彼方の友へ

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  • 実業之日本社 (2017年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784408537160

みんなの感想まとめ

戦争という厳しい時代を背景に、主人公が成長していく姿を描いた物語は、深い感情を呼び起こします。主人公の波津子は、憧れの雑誌『乙女の友』の出版社で働くことになり、周囲のオシャレな女性たちとの関わりを通じ...

感想・レビュー・書評

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  • 伊吹有喜さんの作品はドラマチックでとても引き込まれます。
    昭和十二年から二十年のお話。
    戦中の女子‥‥いや、この物語の中では“乙女“ですね‥‥日本中の乙女を虜にした雑誌『乙女の友』。
    美しい詩とそれに合わせた美しい絵。綺麗な附録もついてくる。乙女心をくすぐりますよね〜。
    でも、貧しくなり雑誌を買うことができなくなった主人公の波津子。女学校にも行くことができず、職を探すことになるが、親戚がみつけてきた職場がなんと大好きな『乙女の友』の出版社!
    憧れの作家や画家と一緒に仕事をするようになった波津子のトキメキや、周りのオシャレな女性たちに対する引け目、小学校しか出ていないことに対する惨めな思いなどがつぶさに描かれていて、とても感情移入できます。
    でも、後半は戦況の悪化や、波津子の恋心など、雰囲気が変わってきます。
    戦争の最中、一人の少女が大人の女性になってゆく成長物語。
    伊吹有喜さんの作品って、なんだか品があるんだよなぁ。そしてドラマチック。好きです。

  • 私この人の本好きだわ。
    胸の底の一番奥を掴まれる感じがする。

    お仕事小説かと思えばそれだけでなくて友もいて信頼できる人がいて。
    でも辛いし苦しいし悲しいし切ないし。
    戦時中だから本当になんと表現したらいいのか苦しいし。
    現在と過去を行き来するけどそれが全然不快じゃない。

    ラストは自然と涙が溢れた。
    言霊が言霊であってほしいと願いながらラストを読んだのに。
    あの時代だったから仕方ないなんて思いたくない。
    それでいいなんて思いたくない。
    でも伝わってた、ちゃんと伝わってたと思うと涙が出る。
    でも切ない。
    でも、でも、ってエンドレス。
    それでもよかったってことにしよう。
    だってちゃんと伝わってたもん。
    数十年の時を経て。

    彼方の友へ。

    • 翠さん
      私伊吹さんのちょっと時代古いめのが特に好きみたいです( ´艸`)
      なでしこ物語とか(*´∀`*)
      私伊吹さんのちょっと時代古いめのが特に好きみたいです( ´艸`)
      なでしこ物語とか(*´∀`*)
      2025/11/13
    • どんぐりさん
      なでしこ物語。゚(゚´Д`゚)゚。

      あのシリーズめちゃくちゃよかった〜。゚(゚´Д`゚)゚。
      なでしこ物語。゚(゚´Д`゚)゚。

      あのシリーズめちゃくちゃよかった〜。゚(゚´Д`゚)゚。
      2025/11/13
    • 翠さん
      あのシリーズは傑作ですよね。゚(゚´Д`゚)゚。
      家に置きたい!
      あのシリーズは傑作ですよね。゚(゚´Д`゚)゚。
      家に置きたい!
      2025/11/13
  • 戦前戦後の混沌とした時代の中で、前を向いて自分の気持ちに正直に生きていた人たちというのは、本当に眩しく心が透明で綺麗だと思う。いつもこの時代の本を読む度、私の心に何かを訴えてくる。

    一つ一つの行動に重みがあって、一言一言が人生の指針にもなり得る。そう、人としての重みがある。
    自力で抗えない「戦争」という計り知れない重い力が、逆に人を強く優しく豊かにしていくのだろうか。この本に出てくる人たちは、みな温かく優しい。

    タイトルにある彼方の「友」を、主人公との別れがある度、この人かこの人かと推測していたが、後半無粋なことだな、と気づく。友はいつもあなたのそばに。

    そして、相手に愛を伝える言葉がとても素敵でした。
    今年も素敵な本に出会えましたよ(^^)

  • 卒寿を越えた主人公の佐倉波津子が、老人施設で若かりし頃を回想する形で物語は進行する。

    物語の舞台は、昭和十二年から昭和二十年
    日本がまさに戦前・戦中・戦後を経験した時代。

    戦争に向かう国家勢力の中で文化の大切さ美しさを紡いで行くことがどれだけ困難だっただろう。
    一方でそれがいかに人々の心の支えになったのだろうと、思い巡らしながら読んだ。
    特に、時代背景の影響が色濃くなっていく後半は何度も胸が張り裂けそうになった。

    「贅沢は敵だ 」
    「欲しがりません勝つまでは」
    国民生活にも影響を及ぼしたこれらのスローガンは、知る人も多いと思う。
    美しいものを愛で、心ときめくものに憧れ、日常にささやかな幸せを感じることさえ叶わなかった時代。
    大切な人に想いを告げることすら叶わず、無事に帰って来てと戦地に送り出すことも出来なかった時代。

    そんな時代を懸命に信念を持って生き抜こうとした人々の想いが詰まった『乙女の友』
    読む手が止まらないという類の作品ではなく、読み終えるのに時間が掛かったが、芸術に身をおく人々の美しい心を真っ直ぐに描いていて、心が洗われるような作品だった。

    特に、音符のメッセージに託された詩は、
    秘密の暗号のようで、乙女のように心ときめいてしまった。
    余談だが、これはNHK朝の連続テレビ小説にピッタリだと思う。
    そのうち映像化されるんじゃないだろうか。
    文学好きには特にオススメしたい一冊

  • 戦前〜戦後に少女雑誌「乙女の友」に関わった人々を描いた物語。
    なんともドラマティックで、心揺さぶられた。
    時代に翻弄されながらも信念を持って仕事に向き合う姿、上司や友人に対する信頼など、素直にいいなと思える部分がたくさんあった。
    この時代の小説を読むと、「日本」という国を強く感じる。普段は意識していない国民性のようなものを刺激されている感じ。
    その時に生きていた訳ではないのに、懐かしく思うのも不思議な感覚。

    • しずくさん
      思わずコメントしちゃいました。
      随分前に読んだ大、大好きな本です。(詳しくは感想で(;^ω^))


      ところで、ねこさんの本棚に「古...
      思わずコメントしちゃいました。
      随分前に読んだ大、大好きな本です。(詳しくは感想で(;^ω^))


      ところで、ねこさんの本棚に「古本食堂 新装開店」 とあり、もしやと思い検索をかけてみました。6月ごろに出るんですね、「古本食堂」 の続編が!
      教えて下さってありがとうございます。
      2024/04/23
    • ねこさん
      しずくさん

      コメントありがとうございます!
      しずくさんもお好きな本だったんですね。
      素敵な感想も読ませていただきました。
      最期が近づいた時...
      しずくさん

      コメントありがとうございます!
      しずくさんもお好きな本だったんですね。
      素敵な感想も読ませていただきました。
      最期が近づいた時、自分はどんな時代を思い出すんだろう?なんて考えながら読みました。
      こんなキラキラした時、あったかな(汗)

      古本食堂続編も楽しみですよね。
      私もしずくさんの本棚、参考にさせてもらいますね(*^_^*)
      2024/04/23
  • どうして☆は5つまでしかないのだろう…。

    日本中の少女たちの憧れの雑誌【乙女の友】
    どんなにひもじくても、どれほど現実が厳しくとも、
    紙面を眺めるひとときだけは、夢を見させてあげたい。
    バラやスミレの絵に、胸をときめかせてあげたい。
    こんな時代だからこそ、少女たちには美しい夢を──
    その信念のもと【乙女の友】を出版し続けた有賀と純司、そして波津子たちの物語。

    この気持ちをどう表現したらいいのか、もどかしくてたまらない。
    いくら書いても書き尽くせない、胸にしみる場面ばかりだった。

    貧しくて買うことはできないが、【乙女の友】の切り抜きは波津子の宝物。
    その編集室に雑用係として働くことになった波津子。
    ついたての向こうには、憧れてやまない有賀主筆がいる。

    出征する有賀を見送る波津子の歌声。
    とこしえまで こころかえじ…
    「アニーローリー」の美しい旋律とせつない歌詞。
    有賀のやさしいまなざし…

    武運長久を願う旗の四隅に書いた、五線譜の音符のメッセージ。
    伝えたかった言葉。

    ただ一度だけの電話…
    想いを伝えたら、その人はきっと自分を待つ、だから──
    生きて帰れたら、まさきくあらばその時は───

    日章旗に大事に包まれていた「フローラ・ゲーム」
    そこにはいっていたものは…
    七十年以上の年月を経て、やっと伝えることができた想い…
    たった一言を伝えることが、こんなにも難しくて、また尊いなんて…
    泣いた、ぼろぼろ泣いた。

    そして、暗がりの中に光を灯す存在でありたいと、美しい絵を描き続けた純司。
    彼が柩に納めてくれと頼んだマフラーと、飼い猫の名前が代々「シュクル」だったと知ったとき、
    秘め続けた恋心に、また涙がこぼれた。


    明治神宮外苑競技場、学徒出陣のための壮行会。
    降りしきる冷たい雨の中を、泥を跳ね上げ行進していく学生たち。
    徴兵免除は、まず文科系の学生たちから外されたという。
    作家を夢見ていた方もおられたでしょう。
    戦争がなければ、書かれたはずの素晴らしい物語もあったかもしれない。

    端切れの布で作った髪飾りが咎められ、少女の夢が踏みにじられる。
    そうしたささやかな喜びが許されない時代。
    美しい物を美しいと言えない時代。
    あまりに悲しい…

    『なかよし』や『りぼん』の付録や切り抜き、千代紙、おもちゃの指輪、きれいなペーパーナプキン、リボン、可愛い絵の鉛筆、香りのする消しゴム、
    クッキー缶の中に入れていた宝物たちがよみがえってくる。

    そして、自分がどれだけ恵まれた時代に生きているかをかみしめた。
    あの繰り返してはならない時代があって、今の私たちはここにいる。

    読み終えて、本を両手でぎゅっと抱きしめた。
    Dear friends──Sincerely yours──
    「友へ、最上のものを」
    この本は、伊吹有喜さん、そして有賀、純司、波津子たちから届けられた最上の贈り物。
    私もまた”彼方の友”のひとりになれたことが嬉しくてたまらない。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      これはまたすごく熱のこもったレビューだね♪素晴らしい。
      私は純司先生のことばかり覚えていてお恥ずかしい(〃...
      こんばんは(^-^)/

      これはまたすごく熱のこもったレビューだね♪素晴らしい。
      私は純司先生のことばかり覚えていてお恥ずかしい(〃ノωノ)

      私たちも乙女だよね(⁎˃ᴗ˂⁎)
      2018/05/29
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      コメントありがとうね!!
      なんだかお話するのすごく久しぶりだよね♪

      この本、もうね、たまらなく好き...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      コメントありがとうね!!
      なんだかお話するのすごく久しぶりだよね♪

      この本、もうね、たまらなく好き!!
      元々感激しやすい性格なものだから、感想もものすごくチカラが入ってしまったの。
      読み返すと妙に恥ずかしいです。
      そんな風に言ってもらえてとても嬉しい(#^^#)

      純司先生、素敵だよね~♡
      報われることのない恋心が切なかった…

      有賀主筆と純司先生、脳内で勝手にキャスティングして楽しんでたわ。
      映像化されたら素敵よね~(きっとまたブツブツ言ってしまいそうだけど・笑)

      そうそう、私たちも乙女よね~♡
      可愛いモノに目がなくて、少女趣味のまま大人になってしまった…と思ったりもするけど、
      最近はそれもいいのかなって思えるようになった(^_-)-☆
      開き直り?(笑)
      2018/05/30
    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      読んだことわかるように、ひとことコメントして自分のは自分で消すしかないんだね。私のは削除しました。
      よろし...
      こんばんは(^-^)/

      読んだことわかるように、ひとことコメントして自分のは自分で消すしかないんだね。私のは削除しました。
      よろしくお願いします!
      2018/06/08
  • 憧れていた雑誌「乙女の友」を引き継ぎ、戦中〜戦後へ繋いでいく。希望の光を絶やさぬように発信し続けた奮闘記。
    作り手の大変な思い、戦時中における数多のお別れ、戦禍の不穏な影、どこを読んでも波みたいに押し寄せてくるのがちょっと苦しかった。
    ただひたむきに真っ直ぐ進むことの大変さ、「でも、私がやらなきゃ」と、局面で度々感じる波津子さんの迷いと正義感にはやっぱり感銘を受けて、心を揺さぶられる、そんな作品でした(*゚∀゚)

    2024.5

  • 読友さんお薦めの作家さん、人気過ぎて昔の本(直木賞候補作品)から挑戦。戦前、戦中、そして現代、1人の少女雑誌好きな女性が懸命に働きながら、生きながら主筆になっていく成長譚。老人ホームで過ごす1人の女性がその過去を振り返っていく。そこで見え隠れする淡い恋愛、友人が戦争に巻き込まれていく様、東京大空襲、そして少女雑誌の復興。一方、その描写が中途半端なのか?インパクトに欠けるのか?自分には響かなかった。しかし、昭和ノスタルジーに十分引き込まれ、強い女性の根幹は垣間見れた。『ミッドナイト・バス』は是非読みたい。④

    https://prizesworld.com/naoki/senpyo/senpyo158.htm  直木賞選評。「このまま即NHKの朝ドラになりそうな仕上がりが、他の作品と競い合うためにはお行儀が良すぎた――それくらいしか失点が見当たりません。でもこれが意外と大きな要素だということが、文学賞のおっかないところなんです。」 BY 宮部みゆき

    「一緒でしょう、拳闘も雑誌も小説も。知性の殴り合いですよ。」BY 上里

  • まさに今読んだばかりだが、胸いっぱいでなんて書いていいのかわからない。。
    ただ一つ言えることは、とても思い入れのある作品に出会えたということ。
    伊吹さんの届けてくれたこの作品も物語と同じく、多くの読者に届きますように。

  • 心に刺さった。
    1本の映画を観るように一気に読み切った。
    重く辛い戦争時代の描写は読み進めていて本当に苦しかった。
    伊吹作品は「犬がいた季節」「雲を紡ぐ」に続く3作目。
    想像を超える作品だった。

  • 戦前から戦後にかけて、少女を対象にした雑誌を創ってきた編集者たちの話。
    90歳を越えた主人公が病床で昔を思い出しながら、想いを馳せる。

    個人的には、時代は少し違うけど「はいからさんが通る」と少しシンクロさせてしまう部分があった。
    有賀主筆が青江編集長のイメージで、ハツが環。
    あー、でも違うかなぁ。
    環はお嬢様だから、どちらかというと同僚の史絵里かな。
    抗えない社会中で必死に生きる姿が似てると感じたのかもしれない。

    戦争や災害の中で少女向けの雑誌をどうやって存続させるのか、女性蔑視の世の中で編集者としてどうやって働いていくのか、ハツの臆病で弱気な部分も周りにいる史絵里や画家の長谷川先生の手助けで、勇気や元気をもらい、一歩踏み出したり、大きな決心をしたり、そんな姿が微笑ましかった。

    有賀主筆との淡い恋は切なかった。
    想いは通じ合ってた、ハツがそれを知ることができて良かった。

    戦争ってなんだろう。
    一体誰のためだったんだろう。
    どうしようもない渦の中で、自分のやりたいことも出来ず、言いたいことも言えず、会いたい人には会えず、でも誰かのせいにも出来ず、皆んなが苦しんだというのに。
    東京の空襲は、祖父母からの話と相まってとてもリアルだった。
    読んでいて怖くなるくらいに。

    強く生きたあの時代の人たちを尊敬します。

  • 伊吹さん初読み。

    率直に、この本に出会えて良かったと思える本でした。
    こんな風に思える本にたまに出会えるから、忙しくても読書はやめられない!

    昭和初期のあの時代、ひとりの少女・波津子の仕事だったり友情だったり淡い恋だったりをする等身大の姿が数年ごとに描かれます。

    貧しい日々の中で「乙女の友」という雑誌に心躍らされた少女時代。
    やがてその出版社で働くことになった波津子は、いろいろな人と出会い、別れを経て、喜びも苦しみも迷いもすべてを糧にしながら成長していきます。

    途中まではお仕事小説の側面が強いのかな?と思ってましたが、ラストまで読むと…いやこれはもうめっちゃ恋愛小説でもあった!
    戦地で見つかった二人だけの暗号の描写には、心にぐっと込み上げてくるものがありました。

    戦後80年近くたつ現在となっては戦争はすごく特殊な状況のように感じられるけど、当時の人たちにとっては日常と紙一重のところにあったんですよね。

    当たり前の日々が、みんなが大切にしているものが、どんどん蝕まれていく描写は読み進めるのが辛かったけど、それでも本当に最後まで読んで良かった。

    もちろん辛い描写ばかりでなく、言葉遣いやファッション、想像してみるだけで心ときめく可愛い付録や雑貨など、当時の空気がリアルに吸えるような描写が読んでいてすごく楽しかったです。

    じっくり大切に読みたいような、でも早く続きを読みたいような…そう思える貴重な本でした。

    またいつでも読み返せるように、手もとに大切に置いておきたい一冊となりました。

    • しずくさん
      伊吹さんを追っかけていた頃に読んだ本でした。感想を見返すとまだわずか4年前なのですね。もっと前だったとばかり・・・
      今でも感銘深い本の1冊...
      伊吹さんを追っかけていた頃に読んだ本でした。感想を見返すとまだわずか4年前なのですね。もっと前だったとばかり・・・
      今でも感銘深い本の1冊です。この本が好きな方にはつい共感したくコメントを書いてしまいます。私めのコメントは↓。良かったらどうぞ!
      https://booklog.jp/users/lemontea393/archives/1/4408537160
      2022/11/21
    • mochimochiさん
      こちら、私も本当に久しぶりに心を強くゆさぶられる本でした。

      しずくさんのレビューも拝見しました!
      あの時代、懸命に生きていた登場人物全員が...
      こちら、私も本当に久しぶりに心を強くゆさぶられる本でした。

      しずくさんのレビューも拝見しました!
      あの時代、懸命に生きていた登場人物全員が愛おしく思えてくる作品ですよね。

      この作品がとても良かったので、他の伊吹作品もいろいろ読んでみようと思います(^^)
      また良かったらオススメ教えてください♪
      2022/11/21
  • ★4.5

    平成の老人施設でまどろむ佐倉波津子に赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。
    「乙女の友・昭和十三年新年号付録 長谷川純司作」。
    そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだったー。

    舞台は戦前・戦中・戦後の東京。
    主人公の佐倉波津子の父は大陸で消息絶ち、母は病にふせっている。
    進学をあきらめ、習っていたピアノも音楽もやめた。
    波津子は、昭和13年の暮れから大和之興業社の「乙女の友」編集部で給仕の仕事を始める。
    主筆の有賀憲一郎・看板作家の長谷川純司など個性溢れる人々に囲まれて
    仕事を覚えていく波津子。
    やがて太平洋戦争が開戦し、軍部の意向で看板作家の長谷川は降板、
    有賀も出征する。残された波津子は、有賀への想いを胸に秘めつつ懸命に
    「乙女の友」の編集を続けるが…。

    とっても素晴らしかった(*´ `*)
    戦前・戦中という激動の時代に、戦時中においては一番に「不要」と判断されそうな
    少女雑誌の出版に全身全霊で情熱を傾ける人々の物語。
    読者を友と呼び、当局の干渉を受け紙面や髪質を変えざるをえなくても、
    紙の配給が少なくなっても、彼らはその時に出来る最上の雑誌を作り続けた。
    その姿に何度も胸が熱くなりました。
    大切な人が出征したり、ドンドン人がいなくなっていくのが切なかった。
    東京大空襲の場面は胸が痛かった。
    ラストには胸が熱くなり涙が零れて仕方が無かった。
    戦争を背景にした作品でしたが、とてもキラキラした雰囲気を感じました。
    生き生きとしてて、情景や絵が浮かぶ様でした。

    実業日本社創業120種年記念作品だそうです。
    本作は、竹久夢二や中原淳一が活躍した少女雑誌「少女の友」の存在に、
    著者が心を動かされた事から生まれたそうです。
    今迄の伊吹さんの作品も素晴らしかったし、大好きでした。
    この作品は伊吹さんが大きく飛躍した作品に感じられました。

    年明け一冊目の本、とっても大満足の読書でした(*´˘`*)♡

  • (ふざけたわけではありません)


    かん想を見てそれを励みに読み進めました。

    なんだか最初は読みづらかったので。

    たくましい主人公、でも周りが濃いので影薄め。

    のう内キャスティング純司は森崎ウィン。

    とうさん、おじさんは、つまり…?

    もう戦争はやめましょうよ。

    へ(え)ピローグは涙、最上のものをありがとう。


    最後で星5に跳ね上がりました。
    ブクログだから出会えた一冊。
    感謝です。

  • 映像化して欲しいと思えた本。
    昭和の時代を生きた雑誌制作に関わる人たちの物語。

    どんどん戦時下に陥ってゆく苦しさと、そこで懸命に生きる人間模様。苦しさの中にも、なんともいえないせつなく優しい気持ちになる本。
    伊吹有喜さんは、「犬がいた季節」以来の2冊目。

    老人施設にいる主人公ハツ90歳が、昔を思い出すところから始まる。昭和の時代性を感じつつ、戦争のやりきれなさ、大事なことを考えさせられる。

    「マチに入る」とか。

    言葉に込めて
    彼方の友へ 雑誌を作る

    ブクログも、なんか似てるな。
    彼方の友へ
    よかったよ、この本と。

    去年から読みたかった本
    この年のはじめに読めて、よかった。

  • 「友よ、最上のものを」
    戦中の東京、雑誌づくりに夢と情熱を抱いて――

    老人ホームでひとりまどろむ佐倉波津子に、赤いリボンで結ばれた小さな箱が届く。「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」それは大切な想い出の品。
    フローラ・ゲームを私に届けてくださったのはどなた…
    波津子は思い出す、あの愛する人たちと生きた熱い激動の時代を。

    戦時中に雑誌を作るという事はどれだけ大変だったのだろう。書きたいことが書けず、描きたいものが描けず、さらには紙までなくなっていく…
    それでも、有賀も純司もいつでも心はひとつ「友へ、最上のものを」。今こそ必要な記事や作品、そして素敵な付録を。彼らの情熱が伝わってきてグッとくる。

    戦後、みんなどうなったのか不安でどんどん読み進める。みんな生きていて、戻ってきて!と祈りながらページを捲る。

    エピローグ。70年後に語られる真実、届いたもの、そしてそこに書かれた想い。嬉しくて切なくて…。いい読書ができました。

    言霊の話は、前も何かの本で読んだけどやっぱりいいなぁ。言葉の持つ力、五十の音色、日本語の美しさを感じた。
    「ま幸くありこそ」

    私も乙女に戻って『乙女の友』を読んでみたい。そして純司先生におしたいしておりますとお手紙を送りたい。

    しかし、波津子さん、乙女が鼻毛は…(笑)

    • nejidonさん
      けいたんさん、こんにちは♪
      とっても面白そうな本ですね!
      滅多に小説は読まないのですが、読んでみたくなりました。
      これって、フィクショ...
      けいたんさん、こんにちは♪
      とっても面白そうな本ですね!
      滅多に小説は読まないのですが、読んでみたくなりました。
      これって、フィクションですか?もしやまさかのノンフィクション?
      実話だったら本当に素敵なお話ですね。
      ごめんなさいね、基本情報さえ知らなくてコメントしてます。
      70年後に何が明らかにされたのでしょう?
      ああ、とっても興味があります!
      2018/01/25
    • あいさん
      nejidonさんへ♪

      いつもありがとうございます(^-^)/
      最近感想がなかなか書けずムムムになっていたのでこんな風にコメントも...
      nejidonさんへ♪

      いつもありがとうございます(^-^)/
      最近感想がなかなか書けずムムムになっていたのでこんな風にコメントもらえて励みになります!
      nejidonさんはいつも素敵な文章を書いていて尊敬です(⁎˃ᴗ˂⁎)
      たくさんの思いが込められている文章ですよね。

      この作品はフィクションだと思います。
      「少女の友」という雑誌がモデルではあるらしいですけど。
      「少女の友」ネットで調べたら懐かしい雰囲気の表紙でした(*≧艸≦)
      きっと戦時中は苦労して作られたのでしょうね。
      何も知らないことを教えあうのがコメントのいいところですよ♪とても楽しいですよ。
      70年後に誰が訪ねてきたのかが明らかになった時色んな思いが胸によぎりました。
      いつか機会があったらぜひ読んでみてください。
      2018/01/27
  • 感想
    国がファシストのようなおかしな方向に進むとそれを正義と勘違いした人も出てくる。そんな中で自分が面白いと思うことを追求するのは大変。

    激動の時代に雑誌に想いをかけた人たちの熱い物語。最後の最後にタイトル回収!


    あらすじ
    佐倉ハツの若かりし頃、昭和12年から描く。ハツは17歳でちょうど仕事がなくなり、どうしようか悩んでいる時に叔父から銀座の乙女の友を出版している会社の雑用係を紹介される。

    ハツは働くうちに文才を認められて、アシスタントとして働くことになった。憧れの有賀主筆や画才の長谷川と一緒に仕事をする。新しい原稿が必要な時に、ハツが書いたフルーツポンチ大同盟がみそめられ、連載を始めることになる。

    時代は第二次世界大戦に突入しようとしていた。国の検閲により逮捕された空井が、国によって殺される。検閲が厳しくなり、長谷川も乙女の友を去ることになる。

    その後は戦争が激化し、編集員も減っていく。遂に有賀が招集され、ハツが主筆を務めることに。東京大空襲で命からガラ、逃げ切るも銀座には何もなくなっていた。長谷川が出征から帰り、ハツを励まし、雑誌を作ろうと誘う。ハツは再び雑誌を創り始める。

    時は流れ、ハツは90歳になり、面会も断っていたが、美蘭の孫という若者が尋ねてきて、それぞれの消息や乙女の友のことを聞きたいと話す。そこには好きだった有賀からハツにしか分からない暗号で伝言が残されていたのだった。

  • ☆5だよね。
    すごく良かった。

    面白いんかな?と思ったら、
    とりあえず読んでみてほしい。
    ブクログしてなかったら、読んでなかったであろう作品。

  • 戦前から戦後にかけて、少女雑誌にすべてをかけてきた人たちの物語。朝ドラにすべきな充実した内容。実際にあった「少女の友」がモチーフ。読後、検索して中原淳一作の表紙や挿絵をみると、余韻に浸れます。

  • 445ページ
    1700円
    2024年11月5日〜11月7日

    自分が経験したことはないのに、なぜだか無性に懐かしさを感じさせてくれた物語。幼い頃に買ってもらった雑誌やその付録ののことを思い出す。戦前の話だけれど、戦後生まれの自分にもわかるという乙女心がうまく描かれていた。施設で今を生きる波津子がどうなるのかも気になりながら、若かりし頃の波津子の成長も恋物語も気になり、中盤からグングン引き込まれていった。胸の奥に眠っていた乙女心みたいなものを引き出された感じ。この物語ごと大切にしたい一冊となった。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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