闇から届く命

著者 : 藤岡陽子
  • 実業之日本社 (2015年1月31日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536545

作品紹介

都内の産婦人科病院に勤める有田美歩は、助産師になって六年目。勤務先にはやや問題があるものの、有能な先輩や同僚に恵まれ、充実した日々を送る。ある日、新生児室から一人の男児が消え…。使命感に燃える助産師たちが生まれくる命のために奔走する!

闇から届く命の感想・レビュー・書評

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  • 助産師さんが主役という事でドラマ「コウノトリ」の様な感じかなと思い読み始める。ドラマでは毎週感動して泣きっぱなしだった。だけど、この作品は重い。感動より苦しさの方が多かった。

    「初めから健康には生きられないとわかっていたら、その子供は生まれない方が幸せなのか」病気の姉を持つ美歩が母に聞く。
    その答えを読んだ瞬間、そうだよね、そうだよねってお母さんの肩を叩いてギュってしてあげたくなった。
    出生前診断が出来るようになった今凄く考えてしまう問題だと思う。助産師さんたちはますます命の選別に関わる機会が増えるだろう。彼女たちのしている事を読んだ時息が苦しくなった。可哀想に辛いだろう。
    生まれる前の命の重さを考えさせられた作品。

    医療サスペンスと書かれているがサスペンス部分はほとんどないし特に盛り上がりもない。犯人のした事の罪の重さ、その罪に対する量刑の軽さを私たちに伝えようとしている気がした。

  • 中庭にバラ園のあるローズ産婦人科医院で助産師として働く美歩は、過酷な労働条件の中、新しい命と迎える仕事に一生懸命だった。

    出生前診断で胎児に異常が見つかった夫婦、飛び込みでの出産、ネグレクト、乳児院のことなど。
    新しい命を迎える仕事には、たくさんの問題があることが提起されている。
    『いらっしゃい。よくきたね。』と迎えられる赤ちゃんばかりでない事実に、胸が詰まります。

    サスペンス色は弱め。でも、十分読みごたえがありました。
    最後の展開は読めた感じでしたが、ハッピーエンドのため読後感良好です。

  • 命をとりあげる助産師の
    素晴らしい作品。

    病院の現状もや助産師の苦悩も、
    現実にも少なからずあることなのだろうと思う。
    お産はとめられないし。
    佐野氏のようなドクターがいたら心強い。

    私の出産はすでに16年前だけど
    妊婦にとっては、妊娠しているときも
    生まれてからも、助産師は神様のような存在。
    あの、安心して委ねられるような空気感は
    すごいなぁと思ったとことを思い出した。

    人としての命の捉え方を改めて考えさせられた。
    そして、今、生きている大人だって、
    奇跡のもとに生まれ出た命なのだと考えずにはいられない。

  • 藤岡さんの話は、読み終わると何時も心にあたたかいものが残る。
    看護師の学校を出られているだけあって、病院の中の事とか、看護師さんの話とかの描写がよく書かれていると思う。
    毎回、素直な主人公の話からして、藤岡さんも、真っ直ぐなお人柄なんだなぁと思う。
    藤岡さんの本を読み終わるとすぐに、藤岡さんの他の本が読みたくなる。

  • やっぱり藤岡陽子の作品はいいな。それも、短編よりも長編の方がいい。小説なのに、思わず涙ぐんでしまう場面があるし、登場人物もみな個性的で、ストーリーも適度に複雑だ。所々に、これは何かの伏線だなと分かってしまうシーンも挟まれているが、もしかして、意図的なのかもしれない。
    作者が看護師経験があるということで、助産師が主人公の本書にもリアリティがある。そういえば、「海路」も病院の話だった。でも、「手のひらの音符」のような傑作もあり、病院ものしか書けないわけではない。むしろ、人の命、生と死、大人の生き方といったものの描き方に本領が発揮されると言えようか。もっともっと読んでみたい。

  • 読後、なんて言っていいんだろうか、としばらく考え込んでしまいました。
    子どもを産む。当たり前のようにそうやって毎日たくさんの女性が母になっていくけれど。
    お腹の中に子どもを抱えて過ごす10カ月の不安も含めた喜びの日々と、時が満ちて子どもを産み放つ直前の10時間ほどの苦しみと恐怖と痛み。もう2度とご免だわ、と思ったはずがいつの間にかまたもう一人、と思ってしまう本能のような思い。そのどれをとってもやはり「女ってすごいわ」と思う。
    女にとって、そして男にとっても出産というものが人生にとって大きければ大きいほど、そこにいろいろな思いが交錯する。喜びに満ち溢れているべきその日を迎えることなく闇の中へと消えていく命を思うと胸が痛む。文中の「母親の中に生涯残るものを子どもは必ず置いて行きます」という言葉がきっと光を迎えられなかった母と子へ優しく降るだろうな、と。
    周産期科で働く医師や助産師さんたちには光の中での喜びだけでなく闇に立ち会う苦悩もある。日々の激務だけでなくそういう辛さ苦しさを押し殺してでも笑顔でその瞬間に立ち会おうとする姿に心から感動した。と、ともに許せない奴もいたけれど。
    産む母親よりも先に「初めまして」と言えるのは、だから「特権」なのだろうね。
    けど、一点、このタイトルはちょっとどうなんでしょうね。
    闇、という言葉にどうしてもネガティブなイメージを浮かべてしまうので。もうすこし光を感じさせるタイトルの方が、私的にはいいかなぁと思ったりもして。

  • 院長と師長にイラッとしながら読みました。実際の医療現場にこの様な事件がないことを祈りたいです。

  • 2階書架 : 913.6/FUJ : 3410160185

  • まっすぐ。藤岡さんの世界には曇りがない。ものすごく善悪はっきり分かれる人間模様。働くのなら、生きるのなら、美歩や佐野さん側でいたい。でも、正しいことが正しいのか、その行動で仕事(職場)を失う人達がいて、・・・草間さんと美歩は結果よかったけど、とか考えてしまう私は曇っている・・・。心ない攻撃をした無数の匿名の人達と同じだ。。ごめんなさい。> < 最近まっすぐがまぶしいです。。

  • 2016 1/9

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