彼方の友へ

著者 :
  • 実業之日本社
4.39
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  • 本棚登録 :504
  • レビュー :83
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537160

作品紹介・あらすじ

平成の老人施設でまどろむ佐倉波津子に、赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった。昭和初期から現在へ。雑誌の附録に秘められた想いとは-。

感想・レビュー・書評

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  • 「友よ、最上のものを」
    戦中の東京、雑誌づくりに夢と情熱を抱いて――

    老人ホームでひとりまどろむ佐倉波津子に、赤いリボンで結ばれた小さな箱が届く。「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」それは大切な想い出の品。
    フローラ・ゲームを私に届けてくださったのはどなた…
    波津子は思い出す、あの愛する人たちと生きた熱い激動の時代を。

    戦時中に雑誌を作るという事はどれだけ大変だったのだろう。書きたいことが書けず、描きたいものが描けず、さらには紙までなくなっていく…
    それでも、有賀も純司もいつでも心はひとつ「友へ、最上のものを」。今こそ必要な記事や作品、そして素敵な付録を。彼らの情熱が伝わってきてグッとくる。

    戦後、みんなどうなったのか不安でどんどん読み進める。みんな生きていて、戻ってきて!と祈りながらページを捲る。

    エピローグ。70年後に語られる真実、届いたもの、そしてそこに書かれた想い。嬉しくて切なくて…。いい読書ができました。

    言霊の話は、前も何かの本で読んだけどやっぱりいいなぁ。言葉の持つ力、五十の音色、日本語の美しさを感じた。
    「ま幸くありこそ」

    私も乙女に戻って『乙女の友』を読んでみたい。そして純司先生におしたいしておりますとお手紙を送りたい。

    しかし、波津子さん、乙女が鼻毛は…(笑)

    • nejidonさん
      けいたんさん、こんにちは♪
      とっても面白そうな本ですね!
      滅多に小説は読まないのですが、読んでみたくなりました。
      これって、フィクションですか?もしやまさかのノンフィクション?
      実話だったら本当に素敵なお話ですね。
      ごめんなさいね、基本情報さえ知らなくてコメントしてます。
      70年後に何が明らかにされたのでしょう?
      ああ、とっても興味があります!
      2018/01/25
    • けいたんさん
      nejidonさんへ♪

      いつもありがとうございます(^-^)/
      最近感想がなかなか書けずムムムになっていたのでこんな風にコメントもらえて励みになります!
      nejidonさんはいつも素敵な文章を書いていて尊敬です(⁎˃ᴗ˂⁎)
      たくさんの思いが込められている文章ですよね。

      この作品はフィクションだと思います。
      「少女の友」という雑誌がモデルではあるらしいですけど。
      「少女の友」ネットで調べたら懐かしい雰囲気の表紙でした(*≧艸≦)
      きっと戦時中は苦労して作られたのでしょうね。
      何も知らないことを教えあうのがコメントのいいところですよ♪とても楽しいですよ。
      70年後に誰が訪ねてきたのかが明らかになった時色んな思いが胸によぎりました。
      いつか機会があったらぜひ読んでみてください。
      2018/01/27
  • どうして☆は5つまでしかないのだろう…。

    日本中の少女たちの憧れの雑誌【乙女の友】
    どんなにひもじくても、どれほど現実が厳しくとも、
    紙面を眺めるひとときだけは、夢を見させてあげたい。
    バラやスミレの絵に、胸をときめかせてあげたい。
    こんな時代だからこそ、少女たちには美しい夢を──
    その信念のもと【乙女の友】を出版し続けた有賀と純司、そして波津子たちの物語。

    この気持ちをどう表現したらいいのか、もどかしくてたまらない。
    いくら書いても書き尽くせない、胸にしみる場面ばかりだった。

    貧しくて買うことはできないが、【乙女の友】の切り抜きは波津子の宝物。
    その編集室に雑用係として働くことになった波津子。
    ついたての向こうには、憧れてやまない有賀主筆がいる。

    出征する有賀を見送る波津子の歌声。
    とこしえまで こころかえじ…
    「アニーローリー」の美しい旋律とせつない歌詞。
    有賀のやさしいまなざし…

    武運長久を願う旗の四隅に書いた、五線譜に書いた音符のメッセージ。
    伝えたかった言葉。

    ただ一度だけの電話…
    想いを伝えたら、その人はきっと自分を待つ、だから──
    生きて帰れたら、まさきくあらばその時は───

    日章旗に大事に包まれていた「フローラ・ゲーム」
    そこにはいっていたものは…
    七十年以上の年月を経て、やっと伝えることができた想い…
    たった一言を伝えることがこんなにも難しくて、また尊いなんて…
    泣いた、ぼろぼろ泣いた。

    そして、暗がりの中に光を灯す存在でありたいと、美しい絵を描き続けた純司。
    彼が柩に納めてくれと頼んだマフラーと、飼い猫の名前が代々「シュクル」だったと知ったとき、
    秘め続けた恋心に、また涙がこぼれた。


    明治神宮外苑競技場、学徒出陣のための壮行会。
    降りしきる冷たい雨の中を、泥を跳ね上げ行進していく学生たち。
    徴兵免除は、まず文科系の学生たちから外されたという。
    作家を夢見ていた方もおられたでしょう。
    戦争がなければ、書かれたはずの素晴らしい物語もあったかもしれない。

    端切れの布で作った髪飾りが咎められ、少女の夢が踏みにじられる。
    そうしたささやかな喜びが許されない時代。
    美しい物を美しいと言えない時代。
    あまりに悲しい…

    『なかよし』や『りぼん』の付録や切り抜き、千代紙、おもちゃの指輪、きれいなペーパーナプキン、リボン、可愛い絵の鉛筆、香りのする消しゴム、
    クッキー缶の中に入れていた宝物たちがよみがえってくる。

    そして、自分がどれだけ恵まれた時代に生きているかをかみしめた。
    あの繰り返してはならない時代があって、今の私たちはここにいる。

    読み終えて、本を両手でぎゅっと抱きしめた。
    Dear friends──Sincerely yours──
    「友へ、最上のものを」
    この本は、伊吹有喜さん、そして有賀、純司、波津子たちから届けられた最上の贈り物。
    私もまた”彼方の友”のひとりになれたことが嬉しくてたまらない。

    • ひとしさん
      杜のうさこさんこんばんは!
      レビューが素晴らしすぎます(o^^o)
      2018/05/22
    • 杜のうさこさん
      ひとしさん、初めまして^^
      コメントと、♡をありがとうございます!

      このように直球で褒めて頂いて、今、胸がどきどきしています(#^^#)
      私はどうしても作品にのめり込むというか、感情の迸るままに書いてしまうので、お恥ずかしいんですが…。
      特にこの本は、まだまだ書き尽くせないほどの想いで一杯で。

      ひとしさんも書かれていた、
      >好きだということさえわからない恋。好きという、たった一言も伝えることのできない恋。
      その不器用さが、本当にせつなくて…
      だからよけいに長い時を経て届いた、あの暗号が心にしみますよね。

      嬉しいコメントを、本当にありがとうございました<(_ _)>。

      また本棚にお邪魔させてください(^^♪
      2018/05/22
    • ひとしさん
      私は時代小説とかはどちらかというと苦手なのですが、その頃って生と死が隣り合わせだったり、感情をストレートに表せなかったりして、だからなおさら生きるということに一生懸命なのかなぁと思ったりしてしまいます。思いもすごく熱いものがありますし。
      なので、苦手意識を取り払って読むとすごく良かったと思える本が多いような気がします。
      また本棚でお会いしましょう!
      2018/05/23
  • ★4.5

    平成の老人施設でまどろむ佐倉波津子に赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。
    「乙女の友・昭和十三年新年号付録 長谷川純司作」。
    そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだったー。

    舞台は戦前・戦中・戦後の東京。
    主人公の佐倉波津子の父は大陸で消息絶ち、母は病にふせっている。
    進学をあきらめ、習っていたピアノも音楽もやめた。
    波津子は、昭和13年の暮れから大和之興業社の「乙女の友」編集部で給仕の仕事を始める。
    主筆の有賀憲一郎・看板作家の長谷川純司など個性溢れる人々に囲まれて
    仕事を覚えていく波津子。
    やがて太平洋戦争が開戦し、軍部の意向で看板作家の長谷川は降板、
    有賀も出征する。残された波津子は、有賀への想いを胸に秘めつつ懸命に
    「乙女の友」の編集を続けるが…。

    とっても素晴らしかった(*´ `*)
    戦前・戦中という激動の時代に、戦時中においては一番に「不要」と判断されそうな
    少女雑誌の出版に全身全霊で情熱を傾ける人々の物語。
    読者を友と呼び、当局の干渉を受け紙面や髪質を変えざるをえなくても、
    紙の配給が少なくなっても、彼らはその時に出来る最上の雑誌を作り続けた。
    その姿に何度も胸が熱くなりました。
    大切な人が出征したり、ドンドン人がいなくなっていくのが切なかった。
    東京大空襲の場面は胸が痛かった。
    ラストには胸が熱くなり涙が零れて仕方が無かった。
    戦争を背景にした作品でしたが、とてもキラキラした雰囲気を感じました。
    生き生きとしてて、情景や絵が浮かぶ様でした。

    実業日本社創業120種年記念作品だそうです。
    本作は、竹久夢二や中原淳一が活躍した少女雑誌「少女の友」の存在に、
    著者が心を動かされた事から生まれたそうです。
    今迄の伊吹さんの作品も素晴らしかったし、大好きでした。
    この作品は伊吹さんが大きく飛躍した作品に感じられました。

    年明け一冊目の本、とっても大満足の読書でした(*´˘`*)♡

  • 男の私が言うのもなんですが、これはオススメの本ですね! 一世を風靡した少女向け雑誌が好きな不器用な女の子が はからずも発行する会社に勤めるようになり更には主筆にまでなってしまう。今は卒寿を迎えた彼女 ハツさんだが彼女を育てた前主筆こそ密かに想い続けた人で、戦時 消息が不明になったまま。昭和12年から20年のハツさんの暮らしが走馬灯のように流れて、大空襲から終戦で全てが無に帰す部分は「この世界の片隅に」や「流れる星は生きている」などが連想された。
    そして最後に 老いた彼女に面談を申し入れた若者とのやりとりでハツさんにも読者にも全てが明らかになる仕掛け!「彼方の友へ」は「かなたの ともへ」なのでした。

  • 卒寿を越えて新しい記憶はすぐに薄れていくのに、必死で生きてきたあの頃の記憶だけは薄れることはない。

    戦中の東京、『乙女の友』編集部で少女雑誌をつくる波津子は、給仕から始まり編集者見習い、編集者兼執筆者と徐々に雑誌づくりにのめり込んでいく。
    敬愛するあの人の斜め後ろに立ち雑誌づくりのイロハを教わる。
    あの人が掲げた標語「友へ、最上のものを」を胸に。
    戦中どんなに過酷な状況にあろうとも、そこに読み物や絵があれば虚しい気持ちもなぐさめられる。
    だから次号の発行を待つ「彼方の友」へ向けて最上のものを届ける!
    固い絆で結ばれた仲間達の奮闘ぶりに涙が出た。
    どんな時でもプロ意識を捨てない彼らを誇りに思う。
    単なる娯楽ではない、「読み物」の存在の有り難さが身に染みる。
    そして波津子の願いが叶って本当に良かった。
    あの時代の「友」が築き上げた情熱は、更に大きくなって今の時代の「友」へとしっかり伝えられた。

    是非とも映画化してほしい。
    それにしても、何故この作品が本屋大賞候補にノミネートされなかったのか不思議…。

  • 「友へ、最上のものを」。乙女の読者のために、雑誌を届けようとする、編集者、画家、作家たちの姿、そして仕事、恋、生き生きとしていた。眼に浮かぶようでとてもとても素敵でした。情熱は時を越える。最後の有賀からのメッセージを含め、最後の方は切なかったねえ。ま幸くありこそ。

    • ひとしさん
      ラブレター、良かったですよね!
      それより!孤狼の血3部作なんですか⁉️それは知りませんでしたσ(^_^;)
      絶対読まなければ!
      2018/05/21
  • 「卒寿を越えて新しい記憶はすぐに薄れていくのに、必死で生きてきたあの頃の記憶だけは薄れることはない」で始まる本作。

    主人公の佐倉波津子、ハッちゃんは母と近い年齢。遠住みの母とは残念ながらしみじみと語ったことはない。母の過ごした時代に想いを馳せる。

    地味で無垢なハッちゃんにすっかり魅せられてしまった。こんな人が身近に居たら百人力だろう。学歴がないのをコンプレックスに感じているハツが「乙女の友」編集部の中で迷い悩み苦しみながら、自らの才能を開花させていく。傍らで彼女に編集のノウハウを教える有賀主筆、純司先生、上里さん、美蘭さん、史絵里さん。登場人物がそれぞれに魅力的だった。

    美しいものや遊び感覚が抑圧されるとは大きな危険をはらんでいると気づかされた。

    『子供から大人になるわずかな期間、美しい夢や理想の世界に心を遊ばせる。やがて清濁併せ呑まねばならぬ大人になったとき、その美しい想い出はどれほど心をなぐさめ、気持ちを支えることになるだろうか』。美しさを必要としているのは少女ばかりではない。そして雑誌も小説も詩も音楽も、生活というものさえも、美しさを求めることは悪ではない。

    戦時色が濃くなり価値感は強要されていくが、それでも、彼女たちは「乙女の友」を待つ全国の少女たちに向け、「最上のもの」を届けるという使命を守り続けた。


    万葉集にある柿本人麻呂の一首を引いてあった。 

    磯城島(しきしま)の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸(さき)くありこそ(日本の国は言葉の力が人を助ける国だ。だから私はあなたに申し上げます。どうかご無事でありますように)

    「言葉には魂が宿る。良きにせよ、悪気にせよ、口に出した言葉には力があり、物事はその通りになるという考え方だ。だから縁起の悪い言葉は言わない方が良いと僕らの先達は考えた」と有賀が語った言葉も、この時代だからこそ光る。

    美蘭のような愛し方もあって良いのだ。だからこそ命は繋がれたのだから・・・。


    疑問は有賀主筆の任務は何だったのか?たぶん憲兵隊のような仕事をさせられたのだろう。

    終章で明かされるハツの五線譜の暗号による告白と彼が亡くなり届いた有賀からの短い手紙。

    泣けるモノと喧伝される作品には手を出さない私が素直に泣かされました。

    読んでる間彼らと過ごせる時間がたまらなく愛おしく感じらた本作です!

  • 素晴らしかった、とにかく素晴らしくて素晴らしくてしばらくは言葉にならなかったです。
    溢れる涙をぬぐいもせず、ひたすら読みました。
    読み終わった後、この涙の意味はなんだろう、と考えてました。悲しいとかうれしいとか感動したとか悔しいとか。そういう「ことば」を全て超えた、これは多分、命の涙なんだと、そう思いました。
    たとえば、人は本がなくても生きてはいけます。でも、人生に、自分のそばに本があればその人生は何倍も何十倍も豊かになります。言葉を読み、絵を眺めるだけでなく、それを手に取り胸に抱きその世界に浸る時間、その全てが私たちの命の源となるのですね。あぁ、生きるって素晴らしい。

    有賀主筆は私の祖父より少し年上で、波津子は祖母より少し年下。つまりこれは私の祖父母が懸命に生き抜いた時代の物語でした。
    美しいものにうっとりとする乙女たち。雑誌の小さなイラストを切り抜き丁寧に紙に貼り自分だけのノートを作る。その時間と心の豊かさ。
    父親の外套をほどいて娘たちのコートを作る。カーテンをリボンにし、毛布をスカートにする。そういう生活の(今とはちがう)豊かさ。
    言葉を丁寧に話すこと。気に入らない上司であってもウイットに富んだニックネームに様をつけて呼ぶ品の良さ。
    そんな豊かで美しい時代が、戦争という狂気によって踏みにじられていく。悲しい。悲しくて苦しくて悔しくて。
    美しいものを美しいと言えること、好きなものを好きだと言えること、そんな当たり前の幸せを私たちはもう少し大切にしなければならないのでは。
    もう二度とこんな哀しい思いをする乙女を生まないために考えなければならないのでは。
    有賀主筆の孤高の信念、純司様の優しさと美意識、波津子の泥臭いけれど地に足着いた豊かさ、そんなたくさんの宝を私たちは守っていかねばならぬのですね。
    この世に生きる全ての友へ、私も一冊の本を届けて生きたい。元乙女として、いや、今も心に乙女を抱いて生きる一人の書店員として。
    あぁ、もどかしい。この想いをどう伝えればいいのか。うまい言葉が浮かびませんワ。
    ただ、一言言えるのは、この物語は宝です。この世界の光となり人を導く宝デス。

  • 「乙女の友」は昭和、戦中戦後を通して発行され続けた少女向けの雑誌。その出版社で、小間使いとして雇われた佐倉波津子。「乙女の友」を深く愛し、勉強を重ね、次第に有賀憲一郎主筆の信頼を得て行く。「フルーツポンチ大同盟」というユーモア小説が暗い時代に密かに少女たちの協賛を得る。戦争が激化するなか、ついに主筆になった波津子。過酷な時代に押しつぶされそうになりながらも読者である一人一人の「彼方の友」へ届けたい。そのともしびを消すまいと戦った人たちの物語。
    戦争がそれぞれの人生を捻じ曲げていくが、そのことが不思議な運命を呼び寄せる。ある時、卒寿となった波津子のもとに突然訪れたものは・・・。最後に運命の糸がほどけてゆく。
    吉屋信子の小説と中原淳一の挿絵で一世風靡した「少女の友」を彷彿とさせる物語。波津子の健気な様子や、登場人物のことば遣いもレトロな少女小説の雰囲気を漂わせます。あちこちに散りばめられた秘密。ロマンスも純愛と激情。秘密や別れや愛情を、ときにさりげなく漂わせる描き方に、心地よい感動を覚えました。最後の謎解きは、待ちきれずに一気に読みました。

  • 第158回(2017年下半期)直木賞候補作品。
    今は老人施設で夢と現実のはざまで生きているような、「ハツ」こと佐倉波津子。そんな彼女の元に、赤いリボンで結ばれた、薄くて黒い髪箱が届けられる。それは、昭和13年に発売された雑誌「乙女の友」の付録であった。戦前・戦中と出版社で乙女たちにむけて雑誌を作り続けた人たちの想いとは。。。
    戦争によって世の中の物資状況や言論に対する抑圧の中、最大限にいいものを読者に送る気持ちがよく伝わってきた。純司と共に有賀を見送るシーンは悲しいが、音符に託した想いはよかった。

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