たまちゃんのおつかい便

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 751
感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536866

作品紹介・あらすじ

過疎化と高齢化が深刻な田舎町で「買い物弱者」を救うため、大学を中退したたまちゃんは、移動販売の「おつかい便」をはじめる。しかし、悩みやトラブルは尽きない。外国人の義母とのいさかい、救いきれない独居老人、大切な人との別れ…。それでも、誰かを応援し、誰かに支えられ、にっこり笑顔で進んでいく。心があったまって、泣ける、お仕事成長小説。

感想・レビュー・書評

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  • 順調に続く『森沢明夫さん強化月間』
    後で分かるように『森沢明夫さん強化月間』のタグを付けるようにした
    うん完璧だな
    完璧ではあるが全く意味はないな

    強化月間6冊目で順調に飽きてきて誰得感が溢れ出ているのだがそれでも★5を付けたくなる作品を突きつけてくるさすがの森沢明夫さんだ

    今作では主人公たまちゃんの継母のフィリピン人のシャーリーンがとっても良いのだ!
    もうなんていうのかな?分かりやすく言うと好き

    小さい時に大好きなお母さんを亡くしたたまちゃんは母としてのシャーリーンを受け入れられず
    文化の違いや不慣れな日本語からくるシャーリーンのちょっとズレた言動にいちいちいらつき
    そしてそんな自分に自己嫌悪を感じてため息をつく日々

    そんな中たまちゃんが始めた「買い物弱者」のためのたまちゃんのおつかい便
    周りの人たちの支えもあり順調なスタートをきっていくのですが…

    家族のあり方とは?幸せの極意とは?
    シャーリーンの笑顔に隠された想いとは?
    辛い別れを描きながらもとっても幸せになれる物語でした

    そして森沢ワールドならではのニヤリポイントも散りばめられて大満足でした

    • ひまわりめろんさん
      Manideさん
      こんにちは

      ぜひとも参加してください
      ちなみに『森沢明夫さん強化月間』とはこのイベントによって読書生活に変化を加えること...
      Manideさん
      こんにちは

      ぜひとも参加してください
      ちなみに『森沢明夫さん強化月間』とはこのイベントによって読書生活に変化を加えることで新鮮さを、一人の作家さんを集中して読むことでその作家をより深く知り、新たな発見や細かな作風の違いなどに着目できるなどといっ…うそです適当です思いつきです

      とにかくMamideさんはまだ森沢明夫さん数冊というこで非常に羨ましい!!
      森沢明夫さんは作品世界がけっこうリンクしてて、あ!あの人だったりあ!あの場所、あのアイテムみたいなこと(ニヤリポイントと呼んでます)がたくさんあるんで是非とも刊行順に読むことをお勧めします!ま、ぐちゃぐちゃに呼んで後からこれのことだったのか!というのもそれはそれで面白いですがねw

      ようするに何をどう読むかは自由だ!ってことです!たぶん!
      2022/08/13
    • Manideさん
      ひまわりめろんさん、こんばんは。

      読書生活に変化をつけるというのは、すごいイイですね。私もそんなふうに素敵な時間を演出していけるようにした...
      ひまわりめろんさん、こんばんは。

      読書生活に変化をつけるというのは、すごいイイですね。私もそんなふうに素敵な時間を演出していけるようにしたいです(✧◡✧)

      >刊行順に読むこと
      うわ〜、そうなんですね。
      全然意識していなかったです。
      既に、2冊は手元にあるので、
      その後は順番に読んでいきたいと思います。
      アドバイスありがとうございます!!

      森沢さんの作品はたくさんありますね。楽しみです。
      2022/08/13
    • ひまわりめろんさん
      Manideさん
      こんばんは!

      順番に関してはまあできる範囲で!
      ちょっとお得なのは間違いなしなのでまだ間に合う方たちが羨ましいですw

      ...
      Manideさん
      こんばんは!

      順番に関してはまあできる範囲で!
      ちょっとお得なのは間違いなしなのでまだ間に合う方たちが羨ましいですw

      いろいろあほみたいなこと考えてますが楽しんだもん勝ちです!本読みを楽しみましょう!
      2022/08/13
  • 森沢明夫さんの作品何冊目かな?
    今回も美しい風景、優しい人たち、素敵なお年寄りたちがたくさん登場(^ ^)

    たまちゃん、幼なじみ、義母…それぞれが家族を亡くした悲しい過去があり、死とどう向き合うか、家族の形とは?という事を考えさせられる作品でした。

    お話の中に森沢アイテムがちょいちょい出てくるのもお楽しみです♪

  • 移動販売で「買い物弱者」に元気を届けたい!

    20歳の葉山珠美こと〝たまちゃん〟の故郷は自然がやさしく豊かで、
    地元の人達の繋がりも濃密な自慢の町。
    しかし、過疎化と高齢化はもっとも深刻な問題になっていた。
    大好きな母方の祖母の静子おばあちゃんの為に、意味を見出す事の出来なかった大学を中退し、
    「買い物弱者」を救うために、移動販売の「おつかい便」を始める事に…。
    力になってくれたのは、地元に残って父親の自動車整備の仕事を継いでいた幼馴染の壮介と、
    一度都会に働きに出たものの訳あって戻ってきて引きこもり生活をしていたマッキー。

    たまちゃんのお母さんは7年前に交通事故で亡くなって、その4年後居酒屋をしているお父さんは、
    フィリピン人のシャーリーンと再婚した。たまちゃんのシャーリーンへの違和感…。複雑な思い…。
    たまちゃんとシャーリーンのギクシャクした関係を丁寧に描いてて、
    展開がやや遅くてじれったく感じたりしていましたが、
    読み進めるとこれは単純なお仕事小説ではなくって、
    家族の在り方…をも描いてたんだなぁって思いました。
    シャーリーンの恩着せがましい言い方や有難迷惑な行動の一つ一つが気に入らず、
    ぎくしゃくした関係が続いてた。
    私も、シャーリーンの言動には嫌だなぁっておもってたし、
    たまちゃんが我慢に我慢を重ねて、耐えきれずにキツイ物言いをしてしまい自己嫌悪に陥る様子。
    私にもあるなぁって、凄く共感しました。
    日本とフィリピンの違いって習慣も考え方も凄く違ってると思う。
    その二人の仲を諭したり温かく見守ってるお父さんと静子おばあちゃんとっても素敵だった。
    でも、シャーリーンは心の底からたまちゃんを家族だと思い大切に思っていた。
    終盤で誤解が解けて、二人の関係が良くなったのか゛微笑ましかった(♡´ ˘ `♡)

    おつかい便でのお祖母ちゃんたちとの温かな触れ合いも良かった。
    でも、おつかい便では救いきれない独居老人。
    老いの辛い現実もしっかり描かれていて、切なくて涙が零れました。
    森沢さんらしい、心の琴線に触れる素敵な言葉が沢山沢山書かれてた。
    「人にするのは期待じゃなくって感謝だけで良い。
    自分自身に期待して、心のままに自分の道を歩いていく。
    そして人には感謝をすればいい。そうすれば死ぬときに後悔しなくっていい。」
    「人生に失敗はない、あるのは成功と学びだけ」
    お父さんの座右の銘…「人生、なにがあっても良い気分」も良かったなぁ(*˙︶˙*)☆
    森沢さんの素敵な言葉を胸に刻んで前を向いて歩いて行きたい。
    優しさに溢れた作品で、やはり沢山涙が零れました。
    そして、ほっこり温かい気持ちになれました(*´˘`*)♡
    おつかい便のテーマソングのコニー・フランシスのヴァケイションが頭の中を流れてました。

  • 過疎化と高齢化が深刻な田舎町で「買い物弱者」を救うため、大学を中退したたまちゃんは、移動販売の「おつかい便」をはじめる。登場人物たち、それぞれ悩みを抱えて生きている。田舎だからこその大変さもあるし、悩みやトラブルは尽きない。外国人の義母とのいさかい、救いきれない独居老人、大切な人との別れ…。
    それぞれが日々大切に生きている。作者からの応援メッセージのような作品。
    本文でいいなと思った言葉
    「人に期待する前に、まずは自分に期待すること。で、その期待に応えられるよう、自分なりに頑張ってみること。人にするのは期待じゃなくて、感謝だけでいいんだよ。」
    「人生には、みんなが通ったあとにできる轍はあっても、レールはない。だから、あなたは自分の心を羅針盤にして、あなただけの道を歩いていけばいい。そして、それこそが唯一、後悔をしないで死ぬための方法なのだ。」
    「人生っつーのはよ、たった一度きりの命をかけた遊びだからよ。何でも好きなことやったもん勝ちなんだよ。」
    「人生なんて、あっという間だから、一分一秒を惜しんで、なるべくいい気分で過ごしなさい。」
    「いいことと悪いことも、すべてをひっくるめてこそ、人生は絵のように美しく輝くのだ。写真や絵画が光と影で描かれるように、幸福と不幸は、人生をより美しく、深く、彩るための大切な素材なのだと思う。そして、人は歳をとると、それまで自分が描きつづけていきた「人生という名の絵画」を数歩さがったところから眺められるようになる。人生をトータルで鑑賞する目が養われてくるのだ。」
    「もうすぐわたしはこの奇跡のように美しいありふれた絵と、さよならをする。寿命 命を寿(ことほ)ぐ。」
    「この世で授かったすべてのものは、ほんの一夜限りの借り物でしかなかったのた。本当の意味で「自分のもの」になるものなど、この世には何ひとつなかった。」

    この文章を読んだとき、趣味のピアノを弾けなくなった上皇后美智子さまの言葉が紹介されていたことを思い出しました。
    「今までできていたことは授かっていたもの、それができなくなったことはお返ししたもの」と受けとめている。
    歩まれてきた人生やお人柄が伝わることばを小説を読んで思い出しました。

    最後は主人公ではなく、祖母の友だち、千代子さん
    「迷わず、なるべくいい気分で生きていく。ごく自然に、そう決めている。だから、べつに覚悟なんて、いらない。ただ、淡々と肩の力を抜いて、この世界を味わいながら生きていくだけでいいのだから。」

    うちの近所にもおつかい便のように車が回ってきます。車にのらないご高齢のご近所さんは、元気?どう?といいながらも買い物をしています。コロナ禍の中でもますます買い物から足が遠ざかったというお話も聞き、たまちゃんような「おつかい便」は田舎には欠かせないなと。人とのつながりを改めて感じる1冊でした。
    応援して、支えられて、にっこり笑顔で生きていこう、前向きになれる1冊でした。

  • 本の内容を全く知らず、森沢さんの本だということで手にしました。

    ところどころに、胸に響く言葉。
    特に【人にするのは期待じゃなくて、感謝だけでいいんだよ】には、じ~~んとしびれていました。

    たまちゃんの父がまた、何ともいえず良くて!

  • 買い物が容易にできない過疎地のお年寄り達に、必要なものを車で売りに行く「おつかい便」をする女性の物語。
    この移動販売の車はうちの近所でもよく見掛ける。独り暮らしのお婆さん達が車の周りに集まってお喋りしながら買い物している姿を見ると楽しそうに思えるけれど、売る側も買う側も現実は厳しいんだろうな。

    今回も森沢さんから心に響く素敵な言霊を沢山貰った。
    「自分の心を羅針盤にして自分だけの道を歩いていけばいい」
    「人生は振り子」
    「裕福と幸福は違う」等々、メモしたくなる。
    主人公のたまちゃんや周りの人達が抱えている悩みも、これらの言霊と泣きたくなる位の優しさで柔らかく溶かされていく。

    幸せの極意はいつもいい気分でいること。いい気分の「素」は身の周りに幾らでもあるのだから。
    特別な覚悟なんて要らない。
    ただ淡々と肩の力を抜いて楽しく生きていく…。
    笑顔と挨拶を交わし乙女のようにワクワクしながら、今日もいい気分で「おつかい便」を待つお婆ちゃん達の姿が目に浮かぶ。
    人生最期を穏やかに迎える方法を教えて貰った。

  • 大学を中退して田舎に戻ってきた20歳の主人公が、家族や祖母、地域の人々や同級生などに支えられながら、移動販売を起業して始める物語だった。
    移動販売を始めるきっかけとなった社会問題、車や資金、売り物の調達など移動販売をする上で大切なことや、その裏側などを知ることができた。
    この物語は表紙のイラストがとても好きで、借りたが、内容もほのぼのして好きだった。
    また、田舎だが、色々な家庭の現状が知れて、それらの家庭で育った人達と平等に平和に暮らしていくためのコツや大切な人を亡くしてから、どのように前を向いていけばいいかを知ることができた。

  • 年の始まりに良い本を読めたなぁ。
    大事な人に先立たれ残された人達がどう生きるか。
    その人の「幸せ」を背負って、より幸せになる事。
    命とは自分の持ち時間。だから、たくさんの良い事を見つけて毎日を良い気分で過ごしていきたいなぁって改めて思わせてくれた。
    寝る前に、ついつい一日の反省会しがちだけど、今日あった幸せを見つけて思いだして眠りにつく。
    そんな習慣を身につけたいな。

  • うーん、主人公の人となりに共感が持てずあまり話が入ってこなかった。いつもイライラして、何かというとすぐため息をついて、自分中心で思春期の中高生かな、という気持ち…お父さんとかいい台詞もあるのに、残念。

  • 面白かった。時々移動販売車を見かけると、子供の頃、お魚屋さん、北海道の特産物や牛乳、パンを乗せて来てくれた販売車を懐く思い出す。

    たまちゃんの周りは心が大きい人たちばかり。お父さん、シャーリーン、壮介さん、静子ばあちゃん、千代子さん、古館のおじさん…。

    ・わたしは、わたし自身に期待して、心のままに。わたしだけの道を歩いていく。そして、ひとにはただ、感謝をすればいい。そうすれば、死ぬ時に後悔をせずに済む。
    ・人生に「失敗」はない。あるのは「成功」か「学び」だけ。 
    ・人生は、たった一度きりの命をかけた遊びだから、何でも好きなことをやったもんの勝ちだ。
    ・人生、何があっても、いい気分。

    いろいろないい言葉がたくさんだった。私もお父さんのように、どんとして生きたいと思った。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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