スローバラード Slow ballad

著者 :
  • 実業之日本社
3.51
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本棚登録 : 309
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536927

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    弓島珈琲・弓島大シリーズ第4弾!
    東京の北千住で弓島珈琲店を営むダイは53歳になっていた。
    学生時代バンド仲間の淳平・ヒトシ・ワリョウ・真吾と暮らした自宅を改装した店舗。
    ダイにも常連客の純也や三栖刑事にも家族が出来少しずつ生活も変化している。
    かつて三栖が下宿していた家には、大学時代の友人ワリョウの息子・明とその友達
    双子の翔子と翔太たちが下宿していた。
    ある日、水戸に住むヒトシの息子の智一が家出したと連絡が入ったー。

    前作を読んだのが2年前で今回のダイ達は50代
    シリーズ4作で20代・30代・40代・50代…10年ずつ経過しているのですね。
    今回は、学生時代の友人達皆に会えたのがとっても嬉しかった。
    時代の経過と共に彼らの子供達が登場し活躍する。
    前作であゆみちゃんとの関係がとっても気になっていましたが、
    望んでいた通りに結ばれて、子供にも恵まれていた事が凄く嬉しかった(*´▽`*)

    最初は友人の家で息子の安否確認に奔走するうちに、次々と謎の出来事や
    事件があちらこちらで発生する。
    一見バラバラに見える周囲で起こる事件が繋がってゆく。
    そしてとうに過ぎたはずの大昔の出来事が…。
    仲間やその家族を心配する気持ちは何十年たっても変わらず良いなぁって思った。
    大家族のような仲間意識で事件を解決していく。
    下町のあったかい空気感。ほんわかしてて、とっても良かったです。
    いつもながら男性の友情っていいものだなぁって思った。
    若い頃と違って、沢山の柵を背負って抱え込んで日々過ごしていた。
    とんでもなく色んなものを抱えて生きて来た人。
    「置いてきた」と言い切ったダイ。良い表現だなぁ。

    このシリーズも続編を熱望します!子供達の成長も楽しみです。
    登場人物がとっても増えてて、東京バンドワゴンシリーズを思いださせられました。
    そろそろ相関図が必要かも…(*≧∪≦)笑

  • “弓島大と珈琲店シリーズ”第4弾。

    本作ではダイも既に50代に突入。あゆみさんと結婚して娘さんもいます。そして彼を囲む仲間たちもそれぞれ家庭を持ち、落ち着いている様子。
    そんなある日、ダイの大学時代の友人、ヒトシの息子・智一が家出をしたとの連絡が入って・・・。

    このシリーズの事件の取っ掛かりは“人がいなくなる系”が多いのですが、今回もそう。
    で、この家出と連鎖するかのように、智一と同じ学校の女子生徒の失踪&障害事件や、ダイの友人・淳平の妻へのストーカー騒ぎとその直前に“あの女性”が写っている写真が投函されたりと、同時多発的に様々な事件が起こっていく展開です。
    今回はシリーズ1作目『モーニング Mourning』の内容が深く関わってくることもあり、ダイの大学時代のバンド仲間たちが家族ぐるみで大集合という感じで、本当、仲良いですよね。
    で、彼らの共有する過去の“闇”・・・そう、“あの男”がまさかの登場で、彼の意外な現状には驚かされました。
    当シリーズの『Coffee blues』、『ビタースイートワルツ Bittersweet Waltz』に登場した橋爪さんもそうでしたが、人って“心を入れ替える”ことができるのかも。と思わせるものがありました。
    そして、数々の騒動の繋がりとその背景が明らかになってはくるのですが、毎度のことながら肝心の部分は濁している為、“読後感は悪くないけど、いまいちスッキリしない”結末でした。
    結局、淳平の家にあの写真を投函した目的って何だったのですかね?仁科くんの花凛さんへの言動の意味と併せて誰かに教えて頂きたいです(汗)。

  • あれ、これってシリーズものかしら?
    学生の頃の仲間が遠く離れて暮らしていても、何かあると集まってくれる。50歳近い設定だから、30年以上の付き合いってことよね〜。しかも、家族ぐるみの付き合いができるってどれだけ仲がいいのか。
    いつもつるむのではなく、ここぞ! というときに力になってくれるってありがたい存在だ。

  • さらにときは進んで大たちは50代に。それぞれ家族ができて、自分だけでは何ともならない生活に。今回も複数の事件が絡んでいてだんだん解き明かされていく。まさか、青春時代のあの事件に関係してくるなんて!?改めて涙。
    スローバラードのタイトルに納得。

  • (2016/11/9読了)
    弓島大シリーズ(でいいのかな)第4弾。
    これまでの(45歳「モーニング」、30歳「コーヒーブルース」、40歳「ビタースイートワルツ」)ことが冒頭に書かれていたので、読んでは忘れる読者の私にはありがたかった。東京バンドワゴンシリーズのように、相関図もあったらいいのになぁ。
    今回のダイたちとはちょうど同い年。5人それぞれに現実的な生活感があり、物語の内容とは別に、親近感を持った。
    いくつもの事件が同時進行し、紐解いていったのは、ダイと三栖さん。三栖さんは今回はかなりいい味を出している。
    謎が解け始めるまで、引っ張りすぎかな。奇をてらったような事件キーワードや、伏線、人物設定の粗さも少し気になった。
    シリーズが続くなら、次作のダイたちは何歳になっているのだろう。

    (内容)
    事件の連鎖が呼び起こしたのは「あの頃」の記憶と私たちの絆―。青春時代のほろ苦さが沁みる、大好評!珈琲店ミステリー。

  • 学生時代を共に過ごしたダイ、淳平、ヒトシ、ワリョウ、真吾。

    『モーニング』は既読ですが、『コーヒーブルース』、『ビタースイートワルツ』はまだ読んでいなくて。

    ちょっと遡って読んでみようかな。

  • ダイシリーズ4作目。

    ヒトシの息子の智一の家出から始まり、いくつもの事件が絡み合っていく。
    そして大きな謎が解ける。

    ワリョウの息子の明とダイのコンビ、なかなかよかった!

    純也とみいなちゃんに驚き、裕美子ちゃんに驚き、苅田さんに驚き…。
    元気な苅田さんにもう一度会いたかった…

    そして三栖さんが変わらずかっこいい…!

  • 50歳を越えたダイと仲間達(^^)ヒトシの息子が家出したことから始まる事件の数々!(゜゜;)みんな歳はとったけれど、変わらない仲間の絆がステキ(*´-`)その絆、次の世代にもずーっと受け継がれて欲しいなぁ(^^)しかしまさか、過去のあの事件に絡んでくるとは…(--;)

  • 暗い過去を抱えて生きる重苦しさ。
    一生他言しないと決めた秘密。
    長く生きていれば、背負うのにやっかいな荷物が
    どんどん増えていく。
    罪を告白してしてしまえば、あるいは誰かに秘密を打ち明けて懺悔してしまえば軽くなるとわかっていても
    主人公の弓島大は決してそんなことはしないのだ。
    そうすることで楽になるのは自分自身だけで、周りの誰も幸せにはならないから。。。
    ク~~~~ッ!!
    かっちょいいぞ、弓島。
    やっぱ男はハードボイルドでないと♪

    世の中白黒つけるだけが正解じゃないと、
    私も漸くわかる年頃になった。
    曖昧なままにしておくことは決して逃げではない。
    だけど、主人公たちがこの先さらに年を重ねた時にも
    同じことを思っているだろうか。。。
    なんとなくシリーズ最後の雰囲気が漂っている感じの本作だけれど、
    私はこの10年、20年後の物語もぜひ読んでみたい。
    そして、その答えを是非とも聞いてみたいと思う。

  • +++
    事件の連鎖が呼び起こしたのは、「あの頃」の記憶と私たちの絆――

    2014年4月。東京・北千住で喫茶店〈弓島珈琲〉を営むダイは53歳になっていた。
    学生時代、バンド仲間の淳平、ヒトシ、ワリョウ、真吾と暮らした自宅を改装した店舗だったが、
    ダイにも、常連客のゲームクリエイター・純也や三栖刑事にも家族ができ、
    少しずつ生活も変化している。
    かつて三栖が下宿していた純和風の家には、学生時代の友人ワリョウの息子・明と
    その友人たちが下宿していた。

    ある日、水戸に住むヒトシの息子の智一が「東京に行ってきます」というメモを残して
    家出したと連絡が入った。
    ダイは三栖や明、純也らと智一の行方を捜し始めると、
    智一と同じ高校に通う村藤瑠璃がケガを負った家族を残し、
    行方不明になっていることがわかる。
    時を同じくして、人気俳優となった淳平の妻・花凜にストーカー騒ぎが起こった。

    ダイたちは、智一の高校の先輩にあたる仁科と、新宿二丁目でゲイバーを営むディビアンが
    それらの事件に関わることを突き止める。
    学生時代をともにした仲間たちが〈弓島珈琲〉に再び集結し、
    「あの頃」に封印した事件と対面する――。

    青春時代のほろ苦さが沁みる珈琲店ミステリー。
    +++

    誰ひとり悪人はいないのに、昏い思いを抱えて生きざるを得ない仲間たちである。彼らも歳を重ね、53歳になった。それに伴い、事件も子どもたちの世代が中心になっている。だが、その根っこはやはり、ダイたちが日々をともにしていた若いころにあったのだった。一度はどこかに置いて、前に進めていると思った屈託も、また手元に戻ってきてしまう。なんと切ないことだろう。それでも、真実を知ればこそ、また次の一歩を踏み出せるのかもしれない。彼らの信頼関係が揺らがない限り。それぞれのしあわせを大切に生きていってほしいと願わずにいられないシリーズである。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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