少女たちは夜歩く

  • 実業之日本社
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本棚登録 : 98
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537306

感想・レビュー・書評

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  • 10話からなる短編集。
    不思議でちょっと不気味な話が多く、読んでいてそれなりに惹きつけられる。
    でも、読み終えた時に何かひとつ足りないな・・・と思う話ばかり・・・と思いきや、中盤のある話からこの短編集の話は全てつながっていたんだと分かる。
    そして、つながりの先の話を読んだ時、足りないと思っていた1ピースがピッタリとはまり、きれいに完結した。
    薄くて物足りないと思っていた話のどれもがそれぞれ、深みを増したように感じた。

    この短編の舞台は愛媛県、松山市・・・と地元の人間なら読んでいてすぐに分かる。
    松山城を舞台にしていて、その周辺の東雲神社や女子高校も周辺の様子も、ちょっと違う所もあるけど、ほぼそのまま使われていた。
    そして、そこを舞台に登場するのは、
    松山城へ続く森で恩師と出会い、恋に落ちる女子高生。
    姑の依頼で絵の修復をする修復士の女性。
    若い頃の素行により、妻、子供をなくした孤独な老人。
    吃音のある子供のことを気にかける保育士の男性。
    とある事から夫の浮気を知る主婦。
    いなくなった飼猫を探す主婦。
    知り合いの男性から一時期、赤ん坊を預かる男性。
    高校の美術教師。

    彼らが微妙に、共通のキーワードを介してつながっている。
    そのつながりが無理がなくて絶妙だった。
    人の肩の上にその人の秘密が見えるとか、絵からもうひとつの別の絵が見えてきて、そこに描かれているものが自分に関係しているとか、発想も面白い。
    個人的には、なじみのある場所が舞台なので、読んでいて親しみがわいた。
    この本では城山に続く登山道は森のように描かれているけど、森というには大げさにしても、そんな風に見えない事もないか・・・と思った。

  • 城山が真ん中にある街の中で起きる怪奇な話の短編集。最初の話はなんだこれ?だったけど読み進めていくとじわじわと人や不幸が繋がり山の深さと怪奇が浸食していきすぐ傍にある暗闇の暗さに驚く展開になる。ホラーともファンタジーともいえる読後感。この人の過去がこれか!とか現在はあんな事に!とか時間軸も飛び越えるので一気読み必須。何度読み返して確認したか。でもまだ何か読み落としている繋がりがある気がする位各短編間の関係が周到に張り巡らされていてミステリ好きとしても満足。

  • (図書館本)お勧め度:☆5個(満点10個)。タイトルからして、きっとホラーだろうなとは思っていたけど、宇佐美さんの作品はホラー性もあり、ファンタジー性もあり、さらにSFっぽくもある。何というかすべてが混合したような作品が多い。この作品も、とある都市の平山城をめぐる住人の恐ろしい体験をもとに展開する。街の真ん中に鎮座する魔城の森に住む奇妙な生物がそれぞれの短編に絡んでくる。そして人々が奇病でなくなったり、繭の中で死んでいたりと不思議な現象が続く。あまりにも暗い話ばかりで読後感はあまり良くない気がする。

  • 女は怖えーわ って思わせる本かぁー
    って思いつつ読み進めてみたらそれだけではない
    人の弱さや逆に強さも感じ…
    なんか新しい触感の文章ってカンジ。

  • 読んでて「あれおかしいな」と思ったところが、最後で「そうだったのか」ってなる。

    ホラーではないけど、ぞわーってした

  • 城の周りにある結界には
    人の愛情や 未練 暴力や裏切りなど
    どろどろしたものも一緒に巡っていて
    より濃く より暗くなっていくようです
    飲んだくれのDV男に
    蛾をのどに詰まらせて 殺すなんて
    ちょっとニヤリとさせる面白さがありました
    なんとなく DV男には
    相応しい最後じゃないですか?
    窒息すれば もう嘘は吐けないよね

  • 黒い点がじわりじわりと広がってにじんで、大きなしみになっていくような感じです。いつかの私の姿かもしれない…。

  • 古い城山のある町で、生活する人々。中学校の恩師との愛に狂う少女、苦悩する絵描きの妻、かつて暴力とともに捨てた息子の子供を見守る父親、児童養護施設で暮らす動物と心の通じ合う少年……城を内包する森に、山に人々の情念が惹かれていく。

    最初の二、三話は悪夢のような、嫌な感じなんだけどややぼんやりした印象だったのだけど、四話くらいになって話の繋がりが見え始めてからの楽しさがすごい。特に『酔芙蓉』読んでる最中に、真相の想像がついた段階で一話読み返した時の繋がった感が最高だった。ただの人嫌いかと思ってたら。基本的にホラーなんだけど重苦しくなく、どこか遠い夢のよう。

  • 怪奇小説なのだろうが、2話目で興味がはずれてしまい、3話目以降ようやく構造を把握できたのだが、結局入り込めずに終わってしまった。

  • 面白かった。独特の趣きがあり、魅了された。

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著者プロフィール

愛媛県生まれ。2006年『るんびにの子供』で第1回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉大賞を受賞。17年、ミステリー小説『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞する。日常に潜む怪異を描き、恨みや妬み、欲や貧困など、人の心の闇や怖さを浮き彫りにしたミステリーが高く評価されている。

「2017年 『角の生えた帽子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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