恋糸ほぐし 花簪職人四季覚

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 86
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536965

感想・レビュー・書評

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  • 迷い竦んでいた忠吉がだんだん解れてきて、周りの皆と暖かい関係を作れて良かったなぁと思います。料理も簪づくりの描写も詳しく丁寧で、おさきちゃんの事件等要素も多いけど、綺麗に纏まっていて楽しく読めました。

  • 師匠の急逝で路頭に迷いそうになっていた、花簪職人の忠吉。
    幼馴染みの住職・以風の声かけで、寺に住み込み、食事係と寺を訪れる人々の悩み相談を担う事になります。
    忠吉と、寺で出会った耳が聞こえない少女・おさき、そして瑠璃の小鳥・“そら”との交流が心温まります。
    (忠吉と以風のやりとりは、若干くどく感じる部分がありましたが・・苦笑)
    羽二重を染めるところから丁寧に描かれる、花簪作りの工程を読んで、この職人仕事をぜひ生で見てみたいと思いました。

  • 花簪職人・忠吉は、和尚たちや少女さきと、
    麻布の大中寺で暮らしている。辛い体験に心を
    塞がれたさきは、耳が聞こえず、言葉と発しない。
    忠吉はさきの心を開く方法を思案するが…。

  • うーん、田牧さんの作品にしては凡庸。
    どの登場人物にも魅力が感じられないし、忠吉のさきに対する思いが唐突なので、そのせいか物語の軸となる「さき」の背景や皆のさきに対する思いやりなどに共感ができない。

  • 初めて読む作者、田牧大和氏の作品である。

    ほっこりとした、また、今流行のつまみ細工や、おいしそうな料理の話が、出て来る。

    宵越しの金は、持たないという江戸の気風ではあるが、職場も、住まいも、無い状態になった人の好い花簪職人の忠吉。

    明日の住処と食事は、、と、思っていたところに、幼馴染で、昔乱暴だったが、今は住職になった以風が、寺に来たらいいと言ってくれるのである。

    大中寺には、昔世話になった杉修(さんしゅう)和尚と、耳の聞こえないさきという女の子が居た。

    さてさて、花簪職人が、こじれた心の結び目をどのようにして、ほぐしていくのか、、、、6話からなる話であるが、、、面白い。
    しかし、さきについて、おりょう、おきりっの話は、少し納得しにくい所があった。

    最後の所の正月の関西風の雑煮。
    大中寺に息せき切って来た、さきが声を出して、和尚様、住職様、兄様っ!と呼ぶ。
    最後の小さい「っ」で、駆け込んできたさきの姿が、目に浮かぶようで、上手い表現だと、、、、

    皆の顔が、笑顔になっているのが、、、実感してしまうような終わり方であった。

  • 不器用で実直な花簪職人の話。
    つまみ細工って、最近手芸クラスタで流行ってる気がする。
    それはさておき。
    花は何と無く想像がつくものの、瑠璃はどうしても想像ができないので、藍染のなんともぼんやりしたものを思い浮かべながら読んでました。
    誰か作ってみてほしい。そして見せてほしい。

    最初、忠吉は優しいとかこうと思って、なんか違うな、と書き直しました。
    優しくはないな。
    朴念仁とか、自分二の次とか。

  • 2017年6月西宮図書館

  • 人は良いが煮え切らない花簪職人、元悪餓鬼の住職、耳が聞こえず口も利けない少女という面白い組み合わせ。
    寺に住まわせてもらう代わりに悩める人々の話を聞く『お勤め』をするところもなかなか新鮮。
    話を聞くだけで解決はしないのだが、花簪によって人の心をほぐしていくというのも面白い。
    タイトルの恋糸は職人自身の恋ではなく人様の恋だった。
    ただ少女の秘密が明らかになる終盤はちょっとバタバタしたような印象。もう少し練り込んで欲しかった。
    職人と住職とのやり取りもワンパターンだったのが少し残念。

  • L 花簪職人四季覚

    花簪職人の忠吉が住まいと職を失って育った寺に世話になりながら、憂を抱える人(色恋沙汰)の悩みを聞く。と同時に、寺で育てる曰く付きの少女の理由が全編を通じで明らかになる。
    読みやすい。そして、恋糸ほぐしとはよく言ったもんだね!と感心するタイトル。
    花簪職人のくせに料理が料理人の腕に匹敵するほど…という設定が若干気にくわない(どっちかだけで攻めろよ)が、優男に強面の住職に、育ての親の和尚、心に傷がある少女、という全体のバランスはいい感じ。 寺をバックに置かれた話を読むとどうも既視感あるなぁ。みんな同じに思えちゃうのか。

  • 田牧さんの描くやらかい雰囲気の男の人は好ましい。
    そして、それを補うかのように一本筋を通した男気を持つ友人も好きだ。

    読後はほっこりするし、重々しくない謎解きもいい。江戸時代の日常系ミステリ。
    心が疲れているからか、これくらいの(いい意味で)軽い物語が読んでいて落ち着ける。

    田牧さんはこれからも追い続けたい作家さんの一人になりました。

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著者プロフィール

田牧 大和(たまき やまと)
1966年、東京都生まれの小説家。明星大学人文学部英語英文学科卒業。市場調査会社に勤務しながら、ウェブ上で時代小説を発表していた。2007年『色には出でじ、風に牽牛』(『花合せ』)で第2回小説現代長編新人賞を受賞。
代表作に、『花合せ 濱次お役者双六』などの「濱次シリーズ」、『鯖猫長屋ふしぎ草紙』の「鯖猫長屋シリーズ」などがある。

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