営方法で店を守っていく四代目。幕末という激動の時代でありながら、三代の店主がそれぞれ個性を出してその時代に合う店を作り上げていく。実在の老舗店をモデルにしてあるだけに、リアリティも絶大で、おそらくその時代の著名人も通ったであろう風景を想像し、終始ワクワクしながら読めた。

  • 実在する駒形の「どぜう屋」助七の話し。面白く読めたのだが、なんだか読み進むスピードが遅かったのは、現実を基にしたフィクション?だからで情報量が多かったからだろうか。時代が幕末になるにつれ、今までの人間関係がままならなくなっていくのには恐怖を覚える…。登場人物もみな魅力的だったが、人数の多さのせいか散漫に感じた。最後の元七の年齢にびっくり。店に行ってみたくなった。

  • 現在も浅草の老舗として存在する「駒形どぜう」の話。
    庶民相手にどじょう汁を出す一膳飯屋から、どじょう鍋、くじら料理などを取り入れて店が発展していく江戸末期〜明治の時代を描いた人情噺であり、ペリー来航から明治に至るまでの庶民の目から見た歴史を感じ取ることができる。
    保守的で味を守る二代目、自由奔放に飛び歩いて奇抜なアイデアを持ち込む三代目、堅実に資産を殖やしてゆく四代目のそれぞれが生き生きと描かれていて面白かった。
    あとがきによると現在の当主は六代目らしいが、一度どじょう鍋を食べに行ってみたくなった。

  • やや硬い雰囲気だが、粋で良かった

  • 江戸町人の日常風俗が描かれていて興味深い。
    店を再建した後、一からの出直しだからと酉の市で買う熊手を小さいものに変えたのは参考になった。そういった感じの話がたっぷり。

  • 古い時代の日本を舞台にした小説が好きである。
    所謂大河小説に代表される歴史小説も、市井人情モノなどと呼ばれる時代小説も好きである。

    どっちも好きだから、そのクロスオーバー的な作品に興味もある。例えば「剣客商売」に出てくる田沼意次とか。まぁ鬼の平蔵も遠山金四郎も実在の人物なので、その辺あいまいっちゃあいまいなんだけど。でも、このクロスオーバーって俺好みの作品が少ないジャンルなんよなぁ。八代将軍が白い馬に乗って暴れたり、印籠持った副将軍が風呂好きの美魔女と全国漫遊するって感じのクロスオーバーは正直興ざめだし(両方小説ではないが)。

    なのにこの作品である。
    時代小説と歴史小説が、クロスオーバーどころかがっぷりよっつに組み合った凄く面白い小説に仕上がっている。江戸駒方のどぜう屋、といういかにも人情あふれるちゃっきちゃきの江戸っ子どもが集まりそうな舞台で、主人公をはじめちゃっきちゃきの江戸っ子どもが、粋といなせと火事とケンカをネタにしてワーワー繰り広げられる物語が実に良い。で、その粋やいなせや火事やケンカに歴史上の人物だったり大災害だったり戦争を配置する妙技。「江戸末期~明治維新」を市井人情で語らせているのが実に上手くて小説世界にズボっと入りこんでしまう。

    当方、ベタベタの大阪人だし、どぜうを食った回数なんて片手で足りる。
    それでもこの小説読んだ後は、仕事帰りには銭湯に行ってすっきりした気分で、どっかの角打ちなんぞで煮しめ肴に燗酒の2つほどもさっくり呑んで、そばでもたぐって帰ろうか…みたいなプチ江戸っ子コスプレ気分になってしまうのである。

  • ペリー来航から幕末、明治維新にかけて、駒形どぜうの3代目の頃の江戸・浅草の人々の様子が生き生きと描かれている。
    安くて、美味くて、盛りがいい庶民の味を食べてみたくなった。
    14-95

  • 有り体に言えば笑いあり涙ありの江戸人情話だが、匂い立つような臨場感と、ある種の暴力とも言える疾走感を伴って物語が迫ってくる。

    私の2014年上半期ベスト!

  • 昔、東京出張時話のネタにお店に行ったものです。雰囲気はすごくあった。姿そのままのマルはあまりにグロテスクだったので開きを注文、関西人には味はそんなに美味くなかった。出汁は醤油辛いだけ、ネギも白ネギで風味なく…

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