フーガはユーガ

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 2969
レビュー : 375
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537320

感想・レビュー・書評

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  • 誕生日にだけ2時間ごとに「入れ替わり」が起きる双子の風我と優我の物語。

    なかなか設定が独特だし、児童虐待や誘拐など、重い内容を描いているせいか、序盤はなかなか読み進められない。
    でも、伊坂さんの軽妙な語り口は相変わらず。だからこそ、残酷なシーンもより身近に感じる。この世の中、常に暴力と隣り合わせだ。

    後半に進むに連れて、物語に引き込まれて読むスピードも格段に上がってくる。伏線も回収され「さすが伊坂さん!」という感じ。
    ただ、読後にモヤモヤっとしたものも残る。

    「俺の弟は、俺よりも結構、元気だよ」この物語で最も重要な、印象的なセリフ。



    〈ここからネタバレ〉
    物語はほとんどの部分が優我の一人称で進む。そして、優我が死んだ後も優我の一人称が続く。
    「フーガはユーガ」というタイトルも相俟って、語り手もどこからか入れ替わっているのか?とも考えたがどうなんだろう?再読が必要かな。
    今のところは、2人が優我の死により統合してより「手強く」なった、と解釈しておく。優我には死んでほしくなかったし。

  • 優我・風我の双子の不思議なことで悪と戦う物語。伊坂さんらしい会話が続いて、悪が出てきて…となるんだけれど、どうにもリズムが最高潮ではないみたい。悪が全部倒されてないし、どうにもこうにも不完全燃焼。一気に読みそれなりに楽しんだけれど、伊坂さんだけに期待していただけにか。面白さに少し欠ける。弾けきってないっていうか。こんな時もあるさで次作に期待。

    • ひとしさん
      breadandbookさん、明けましておめでとうございます!
      全く同じことを考えていたんですね!
      伊坂さんだけに私も期待し過ぎてしまい...
      breadandbookさん、明けましておめでとうございます!
      全く同じことを考えていたんですね!
      伊坂さんだけに私も期待し過ぎてしまいましたσ(^_^;)
      次回作に期待ですね!
      今年もよろしくお願いします!
      2019/01/04
  • 毎年、誕生日に2時間おきに入れ替わる双子の優我と風我。
    父親から虐待、母親は無関心。
    辛いったらない、そんな彼らの話。

    フーガとユーガの環境の厳しさにしんどいと思いつつ
    あの伊坂氏独特の
    軽快にひどいこと書く語り口に乗せられて
    グイグイ読めた。
    この終わり方は、辛いなぁ。

    お見事な伏線回収はいやらしいくらいです。

    他作品の登場人物も登場(私は読んでいない作品)とのこと。
    読まねばなぁ。

    もうちょっと、幸せなの、読みたいなぁ。

  • 題名からバッハのトッカータとフーガに関連ある話なのかなと思いながら読み始めたけど、どうやら関係ないみたい。それにしても伊坂さんらしくない出だしでなんだか調子が狂いながら読み進めた。まぶされたユーモラス調は相変わらずだけど、らしくない辛さや暗さや痛さが最後まで 笑。
    やっと終盤に様々な伏線が回収され始めて面白くなってくる。半ばまではギブしようかな と思ったけど最後まで読んで良かった♪
    フーガとユーガが風我と優我とはね。

  • 半分過ぎたあたりからなりふり構わず一気読みでした。あまりに一気に読みすぎて、せっかく散りばめられた比喩や文学的表現をすっ飛ばしているかもしれません…伊坂先生、ごめんなさい。

    毎度のことながら、伏線をキレイに回収する伊坂さんの作品はお見事です。

    次々浮かんでくる疑問…
    ①ボーリングの球はどこへ行ったのか?
    ②風我のこと以来、小玉はどうしているのか?
    ③優我の話の「嘘と矛盾」とは?
    ④母親はどうしているのか?
    ⑤ハルコさんはどうしているのか?
    ④と⑤に関しては明確には描かれていないから、描かれていることで全て、なのかな?

    伊坂さんはいつも究極のエンターテイメント!といっても過言ではないほど、面白い作品を描いてくださいます。そこに潜む悪、それが苦しいことも多く、時にしんどい。「アヒルと鴨のコインロッカー」は、特にそんな印象があって。
    「フーガはユーガ」も、とても苦しい作品なのに、最後はほっこりする終わり方をする。今回は、いつにも増して、しんどかった印象があって、それでも、代償の大きさはあれど、スッキリとした読了感をくれた。あまりの読了感に、次にどんな作品を読むか、考えさせられます。まさに放心状態。

    勧善懲悪、伏線の回収、案山子の登場、言葉遊び、等など、ファンにはたまらない新作です。案山子に気づいた時にはとても嬉しくて、長年伊坂作品を読んできてよかったなーと、しみじみしてしまいました。サイン本で読ませていただきました◎

    • 1学期さん
      苦しい作品…簡潔に的を得てますね
      ここんとこの伊坂さんの(裏⁇)テーマを
      何といったらいいんだろー
      って思ってましたー笑
      苦しい作品…簡潔に的を得てますね
      ここんとこの伊坂さんの(裏⁇)テーマを
      何といったらいいんだろー
      って思ってましたー笑
      2019/04/15
    • naonaonao16gさん
      コメントありがとうございます。
      そのように言って頂けると嬉しいです\(◡̈)/伊坂さんの作品を言葉にするのは難しくて…
      新作の「シーソーモン...
      コメントありがとうございます。
      そのように言って頂けると嬉しいです\(◡̈)/伊坂さんの作品を言葉にするのは難しくて…
      新作の「シーソーモンスター」は読まれましたか?あの作品も、SF要素も含まれていたりして、この作品とは異なる味わいがありました!
      最近、背景にはいつも、社会に対する警告のようなものがある気がします…この作品で言えば、性暴力・性被害でしょうか。
      2019/04/15
  • p216のあたりで、この話は悲惨すぎる。もうやめて、読みたくない!
    伊坂さん史上最悪の話ではないかと思い、目を覆いたくなりました。
    でも、最後まで読んで、全部すっきりとはしなかったけれど、かなり救われました。
    悲しい話でした。

  • 中盤220ページくらいまで読んだ時点では星2つ。そこからの60ページでなぜ3つも増えたかを実際に体験してほしい。第三者ではなく当事者が語るところがキモ。喜怒哀楽すべての要素が含まれているのも素敵。

  • 伊坂さんらしい、突拍子もない題材をさらりと取り入れている。
    双子の兄がファミレスでテレビに取り上げてもらえないかと過去の話を続ける。そんな設定で綴られていく物語。
    双子の中には、本当に瞬間移動できる人が一組ぐらいいてもいいかも。そう思ってしまいました。
    色々伏線が仕掛けられています。それがどうラストにつながるのか。楽しみに読んでください。
    テーマは現代の日本で数多く起こっている悲惨な事件を使っているので、読んでいると気は重くなってくるのですが、重くさせ過ぎないところも良かったと思います。

  • なんだかクスっと笑ってしまうような会話、
    たくさんの伏線が張られ、それを次々と回収、
    最後は力業の大団円
    というのが伊坂さんの作品をいくつか読んだ印象だが、
    今回はちょっと違った。

    とても、苦しい。
    昨今のニュースを見ていると、
    児童虐待や、子供が被害にあうような事件、
    目を覆いたくなるようなことが現実にあり、
    その裏側にはこんなふうに苦しんでいる人々がいるのだろう。
    風我と優我の会話や考え方は
    正義感ぶってなくて、軽快で、いいなと思うところもあるが
    なかなか読み進めるのがつらかった。
    そのわりに読了感はなぜか爽やかさも感じる。

    結末は、『AX』がそうだったら、それもありか(笑)

  • よくもこれだけ色々な設定を思いつくなと感心します。
    双子が誕生日だけ2時間毎にテレポートして入れ替わってしまう。ただし自分達では制御できない。まずこれを思いつくだけで天才か変態かという所でありましょう。
    そして小さな伏線も回収する辺りはさすが。ピースが嵌っていくのを見ているのはとても楽しいです。しかし出てくる大人達の糞っぷりが素晴らしく、一人残らずひねり潰したいくらいの怒りを憶えます。伊坂さん書いていて気持ち悪くならないのかしらと心配になります。本当にこういう趣味趣向の人が居るんだろうと思うと、身の回りの人が信用できなくなりそうです。
    そんなあたりを淡々と描いているので、読んだ後そういう殺伐感は意外と残らず、少年たちが不思議な現象を駆使して不条理に戦いを挑む青春ドラマとして読み終わります。ラスト切ないですけどね。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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