崩れる脳を抱きしめて

著者 :
  • 実業之日本社
3.72
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本棚登録 : 3336
感想 : 375
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537146

感想・レビュー・書評

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  • 知念実希人さんの本は2冊目。「ひとつむぎの手」が素晴らしかったので、読んでみた。

    研修医・碓氷蒼馬は研修先の療養型病院で、グリオブラストーマに罹患した2つ年上の女性・弓狩(ユカリ)環の担当となる。二人は心を通わせ合い、碓氷はユカリに恋していることを自覚するが告白できない。そして、研修から元々いた広島の病院に帰った後、弓狩が亡くなったことを知る。
    碓氷は弓狩の遺産相続に関して不審な点に気づき、研修先の横浜に戻り真相を調べるが…

    という話。

    この小説は、恋愛小説と謎解き小説、2つの要素がある。
    恋愛の要素については、そこそこ楽しめたが、文体が軽くて心に引っかからない。主人公もあまりいい奴ではないので、感情移入しにくいところが残念。
    謎解き要素は、伏線がしっかり回収されていてスッキリできた。
    総合的には読みやすいし、重いテーマを扱いつつも前述のように軽い文体なので、楽しんで読めるミステリーだと思う。

    ところで、グリオブラストーマは平野啓一郎さんの「ある男」でも取り扱われる病気。オビに「愛した彼女は幻なのか」とあるが、「ある男」も「愛したはずの人が実は別人だった」謎を解くストーリー。
    どうでもいいけど、興味深い共通項。

    • やまさん
      たけさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      たけさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      2019/11/24
    • たけさん
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。

      この本の字の大きさは、どうですかねー…中程度ですかねぇ
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。

      この本の字の大きさは、どうですかねー…中程度ですかねぇ
      2019/11/24
  • 冒頭で主人公とゆかりさんが病室で初めて会うシーンと、ラストの桜の花弁が舞い散るシーンがとても美しく描かれおり、印象的でした。
    純愛って優しくて切なくていいなぁ〜と感じました。
    隠されていた真実が分かるまで、ドキドキでした。

  • 余命がある患者と研修医の恋愛物語。
    余命があると愛する人を悲しませないようにする嘘が壮大で最後までわからなかった

  • 2022/03/24読了
    #知念実希人作品

    純愛ミステリー。
    めちゃくちゃ良かった。泣けた。
    後半目まぐるしい展開だが
    幸せな気持ちになる終わり方がいい。
    映像化したら普通にウケそう。

  • 毎回イッキ読みです!

    研修医だからわかる余命僅か、思い悩む切なさ、自分が惹かれていく気持ち、もどかしさなどが描かれた作品だと思います。

    最後の二転三転のドンデン返し、面白かったです。

    本のタイトル「崩れる脳を抱きしめて」はプロポーズの言葉だったのね。

  • やばい、面白かった。いやかなり面白かった。

    ユカリさんは本当は・・・って思いながら、
    まさかそういう感じで解明されるとは。
    長めの第一章は完全なる伏線で、第二章で読むスピードも高まるという感じ。

    冴子さんの広島弁も気持ち良いし、
    碓氷先生のお父さんの話もグッとくるね。

    いろんな事が楽しめるお話だったかな。

  • いいです、ホーンとに…
    久しぶりに驚愕しました。
    恋愛ミステリーって初めてなんですが、コレは面白い
    恋愛とミステリーって混ざるんだー
    知念さん作品はまだ数冊ですが今回を機に読もうと思う、ありがと…って気持ちです。

  • 知念作品、やっぱり好きだなぁ。

    医療×ミステリーではまさに一級品で、本作は恋愛小説としてもステキな作品でした。

    本作の主人公は脳外科医を目指し神奈川にある富裕層向けの療養型病院に研修医として実習に来た碓氷蒼馬。

    そこで出会った入院患者の弓狩環は悪性脳腫瘍(グリオブラスマート)に侵され、その腫瘍は脳幹部にまで達しておりもはや手術も出来ない状態。

    そう彼女は脳内に「爆弾」を抱える終末期の患者。

    初めて診察に訪れた病室で「ゆがり」の濁音の響きが格好悪いと「ユカリ」と呼んでほしいと伝える。

    そうして始まった1ヶ月の研修期間の中で蒼馬はユカリと接していく中で、蒼馬を苦しめる過去の謎解きが始まる。

    それは幼い頃に自分と母親と妹の3人と大きな借金を残し、預金を引き出し若い女と共に家族の前から消えた父親の死にかかわるもの。

    蒼馬はずっと若い女と逃げた父親を恨み、お金に苦労してきたが故に、脳外科医として腕を上げアメリカで金を稼ぐことに執着していた。

    そんな蒼馬の父親疾走に隠された謎はユカリの助けを得て思わぬ形で真実が明らかになる。

    ここまででも一つのミステリー作品であるが、本作の凄さはむしろここから始まる。

    徐々にユカリに心を惹かれた蒼馬は研修最終日にその想いをユカリに告げようとするも、ユカリがそれを許さない。

    そして故郷の広島へと帰った蒼馬のもとに届いたのはユカリの死。

    ここからユカリの死に纏わる新たな謎解きが始まる。

    ラスト20pからの怒涛の謎解きはどことなく感じる部分があったとは言え、1行毎に明かされる謎解きと、そこに仕込まれていた伏線はお見事としか言えない。

    そして本作の結びはまさに恋愛小説そのもの。

    読み終えた読者には「崩れる脳を抱きしめて」というタイトルの付け方の旨さにも感心させられたことだろう。

    この1冊で2〜3冊分を読んだ気にさせてくれます。


    説明
    内容紹介
    彼女は幻だったのか? 今世紀最高の恋愛ミステリー!! 圧巻のラスト20ページ! 驚愕し、感動する!!! 広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の 碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。 外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる 碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を 通わせていく。実習を終え広島に帰った 碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。 彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか?

  • うわーほんと良かった。
    読めて良かったと思う。
    後半の二転三転するストーリーに、知念さんに振り回されててるような感覚がとんでもなく良くて、読むことを途中で止められなくなった。
    自分が何故この世に生まれ、何故ここにいるのかなんて頭に爆弾を抱えないと考えないテーマだろうけど。でも、なんの病気もない私だって少しだけ頭の隅に置くべき事なのかもしれない。一日一日を大事にするために。

  • 恋愛医療ミステリー。
    読みやすく面白かった。
    医療用語も読みやすく、主人公のもがき加減がよかった。
    最後の結末は、驚きでした。

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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『ブラッドライン』、『優しい死神の飼い方』、『天久鷹央の推理カルテ』などがある。

「2022年 『祈りのカルテ 再会のセラピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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