緑の庭で寝ころんで

著者 : 宮下奈都
  • 実業之日本社 (2017年12月8日発売)
4.13
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  • 23レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537177

作品紹介

ふるさと福井で、北海道の大自然の中で、のびやかに成長する三人の子どもたち。その姿を作家として、母親として見つめ、あたたかく瑞々しい筆致で紡いだ「緑の庭の子どもたち」(月刊情報誌「fu」連載)4年分を完全収録。ほかに、読書日記、自作解説ほか、宮下ワールドの原風景を味わえるエッセイ61編、掌編小説や音楽劇原作など、単行本初収録の創作5編も収載。著者の4年間のあゆみが詰まった宝箱。

緑の庭で寝ころんでの感想・レビュー・書評

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  • 前回のエッセイ『神さまたちの遊ぶ庭』を読んですっかり宮下家のファンになってしまった。
    そんな宮下家のみなさんに再び逢えてとても嬉しい。
    のんびり屋の長男くんにしっかり者の次男くん、そして天然100%爆笑エピソードに欠かせない末っ子の妹ちゃん。ほんと妹ちゃんは期待を裏切らない可愛さ。
    拠点を北海道からふるさとの福井に移しても変わらずのびのびと成長していくお子さん達と、その姿を温かく見守る宮下さんにまたもや笑ったり涙ぐんだり。
    宮下さんご自身も書いておられたように「しあわせのエッセイ集」なのだと感じた。

    中でも「秋の森のリス」が印象的。
    リスが冬に備えて、秋の森で胡桃を集めて地面等に埋めて隠すエピソード。
    長男くんがポケットに文庫本(森鴎外)を入れっぱなしにしているのを見て宮下さんが尋ねた時の長男くんの返答「一度寝かせてからまた読むと、なんだか深く読める感じがするんだよ」には参った。
    リスが埋めた胡桃のように、彼の中でいつしか芽を出しやがて大きな樹に育つのだろう。

    そうそう、だから私も自宅の本棚に買い込んだ本を沢山寝かせて、熟成するのを待っているのよ…というのは単なる言い訳だね。。

  • 福井の情報誌『fu』に連載されていた子どもについてのエッセイと、本屋大賞受賞前後の変化、そして掌編小説と音楽劇原作。宮下さんのこの数年を知るための必読書。
    思えば、初めて宮下小説と出会ってからもう10年になる。
    『スコーレNO.4』を初めて読んだとき、あぁ、この人の書く文章が好きだ、この人の描く世界が好きだ、すごく心地いいもん、とそう思った気がする。
    あれから10年。自分も宮下さんも10年分歳を取った。子どもたちも10歳ずつ大きくなった。この10年間の長さと変化と、そして変わりなさを思う。
    自分と宮下さんには似ているところがある、と勝手に思っている。子どもが学校に提出するものに、宮下さんは自分の名前を書いてしまうし、私は夫の名前を書いてしまった。本当は子どもの名前を書くべきところに。
    東京から自宅に帰る新幹線を乗り間違えて、京都に一泊しちゃうところなんかも似ている。あ、私はそこまでひどくない。そこまでひどくはないですね。ええ、ひどくないです。勝手に仲間意識を持ちつつ心配し温かく見守っている。
    でも、そういううっかりなところより、もっとなんていうか子どもたちとの接し方とか、子どもへの思いとか、そういうところが似ている気がする。それがとてもうれしかったりする。
    宮下家の子どもたちについての文章に、あふれる愛を感じるのは私だけじゃないはず。こんな風に子どもと一緒に成長できる母親って幸せだと思う。子どもを育てるのは決して楽じゃないし、きれいごとだけでは済まない。面倒くさいことも腹の立つことも、真剣にブチ切れることもある。子どもと一緒にいられる時間って、人生の中で本の一瞬だってわかっているのに、無駄にしちゃうんだな。思い通りにならないとイライラもするし投げ出したくもなる。親も一人の人間なので。
    そんなときに、宮下家の日々を読むと、肩のチカラが抜ける。あぁ、もう一歩下がって見てもいいんだな、と思える。子どもには子どもの世界があって、そこに親と言えども土足で入り込んじゃいけない。一歩下がってにやにやしていればいい。ときどきは突き放すのもいい。絶対的な信頼感と、絶大なる愛情があれば、大抵のことはうまくいく。それほど大きく外れることもない。外れてしまったら外れた世界でまた歩き出せばいい。というか、そもそも外れるってどこからよ?
    宮下さんが三人の個性豊かな子どもたちをまるっと受け入れてまるっと愛していられるのは、それはやはり夫氏との関係が芯にあるからだと思う。
    宮下さんが夫氏を心の底から信頼し愛しているから、その2人の間に生まれた子どものことを信頼し愛するのは当然のこと、とそう思ったり。
    このエッセイには本屋大賞について書かれている部分が多い。あの日、壇上に登る宮下さんを見て胸がいっぱいになったのを思い出す。参加している書店員たちがものすごく喜んでいた。みんな幸せそうな顔をしていた。自分が賞を取ったわけでもないのに、自慢げにPOPを見せ合っていた。あの喜びと幸福感はいったいなんなんだろう。多分、それは宮下マジックなんだろう。知り合った誰をも、その本を読んだ誰をも、ファンにしてしまう魅力。それは宮下さんが私たちに向けて放ってくれる遠赤外線なんだ、きっと。その作品を読むと、この後もずっとこの人に付いて行きたいと思わせる。この世界に宮下さんがいてよかった。本当に心からそう思う。

  • 読書日記が気になります、、、

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    著者充実の4年間のあゆみを堪能できる、宝箱のようなエッセイ集!

    ふるさと福井で、北海道の大自然の中で、のびやかに成長する三人の子どもたち。
    その姿を作家として、母親として見つめ、
    あたたかく瑞々しい筆致で紡いだ「緑の庭の子どもたち」(月刊情報誌「fu」連載)
    4年分を完全収録。
    ほかに、読書日記、自作解説ほか、宮下ワールドの原風景を味わえるエッセイ61編、
    掌編小説や音楽劇原作など、単行本初収録の創作5編も収載。

    本屋大賞『羊と鋼の森』誕生前夜から受賞へ。
    そしてその後も変りなくつづく、愛する家族とのかけがえのない日々。
    著者充実の4年間のあゆみを堪能できる、宝箱のようなエッセイ集!

    地元の新聞社が月に一度発行する情報誌『fu』に、
    二〇一三年からエッセイを連載してきた。
    「緑の庭の子どもたち」という、子どもたちがテーマの文章だ。
    本になるとは思っていなかったので、ずいぶんリラックスして書いている。
    寝ころんで読んでもらえるくらいでちょうどいいなと思う。
    読んでくれた方の夢も、きっといつのまにか叶っているに違いない。
    これはしあわせのエッセイ集なのだ。 (「まえがき」より)
    http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53717-7

  • 『羊と鋼の森』のヒットの前から、その後まで。
    福井、北海道と場所を変えて続く暮らし。
    描かれる宮下さんの暮らしは、どこか芯を感じる。

  • 20180218 羊と鋼の森からのファン。知らないうちにこの作者というより家族のファンになっていた。又、続編も出そうで楽しみ。

  • 月刊の情報誌「fu」の連載4年分49編を中心に、読書日記、自作の解説、本屋大賞『羊と鋼の森』にまつわるエッセイのほか、作詞、掌編など創作もあわせて宮下ワールドが堪能できる一冊

    《子どもたちは愛されるために生まれてくる。あのときの子どもが大人になって、そう、今度は大人になった私たちが愛する番なのだ。》

    《がんばるのもがんばらないのも本人。親は黙って信じて見守るしかない。きっと、親にできることはそれくらいのことなのだ。》

    《やればできる、という言葉で苦しむことはないといいたい。やってもできないこともある、と知っていて、それでもなお、やってみようと思えるほうがよほど価値があると私は思う。》

    紡がれた珠玉のことばの数々にほっとする、元気になる、しあわせになれる

  • 宮下さんのエッセイは、読んでいてとても心地よい。
    私にも男、女、男、3人の子どもがいるので、子育てのことや日々の暮らしの様子がとても身近に感じられ、興味深い。

  • 月刊「Fu」連載のエッセイを中心にまとめた本。
    「五章 羊と鋼と本屋大賞」が、特に面白かった。
    どうやって『羊と鋼の森』が生まれたのか。
    受賞前後は、どのようだったか。
    舞台裏をのぞく感じ。
    「四章 自作について」も、裏話的で興味深い。
    お子さんたちとの距離感やエピソードも、『神さまたちの遊ぶ庭』と変わらず、素敵。

  • 宮下さんのありふれた日常や感情が素直に伝わってきました。母親として、作家として、妻として、そして一個人としての今現在の気持ちが書かれていました。いつか振り返ってこの文章を読む時、宮下さんご自身そしてご家族が今よりもっと幸福でいられる為の一冊なのではないでしょうか。

  • 2018.02.06読了

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