少女たちは夜歩く

  • 実業之日本社
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本棚登録 : 321
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537306

感想・レビュー・書評

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  • 真ん中に山城をシンボルに持つ地方都市で薄気味の悪い事件が起き、短編が進むごとに少しずつつながって行きます。狂気と不思議な生き物の存在で町が違うものに感じられて来ます。
    戦前に書かれた絵に描かれた、コウモリの顔と猫の体を持つ三本指の生き物。それが森の中にうごめいていますが、果たしてそれは悪なのか善なのか・・・。
    なんとも形容のし難い物語で、読んでいて指先が冷たくなる感じでイヤーな気分が蓄積して行きます。ホラー?そうねホラーかもね。

  • ちょとずつ、ちょっとずつつながっていく短編集。
    最後はちょっとゾワッとした。

  • 罠ではないよな

  • (図書館本)お勧め度:☆5個(満点10個)。タイトルからして、きっとホラーだろうなとは思っていたけど、宇佐美さんの作品はホラー性もあり、ファンタジー性もあり、さらにSFっぽくもある。何というかすべてが混合したような作品が多い。この作品も、とある都市の平山城をめぐる住人の恐ろしい体験をもとに展開する。街の真ん中に鎮座する魔城の森に住む奇妙な生物がそれぞれの短編に絡んでくる。そして人々が奇病でなくなったり、繭の中で死んでいたりと不思議な現象が続く。あまりにも暗い話ばかりで読後感はあまり良くない気がする。

  • 古い城山のある町で、生活する人々。中学校の恩師との愛に狂う少女、苦悩する絵描きの妻、かつて暴力とともに捨てた息子の子供を見守る父親、児童養護施設で暮らす動物と心の通じ合う少年……城を内包する森に、山に人々の情念が惹かれていく。

    最初の二、三話は悪夢のような、嫌な感じなんだけどややぼんやりした印象だったのだけど、四話くらいになって話の繋がりが見え始めてからの楽しさがすごい。特に『酔芙蓉』読んでる最中に、真相の想像がついた段階で一話読み返した時の繋がった感が最高だった。ただの人嫌いかと思ってたら。基本的にホラーなんだけど重苦しくなく、どこか遠い夢のよう。

  • わかるし、読める。緩やかにつながるオムニバスと、その回収も見事。
    そこそこ良いとこいってるんだけど、恩田陸のなり損い感が残念

  • 連作短編集。
    最初はそこまで入り込めなかったけれど、うまくいろいろ繋がっていて最後はゾワゾワした。

  • 読み進めるほどに怖さと面白さが増していく。

    エピソードや登場人物がどんどん繋がっていくのが楽しかったです。

  • 中心に城山がある街を舞台にした、不思議な短編10作品。時間軸がずれて重なるので、読みにくかった。もう一度読み直したら、深く味わえそう。

  • 宇佐美まこと、4冊目。
    霊感とか、ありえないもの、空想上のものに解決策を求めるのは、あまり好きじゃない。
    あまり救いのない話だし、読みやすくて一気に読んでしまったけど、もうひとつかな。

著者プロフィール

(うさみ・まこと)1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。2021年『黒鳥の湖』がWOWOWでテレビドラマ化。著書には他に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『月の光の届く距離』『夢伝い』『ドラゴンズ・タン』などがある。

「2023年 『逆転のバラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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