少女たちは夜歩く

  • 実業之日本社
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本棚登録 : 122
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537306

感想・レビュー・書評

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  • 10話からなる短編集。
    不思議でちょっと不気味な話が多く、読んでいてそれなりに惹きつけられる。
    でも、読み終えた時に何かひとつ足りないな・・・と思う話ばかり・・・と思いきや、中盤のある話からこの短編集の話は全てつながっていたんだと分かる。
    そして、つながりの先の話を読んだ時、足りないと思っていた1ピースがピッタリとはまり、きれいに完結した。
    薄くて物足りないと思っていた話のどれもがそれぞれ、深みを増したように感じた。

    この短編の舞台は愛媛県、松山市・・・と地元の人間なら読んでいてすぐに分かる。
    松山城を舞台にしていて、その周辺の東雲神社や女子高校も周辺の様子も、ちょっと違う所もあるけど、ほぼそのまま使われていた。
    そして、そこを舞台に登場するのは、
    松山城へ続く森で恩師と出会い、恋に落ちる女子高生。
    姑の依頼で絵の修復をする修復士の女性。
    若い頃の素行により、妻、子供をなくした孤独な老人。
    吃音のある子供のことを気にかける保育士の男性。
    とある事から夫の浮気を知る主婦。
    いなくなった飼猫を探す主婦。
    知り合いの男性から一時期、赤ん坊を預かる男性。
    高校の美術教師。

    彼らが微妙に、共通のキーワードを介してつながっている。
    そのつながりが無理がなくて絶妙だった。
    人の肩の上にその人の秘密が見えるとか、絵からもうひとつの別の絵が見えてきて、そこに描かれているものが自分に関係しているとか、発想も面白い。
    個人的には、なじみのある場所が舞台なので、読んでいて親しみがわいた。
    この本では城山に続く登山道は森のように描かれているけど、森というには大げさにしても、そんな風に見えない事もないか・・・と思った。

  • 中心に城山がある四国のとある街で起こる事件の数々を描いた連作短編集。ジャンルとしてはホラーなのだろうが(実際に数編はとても怖い)、無関係と思えた一編一編が次第に関連してくる構成が絶妙で唸った。キーパーソンだと思っていた人物が死んでしまったり、接点が無い感じの2人が意外な形で交差していたりと、先の読めない展開にワクワクし通しだった。『骨を弔う』も良かったが、これも全く遜色無い。宇佐美さん、今後も読み続ける事に決めた。

  • 始めの章で脇役として登場した人物が、別の章ではその脇役だった人達の目線で描かれていて、始めの章の主人公である相原杏子がその後どうなっていたのかが、段々と判明していき、登場人物全員が、どこかでつながっているのが面白かった。読み進めていくうちに出てくる登場人物が、「あれ?あの人だっけ?」「ん?この人でてきたっけ?」などと思いながらページを戻ったりすることが多く、そこがまた面白く、かといって複雑ではないので、ミステリーだけど読みやすく、その点でも良い作品だと思った。

  • 「愚者の毒」と同じ作者だったので。

    これこれ。
    日常と地続きのところにある暴力や人殺し。
    乾いた殺意。
    ほのかにただようホラー。

    柄にもなく相関関係を作りたくなるような
    錯綜した、しかし閉じたように狭い人間関係も
    恐怖感をつのらせる。

    誰が主人公だったのだろうか。
    それさえもよくわからない。

    『「骨を弔う」筆者が放つ話題作』と宣伝文句にあったが、
    「骨を弔う」より面白かったと思う。

  • ややホラー。全ての話がどこかで繋がってるんだけど年代が微妙に前後してるので行きつ戻りつしながら読みました。怖くはないけど不思議な感じ。キリキリキリ鳴くアレに咬まれないように生きねば。

  • ホラー要素もありましたが、怖がりな私でもするする読めました。短編集でいて、一つ一つ繋がっているので、前後日談のような感じで、楽しんじゃいけないような内容なのに楽しんでしまいました。良い人も、困った人も、怖い人もいたけど、読後はふわっとファンタジーのような雰囲気も感じるので不思議。キリキリ…という音?声?にしばらく敏感になりそう。

  • ミステリーというよりは、ホラーファンタジー的な。
    伊坂さんの本みたく、全ての話がどこかかしらでつながって全体を構成する流れはすごく面白かった。
    みんなが城山とその森を中心に闇を抱えてるなか、唯一「白い花が散る」の話だけ救いがあってよかったなと。

  • 城山が真ん中にある街の中で起きる怪奇な話の短編集。最初の話はなんだこれ?だったけど読み進めていくとじわじわと人や不幸が繋がり山の深さと怪奇が浸食していきすぐ傍にある暗闇の暗さに驚く展開になる。ホラーともファンタジーともいえる読後感。この人の過去がこれか!とか現在はあんな事に!とか時間軸も飛び越えるので一気読み必須。何度読み返して確認したか。でもまだ何か読み落としている繋がりがある気がする位各短編間の関係が周到に張り巡らされていてミステリ好きとしても満足。

  • (図書館本)お勧め度:☆5個(満点10個)。タイトルからして、きっとホラーだろうなとは思っていたけど、宇佐美さんの作品はホラー性もあり、ファンタジー性もあり、さらにSFっぽくもある。何というかすべてが混合したような作品が多い。この作品も、とある都市の平山城をめぐる住人の恐ろしい体験をもとに展開する。街の真ん中に鎮座する魔城の森に住む奇妙な生物がそれぞれの短編に絡んでくる。そして人々が奇病でなくなったり、繭の中で死んでいたりと不思議な現象が続く。あまりにも暗い話ばかりで読後感はあまり良くない気がする。

  • 女は怖えーわ って思わせる本かぁー
    って思いつつ読み進めてみたらそれだけではない
    人の弱さや逆に強さも感じ…
    なんか新しい触感の文章ってカンジ。

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著者プロフィール

愛媛県生まれ。2006年『るんびにの子供』で第1回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉大賞を受賞。17年、ミステリー小説『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞する。日常に潜む怪異を描き、恨みや妬み、欲や貧困など、人の心の闇や怖さを浮き彫りにしたミステリーが高く評価されている。

「2017年 『角の生えた帽子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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