ラストナイト

著者 :
  • 実業之日本社
3.75
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本棚登録 : 427
レビュー : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536903

作品紹介・あらすじ

菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、古い友人で刑務所を出所したばかりの片桐達夫が現れた。かつてこの店で傷害事件を起こしてから、自身の妻とも離婚し、32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた男だ。獣のような雰囲気は人を怯えさせ、刺青に隠された表情からは本心が全くつかめない-。著者新境地!魂を震わす衝撃のミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • むなしい…。
    なんで?どうして別の生き方ができなかったの?
    そう聞いてみたい。
    だって、あなたにはまだ「ひかり」がいるじゃない。
    そう気づかせてあげたい。

    顔中に入れ墨をした理由は何なのか。
    なぜ何度も何度も、軽い罪を犯しては刑務所に入るのか。
    やはり、一度犯罪に手を染めた者は、変わることはできないのか。
    先が気になって仕方なかった。

    気になったのは、各章ごとに違う人物の視点から、また同じ場面が繰り返される書き方。
    とらえ方の違いがわかって、それはそれでいい半面、
    一気に読み進めたい流れが途切れてしまうことが残念だった。

    はたして、「ひかり」は真実を知ったほうがいいのだろうか…
    最後に父に向けて放った言葉を、後悔して苦しむのではないだろうか…

    狂気ともいえる一途な執念が、あまりに哀しく、やるせなかった。

  • 居酒屋「菊屋」を営む菊池のもとに、古くからの友人片桐が突然あらわれた。
    片桐は32年間、妻子と別れ、繰り返し罪を犯し、刑務所を出たり入ったり。
    その風貌は異様。
    顔中に入れ墨、左手は義手。
    片桐が店を訪ねてくるとを常連客は嫌っているが、菊池には拒まない。
    片桐と菊池の関係は…
    片桐はなぜ顔中に入れ墨をいれたのか…
    刑務所を出入りするわけとは…
    切ないラスト。

    薬丸さんのミステリーは面白い。

  • 各章で主役が替わる。
    話の軸は一緒だけど、目線が替わり少しずつ軸が明確になっていく物語。
    なんで?って思いながら、続きが気になって一気読みしちゃいました。
    なんとも切ないお話。
    エピローグで泣けた。
    いつか伝わって欲しいと思って。
    それだけが救い。

  • 登場人物の視点を章立てにしながら、主人公の行動を追い、そして章立てが進むにつれその行動の詳細が明らかになり、ラストには衝撃のその行動の理由がわかるという凝った構成。

    確かに同じシーンを登場人物の視点を変えながら描くので同じシーンや会話の繰り返しが各章の中に何度か出てきてもどかしいのですが、映像を想像しながら読むと視点が変わることによる状況の感じ方も前章を読んだ時とは若干変わるので、人物をより身近に感じて面白さが深まっていきます。

    ドラマで見てみたいようなストーリーですね。でもこんな主人公、現実感ないでしょうね。それだけに主人公の愛と孤独の深さにラストは涙、涙でした。薬丸さんのミステリーを読んでこれほど泣かされるとは思ってなかったです。
    本当に面白い話を書かれる作家さんですね。
    面白いだけでなくいつも考えさせられるところも好きです。

  • 顏には豹柄模様の刺青、左手は義手。
    菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、古い友人で刑務所を出所したばかりの片桐達夫が現れた。
    かつてこの店で傷害事件を起こしてから、妻とも離婚し、
    32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた男だ。
    獣のような雰囲気は人を怯えさせ、刺青に隠された表情からは本心が全くつかめないー。
    何故、彼は罪を重ねるのか?

    59歳になるまで、人生の半分以上を刑務所で過ごしてきた片桐達夫。
    始まりは32年前の事件だった。
    27歳の時に友人である菊池の居酒屋「菊屋」で菊池が店を空けてる時に、菊池の妻を
    因縁をつけるチンピラから守るため、相手を刺してしまった。
    それまでの幸せな妻子との生活が一転する。
    その後は、妻子とも離婚し、絵に描いた様な転落人生。
    何度も罪を重ねては刑務所に入り、また罪を繰り返す。
    そんな一人の男・片桐を巡る物語。
    初めて罪を犯してから、その迄の真面目で人柄の良かった彼が
    こんなにも変わってしまったのか?
    どうして顏一面に豹柄模様の刺青を入れるなんて事をしたのか?
    重ねる罪もすぐに捕まる様なもので変だなぁ…。
    極悪人の様でそうとも思えない行動や言動…一体何を考えているんだろう。
    凄く不思議で惹きつけられて頁を捲る手が止まらなかった。

    宮城刑務所を出所後の数日間を、片桐の周囲の5人の立場で、視点で描いていて
    同じ風景も視点が変わると違って見えて来る。
    それも面白かったし、凄い描き方だなぁって思った。
    明らかになった片桐の本当の目的…胸が苦しくなる程の衝撃。
    その為に、顔一面に豹柄模様の刺青を入れるなんて…。
    その為に、自らの左手を切断し全国の刑務所に入っていたなんて…。
    余りにも凄まじい決意と行動。
    切な過ぎます…。悲し過ぎます…。
    子供との幸せに一生を過ごす事も出来たはずなのに…。
    違う生き方を選んで欲しかった。
    でも、きっとひかりちゃんにも周りの人にも誤解は解けるはずですよね。
    やっぱり、薬丸さん素晴らしかったです(*˙︶˙*)☆

    • 杜のうさこさん
      しのさん、こんばんは~♪

      読みましたよ~。
      これでやっと、しのさんのレビューが読めます。
      本当に、切なかったですね…。
      違う生き...
      しのさん、こんばんは~♪

      読みましたよ~。
      これでやっと、しのさんのレビューが読めます。
      本当に、切なかったですね…。
      違う生き方、選んで欲しかったです。

      それと、竜崎さん恋バナのつづき。
      こちらにお返事を。

      第三弾・あの竜崎が恋をした!あのお話は衝撃でしたよね~。
      私も、自分の感情に戸惑っておろおろする竜崎さん、見たくなかったです(>_<)。
      彼も人間だったのね…と広い心で受け止めてあげましたが…(笑)。

      しのさん、ドラマはご覧になりましたか?
      私は視てたんですが…。
      ずっと自分の脳内で勝手に思い描いていた俳優さんがいたためか、
      今一つ盛り上がらなくて…。
      なにかにつけて、映像化の配役にはうるさいです!(笑)
      2016/11/05
    • しのさん
      こんばんは♪
      うんうん、レビュー拝見しました~。
      私と同じように感じてたんだって嬉しかったです♪
      そうだよね~そんな苦しい道を選らばな...
      こんばんは♪
      うんうん、レビュー拝見しました~。
      私と同じように感じてたんだって嬉しかったです♪
      そうだよね~そんな苦しい道を選らばなくってもひかりちゃんと一緒に幸せに暮らす道を選べは良かったのにね…。

      竜崎さんの恋のお話のお返事も早速にありがとうございます。
      そうなんですよ~仕事もいつもの様に冴えず中学生の様におろおろしてる姿は、微笑ましい様で…ちょっと…って思っちゃった。
      でも、最後は元の竜崎さんに戻ったので私も広い心で許してあげました(笑)

      えーーーーーっ、ドラマをやってたの?
      全然知らなかったです~ショック。
      観たかったです…泣
      うんうん、あるある!映像化された時に全く違うイメージの俳優さんが演じてガッカリする事…杜のうさこさんは読んでる時から竜崎さんを脳内変換してたからがっかり度は半端なかったでしょうね。
      おおぉぉー配役にうるさいんだね~でもその気持ち凄く共感出来まくりです(笑)
      2016/11/05
  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、古い友人で刑務所を出所したばかりの片桐達夫が現れた。かつてこの店で傷害事件を起こしてから、自身の妻とも離婚し、32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた男だ。獣のような雰囲気は人を怯えさせ、刺青に隠された表情からは本心が全くつかめない―。著者新境地!魂を震わす衝撃のミステリー。

    片桐の気持ちも分からないことは無いが・・・しかし一方で心配する菊池くらいにはもう少し心開いても良かったんでは?

  • 1人の犯罪者を、その周りにいる立場の違う5人の視点から見た話。

    5人の話を全て読んでやっと、その犯罪者のラストナイトの真実、そうなるまでの彼の人生がわかってくる。

    なかなか上手い手法で、最後は救われた気がした。

    少年犯罪じゃなく、こういうのもあるんだと、次を読むのが楽しみだ。

  • 顔中に豹柄の刺青を入れ、左手を自ら切断し、32年もの間犯罪に手を染め罪を重ね続ける男。何の為?友人、娘、弁護士等、男の関係者各々の視点...真実は一体何処にあるというのか。精神と身体、己の全てを失っても果たさなければならないこと、守るべきものがあるとしたら、それこそが男の生きる意味であり魂そのものなのだ。だけれどあまりにも哀しく壮絶すぎる。血を分けたぶんだけ真実を語ることだけが、檻の中で人間として生きることを捨てた男へ向けての、せめてもの弔いになるのだと思った。

  • 薬丸さんらしい重いテーマ。章ごとに別の視点から構成されているので、同じシーンを別の見方ができて面白かった。でも、当の片桐さんの視点はないんだな。そこがよくできているよね。

  • 著者らしく持って回った主人公。人格に合わない不可解な行為と目的は想像が付くが、気が長い。

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著者プロフィール

薬丸 岳(やくまる がく)
1969年生まれ、兵庫県明石市出身。1988年、駒澤大学高等学校を卒業。高野和明の『13階段』の影響で小説家を目指し、2005年『天使のナイフ』が生まれる。同作で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)をそれぞれ受賞。その他の代表作として「刑事・夏目信人シリーズ」があり、2018年2月にシリーズ最新作『刑事の怒り』が刊行されている。

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