- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408537320
感想・レビュー・書評
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「フーガはユーガ」フーガは、風我。ユーガは優我。主人公は双子の常盤風我と優我。兄が優我で、弟が風我。「風我は優我(優我は風我)」ふたりでひとりの物語。
この作品の雰囲気、言い回し、表現がやっぱり今まで通り「作者らしさ」が感じられた作品。私の感じるこの作者の描く主人公は冒頓で、無口。描写は「ひょっとして、この言葉何か意味する?」と引っ掛け、最後に「あれ?そんな展開?」と、しかもあっさり、主人公が亡くなってしまう…
世の中の悪人と呼ばれる人が実は意外にも気が弱かったり、善人だったりと、物語の中では何かしら悪なんだけれど憎めないキャラ設定である。(あくまでも私見なので、井坂幸太郎ファンの読者の方から見たら異議ありと言われるかもしれませんが、そこはご容赦ください)
そしてもちろんステージは、仙台。
今回も仙台。そして、訳ありの生い立ちである。本作は兄の優我の語りで、物語が進んでいくが、今回もすでに「犯人がここにいた!」なんていう展開で、主人公も「そんなところにこだわるなんて!」といつもながらの性格でありながら、そこに筆者のこだわりを感じる。
彼らは誕生日限定で2時間おきにふたりが入れ替わる。ふたりで生きる。ふたりの意味を考えるときに、こんなこともありうることかもしれないと思う。
双子の家庭は貧しく、父親はDVで父親におびえる毎日を過ごす。そのために、家にいる時間を少なくするために関心を持っているのではなく、誰かを助けたいという気持ちではなく、単に暇つぶしのように誰かの手伝いをする。「暇な僕たちにとって一番、楽しい時間の過ごし方は、誰かを手伝うことだった」
この言葉が目に飛び込んできた時、これが本当の善意というものではないのかと、なぜか心が熱くなった。
DVを受けているので、無関心、日常に怯えるというわけではなく、自分たちは気がついていないが、実はすごく優しい双子の物語とまとめたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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苦しい作品…簡潔に的を得てますね
ここんとこの伊坂さんの(裏⁇)テーマを
何といったらいいんだろー
って思ってましたー笑苦しい作品…簡潔に的を得てますね
ここんとこの伊坂さんの(裏⁇)テーマを
何といったらいいんだろー
って思ってましたー笑2019/04/15 -
コメントありがとうございます。
そのように言って頂けると嬉しいです\(◡̈)/伊坂さんの作品を言葉にするのは難しくて…
新作の「シーソーモン...コメントありがとうございます。
そのように言って頂けると嬉しいです\(◡̈)/伊坂さんの作品を言葉にするのは難しくて…
新作の「シーソーモンスター」は読まれましたか?あの作品も、SF要素も含まれていたりして、この作品とは異なる味わいがありました!
最近、背景にはいつも、社会に対する警告のようなものがある気がします…この作品で言えば、性暴力・性被害でしょうか。2019/04/15
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伊坂幸太郎さんの小説、初めてです。
登場人物達があまりにも痛めつけられるので、「得意分野ではなかった」と後悔しながら読みはじめました。
けれど、優我が語っている〈現在〉についての謎と、主人公たちの優しさや地味だけど印象深い登場人物に惹かれて、読み続けました。
一卵性双生児の風我と優我は暴力ばかりふるう父とその父親から子供たちを守らず無関心な母という最低の家庭環境で育ち、二人協力しあいながら、世の中のややこしいことには当たらず、触らず生きていきます。
クラスの中でみんなに軽蔑され、苛められている〈ワタボコリ〉というあだ名の男子に「決して同情などせず」クールに見ているだけなのてすが、理由のない暴力をふるい続ける苛めっ子が自分たちの父親と重なり、それは許せなくて、少しだけ彼らだけに出来る秘密の技を使って助けます。
こういう虐げられている人とか、底辺にいる人への視点が確かに「同情」であれば、もうその時点で上から目線だと気付きました。だから、彼らの行いは気持ちがいい。
岩屈おばさんというあだ名のリサイクルショップ経営者にも惹かれました。ケチで無愛想で事務的なことしか言わず、人使いも荒い人ですが、実は人間関係をすごく大事にしている人です。
彼らと仲良くなる人たちは、みんな耐えられないくらい不幸なはずですが
、毎日耐えて生きることに一生懸命で、高みを目指すことはありませんが、自分の不幸を誰かのせいにすることもありません。
中盤以降はやるせなくて、やるせなくて、「嫌ミス?」と思いましたが……そこが伊坂さんの凄いところなんでしょうね!
切なかったですが、最後は癒やされました。
〈瞬間移動〉とか超自然現象ものが最近多いような気がして、正直安易に話を展開かせる技法のような先入観を持っていたのですが、最後まで読むとそれは二人の運命に関わるものであったような気がして、「上手いな」と思いました。
こないだNHKの朝イチに出ておられたヤマサキマリさんが、「人は誰かに助けてもらおうと思っているうちは幸せになれない。一人で生きていこうと決意した時に良い出会いがある」とおっしゃってたのですが、その言葉を思い出しました。-
Macomi55さん。おはようございます。
伊坂さんの作品、初読みだったのですね。
私は、現在活躍中の作家さんの中で伊坂幸太郎さんが...Macomi55さん。おはようございます。
伊坂さんの作品、初読みだったのですね。
私は、現在活躍中の作家さんの中で伊坂幸太郎さんが、一番好きな作家さんなんですが、この作品は私も確かにつらくて途中で、ちょっとイヤになりました。
レビューにも、そう書きました。
でも、伊坂さんの作品は、このような作風のものが主流ではありません。
もし、よろしかったら、他の作品も読まれてみてください。
最新作の『逆ソクラテス』などは全然違う感じを受けられるかと思います。
他にも、いい作品たくさんあります(*^^*)2020/10/13 -
まことさん、おはようございます。
「いいね」&コメント有難うございました。
初めて読む作家さんの作品、選択が大事ですね。
特に、伊坂さんの世...まことさん、おはようございます。
「いいね」&コメント有難うございました。
初めて読む作家さんの作品、選択が大事ですね。
特に、伊坂さんの世界は作品によって全然違うのですね。
他の色んな作品を読んでから今回の作品を読んでいたら感じ方が全然違っていたかもしれませんね。
教えて下さって有難うございました。
今度、『逆ソクラテス』読んでみますね。2020/10/13
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p216のあたりで、この話は悲惨すぎる。もうやめて、読みたくない!
伊坂さん史上最悪の話ではないかと思い、目を覆いたくなりました。
でも、最後まで読んで、全部すっきりとはしなかったけれど、かなり救われました。
悲しい話でした。 -
優我・風我の双子の不思議なことで悪と戦う物語。伊坂さんらしい会話が続いて、悪が出てきて…となるんだけれど、どうにもリズムが最高潮ではないみたい。悪が全部倒されてないし、どうにもこうにも不完全燃焼。一気に読みそれなりに楽しんだけれど、伊坂さんだけに期待していただけにか。面白さに少し欠ける。弾けきってないっていうか。こんな時もあるさで次作に期待。
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breadandbookさん、明けましておめでとうございます!
全く同じことを考えていたんですね!
伊坂さんだけに私も期待し過ぎてしまい...breadandbookさん、明けましておめでとうございます!
全く同じことを考えていたんですね!
伊坂さんだけに私も期待し過ぎてしまいましたσ(^_^;)
次回作に期待ですね!
今年もよろしくお願いします!2019/01/04
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題名からバッハのトッカータとフーガに関連ある話なのかなと思いながら読み始めたけど、どうやら関係ないみたい。それにしても伊坂さんらしくない出だしでなんだか調子が狂いながら読み進めた。まぶされたユーモラス調は相変わらずだけど、らしくない辛さや暗さや痛さが最後まで 笑。
やっと終盤に様々な伏線が回収され始めて面白くなってくる。半ばまではギブしようかな と思ったけど最後まで読んで良かった♪
フーガとユーガが風我と優我とはね。 -
重い話で辛かったけど、最後の場面で報われた気がする。
特に後半の伏線回収が、凄くて、一気読みしてしまった。
寝る前に読んだら興奮して、未だにドキドキしている…
読み進めるのに夢中になっていたので、再読したらまた新たな発見がありそう。 -
目をそらしたくなるような子供への虐待に焦点を当てているのに、絶望だけではないエンタメ作品にしているのはさすが伊坂さん。
きっとこれに近い悲惨な状況にある子供はどこかにいるのだろう。伊坂さんの怒りも見える。
耐えるしかない支配される子供たち。
不思議な力がないとあらがえないのはあまりにも切ない。虐待されている子がヒーローにならなくていい、周りの大人が皆、ヒーローであって欲しいと願わずにいられない話だった。
著者プロフィール
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