彼女の恐喝

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 98
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537269

感想・レビュー・書評

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  • 意外にも著者初読み。
    女子大生がなかなか就職も決まらず、将来に不安を感じていたところ、ホステスとして働いているクラブの常連客が、台風の夜に殺人事件が起きたマンションから出て来る姿を見てしまったことから始まる恐喝劇。
    恐喝事件なのに、一切刑事事件に発展しないところが、なかなか新鮮で面白い。
    恐喝した側の圭子と恐喝された側の国枝の距離の取り具合や、登場人物が全員裏の顔を持っていそうな感じとか、他の小説ではあまり出会えない手法で、一気読み。
    読後感はあまり良くないが、他に類を見ないところで、評価は3。

  • 奨学金と六本木のクラブで働きながら大学で学ぶ圭子と、その客の社長国枝、そしてそこに関わる男と女。
    二つの殺人事件、そして二つの恋とウソ。
    「恐喝」を受け入れた国枝の思いと、そこから始まるウソのない思い。この先どうなっていくのか、とひやひやしながら読んでいく。どのみち幸せにはなれない二人。せめて、ひっそりとでもお互いを思いあいつつ生きていければ、という願いもむなしい。そのむなしさの結末にはなんとも後味の悪さを感じる。結局、圭子の一人勝ちですか。女はしたたかじゃないと生きていけないのですね。

  • 主人公は奨学金を利用し、六本木のクラブで働きながら都内の女子大に通う岡野圭子。

    クラブの客・国枝が殺人事件の起きたマンションから飛び出して来たのを見た圭子は、彼に脅迫状を送ります。

    2つの大きな勘違いが鍵となり物語は展開します。
    一文一文が短文で歯切れが良いのでどんどん読み進めて行く事が出来ました。

    終盤に向かいハラハラ・ドキドキする場面が続き、途中から想像が付いた物の最後の1ページではやはり衝撃を受けました。
    頭の中に「未必の故意」の言葉が浮かぶラストでした。

    読了後、「遠隔操作アプリ ニハル」を思わず検索してしまった事は言う間でもありません。

  • この作者初読みで、サクッと読めた。ストーリー展開は良いが、ラストが少し残念。恐喝した女子学生以外の残った人達のことが、気になってしまった。

  • 134この作者とは思えない最後のまとめですね。ガッカリ!もっとプロットにこだわる先生と思ってました。残念、!

  • 藤田さんの本は初めて読んだけど、文章はわかりやすいしおもしろかった。
    ありがちな展開だと恐喝犯人が最後にわかるとか、国枝さんの秘密は最後にわかってびっくりっていうのがあるけど、これはどちらも最初からそこは明かされていてこれからどうなるんだろうというわくわく感があっておもしろかった。
    どんでん返しってわけではないけど、意外な結末ではあったかな。
    田口さんが怪しいと思ったんだけど、なんでもなかった。

    圭子はずいぶんうまいことやったよね。
    仕事も決まって、恐喝して手に入れたお金はそのまま自分のものになったし。
    悪い女だけどいい子っていう設定がまた絶妙。
    ラストの"薄い笑み"は一体…
    やっぱり悪い女?

    この話って文恵が一番不幸な状況になってない?
    人殺しの妹だから結婚もできなくて、唯一の家族の兄は亡くなってしまうし。
    恐喝した圭子にも騙されたようなもんだし。
    あまり不幸を出す感じのキャラクターじゃないけどなかなか不幸よね。

    2019/11/16

  • 奨学金を借り、大学に通う圭子は、実入りがいい事でホステスのバイトをしていた。
    就職が決まらず、将来を危惧していた矢先に、ある客の秘密を知り、大胆な行動を取ってしまうことに…

    頑張り屋の圭子を応援したい気持ちになりますが、犯罪はダメですね。
    早々に恐喝することになるため、その後どうなるのかと先が気になりました。
    最後は怒涛の結末。
    後ろめたさを感じながらも、彼に感謝をしつつ、幸せになる圭子。
    全てを知る読者としては複雑な気持ちになりました。

  • 軽井沢で猫と一緒に暮らしている藤田宜永、小池真理子夫妻。藤田宜永 著「彼女の恐喝」、2018.7発行。軽井沢で起きた殺人事件が物語の発端です。アルバイトで六本木んのホステスをしている女子大4年岡野圭子(源氏名彩奈)22歳は、店の客国枝悟郎55歳がある夜殺人を犯したと勘違いし「恐喝」の暴挙に。成功し2000万円を手中に入れたものの・・・、二人は相愛の仲になり、追いつめた圭子は逆に追いつめられる心境に。読み応えがあり、どんな結末を迎えるのか、それに興味が。二転三転、意外と言えば意外な、そんなフィナーレ!

  • 六本木も銀座も土地勘がありません。

  • 結局 岡野圭子は悪女なのか。

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著者プロフィール

1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退。パリ滞在中エール・フランスに勤務。76年『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。その後恋愛小説へも作品の幅を拡げ、99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞受賞。17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した。その他『タフガイ』『わかって下さい』『彼女の恐喝』など著書多数。2020年逝去。

「2021年 『ブルーブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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