クスノキの番人

著者 :
  • 実業之日本社
3.83
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本棚登録 : 5196
レビュー : 468
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537566

作品紹介・あらすじ

不思議な力を持つ木と番人の青年が織り成す物語。『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たな感動作。長編書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾さんの作品は今まで読んできたものは、サスペンスタッチのものが多かったのですが、この作品はファンタジーのようなあたたかい作風でした。


    以下、ネタバレあります。

    たった一人の母親を亡くして生きてきたまだ未成年の直井玲斗が仲間から嵌められて、出所後、母の異母姉の柳井千舟という初めて出会った、ヤナッツ・コーポレーションの顧問の妙齢の女性から、月郷神社にあるクスノキの木の番人「クスノキの番人」を命じられたことから物語が始まります。

    「クスノキに願い事をすれば叶う」という言い伝えはどういうことなのか?
    玲斗は祈念にくる佐治寿明の娘の優美が父親の浮気を疑い、頼まれて一緒に真相を探し出そうとしていくうちに色々なことに気づいていきます。
    クスノキに祈念する人には二種類あって、新月のときに来る人、満月のときに来る人があることなどを千舟は何もクスノキのことについて教えてくれないので、優美とともに調べていきます。
    玲斗は生来、口が達者なこともあり、祈念にくる人々の問題をみつけて、次々に解決していきます。

    ぞして問題が解決しただけでなく、そこにはすべてあたたかい空気があって、悪人もいない、殺人もないけれど、全て謎は解けて、誰もが心地よく読了できる、ありそうでなかなかない、素敵なストーリーでした。

    「この世に生まれるべきでなかった人間などいません。どんな人間でも、生まれてきた理由があります」
    という最後の千舟の言葉もよかったです。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♪

      私も千舟さんのこの言葉、とても印象に残ってます♪
      素敵な女性でしたね。
      きっと玲斗も千舟さんに出会えたからこそ…...
      まことさん♪こんにちは♪

      私も千舟さんのこの言葉、とても印象に残ってます♪
      素敵な女性でしたね。
      きっと玲斗も千舟さんに出会えたからこそ…の姿なんでしょうね♪
      2020/06/01
    • まことさん
      くるたんさん♪

      そうですね!
      あの出会いがあったからこその物語ですね。
      複雑な家庭環境だったけど、結果的に、
      お互いに助けられて...
      くるたんさん♪

      そうですね!
      あの出会いがあったからこその物語ですね。
      複雑な家庭環境だったけど、結果的に、
      お互いに助けられてましたね!
      2020/06/01
  • その木に祈れば、願いが叶うと言われるのはなぜか。

    不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
    同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。
    そこへ突然弁護士が現れ,依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるという。
    依頼人に心当たりはないが、玲斗は従うことに。
    依頼人は千舟と名乗る年配の女性で、驚くことに伯母でもあるというのだ。
    あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。
    「あなたにしてもらいたいことそれはクスノキの番人です」と。


    「クスノキに願い事をすれば叶う」という噂でスピュリチュアスポットになってる。
    玲斗はクスノキの事も番人の役割も何も知らずに見習いを続けていた。
    玲斗は流されるままに生きて夢も目標もなりたい物も何もない。
    祈念にくる佐治という男性の娘・優美が父の行動を怪しみ、何を念じているのかを
    探りに来たことで、何となく協力する事になった玲斗。
    古い過去帳をパソコンに入力していくうちに、少しずつ気付きだす。
    新月の時に祈念する人。
    その後、同じ苗字の人が満月の時に祈念している事。

    行動派の優美の行動は激しくて、番人としてやってはいけない事をしたのは
    どうなのーーっと思ったが、まぁそれは置いといて(笑)
    玲斗の姿、成長してく姿が良かった。
    また、千舟の凛とした姿、内に秘めた優しさ。とても良かったです。
    「この世に生まれるべきでなかった人間などいません。
    どんな人でも、産まれてきた理由があります」
    千舟の言葉が心に残りました。

    本を読み進めるにつれ、心ががじんわりと温かくなるお話でした。
    こんなクスノキあればいいね。
    私も祈念したい!
    伝えたい事ばかりでなく、その人の心の底の底の感情までも読んでしまう。
    それでも良いな。心の中の何もかも残ってもいいや。
    伝えたいなぁ。

    ファンタジーだけど、ファンタジーっぽくなく、家族の大切さを改めて認識させてくれました。

  • 温かさが身体を巡る、一冊。

    願いが叶うと言われているクスノキ。その秘密に徐々に近づいていく物語。

    派手な号泣ものではない、でもページを捲るたびに確実に温かさが身体を巡る…そんな作品だった。

    クスノキの役割を理解していく過程はもちろん、枝葉のようにどんどん心が視野が広がっていく、主人公 玲斗の姿は読んでいて実に気持ちが良い。

    人の想い、伝えたい想い、受け取りたい想いは様々。

    まわり道はあってもいつかきっと必ず伝わる。

    そして負の感情も言葉もそれを逆に 正に包んで返してあげられるようになりたい。

    千舟さんと玲斗の会話からそんなことが心の中を巡った。

    • まことさん
      くるたんさん♪こんにちは。

      図書館が開館して、やっと読めました。
      玲斗の成長ぶりが読ませる、ファンタジックなストーリーでしたね(*^...
      くるたんさん♪こんにちは。

      図書館が開館して、やっと読めました。
      玲斗の成長ぶりが読ませる、ファンタジックなストーリーでしたね(*^^*)

      今、図書館から『ザリガニの鳴くところ』も借りて読み始めていますよ!
      2020/06/01
    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♪
      図書館開館、おめでとうございます♪

      ほんと、安心して読ませてくれる心温まる作品でしたね♪
      玲斗の姿はほんと拍手し...
      まことさん♪こんにちは♪
      図書館開館、おめでとうございます♪

      ほんと、安心して読ませてくれる心温まる作品でしたね♪
      玲斗の姿はほんと拍手したくなるぐらいでした♪

      ザリガニ…もゆっくりじっくり楽しんでください( ˊᵕˋ* )
      2020/06/01
  • 神社巡りが好きな母から借りて読みました。
    変な宗教がらみではなくスピリチュアルな感じ。

    主人公は楠の番人を命じられますが、初めは何も知らず役目を任されます。
    不思議なクスノキの中で行われている儀式めいたものは何なのか。念とはいったいどういったものなのか。
    主人公と同じ目線で物語が進んでいくので、全ての謎はすべて最後に分かるようになっています。

    その辺のネタバレなどは控えたいと思いますので、気になってる方はぜひ読んでみて欲しいです。
    ほっこりというよりは「そうだったのかー!」と、驚くことも多いと思います。
    怒涛の謎解きに最後の100ページぐらいは、ドキドキしながら夢中になって読みました。

    —————-

    東野圭吾さんらしい伏線回収も流石ですが、ストーリー展開もスマートで読みやすかったです。

    また、主人公の子供らしさと未熟さをセリフで表現している所はすごいと思いました。

    周りの大人と比べて頼りなかったり、もどかしさを感じる所などは、スマートな文章じゃなくてあえてそうしているところがキャラを魅力的に引き立てているのだなと思いました。

  • りまのです。私は、単純に、楠木が好きなのでこの本が、気になりました。(皆さんの、評価も、良いようですし)クスノキの大木は、葉っぱがキラキラ✨して、美しいし、薫りが良いのです。東野圭吾さんは、読んだことは、まだ、ありませんが…
     
    2020.9.22

    心にひびいたシーン

    主人公の玲斗が、物語の後半部分で、自分のことを、「本来なら生まれるべきじゃなかった人間、」と言った言葉に対し、伯母の千舟が、「この世に生まれるべきでなかった人間などいません。どこにもいません。どんな人間でも、生まれてきた理由があります。そのことだけは覚えておきなさい。」と言うシーン。

    そして 玲斗の成長ぶりが、すばらしい。
    クスノキの受念ができなくて困っている青年にアドバイスする玲斗。そこから見事に父親の志を受けついだ青年壮貴。
    千舟のために、役員会で、発言する玲斗。
    ラスト近くで喜久夫のピアノが流れるシーンには感動した。
    そして最後、千舟と玲斗の心がつながるシーンに、心が温かくなった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      東野圭吾は泣かせてくれます、、、
      りまのさん
      東野圭吾は泣かせてくれます、、、
      2020/09/05
    • りまのさん
      ちょっとずつ、読んでいます。
      ちょっとずつ、読んでいます。
      2020/09/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      Good!
      りまのさん
      Good!
      2020/09/08
  • またすっかり読書から離れてしまっていたが、会社の方から頂いたので読み始めた。


    その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。パワースポットっとにもなり、昼間は色々な人が訪れる場所になった。
    本当のクスノキの力は夜にあるのだが、、、

    クスノキ番人を任された青年(直井玲斗)と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。

    不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
    送検、基礎を待つ身になったところへ弁護士の接見が。弁護士の依頼人は年配の女性だった。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母であった。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと、それはクスノキの番人です」

    クスノキの番人になった玲斗。
    クスノキの番人とは何か!?
    クスノキに祈念する人とは何なのか?
    祈念とは!?一体どういうことなのか?


    東野圭吾の物語なのに、最初はちっとも東野圭吾らしさを感じられたなかった。

    なかなか物語に入りきれずにいたが、そこは東野先生。
    後半戦は一気に読み進められた。

    クスノキの番人って何なの?
    クスノキって何をしてくれるの?

    伯母の存在、依頼者、それぞれの物語が交差した時、感動が押し寄せてきた(ToT)

    最後は最近いつも涙、涙。
    私もおばぁになったってことか。。。

  • 突飛な設定に少々戸惑ってしまったが、最後には心が柔らかくなった。
    念か、確かにあるのだろう。
    人と人との繋がりは目には見えず、不確かなものだけど、ただ一人で生きていける人はいない、それは確かなこと。命のリレーとはそういうもの。クスノキは静かにそのリレーを見守る存在。とても大きな存在なのだろうと思う。

  • 月郷神社のクスノキの番人となった、玲斗。
    クスノキの祈念とは、何なのか?

    自分で考えず、流されて生きていた玲斗が、様々な経験を経て、少しずつ変わっていく。
    成長ぶりが、さわやか。

    じーんとくるところもあり、ハートウォーミングなファンタジー。

    ルールを破ることで痛い目を見た玲斗が、ふたたびルールを破ったところは、共感しづらかった。

  •  朝、目覚めると警察の留置場の中、罪状は-住居侵入・器物破損・窃盗未遂だ。
     玲斗(主人公)は、一年ほど働いていた中古の工作機械を扱うリサイクル業者に忍び込んだのだ。
     捕まった後、何者かわからない人物が弁護士を手配し、依頼人の言うことを守るのを条件に釈放されることになった。玲斗の遠縁にあたる親戚の女性だった。
     初対面の女性から渡された名刺には『ヤナッツ・コーポレーション 顧問 柳澤千舟』と書いている。
    その女性から質問をされた。
     『将来の夢は?』
     玲斗は『特にないっすねぇ。どんなふうでもいいから、とにかく生きていければいいって感じで』
     千舟『わかりました。そういうことなら、私の指示に従ってもらうしかありませんね。ほかの誰でもない、これはあなたしかできないことですし』『あなたにしてもらいたいこと-それはクスノキの番人です」と告げられる。
     月郷神社の境内の奥には、小さな神殿もあるが、管理すべき一番の対象は、太古から鎮座する荘厳さと迫力に圧倒されそうなクスノキである。その木には空洞があり、そこで祈ると願い事が叶うらしい。
     入れるのは一人だけ、例外はない。
    そして祈念するのである。祈念とは何か?
     千舟からは、管理を命じられただけ、他は何も教えてくれないなかで、疑問だけが先行する。以上が、この作品の導入部のあらすじです。『クスノキの番人』は、人の死なない小説だとの前評判である。殺人事件はある意味において、ミステリー小説の醍醐味だが今回の作品には犯人捜しやトリックはないのです。
    しかし、ミステリー性がないということではない。思考と論理を闘わせることなく、心穏やかにして読める小説。登場人物の生きざまを「後世に託す遺言小説」ではなかろうか。
     「祈念」とは何かについては、自然に受けとめればよい。非科学的だと難癖をつける必要もない。四百頁を超える長編なのに、読後感は「もう終わってしまった…。」
     実におもしろい!

  • 自分が亡くなった後の家族を思い、会社を思い、ひたすら念じ、クスノキに託す ( 預念 )
    その思いを何とか受け止めようとひたすら念じる( 受念 )

    人間生きていく中で、何かにすがりたい、祈りたいということは多々ある。そんな心の拠り所となる大きなクスノキ、人間の限界をはるかに超えた大きな力を感じる

    「祈る」と「念じる」の違いも分かった気がする

    生前に、言葉で直接伝えることができたら、早く確実であろうという気がするが、複雑な世情、複雑な家族関係なかなかそう簡単にはいかないのだろうか

    玲斗以外、血縁者がいなくなってしまった千舟と叔母の存在も知らなかった玲斗がぎこちないながらも次第に心を通わせ、心の内を明かし、相手を思いやっていく過程が、読んでいて、微笑ましくうれしくなった

    叔母千舟の業績を理解し、その中で自分の置かれている立場も理解し、『クスノキの番人』として成長していく玲斗は、これからもいろんな人の思いに寄り添いながらも、詮索することなく、その念が繋がるように静かに力を尽くすことだろう

    でも、でも、東野圭吾さんの作品では、私はやっぱり加賀恭一郎シリーズの方が好きだな




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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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