探偵が腕貫を外すとき

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536415

作品紹介・あらすじ

安楽椅子探偵の新ヒーローは、正体不明な公務員!

感想・レビュー・書評

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  • +++
    安楽椅子探偵の新ヒーローは、正体不明な公務員!

    腕貫着用、神出鬼没な謎の公務員探偵が、市民の悩みや事件を鮮やかに解明!
    そしてついに女子大生ユリエと……!?
    お馴染み刑事コンビも登場、今日も櫃洗市は大騒ぎ!
    絶好調「腕貫探偵」シリーズ待望の新作短編集!

    【あらすじ】
    ■贖いの顔
    三年連続、四月四日の午後四時に鳩の死骸と人の死に直面した配送員。
    これは偶然なのか、必然なのか。そして今年もまた、四月四日がやってくる……。

    ■秘密
    四十年前に不倫相手の女性を殺してしまった。
    なぜ、彼女の夫はその罪を被ってくれたのか? 夫の葬儀の日、長年の謎が明かされる。

    ■どこまでも停められて
    妻子と別れ、一人マンションに暮らす男。彼が契約した住人専用駐車場に、
    決まって月曜の朝に不特定多数のドライバーに無断駐車されてしまう。その理由は?

    ■いきちがい
    女子大生・ユリエが企画した幼稚園の同窓会の最中に、参加者が殺害された。
    不可解な遺留品の謎、犯人は? そして動機は?
    +++

    腕貫探偵には短編の方が向いているように思う。今回も、絶妙な観察力と推理力で相談者をスッキリさせてくれる腕貫さんであった。そして、ユリエとの今後が期待できるような終わり方なのも、ちょっぴりうれしい。櫃洗市から目が離せないシリーズである。

  • 腕貫探偵シリーズ。
    櫃洗市という街を舞台に話が進むので、以前腕貫さん(本名不明)が事件を解決した人が、別の話の当事者の友人やら、たまたま隣でご飯を、なんてこともある。
    それが面白いとか楽しいと感じられる人だともっと楽しめる。
    櫃洗市マップを作ってるファンの方もいるのかも。

    収録作品:贖いの顔 秘密 どこまでも停められて いきちがい

  • 【内容】お役所の「市民サーヴィス課」の職員が市民を悩ませる謎を相談を受けたその場で解き明かす。たまに殺人事件もあるよ。
    【感想】この探偵さんはたぶん、その解答が本当かどうかよりも相談者が納得できるかどうかに主眼を置いている。状況証拠だけで辻褄を合わせているのでそのままでは刑事事件の場合逮捕は難しそう。でもそこが面白さとは言える。なんかヘンやでって状況を今回はどうまとめてくれるのかってとこ。

  • シリーズ4作目。一作目は短編で絶妙に相談者自身に回答を見つけ出させ、二作目では腕抜を外したあとの彼を少しずつ見せながらどの話も少しほろ苦く。三作目では長編だけれどプロデュースなので出番は少なめ。と少しずつ色が違います。今作は短編。通常通り苦情係としてお仕事をしていたり、お昼休みだったり事件後にユリエちゃんの話を聞いていたりしますが相変わらず推理は見事です。好みは珍しく(?)読後感の良い「どこまでも停められて」。そしてラストの「いきちがい」…その塩むすびセットまでの話は?すごく気になるんですけど。

  • 櫃洗市の至る所に現れる「市民サーヴィス課臨時出張所」を名乗る腕貫をした地味な男は,何やら悩み・疑問を抱えている市民の相談を受けただけで,すべての真相を見破ってしまう超人的な安楽椅子探偵だった。シリーズ3作目の短篇集。例えば2作目,40年前,愛人関係にあった人妻を殺してしまったが,身代わりになって自首してくれたのは人妻の夫だった---という謎。真相の意外さという点では,本作はやや陰りが見える気がするが。

  • 気づいたら新キャラが入っていて?と思ったら、実は一作飛ばしていたという。

    いきちがいなど、ポップな文体であるけど内容はなかなか重い。

  • 安定感のあるシリーズ。
    どこから読んでも楽しめるらしく、
    順番は飛ばしてしまった。
    レギュラーキャラクターが増えているが、
    あまり気にならない。

    日常の謎めいているが、実際はどろどろで変態的な話が多い。
    ホワイダニットが秀逸。

  • 地方都市で、こんなに事件の起きる櫃洗市っていったい…ユリエちゃんが心配。でも彼女の出発を腕貫氏が止めなかったのは、彼女への信頼、後自分がフォローできるという自信があったからか。櫃洗の女は怖い。

  • 久々に腕貫探偵シリーズを見つけたので借りてみた。しかし、何なのこのポップな想定は!前の渋い絵と全然違うんですけど。4話だけで読み切りやすいし。なぜだーりんと呼ばれるようになったのか分からんけど。前作から読み返そうと思うほど面白くはないんだよなー。どうもこの作家さん、はまらないんだよなー。

  • 相変わらず面白い。住吉ユリエのおかげで腕貫探偵に人間味が増した気がする。

  • これだったら、何でもありじゃん!

  • 久々に腕貫探偵シリーズ読んだけど、面白かった。
    事件の構図から妄想のような真実あるいは真実のようなものが明かされる。
    やっぱり面白いし、西澤さんらしい登場人物たちの若干歪んだ物語。

  • (収録作品)贖いの顔/秘密/どこまでも停められて/いきちがい

  • 4つの短編を通して誰にでも秘密はあって一面からしか見えていないことが多いんだなぁと思ってしまいます。
    変わらずそこにいてくれるとわかっている腕貫さんの存在は、櫃洗市の皆さんにとっても、もちろんユリエにとっても貴重です。

  • 腕貫探偵シリーズの短編集。
    捻りの効いたミステリと、それを無駄遣いしない意外な真相は、この著者の魅力。
    今作は特に、起承転結の前二つが冴えていた。四話それぞれ違った形で始まり、違った展開で安楽椅子探偵の推理に至るわけだが、元々凝った、つかみどころない謎を、更に語りの上手さで摩可不思議なものにしていく展開が、一定ののめり込みを生む。
    強いていえば謎解きの過程がさっぱりしていのが残念だが、それは作風上致し方ないか。
    真ん中の二作がお気に入り。
    3+

  • 面白かったです。
    腕貫探偵3作目。絵の人変わりましたね。
    でもあんまり腕貫さん的な感じがしない。ああいうもっさい感じのダサい人ではなくて、やっぱり窓口的にぴちっとした人のイメージ。

    櫃洗市、事件起こりすぎじゃないかしらん。
    警察の人大変。氷見さんがんばれ。
    でも、美味しそうな店がたくさんあるのはいいなあ。
    まあ、自分の住んでいるところにもおいしい店はたくさんあると思いますが、発掘しないからなあ。
    知らない店入りにくいし、そこまで食にこだわりない…

    ああ、でも、こっこバーガーは行ってみたいわー

  • おもしろかった。
    相変わらず隙のないおもしろさ。

    にしても、あの2人いつのまに付き合うようになってたんだ?
    うーん、そこらへんの話は呼んでないかも。

    ラストのはなしがイマイチ乗り切れなかったが、
    ほかは一気に読めた。

    そしていつの間にか表紙がいい感じに。
    いつからこの手のイラスト表紙になったのかしら?

  • 腕貫探偵シリーズ!

    連作。
    犯人がさっぱりわかる、という感じでもないので、「あくまで仮説」。でもすごい。
    探偵の登場の仕方が毎度うまいな~とおもう。メインでもなく、完璧にサブでもなく。

  • こんな公務員いないだろ!っと取り敢えずツッコンでから読書スタート。

    誰かが死ぬというよりは、日常の中でなんとなく不思議な事(気にしなかったら無視出来そうな)が起こった背景を、よろず相談所の公務員が話を聞くだけで解決してくれる。

    うーん、不思議系。

  • だいぶこじつけがましかった…
    お話しのためのお話し。
    そしてタイトルに意味がない。
    表紙のイラストあってない。
    ユリエが主人公化してる…

  • 推理力というより妄想力かも

  • 腕貫探偵シリーズの短編集。
    このシリーズ、最近コミック化されたんですってね。なるほど、コミック向きだよね。可愛い女の子が出てくるし、探偵は眼鏡スーツ(そして腕貫)だし。
    日常の謎系コメディミステリ、しかし西澤的ブラックがやんわりと味わえます。

  • 状況証拠だけで事件の真相を語っていくパターンがだんだん物足りなくなってきました。犯人の自白も取り入れてすっきり納得したいなあ。まあそれだと腕貫探偵じゃなくなるけどね。最後のエピソードの締め括りは良かったです。ユリエさんとだーりんの仲はいつまでもこうあって欲しい。

  • 2014 12 22

  • 腕貫探偵シリーズの連作短編集。
    全編に渡り,腕貫の安楽椅子探偵っぷりが冴え渡る。
    「どこまでも停められて」のオチが秀逸。

  • 腕貫探偵が市役所を飛び出していろいろな所に出没します。
    安楽椅子探偵だから仕方ないとは思うけど、
    途中からちょっと無理があるのではと感じました。

  • 腕貫探偵シリーズは益々面白さを加速度させている。最初は人格がハッキリしなかったのが、探偵としてのキャラクターが主張する程になり、人物像が見えてきたが、相変わらず私生活は謎の儘。事件解決には無用な事ながら、ヒロインとの関係からもダーリンの素姓は知りたいところ。安楽椅子探偵としての力量は抜群の推理力で魅了する。論理ロジックの名手の手腕が冴え渡る一品。

  • 腕貫探偵シリーズの短編4作品。
    4月4日に配達に行くと必ず鳩が高層マンションに激突死するのを目撃し人が死んでしまう宅配便員などの相談に答える腕貫探偵。
    ミステリの動機は勘違い。無理はあるが筋は通る。西澤保彦らしいアクロバティックはあまり無いが面白かった。腕貫探偵は初期の頃に比べると愛想が出て来た気がする。

  • まあまあ面白かったですが、前作の登場人物を忘れてしまって「これ誰だっけ」と思うこともしばしば。。

  • 腕貫探偵シリーズ。連作短編集。
    日常の謎から事件ものまで。今回も意外性のあるお話でおもしろかったです。
    「贖いの顔」お馴染みのキャラ達の軽快なやりとりと、いろいろな意味でぞっとする相談内容のバランスがよかった。
    「秘密」巻き込まれた周りの面々が不憫。お互い様だと思うんだけど…。
    「どこまでも停められて」これが一番好き。動機が素敵だった。
    「いきちがい」これが一番意外というかトリッキーというか。余韻のあるラストがよかった。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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