崩れる脳を抱きしめて

著者 :
  • 実業之日本社
3.70
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本棚登録 : 2640
感想 : 325
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537146

感想・レビュー・書評

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  • 知念実希人さんの本は2冊目。「ひとつむぎの手」が素晴らしかったので、読んでみた。

    研修医・碓氷蒼馬は研修先の療養型病院で、グリオブラストーマに罹患した2つ年上の女性・弓狩(ユカリ)環の担当となる。二人は心を通わせ合い、碓氷はユカリに恋していることを自覚するが告白できない。そして、研修から元々いた広島の病院に帰った後、弓狩が亡くなったことを知る。
    碓氷は弓狩の遺産相続に関して不審な点に気づき、研修先の横浜に戻り真相を調べるが…

    という話。

    この小説は、恋愛小説と謎解き小説、2つの要素がある。
    恋愛の要素については、そこそこ楽しめたが、文体が軽くて心に引っかからない。主人公もあまりいい奴ではないので、感情移入しにくいところが残念。
    謎解き要素は、伏線がしっかり回収されていてスッキリできた。
    総合的には読みやすいし、重いテーマを扱いつつも前述のように軽い文体なので、楽しんで読めるミステリーだと思う。

    ところで、グリオブラストーマは平野啓一郎さんの「ある男」でも取り扱われる病気。オビに「愛した彼女は幻なのか」とあるが、「ある男」も「愛したはずの人が実は別人だった」謎を解くストーリー。
    どうでもいいけど、興味深い共通項。

    • やまさん
      たけさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      たけさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      2019/11/24
    • たけさん
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。

      この本の字の大きさは、どうですかねー…中程度ですかねぇ
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそ、いつもいつもありがとうございます。

      この本の字の大きさは、どうですかねー…中程度ですかねぇ
      2019/11/24
  • やばい、面白かった。いやかなり面白かった。

    ユカリさんは本当は・・・って思いながら、
    まさかそういう感じで解明されるとは。
    長めの第一章は完全なる伏線で、第二章で読むスピードも高まるという感じ。

    冴子さんの広島弁も気持ち良いし、
    碓氷先生のお父さんの話もグッとくるね。

    いろんな事が楽しめるお話だったかな。

  • 知念作品、やっぱり好きだなぁ。

    医療×ミステリーではまさに一級品で、本作は恋愛小説としてもステキな作品でした。

    本作の主人公は脳外科医を目指し神奈川にある富裕層向けの療養型病院に研修医として実習に来た碓氷蒼馬。

    そこで出会った入院患者の弓狩環は悪性脳腫瘍(グリオブラスマート)に侵され、その腫瘍は脳幹部にまで達しておりもはや手術も出来ない状態。

    そう彼女は脳内に「爆弾」を抱える終末期の患者。

    初めて診察に訪れた病室で「ゆがり」の濁音の響きが格好悪いと「ユカリ」と呼んでほしいと伝える。

    そうして始まった1ヶ月の研修期間の中で蒼馬はユカリと接していく中で、蒼馬を苦しめる過去の謎解きが始まる。

    それは幼い頃に自分と母親と妹の3人と大きな借金を残し、預金を引き出し若い女と共に家族の前から消えた父親の死にかかわるもの。

    蒼馬はずっと若い女と逃げた父親を恨み、お金に苦労してきたが故に、脳外科医として腕を上げアメリカで金を稼ぐことに執着していた。

    そんな蒼馬の父親疾走に隠された謎はユカリの助けを得て思わぬ形で真実が明らかになる。

    ここまででも一つのミステリー作品であるが、本作の凄さはむしろここから始まる。

    徐々にユカリに心を惹かれた蒼馬は研修最終日にその想いをユカリに告げようとするも、ユカリがそれを許さない。

    そして故郷の広島へと帰った蒼馬のもとに届いたのはユカリの死。

    ここからユカリの死に纏わる新たな謎解きが始まる。

    ラスト20pからの怒涛の謎解きはどことなく感じる部分があったとは言え、1行毎に明かされる謎解きと、そこに仕込まれていた伏線はお見事としか言えない。

    そして本作の結びはまさに恋愛小説そのもの。

    読み終えた読者には「崩れる脳を抱きしめて」というタイトルの付け方の旨さにも感心させられたことだろう。

    この1冊で2〜3冊分を読んだ気にさせてくれます。


    説明
    内容紹介
    彼女は幻だったのか? 今世紀最高の恋愛ミステリー!! 圧巻のラスト20ページ! 驚愕し、感動する!!! 広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の 碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。 外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる 碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を 通わせていく。実習を終え広島に帰った 碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。 彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか?

  • うすうす、ユカリさんは替え玉?という事に気づきながらも、どんでん返しに気前よく引っかかって、ひとまずはハッピーエンド。
    ハイ。という感じ。

    医療の知識がものすごく活かされたという感じもせず、なんとなく物足りなかった。
    期待が大きすぎたのかも。

  • 今までの似たようなストーリーとは全く違う。
    ミステリーの要素も入っていて、最後までもやもやとしたものと、次の展開への期待が綯い交ぜになってスラスラと読めてしまう。
    何気ない言動が実は伏線であったり、読み返してみるとなお面白い。
    病院のあるべき姿、人生の意味、支えてくれる人への感謝。
    様々なものを物語っているストーリー。

  • いいです、ホーンとに…
    久しぶりに驚愕しました。
    恋愛ミステリーって初めてなんですが、コレは面白い
    恋愛とミステリーって混ざるんだー
    知念さん作品はまだ数冊ですが今回を機に読もうと思う、ありがと…って気持ちです。

  • 最近よく目にする作者さんで気になっていたので初読み。
    小さな謎が次々と解決され飽きない。風景描写などわりと感傷的で甘いような気も。実は恋愛小説だったから、この書き方なのか。
    他の作品も読んで比べてみたい。

  • 「崩れる脳を抱きしめて」
    このタイトルからは想像もつかない内容でした。(いい意味で)

    自分たちはなぜこの世に生まれ、ここにいるのか?
    この世に生まれた意味、また生きて行く意味、
    たまに考えることがあります。
    もちろん答なんか出ないんですけどね。

    脳に爆弾を抱えているユカリの姿をみて思ったんですが、
    ユカリに限らず、人の寿命はわからない。
    ある日突然ということだってある。

    私も先のことに怯えて、今を疎かにしてしまいがちです。
    「今日を生きよう」と思って生きねば!

    レオとクロにまた会えたのが、何より嬉しかったです♪。

  • 知念さんの本は『仮面病棟』に続いて2冊目。
    現役医師でもある知念さんだから書ける医療ミステリーなんでしょうね。
    でも、今回はそこにラブストーリーがプラスされています。
    第1章はゆっくりと登場人物の信条が描かれ、読むペースが上がりませんでした。
    第2章で一気にミステリーへと引き込まれ、最後の最後で…

    2018年の本屋大賞にノミネートされているこの作品。
    楽しく読めました。

  • 単なる胸キュンなのかと思ったら二重三重にも仕掛けがあった。本屋大賞候補ということで読んでみたけれど、この頃の傾向はラノベ(?)と思わせるものも多くなってきているようで本格好みの人は一瞬手に取るのがためらわれるのでは。
    この本もそんな一冊だったけれどスキマ時間にちょうどいいかと読み始めたけれど正解でした。

    出版業界がこんな中、ラノベもしょうがないでしょうが、この作家さんはちゃんとしたミステリーも書けそうなので大人路線にも幅を広げてみたらいいのに・・・と老婆心ながら。

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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』で、18年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート。『優しい死神の飼い方』『時限病棟』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラザーフッド』『誘拐遊戯』『十字架のカルテ』『傷痕のメッセージ』など著書多数。今もっとも多くの読者に支持される、最注目のミステリー作家。

「2021年 『硝子の塔の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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