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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784408536590
みんなの感想まとめ
テーマは、悩みを抱えた人々が一つの森で出会い、変わりゆく姿を描いています。北海道の街中にひっそりと佇むこの森は、迷える人々を引き寄せ、彼らはそこで「森番」と呼ばれる青年と交流します。彼は彼らの問題に深...
感想・レビュー・書評
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フォローしているレビュアーさんのレビューを読んで、久しぶりに読み返したくなった。
北海道の街中、近くに駅やマンションや中高一貫校などがある普通の街の中にある『違和感』いっぱいの森。
『開拓期からそのまま打ち捨てられたような』森には『ブナ、ヒノキ、ミズナラ、ハルニレなどの巨木が』たくさんある。
そんな森に吸い寄せられるかのように入ってきたのは、迷える人たち。
学校に行けなくなった男子中学生。
就職に躓いた女性。
自ら治療を放棄した余命わずかの青年。
学校生活に挫折した男子高校生。
リストラ勧告を受けた中年男性。
何もかもうまくいかないと嘆き怒る女性。
そして彼らを迎えるのは『森番』と彼らが呼び自らもそう認めるミステリアスな男性。
森の管理をしているが、見た目は華奢で声も高めのテノール。彼らの事情に深入りはせずにただ森の魅力を案内する。
最初は『森番』を見下したり鬱陶しいと感じる彼ら(一人だけは違う)だが、次第にこの森に生きる木々や植物たちの姿に何かを感じ取り、『森番』に支えられ変わっていく。
雑誌掲載時は2013年~2014年なので、十年近く前の作品になる。そのせいか時代を感じるところもあるがホッとする話で温かく読めた。
ただ彼らの問題が解決できたわけではないので、その後の話が知りたかった気持ちもある。
『森番』のミステリアスさをそのままにして欲しかった気もするが、それが明かされたからこそのこの森が作られた理由や『森番』が迷える人々に絶妙な距離感で寄り添える理由が分かって良かった部分もある。
木々や自然に教わることは多いだろうが、ただのんびりと美しい森の風景を見つめて溶け込んでみるのも良いかも知れない。ただこの森も自然に美しさを保っているのではなく『森番』をはじめとする人々の手に委ねられているというのも考えさせられるところがある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブナ、ヒノキ、ミズナラ、ハルニレ、シラカバ…
街の中に、そこだけ取り残されたように存在する原生林の森。
様々な病を抱えた人たちがこの森を訪れ、
森番の青年と交流するうちに笑顔を取り戻す。
読みながら、この青年は森の精霊なんじゃないかって思ってたんです。
でも最終章で、青年が森番をしている理由がわかり、
それがとても哀しく、やるせなくて…もう一度最初から読み返しました。
そうしたら、彼もまた、
この森に守られ救われているのだと思えて…。
この場所で、こうして生きていくことが、
彼の幸せなのかもしれないなぁって…。
”雲の切れ間から光の筋が地に注ぐみたいな”
ジェイコブス・ラダー
その光の差し込む空間に埋められた石板。
この森が守られ続けて来た、”遠い日の約束”に胸がじ~んとなりました。
ああ、こんな初恋の実り方もあるんですね…。
「きれいだったから、それ、母さんにあげる」
母への誕生日のプレゼントに、
真っ赤なモミジの一葉を渡した不登校の少年。
毎日森に通い、その一葉が自然に落ちるまで待った、優しい心が忘れられません。
『あなたも歩いてみませんか。小さな奇跡の森を。』
歩いてみたいです。
そして、もしも森番の青年に会えたら…
なんて想像しました。 -
町の中にぽっかりと浮かぶような森。心に悩みを抱えた人たちが誘われるように森に入って行き、そこで若い森番に出会う。
子供の不登校を悩む母親、不治の病を抱えた青年、リストラ対象になった男性、自分は特別だと頑なな人々…今の世の中溢れかえってそうな事例ばかり。かくいう私もこれほど極端ではないにしても、身につまされる内容に始終胸を痛くしながらの読書だった。人って簡単には変われないけど、変われる糸口は沢山転がっていると思う。それが、文中では森番の姿をして追いつめられている人の道しるべとなっている。どの話も最後は一筋の光が見える終わり方だったので救われた。 -
「メグル」を読んだ流れで乾ルカさんの著書を続けて。
みなさんの書評をみて、やっぱりそうか。と。
カムイミンタラ、がでてきました!
「神さまたちの遊ぶ庭」(宮下さんの)が大好きだったので、ちょっとだけつながってうれしい。
心に何かを抱える人たちが、森に、森の番人に救われていきます。
挫折して人は変わっていく。最後はいい方向に変わったと信じたいですね。
時間は自分のもの。人の不幸を祈って自分の時間を使うのはもったいないです。みなさんのコメントと一緒で、いい年して。。。と思ってしまいました。
+++
数年前の台風で樹々の多くが倒れました。
なぜかこの1-2年でさらに多くが倒れ、モデルとなった森はすかすかになってきています。驚きを通り越して寂しいです。
これも森の再生のために必要な自然現象、ということであればいいのですが、地球温暖化に伴う異常気象が原因であるのなら、私たち人類の責任になります。
樹齢800年の樹はこの本ではミズナラとして登場していますが、実際にはクリで、さらに公園の広さは本から想像できる広さでは全然ないです。(端まで行ったら簡単には戻ってこれませんがな) -
こんな森が自分の街にもあったらいいなぁ。嫌なことがあったときとか、すっと入っていってリセットしたい!
各短編の主人公はみんな、何らかの壁にぶち当たっていて森に来るんだけど、beforeの彼らは凄く嫌なヤツで、ネガティブで。自分もこういう風になっちゃうことあるから気持ちはわかるけど、読んでてもどかしく、ちょっとイライラした。
でも彼らがみんな、森や森番さんに助けられて、新しい自分になれそうだから良かった。私は森番さんの話が一番よかったな。他者を慈しむ気持ちに溢れたお話だった。
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素敵な作品でした。
言葉は人の気持ちを温かくする、一方で凶器にもなり得るというのをつくづく思わされる作品だったからです。
愛想が良く、長身痩躯な森の番人。
彼は、言葉がどれだけ大切なものかわかっている人。まだ若いのにすごいなと思いました。
彼は、森に来た悩みを持つ人たちに心温かい言葉を投げかけます。
特に一話目の、『なにかを見て素直に美しいと思えるのは、人を愛するのと同じくらい素晴らしいこと』という彼のセリフにジンときました。 -
いじめ・就職・恋愛・不治の病…。
さまざまな思いを抱えた人々の運命を変える言葉とは?
静かな感動を呼ぶ『森』のミステリー…。
7編からなる、連作短編集
●色づく木
学校に行けなくなった穂高と、心配する母・亜希子
●春めく木
自分に見合った仕事が得られないと、世間に不満を抱く・麻衣
●雪待つ木
余命間近である瞬間を見たいと思い続けてる、末期がんの丹
●病の木
高校に居場所や自分の存在意義を感じられない長部
●育ちゆく木
●とらわれの木
●新たなる木
何かに引き寄せられるように、希望を失い
森に迷い込んだ人々に森番の青年は語り掛ける。
『ここはとても気持ちのよい森なんです。
どうか歩いてみてくださいませんか?』
森番の青年は悩みを抱えて苦しむ人々の心に寄り添って、
森を通して色々な導きをしてくれる。
気付きをさせてくれる。
この森は何なのだろう?
この森番の青年は何なのだろう?
ずーっと、読みながら抱き続けていた思いが
最後の『新たなる木』で、明かされる。
この森は、その為に大切にされてたのか…
あ~彼もそうだったのか…。
だから、悩める人々の心に寄り添えたのか
どの物語も淡々と描かれてる。
訪れる人に反感を抱く様な人もいるけれど…。
とらわれていた思いから救われる。
訪れる人皆に救いがある。
小さな奇跡の起こる不思議な森を歩きたくなりました。 -
町の中にぽっかり存在する森を舞台にした短編集。
たまたま図書館で見つけて手に取った本。
何らかの苦しさを抱えた人たちの物語。森で過ごし、森番の青年に会い、もしかしたらターニングポイントになるかもしれないという期待を匂わせて、各章が終わる。
森の中で過ごしているようで、ちょっぴり緑の癒しを感じられるような。
でも苦しんでいる人たちの話なので、明るく爽やかな雰囲気にはならないけれど。
個人的には、不登校中学生の話が、自分の状況に重なるところがあり、辛かった。これもたしかにいい結末なのかもしれないけれど、もう少し明るい展望を…とも願ってしまうなぁ。
ちょっと個人的な感想すぎでした。
病院から森へ通う人の話が、好きかなぁ。 -
もう一度読みたいと思った本。
子供にも読ませたいと思った本。
森と森番さんとの出会いが人を変えていくお話しです。
間違った方向に進んでいたり、自分勝手だったり、思考が停止してしまったり。
いろんな自分を気付かせてくれる森。
どの登場人物も、少しは自分に重なる部分があり、私自身も反省したり、元気付けられたり。
私自身も森の中に入り、森の静けさと生命力を感じられるような穏やかな文章。
毎日の雑音から離れられる本。ステキでした。
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他人の不幸を幸せと感じる人は本当に幸せにはなれない。頭では分かっているけれど、自分がどん底にいる時は、どうしても隣の芝生は青く見えるし、羨んだり妬んだりしてしまいがち。完全なマインドセットは難しいけれど、そういう状況になった時、この本を手に取るといいかもしれない。(とらわれの木――揚げひばり)
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街の中にある森に集う人々の話。
この森にやってくる人には必ずと言っていいほど悩みがある。それを癒やしにやってくるんだよね。
悲しい思いをしている人ばかりなので、こちらもガクッと気分が下がってしまうのが難点だけれど、森で救われるのだからね〜。自分の心に痛みがある人は、他人の痛みにも敏感で優しく接することができるということなのか。 -
人は弱っているとき、自意識過剰になったり、身勝手で嫌なやつになってしまうものです。最終話以外は基本的に主人公がそういう人ばかりなので、読んでいて少し疲れてしまいました。裏を返せば、そういう人の心の内がリアルに描かれているので、すごいとも思いました。
(´・ω・`) ココカラネタバレアリ〼
印象に残ったこと。
【色づく木】子は親が思うほど幼くないということを感じました。心配なのはわかるけど、どうして大人は子どもに対して答えを急ぐのかなって思ってしまう。自分が子どもの頃、そういう大人を見てどう感じたか、思い出せないものなのでしょうか。
【春めく木】周囲を見下すことで自分を保とうとする様は、まるで自分の弟を見るようで、痛々しかった。
【雪待つ木】死の間際に見える自然の美しさが、目の前に広がりました。自分で動くこともままならず、病室で終わりを迎える人も多い中、それが見られる人は幸せな気もしました。
【とらわれの木】こういう人いるよねって思いながら読みました。というか、子どもの頃の自分はこんな感じだった。すべては周りのせい。どうしてわたしだけ。だけどそれを乗り越えられれば、ひとつ大人になれますよね。作中の奈々さんは十分いい年のようですが…笑
【新しい木】これが一番好きでした。なぜなら嫌な人がひとりも出てこないからw 誰も悪くないだけに切なすぎるお話ですが、だからこそとても美しく感じました。ジェイコブス・ラダーという言葉を初めて知りましたが、森の中に静かにぽつんとあるお墓が容易に想像できました。本の評価が☆4つなのは、このお話があったからです。 -
森を案内してもらう前の日に読みたくなった1冊。家のすぐ近くにこんな森があったら&管理人のお兄さんがいたらいいなぁ。みんな、いろんな思いを持って、森に入り込む。
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「もしかして・・・」と途中、色んなことを想像したけれど、どれも当たりませんでした。
全体的に、いい話です。
ボクの中では本屋大賞です。
でも、あまり知られてません。なんでだろ? -
フクロウも棲んでいる森の森番が、傷つき、自分の居場所を失ってしまった人たちを見守り、そして、一歩を踏み出すためにそっと背中を押してあげるという物語。誰しも傷ついたり、自分が必要とされていないと思ってしまうと、周りが見えなくなってしまうもの。それでも、こんなはずじゃなかったと何か自分ではないものに原因を求めてしまう。そして、がんじがらめになってしまい、出口が見えなくなってしまう。そんな状況にいる森に彷徨ってきた人たちに、一筋の光を思い出させる、見つけるお手伝いをする森番。
現代にはこの森番のような人と人、人と社会を結び付けられる人がめっきり少なくなってしまった。能力主義、効率主義がうたわれ、生きにくい時代になっている。それでも、人は自分の居場所が必要なのだ。失敗してもやり直せる機会が必要なのだ。そんなことをぐるぐる考えさせられた。それは学校という社会で特に顕著になってきているように感じる。少しの間の逃げ場を作ってあげたい。森番のように、そっと見守り待つことができる人になりたい。 -
街中にポツンと現れる深い森、苦しい悩みを抱えた様々な人たちが森を訪れて出逢った森番の青年に穏やかに救われていく優しいお話。
悩みがとても現実的でドキドキする、特にイジメが原因でひきこもってしまった息子にどう対応したらよいのかわからない母親や、辞めた職場の上司を憎み続ける女。「森番の青年は木だった」っていうファンタジー的な話なのかな、と思ったらちゃんと人間で、彼にもつらい過去が。
優しいなかにも考えさせられる言葉がたくさん。良いお話でした。 -
連作短編集で同じパターンの話が続くのですが、考え方がおかしいなと思うような後ろ向きな人が多くて読んでいて食傷気味になる。
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本気で死ぬつもりなら
違う場所をみつけていたはず 。
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あなたがそうだったように。
森とはそういう場所なのかもしれませんね。
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街中の森に訪れる人たちの7つのストーリー。
半分くらいらほろっと泣けて
最後の章で ぐっ と胸熱になりました。
疲れたり 病んだり 悩んだり 怒ったり
浄化できないものが言葉にできないものが
そこへと導いてしまう、
自分がそうだったように、
きっと笑顔は取り戻せる。
そう信じて、祈って、森に願いを 。
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