崩れる脳を抱きしめて

  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537146

感想・レビュー・書評

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  • 父親の失踪で貧乏な生活を余儀なくされ
    稼ぐことだけを目的に自分を追い込む青年、碓氷蒼馬。
    過去に縛られ、人としての心を持つ余裕さえない。
    そんな蒼馬の人生がミステリーを絡めながら描かれる。

    大きく二つの章に分けられる。
    最初の章では、患者・ユカリとの出会いと
    蒼馬の父親失踪の謎解きが語られる。
    ユカリと接するうちに心がほぐれていく蒼馬。
    蒼馬の語りから、失踪の謎を解明するユカリ。
    断片的だったものが見事に繋がり、
    トラウマになっていた父親の記憶から
    解放される蒼馬。

    そして二つ目の章では、蒼馬が謎解きに挑む。
    研修を終えて戻った蒼馬にユカリの死が知らされる。
    しかし、その死を不審に思った蒼馬。
    ユカリの謎を解くために奔走する。
    ちょっと手の込んだカラクリに
    「ん? え~っ!」とつい声が出てしまう。

    最後は、生きるとはどういうことなのか
    という問いかけに答える形で終わるこの作品。
    ミステリーとしても
    一人の青年の人間ドラマとしても
    じゅうぶん 読み応えがありました。

    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      yyさん、こんばんは〜
      今年初読みの作品は、読み応えのある作品の様ですね(╹◡╹)
      今年もレビュー楽しみにしています
      よろしくお願いします
      yyさん、こんばんは〜
      今年初読みの作品は、読み応えのある作品の様ですね(╹◡╹)
      今年もレビュー楽しみにしています
      よろしくお願いします
      2024/01/06
    • yyさん
      ハッピーアワーさん♪

      こんばんは☆彡
      今年いただく初コメント♡、凄く嬉しいです。
      ありがとうございます。
      年末年始、バタバタして...
      ハッピーアワーさん♪

      こんばんは☆彡
      今年いただく初コメント♡、凄く嬉しいです。
      ありがとうございます。
      年末年始、バタバタしていてなかなか読めなかったけれど
      やっと一冊…!です。
      私は、ハッピーさん(省略しすぎ?)がお好きな桜木紫乃さん、
      ちょっと気になってます。まだ読んだことがないので。
      こちらの方こそ、今年もよろしくお願いします。
      2024/01/07
  • 初期研修で神奈川県の療養型病院に訪れた医師碓氷(うすい)が物語の主人公。
    最悪の脳腫瘍を患う、患者の湯狩(ゆがり)と、医師と患者の関係から、徐々に仲を深めていく。そんな、湯狩に想いを告げようとするが、寸前で湯狩に止められ、碓氷は所属する広島の病院に戻る事に。
    広島に戻った数日後に、湯狩が亡くなったことが判明。しかも、精神的な事が原因で外出できない湯狩は外出中に亡くなっていた。湯狩の死を不審に思った碓氷は神奈川に行き、死の真相解明に乗り出す。
    といった物語です。

    物語の終盤で完結したのかな?と思いきや、一転物語が覆り、驚かされました。
    散りばめられ、ずっと違和感を持っていた伏線もしっかり最後に回収され、爽快感がありました。

    ベースが、終末期の医療となっているため、「生」と「死」について考えさせられます。
    終末期の方に限らず、私たちは明日生きている保証はどこにもありません。
    今この時、一瞬一瞬を大切に生きていかなければいけないと考えさせられました。

    作家であり、医師でもある著者にしか描けない、そんな医療•ミステリーでした。

  • 物語の先が分かりすぎるかなと感じました。ミステリーというよりかは恋愛要素が強めです。
    面白さは少ないですが、少し違った恋愛小説やミステリー小説に挑戦したい方にはおすすめです。

  • 知念実希人さんの本は2冊目。「ひとつむぎの手」が素晴らしかったので、読んでみた。

    研修医・碓氷蒼馬は研修先の療養型病院で、グリオブラストーマに罹患した2つ年上の女性・弓狩(ユカリ)環の担当となる。二人は心を通わせ合い、碓氷はユカリに恋していることを自覚するが告白できない。そして、研修から元々いた広島の病院に帰った後、弓狩が亡くなったことを知る。
    碓氷は弓狩の遺産相続に関して不審な点に気づき、研修先の横浜に戻り真相を調べるが…

    という話。

    この小説は、恋愛小説と謎解き小説、2つの要素がある。
    恋愛の要素については、そこそこ楽しめたが、文体が軽くて心に引っかからない。主人公もあまりいい奴ではないので、感情移入しにくいところが残念。
    謎解き要素は、伏線がしっかり回収されていてスッキリできた。
    総合的には読みやすいし、重いテーマを扱いつつも前述のように軽い文体なので、楽しんで読めるミステリーだと思う。

    ところで、グリオブラストーマは平野啓一郎さんの「ある男」でも取り扱われる病気。オビに「愛した彼女は幻なのか」とあるが、「ある男」も「愛したはずの人が実は別人だった」謎を解くストーリー。
    どうでもいいけど、興味深い共通項。

    • やまさん
      たけさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      たけさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      2019/11/24
    • たけさん
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。

      この本の字の大きさは、どうですかねー…中程度ですかねぇ
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。

      この本の字の大きさは、どうですかねー…中程度ですかねぇ
      2019/11/24
  • 毎回イッキ読みです!

    研修医だからわかる余命僅か、思い悩む切なさ、自分が惹かれていく気持ち、もどかしさなどが描かれた作品だと思います。

    最後の二転三転のドンデン返し、面白かったです。

    本のタイトル「崩れる脳を抱きしめて」はプロポーズの言葉だったのね。

  • 冒頭で主人公とゆかりさんが病室で初めて会うシーンと、ラストの桜の花弁が舞い散るシーンがとても美しく描かれおり、印象的でした。
    純愛って優しくて切なくていいなぁ〜と感じました。
    隠されていた真実が分かるまで、ドキドキでした。

  • 余命がある患者と研修医の恋愛物語。
    余命があると愛する人を悲しませないようにする嘘が壮大で最後までわからなかった

  • 2022/03/24読了
    #知念実希人作品

    純愛ミステリー。
    めちゃくちゃ良かった。泣けた。
    後半目まぐるしい展開だが
    幸せな気持ちになる終わり方がいい。
    映像化したら普通にウケそう。

  • 互いに仲を深める恋愛パートの前半、想い人の正体に迫る謎解きパートの後半。理路整然とされていて兎に角読みやすい作品だった。
    自分はあくまで純な恋愛メインの小説として読んでいたので、ミステリ部分に愛憎こみのドロドロや入り込んだ複雑さが無く、すっきりとした構成で良かった。
    ミステリ読むぞと意気込んで読んでしまって、肩透かしを喰らう人はいるのかも。。

  • 世界に明日の保証はない。もちろん過去の保証もない。あるのは今この瞬間、存在を意識できる今この時だけ。だからこそ、わたしは今を連続させてこの世に足を着く。いつか脳が活動を停止するその日まで。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

知念実希人の作品

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