罪と祈り

  • 実業之日本社 (2019年9月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (472ページ) / ISBN・EAN: 9784408537412

作品紹介・あらすじ

隅田川で発生した元警察官殺し。
その息子たちが突き止める、父親たちの秘密――
著者2年ぶりの最新長編!
「令和元年」必読の衝撃作!!

元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。
当初は事故と思われたが、側頭部に殴られた痕がみつかった。
真面目で正義感溢れる辰司が、なぜ殺されたのか<? br> 息子の亮輔と幼馴染みで刑事の賢剛は、死の謎を追い、
賢剛の父・智士の自殺とのつながりを疑うが……。
隅田川で死んだふたり。
そして、時代を揺るがした未解決誘拐事件の真相とは<? br> 辰司と智士、亮輔と賢剛、ふたりの男たちの「絆」と「葛藤」を描く、儚くも哀しい、
衝撃の長編ミステリー。
貫井徳郎、新境地!

貫井徳郎、ミステリ作家生活の集大成とも言える大傑作!
今までの数々の作品群すべてが、本書を書くためのステップに
過ぎなかったのではないか、とすら思う。
三島政幸啓文社ゆめタウン呉店店長

感想・レビュー・書評

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  • 元警察官の父が溺死体となり発見される。その後、何者かに殺された可能性が浮上。正義感が強く誰にでも慕われ、人一倍真面目な父が何故。息子である亮輔は父の本当の姿を知る為に、幼馴染の賢剛は刑事として、彼の死の謎を追う事となる。そして繋がる過去の、昭和の終わりと平成の始まりに西浅草を舞台にした数々の悲劇の物語ーーー。「貫井徳郎史上、最も切なく悲しい事件」 これは誇張では無かった。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    「亮輔と賢剛」とそれらの父親である「辰司と智士」の「現在と過去」で進むのだが、切替と視点がはっきりしているのでとても読み易かった。
    語りたい言葉は纏まりもせず脳内で大暴れしているのだが、どう統率をとってもネタバレを回避するのが難しい。と言うのも、本作は事件を大まかに認知した上で犯人を求める王道のミステリーとは違い、過程が枢要となるんだもの。口を開くのが怖いじゃない。ので、以後抽象的な感情を書き連ねる。今回のレビューは感想ではなく2022/4/23 の日記だ。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    4がつ23にち (くもり)
    わたしは、お母さんも、お父さんも、お友だちも、みんな大すきです。そんなみんなにひみつがあってもかわらず大すきです。でもひみつがあることをしったらどおしてそうなったのかきになる気もちもあります。大すきだからもっともっとしりたいです。きっとしっても大すきはかわりません。
    ーーーーーーーーーーーーーーー

    父の死により明らかとなる過去の事件。亮輔も賢剛も同じ気持ちで「何故」を追うのに、真相を知った後の彼らに産まれた感情は別の物だった。父親である辰司と智士が繋いだ「親友」という固い絆はとても美しく、そして悲しい物語だ。涙なくして読めない...とまでは言えないあっさりとした読了感なのも事実なのだが、著者の今までと違うベクトルを体験できたのは嬉しく思う。
    いやしかし、後半はあっさりしていたなぁ...転機なるものが何度か訪れているはずなのに高揚感はさほど変わらず、常に同じ温度で読み進めていた感じだ。思えば、著者の作品を手に取った時は無意識にえぐさを求めてしまっているのやもしれない。帯文句に煽られしっかり正座してえぐさを待ち構えたのが良くなかったか。こりゃ居住まいを間違えた。

  • ★4ちょっと切れちゃうかな…。

    隅田川で発生した元警察官殺し。
    その息子たちが突き止める、父親たちの秘密――

    元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。
    当初は事故と思われたが、側頭部に殴られた痕がみつかった。
    真面目で正義感溢れる辰司が、なぜ殺されたのか?
    息子の亮輔と幼馴染みで刑事の賢剛は、死の謎を追い、
    賢剛の父・智士の自殺とのつながりを疑うが……。
    隅田川で死んだふたり。
    そして、時代を揺るがした未解決誘拐事件の真相とは?


    息子達の現代の章と、父親たちの過去の章が
    交互に語られ、次第に明らかになっていく。
    地元の人から慕われていた元警察官の辰司が何故殺されたのか?
    その謎を追ううちに、辰司の親友だった智士の謎の自殺。
    バブル時代に初めて犯人を捕まえる事が出来なかった未解決誘拐事件
    が絡み合って進行して行く。
    バブル景気に沸いた時代の地上げと苛烈な嫌がらせ。
    下町浅草に古くから暮らす人々の濃密な関係。
    昭和の終わりの日本の様子。
    親子二代に渡る友情を丁寧に描いていました。
    著者の読ませる力でグイグイ読まされつつも、
    誘拐事件を起こす動機が、いくら濃密な関係でも…。
    義憤にかられていても…。
    と、どうしても違和感を拭えませんでした。

    誰ひとりとして幸せになっていない。
    救いがなかった。
    グイグイ読まされるんだけど、読んでいて切なかった。哀しかった。
    真実を知った二人の息子達。
    考えの違い。理解し合えない。
    決別…。

    十年後の再会の約束。
    どうなっているんだろう…?
    十年後の二人の姿が知りたいです。

    • やまさん
      しのさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      しのさん
      こんにちは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      2019/11/24
  • 初読みの作家さんだったけど緊迫感のあるかなり面白いミステリーだった。
    現役の時に正義漢で人情に厚い評判の良いお巡りさんだった男が隅田川で溺死体で上がった。ところが側頭部に殴打痕があったことから殺人の疑いが浮上する。
    そんな彼に憧れて警察官になった賢剛、父が立派であるが故に疎ましくもあり一般社会人の道を歩む息子 亮輔。2人は幼馴染であり兄弟のように育った仲でもある。
    と言うのも2人の父親同士がそもそも親友で、賢剛の父 一流料理人を目指す智士が自死して以来 親代わりに面倒見てくれたのが亮輔の父 警察官の辰司だったのだ。
    事件を解く為に片や警察官としての賢剛が片や息子としての亮輔が、考えたことも知ろうとしたことも無かった若かりし頃の父たちの実像に迫って行く過程が興味津々で上手い。息子2人と父親2人が交互に章を重ねていく構成は斬新な進め方。
    ただ、バブル期の社会の不条理を糺す為に父親達が採った道が如何にも拙くて安易なのが残念過ぎて惜しい。

  • 一気読みミステリ。

    警察官だった父親の死は事故死か殺人か…息子がその死の謎を追うことから全ては始まった。

    とてつもない真相が迫り来る、そんな予感と覚悟を胸にページを捲る手は止まらない。
    そして鎖を引きずるような重さに耐えながらたどり着いた真相。
    誰もの揺れる心情をこと細かに見せながら読ませる、さすが貫井さん、ミステリとしても一気読みの作品だ。
    と同時に自分の中では未消化の気持ちが残る。

    想定外のことが起きなければ彼らはどのような道を歩んだのか…。いや、その前に人としてなぜにここまでの行動を起こせたのか…。
    この時代がそこまでそうさせるのか…。
    人が人を想うが故の選択を至るところに感じるけれど納得はできない。

    真実という苦い薬ほど心と身体にこびりつくものはない、そんな気がした。

    • あいさん
      この本は気になっていたけど「罪の轍」で疲れ切っていて今は無理かなぁって思っているよ(〃∀〃)ゞ
      こちらも重そうな内容だよね。
      くるたん的...
      この本は気になっていたけど「罪の轍」で疲れ切っていて今は無理かなぁって思っているよ(〃∀〃)ゞ
      こちらも重そうな内容だよね。
      くるたん的にはどっちが面白かった?
      2019/09/30
    • くるたんさん
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      うん!重い!
      しかも轍に続いて読んだから余計にぐったり。
      こちらはミステリとしては一気読みで面白かったよー...
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      うん!重い!
      しかも轍に続いて読んだから余計にぐったり。
      こちらはミステリとしては一気読みで面白かったよーー♪♪
      真実に近づく過程、心情、意見の対立、どれも面白かった♪
      でも、動機とか…行動とか…私としては納得できなくてね。
      そこがモヤモヤだわ。

      奥田さんも一気読み、重厚サスペンスだよね。

      互角かなー、奥田さんが0.5ポイントぐらい上かな(笑)。
      寛治がほんとに犯人なのか、どう着地するのか最後までうまかったよね♪♪

      こちらも元気な時にぜひぜひ♡
      2019/09/30
  • 現在を息子たち、過去を父親たちの視点で語られながら物語は進んでいく。読みやすく、とても面白かった。
    お父さんたち、ちょっと考え方があさはかだよ。事件は大きいのに動機がそのサイズに合ってないんじゃないの。こんなに大事件起こすほどの動機とは思えない。そして、死人が多すぎる気がする。
    全体的に暗い雰囲気で、読了感はあまり良くなかったためか、読み終わったらちょっと凹んだ。

  • サクサク読み進めていたら、急に違和感が…
    ページを戻ると、いつの間にか現在から過去の話になっていた。
    子供世代と親世代の出来事を交互に描く作風で、すごく相関図が描きたくなったので最初からリスタート。
    事件後、誰がどうなったのかがよくわかった。
    爽快感がある作品ではないので、また読みたいかと問われればそんな事はないのたが、貫井徳郎さんの他の作品を読んでみたいなとは思った。

  • 読み始めたらとまらなくて、一気に読んでしまった。
    なのだが、、、。救いのない話だった。 
    終わり方が「なんだか~」だし、いろいろ納得いかないわ~

    なんでそんな計画たてたのか、みんな馬鹿だよ。
    小室~おまえのせいだ~って思ったんだけど。小室以外はそんなに親密じゃないよね。
    下町の絆ってやつなのか?時代の闇ってやつか。なんだかな~
    紗織に至っては辰司といたいからって動機がつよいし、どうも好きになれなかった。てか道之介は何者なの?カタギじゃないよね。

  • なんで復讐が誘拐事件になるのか?
    もっと他の方法はなかったの?
    もし誘拐した子供が死ななくてお金が手に入り作戦が成功したら
    5人は変わってしまっただろうと思う。
    我が子を餓死させた友人の夫のようになったのでは?
    お金は人を変える。

    我が子を餓死させた友人に同情する気持ちも分からない。
    どんな理由であり我が子殺し。
    その友人も主人公の父ふたりも自殺してしまって綺麗事にする。
    自殺する前に真実を話すべきや。
    逃げただけ。

    最後の終わり方もモヤモヤした。

  • 先日著者の妻君である加納朋子の本を読んだところだが、今度は亭主の方である。そして最近読んだ本が奥田英朗の「罪の轍」だ、同じく誘拐を扱った小説で時代はオリンピックの1年前、本作はバブルの終焉頃である、作家というものは同時期に同じようなアイデアが浮かぶものだろうか、他の作家も同系統の作品を出しているのかもしれない。本作は著者の特徴でもある回りくどい展開であるが、綿密に計算された造りである、だが自殺で罪が消せるわけはないだろうとは思ってしまった。せめて相棒刑事に西條を登場させるサービスぐらいはして欲しかった。

  • 一言で簡潔にいうと、
    『みんな一回地元から離れなさい』

    近くて濃すぎる。
    もっと広い視野を持ってみたら
    あれ?この人よりもっと素敵な人いるな、とか
    もっともっと理不尽な目に遭ってたり、
    自分じゃどうしようもないことがあるってことに
    誰か1人でも気がついてたかもしれない。

    これが中学生が起こしたことなら
    まぁしょうがないと思うかもしれないけど、
    全員大人だからね…
    しかも家庭があったりする人もいるからね…
    正気かい?と思うよ。
    巻き込まれる家族はたまったもんじゃないよ。
    仲間を救うって、そういうことなのかな?と思う。
    敵討ちはもっとクレバーなやり方しないと
    結局みんな不幸になってるじゃんか…。
    大体一企業に対する復讐が
    何故一個人の社員に向かうのかが意味不明。
    せめて狙うなら社長だろうよ。
    社員狙って何になる。

    そもそものきっかけが全然共感できないから
    読み終わっても『うーん…』としか思えなかった。

    ただ意外だったのは誰も身代金に手をつけなかったこと。
    私はてっきりあの爺さんがネコババしたことによる
    仲間割れが勃発すると思ってたわ。
    一癖も二癖もあるので、
    残された方を黙って殺めるだろうと思ってたし。
    本当に孫思いの良い人(?)だったのね…ごめんなさい。

  • 下町浅草界隈を舞台にした殺人事件、隅田川の存在感、誘拐事件・・・と先に読んだ奥田英朗さんの「罪の轍」と似通った背景を持つだけにこの作品の薄っぺらさが際立つ。

    世の中がバブルに沸いた時代。札束で頬を叩くように土地を買いあさる開発業者、地上げの陰に泣く弱者たち、そして天皇崩御による新時代の到来というあの頃の空気感が蘇る。
    下町の庶民目線で消費されるものたちの怒りを描き出す意図はわかるけれど、彼らがあの犯罪に手を染める必然性がうまく伝わって来ず、どうにも短絡的で愚かな行動にしか思えない。

    バブル期の父たちの目線と、現在の息子たちの目線で交互に語られる物語は、4人の主要人物が紛らわしくて何度も前を見返し、物語に集中できない。主人公である息子たちも魅力的とは言えず、特に所轄刑事の賢剛は捜査1課の刑事への鬱屈みたいなのがいちいち面倒くさい。

    帯には「貫井徳郎史上、最も切なく悲しい事件」とあるんだけど、全く感情移入できず、切なくも悲しくもない。ラストもなんだか中途半端で、この始末どうつけるのか想像にお任せなの?それとも、続編への布石?とモヤモヤ。

    あ~これほど辛口になるのは貫井さんの大ファンで、久しぶりの新作に期待をしていたからです。
    貫井さん、こんなもんじゃないのに~!とファンだからこその感想になってしまったのをお許しください。

  • 30年前に起こった二つの事件と、30年後の元警官殺し。無関係なのか、あるいは何か秘密があるのか。
    元警官の息子と、警察官になったその親友。親友の父親は30年前に自殺。いくつもちりばめられたいわくありげな秘密たち。
    ぼんやりと浮かび上がる怪しい人物。おそらくあいつが犯人だろう。だけどそうだとして、そもそもの事件とのかかわりは何なんだ…
    30年前と今の、それぞれの幼馴染たちの付き合い、という二つの円が重なり合うとき、事件の真相が明らかになる。
    バブル期の非現実的狂乱を知っている身としては、これはもしかするとどこにでもあった事件たちなんじゃないかと思えてくる。
    生まれ育った土地を、出ていく者と残る者。30年の時を隔てて存在するのはヒトとヒトの「つながり」。
    何度も繰り返し浮かぶ問い。「なぜ」。
    とある場面で何げなく明らかになった「 」の中の言葉。その瞬間、世界が真っ白になった。
    頭の中を駆け巡る30年前と今のいくつもの場面、やり取りされた言葉たち、あああぁ、そういうことだったのか。
    茫然となりつつもページをめくる手が止められない。
    やりきれなさの中でかすかに安堵する自分に気付く。そうだったのか。
    文句なしに面白い。これぞミステリ、と自信をもってオススメできる…のだけど、いくつか気になることもありて…

  • 貫井さんの小説は以前読んだ『乱反射』が、読後感が悪かったので、身構えたが、父親たちの過去と息子たちの現在の話が章ごとに繰り返され、後になればなるほど、あの時のあの人のその後はこうなったのかと興味深く読めた。やはり作家さんはすごい‼️

    やむにやまれず起こした犯罪…、その気持ちもわかるが、悪に悪で返すとやほり不幸しか生じないと思った。切ない展開。

    息子たちが10年後にどのような思いを持って再会するのか、知りたい。

  • 一度読みかけていたが、図書館の返却期限が来たので1/3あたりまで読んだところで返却。すぐに予約するが人気殺到らしく、中々順番が回って来ない…。
    半年ぶりぐらい(もっとかな?)に借りることが出来たので前回の続きから読み出そうとしたが、あらすじが分からないので一から読み直した。
    それだけの値打ちは十分にあった本だった。

    地上げで地域の人たちを苦しめた元締めの不動産会社に仕返しをしようというので、あろうことか警備が手薄になる昭和天皇の大喪の礼の日に不動産会社に勤務する社員の子供を誘拐して、その会社に身代金を出さそうという計画を立て、実行する。
    ところが運悪く、誘拐した子供のうちの一人が、与えた食事がもとで亡くなってしまうという想定外の出来事が起こる。

    亮輔と賢剛という主人公と彼らの父親が物語の中心なのだが、亮輔の父親が殺されたことをきっかけに、物語は前述の誘拐事件を中心に意外な展開を見せる。

  • ラストの余韻がとても良いので切れ味は不問にしよう

     親友それぞれの葛藤。どっちが向いているのか、溝は10年後埋まるのか。楽しみだね。

     ミステリーとしては、登場人物も少なく理解しやすい。つまり、読めてしまう。どんでん返しがあるわけでもなく、ラストの友の別れのためにあるようなサイドストーリーではないかとすら思うような軽さ。でも久しぶりのミステリーは楽しかった。

  • 事件の真相が最後にわかって、犯人に同情的な気持ちになってたところに、「お前、それを死んだ子供の親の前で言えるのか。犯人にも同情すべきところがありますって、刑事のお前が被害者の前で言えるのか」の亮輔のセリフにはっとさせらました。ストーリー的にも面白かったです。

  • 前作がよかったので期待して読みました。

    元警察官が殺害された。
    その息子と友人たちが原因、謎を探っていくうちに、とんでもない過去の出来事が発覚するというストーリー。

    まあそれぞれいろんな事情があり、やりきれない思いがそういう事件を引き起こしたとしても…あり得ないやろ
    というのが率直な感想。

    当時の登場人物と現代の登場人物も、誰と誰が親子でどういう関係だったか?
    ちょっと続けてしっかり読まないと人物像が混乱するのである。

    ちょっと期待外れでありました。

  • 貫井さんはとことんまでに誠実だ。読者にとっても出てくる人物にとっても。読んでいる間そんなことばかり考えていた。それが貫井さんの良いところであり弱点である気がしてならない。物語としてはシンプル。真面目な警官だった父が殺され、その理由を主人公と警察官の親友が調べていく現代パート。殺された父とその親友(これが現代の警察官の男)の罪をなぞっていく過去パート。2つの時間軸を2つの視点で描く。とにかく可哀想な展開である。それはならないだろう、という過去の出来事が全て。それには全く同感出来ない。ただ読む手は止まらない。

  • オビ裏にある「貫井徳郎史上、最も切なく悲しい事件」の言葉に、読む前から心折れそうになりつつも、読み出したら止まらないのが貫井徳郎作品のパワーですね。

    警察官の濱仲辰司とその親友である芦原智士、そしてその息子たちでありやはり親友の亮輔と賢剛。
    辰司が殺された事件をきっかけに、息子たちは父親たちの過去に目を向けることになります。
    父親同士とその息子同士の物語が、過去と未来を行きつ戻りつしながら進んで行き、「最も切なく悲しい事件」が姿を表します。

    読者として客観的に見つめていると、結構たやすく予想できる悲劇だけに、読んでてほんとやるせなかったです。
    物語の終わりで、息子たちはそれぞれの父親に対して、全く違った思いを抱くのですが、そのどちらもが、まさにこの本を読み終えた読者全員の気持ちを表しているように感じました。

  • 悲しい話だな。

    亮輔と賢剛の父達の行動には全く共感できなかったけど、息子達の気持ちには共感できた。

    大人になってから父達の死の真相を知ったら、ショックが大きいだろうし、今までの人間関係を改めなくてはと思ってもおかしくない。

    ましてや間接的とは言え、子供を殺してしまっていたなんて。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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