- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408536484
感想・レビュー・書評
-
すみれと、という詩人のが紡ぎ出す言葉が、
ちょっと困ったちゃんだけどその存在が、
なんとなくくすぶっている人たちの背中を
そっと押していく。
静かな話だけど、気持ちが前向きに、ふわんとなる。
それはすみれの言葉がきっと、裏心なく、計算もなく、
純粋でまっすぐだから、なのだろう。
私もだれかが元気になるようなクッキー焼きたいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙がかわいい(小並感)。
ぱりぱり、という音の語感が良い。
何度も口に出して言いたくなるような。
物語の平易さ、というのもあるのかもしれないけれど、
するすると、さらさらと、言葉が穏やかに流れていくのを感じます。
耳が良いんだろうな(小並感)。 -
2014/8/26(火曜日)
-
17才で詩人としての能力を開花させ、一躍時の人となった菫。彼女について、彼女を取り囲む人々…妹、編集者、アパートの隣人、学生時代の同級生、母親など様々な視点から、語られる。彼女の視点では一度も話は語られないけれど、無垢で純粋でまっすぐな人なのだろうと思う。マイペースすぎて、困ってしまうぐらいに。それでも、周囲の人々の、彼女に対するまなざしのやさしさが伝わってくる作品。
瀧羽さんの作品の中で一番好みのものでした。 -
妹、編集者、教師など
すみれの周囲の人々の物語。
新刊コーナーで目に留まり手に取ったら大収穫。
日常を淡々と描いているのに
いきなりグッと胸に迫ってくる。
他の著作も読んでみよう。
【図書館・初読・8/14読了】 -
本当に丁寧な言葉で綴られている。「すみれ」をめぐる連作短編集。最初と最後は家族の短編でとてもよかった。
-
17歳でデビューした詩人・すみれ。好き勝手な姉に振り回される妹。才能を見いだした教師。自作に期待する編集者。補習仲間の販売員。アパートの隣人の大学生。戸惑う母親。
みんなやさしい。下手するといじめられかねないのに。その危うい境界が、ぱりぱりの氷かも。 -
連作短編集、丁寧なことばで綴られていて、穏やかに読み進めていく。
大きな展開はないけれど、どこにでもある日常の中に、揺れる気持ちや思いがあって、共感できる部分もあった。 -
アンソロジー『あのころの、』の中の『ぱりぱり』を第一話に、すみれとかかわる6人のお話。
何度読んでも、同じところで泣いてしまう。
すみれの、あの一言で、妹はずっとずっとすみれのことを大切に思い続けることができるだろうな。
「ヒトと同じことはできないけど、ヒトとは違うことができる」そんな誰かをそっと見守り愛し続ける。世界中がそんな思いに満ちていたら、この世はきっとまだ大丈夫だ。