緑の庭で寝ころんで

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 219
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537177

作品紹介・あらすじ

ふるさと福井で、北海道の大自然の中で、のびやかに成長する三人の子どもたち。その姿を作家として、母親として見つめ、あたたかく瑞々しい筆致で紡いだ「緑の庭の子どもたち」(月刊情報誌「fu」連載)4年分を完全収録。ほかに、読書日記、自作解説ほか、宮下ワールドの原風景を味わえるエッセイ61編、掌編小説や音楽劇原作など、単行本初収録の創作5編も収載。著者の4年間のあゆみが詰まった宝箱。

感想・レビュー・書評

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  • 前回のエッセイ『神さまたちの遊ぶ庭』を読んですっかり宮下家のファンになってしまった。
    そんな宮下家のみなさんに再び逢えてとても嬉しい。
    のんびり屋の長男くんにしっかり者の次男くん、そして天然100%爆笑エピソードに欠かせない末っ子の妹ちゃん。ほんと妹ちゃんは期待を裏切らない可愛さ。
    拠点を北海道からふるさとの福井に移しても変わらずのびのびと成長していくお子さん達と、その姿を温かく見守る宮下さんにまたもや笑ったり涙ぐんだり。
    宮下さんご自身も書いておられたように「しあわせのエッセイ集」なのだと感じた。

    中でも「秋の森のリス」が印象的。
    リスが冬に備えて、秋の森で胡桃を集めて地面等に埋めて隠すエピソード。
    長男くんがポケットに文庫本(森鴎外)を入れっぱなしにしているのを見て宮下さんが尋ねた時の長男くんの返答「一度寝かせてからまた読むと、なんだか深く読める感じがするんだよ」には参った。
    リスが埋めた胡桃のように、彼の中でいつしか芽を出しやがて大きな樹に育つのだろう。

    そうそう、だから私も自宅の本棚に買い込んだ本を沢山寝かせて、熟成するのを待っているのよ…というのは単なる言い訳だね。。

  • 神様たちの遊ぶ庭に続いて、宮下さんのエッセイ二冊目。

    ずっと、宮下さんの書く物語が好きだと思っていたけど、ちがった。
    私は宮下さん自身が好きなんだと気付いた。

    宮下さんの物事の捉えかた、感じかた、考えかた、選ぶことばと選ばないことば、表現のしかた。
    子育てのこと、家族のこと、本のこと、作家としての自分のこと、小説のこと、過去のこととこれからのこと。

    宮下さんについて知らないことの方が多いけど、自然体で語られたエッセイは、どこを切り取っても読んでいて心地よくて。
    心に留めておきたいことばにもたくさん出逢えた。
    たくさん励まして貰って、元気になれた。
    (宮下さんの本を読んだあとは尋常じゃない数の付箋がつく笑)

    私が母になり、子育てをする時にこのエッセイを読んだらまた違う部分に心を動かされるんだろうなあ。
    そのときまでには、またエッセイ本が出てるといいな(^^*)
    きっと、ずっとこの人のファンでいる。

  • 福井の情報誌『fu』に連載されていた子どもについてのエッセイと、本屋大賞受賞前後の変化、そして掌編小説と音楽劇原作。宮下さんのこの数年を知るための必読書。
    思えば、初めて宮下小説と出会ってからもう10年になる。
    『スコーレNO.4』を初めて読んだとき、あぁ、この人の書く文章が好きだ、この人の描く世界が好きだ、すごく心地いいもん、とそう思った気がする。
    あれから10年。自分も宮下さんも10年分歳を取った。子どもたちも10歳ずつ大きくなった。この10年間の長さと変化と、そして変わりなさを思う。
    自分と宮下さんには似ているところがある、と勝手に思っている。子どもが学校に提出するものに、宮下さんは自分の名前を書いてしまうし、私は夫の名前を書いてしまった。本当は子どもの名前を書くべきところに。
    東京から自宅に帰る新幹線を乗り間違えて、京都に一泊しちゃうところなんかも似ている。あ、私はそこまでひどくない。そこまでひどくはないですね。ええ、ひどくないです。勝手に仲間意識を持ちつつ心配し温かく見守っている。
    でも、そういううっかりなところより、もっとなんていうか子どもたちとの接し方とか、子どもへの思いとか、そういうところが似ている気がする。それがとてもうれしかったりする。
    宮下家の子どもたちについての文章に、あふれる愛を感じるのは私だけじゃないはず。こんな風に子どもと一緒に成長できる母親って幸せだと思う。子どもを育てるのは決して楽じゃないし、きれいごとだけでは済まない。面倒くさいことも腹の立つことも、真剣にブチ切れることもある。子どもと一緒にいられる時間って、人生の中で本の一瞬だってわかっているのに、無駄にしちゃうんだな。思い通りにならないとイライラもするし投げ出したくもなる。親も一人の人間なので。
    そんなときに、宮下家の日々を読むと、肩のチカラが抜ける。あぁ、もう一歩下がって見てもいいんだな、と思える。子どもには子どもの世界があって、そこに親と言えども土足で入り込んじゃいけない。一歩下がってにやにやしていればいい。ときどきは突き放すのもいい。絶対的な信頼感と、絶大なる愛情があれば、大抵のことはうまくいく。それほど大きく外れることもない。外れてしまったら外れた世界でまた歩き出せばいい。というか、そもそも外れるってどこからよ?
    宮下さんが三人の個性豊かな子どもたちをまるっと受け入れてまるっと愛していられるのは、それはやはり夫氏との関係が芯にあるからだと思う。
    宮下さんが夫氏を心の底から信頼し愛しているから、その2人の間に生まれた子どものことを信頼し愛するのは当然のこと、とそう思ったり。
    このエッセイには本屋大賞について書かれている部分が多い。あの日、壇上に登る宮下さんを見て胸がいっぱいになったのを思い出す。参加している書店員たちがものすごく喜んでいた。みんな幸せそうな顔をしていた。自分が賞を取ったわけでもないのに、自慢げにPOPを見せ合っていた。あの喜びと幸福感はいったいなんなんだろう。多分、それは宮下マジックなんだろう。知り合った誰をも、その本を読んだ誰をも、ファンにしてしまう魅力。それは宮下さんが私たちに向けて放ってくれる遠赤外線なんだ、きっと。その作品を読むと、この後もずっとこの人に付いて行きたいと思わせる。この世界に宮下さんがいてよかった。本当に心からそう思う。

  • ものすごく健やかなのである。
    宮下さんの三人のお子さんも、住んでいた北海道での日々も
    何より宮下さんのものの見方、感じ方が真っすぐで健やかなのだ。
    作家って、こうもっとドロドロした人間がなるものだと思ってました(←偏見)

    一年間家族で山村留学してたという
    北海道の村の描写が本当に素晴らしい。
    森の息遣いや動物たちの可愛らしい姿が見えてくるようでした。
    本屋大賞を受賞した『羊と鋼の森』は
    こんな素晴らしいバックグラウンドから生まれて来たのだね^^

  • 宮下さんの本はそんなに多く読んでないし、特に好きっていうわけではないけれど、たまたま手にとってみたら、なかなか興味深く読むことができました。子供に関することが多かったことや、宮下さんがその土地に根ざし、自然そしてその美しさを繊細に受け、しっかりと生活しているということ、人柄を知ることができたからかもしれません。数々の連載をまとめたので内容的にかぶるところがあるにしても、読み進めると、時々行間ににじみ出る、暖かい紅茶のふくよかな柔らかい味わいを感じることができ、それが本人のこういった姿勢、生活から出てくるものなのだろうと思いました(この本だけでなく、他作品でも感じるものの元でしょう)。宮下家の緑のお庭を覗いた様な感じで、子育てについては、少々自分の刺激になりました。数冊しか読んではいませんが(申し訳ないけれど)、今後は注目して見ることにしました。

  • とても胸に沁みる、心地よいエッセイ集でした。3人の子どもを育てながら執筆活動を続ける宮下さん。個性の強い彼らをどこか達観した姿勢で見つめ続けた文章には、ただの育児エッセイとは全く違う感動がありました。北海道の山腹の緑の庭で伸び伸びと育った子どもたちは、しっかりと自立し巣立って行く。親の手から飛び立つ我が子を、全幅の信頼を持って手放す姿が素晴らしいと思いました。家族のことだけでなく、一つ一つの出来事を綴った文章の正しさに身が引き締まります。宮下奈都という作家が、ますます好きになりました。

  • 著者の北海道暮らし、本屋大賞受賞と、その後の生活などについてのエッセイ。3人の子供の成長も感じられ、北海道での生活での新たな発見、子供達も自然の中ですくすくと成長し、長男は大学へ進学し、故郷を離れ、寂しく感じる著者の親心も感じる。苦楽や笑い、辛さを乗り越え、家族の絆が深まり、何気ない日々から子供から親も学び取る姿がホッコリとする。本屋大賞受賞後、イベントやメディアへの出演などの多忙な中、全国放送の情報番組で子育てについて、アナウンサーと話す姿が微笑ましい。本屋大賞の重み、授賞式のスピーチは興味深かった。

  • 読了。
    「神さまたちの遊ぶ庭」を読んで宮下さんのエッセイをもっと読みたいと思い読みはじめた。
    北海道での暮らし、福井に帰ってからのこと、子供達、家族、友人。肩の力を抜いて、場所が変われば人も違う、人が変われば考えも変わる。そうか、そういうことか。と、本をめくるたびにうなずいたり、笑ったり。彼女の紡ぎ出す言葉が心に残る。思い出してはクスッと笑えるそんな本です。

  • やっぱり好きだなぁ、宮下さんの書くものすべてが。
    お子さんたちの放任加減もすき。すくすくまっすぐに育っている感じがまたいい。
    本屋大賞史上最も無名みたいにいわれているのか、、、信じらんない。そもそも本屋大賞って賞にノミネートされないけどすごくいい作品を書店員があげるって名目でしょ!?
    宮下さんクラスで無名になってしまうのかぁ。
    羊と鋼の森はだいすきです。実写化あまり期待していなかったけれどこのエッセイにほんの少しだけでてくる山崎賢人くんがそれだけで感じが良かったので映画も観たくなりました。

  • 読書日記が気になります、、、

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    著者充実の4年間のあゆみを堪能できる、宝箱のようなエッセイ集!

    ふるさと福井で、北海道の大自然の中で、のびやかに成長する三人の子どもたち。
    その姿を作家として、母親として見つめ、
    あたたかく瑞々しい筆致で紡いだ「緑の庭の子どもたち」(月刊情報誌「fu」連載)
    4年分を完全収録。
    ほかに、読書日記、自作解説ほか、宮下ワールドの原風景を味わえるエッセイ61編、
    掌編小説や音楽劇原作など、単行本初収録の創作5編も収載。

    本屋大賞『羊と鋼の森』誕生前夜から受賞へ。
    そしてその後も変りなくつづく、愛する家族とのかけがえのない日々。
    著者充実の4年間のあゆみを堪能できる、宝箱のようなエッセイ集!

    地元の新聞社が月に一度発行する情報誌『fu』に、
    二〇一三年からエッセイを連載してきた。
    「緑の庭の子どもたち」という、子どもたちがテーマの文章だ。
    本になるとは思っていなかったので、ずいぶんリラックスして書いている。
    寝ころんで読んでもらえるくらいでちょうどいいなと思う。
    読んでくれた方の夢も、きっといつのまにか叶っているに違いない。
    これはしあわせのエッセイ集なのだ。 (「まえがき」より)
    http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53717-7

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