向日葵を手折る

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  • 実業之日本社 (2020年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784408537672

作品紹介・あらすじ

消えた向日葵。連続する不穏な事件――
そこにいるのは…誰?慟哭必至の青春ミステリ!

少年少女の成長と、ラストで明かされる真相に、慟哭必至の青春ミステリ!

父親が突然亡くなり、山形の山あいの集落に引っ越した小学校6年生の高橋みのり。
分校の同級生と心を通わせはじめた夏、集落の行事「向日葵流し」のために
植えられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。

同級生たちは「あれは向日葵男のしわざだ」と噂するが、さらに不穏な出来事が続き……。

あざやかに季節がめぐる彼女の4年間と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、
烈しくも切ない青春ミステリ。

みんなの感想まとめ

少年少女の成長と、謎に包まれた「向日葵男」の存在が織りなす物語は、切なさと緊張感が絶妙に交錯しています。父の死をきっかけに、東京から山形の集落に引っ越した小学生の高橋みのりは、同級生たちとの関係を深め...

感想・レビュー・書評

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  • 子供を殺す怪物、向日葵男は本当にいるのか?

    父が亡くなり、母の実家の山形の小さな集落に越して来た小6の、みのり。東京育ちのみのりにとって、新しい土地で聞くこと見ること、全てが驚くことばかり。なかでも、子供たちみんなが怖れている向日葵男。この一冊の中にその存在感は常にあり続けます。誰もその姿を見たことはないけれども、気付けば視線を感じるような不穏な感覚‥‥
    12歳のみのりの目から見た集落の一年間が、ものすごい密度で描かれいます。今まで見たことのない緑の迫力、闇の深さ。集落上げての祭りの盛り上がり。集落の人々の密なつながり‥‥
    そして、いつでも感じる向日葵男の存在‥‥

    みのりが中学生になると、人間関係も色々変わり、みのりの目にも今まで見えていなかったものが見えてきます。向日葵男も一種の都市伝説で、子供だから怖かっただけなのかと‥‥
    でも、やっぱりいる!向日葵男はいる!

    素晴らしい構成だと思いました。
    読者もみのり同様、一冊まるまる向日葵男に怯えます。
    小学生の時の野蛮な男子達。中学生の時の初めてのトキメキ。変わっていく自分。そこに閉ざされた集落の大人たちが絡み、明らかになる真実。

    面白かった!お薦めです!


  • はい、「テーマ:ひまわり#2」です

    えがっだ〜。・゚・(ノ∀`)・゚・。

    青春ミステリーだそうです

    父を亡くし山形の桜沢という集落に住む祖母の元に母とともに越してきた小学6年生の高橋みのり
    みのりはそこで心優しき怜と乱暴者の隼人という二人の少年と出会う

    もう、いいじゃん!
    もうスタートからして100点じゃん!

    そして集落独特の排他的社会の中でも信頼できる小学校の先生に見守られながら三人は成長していくわけですが…
    「よそ者」のみのりが感じていた小さな違和感が重なっていき地域が隠していたものが明らかになっていく

    そして小学生から中学生に成長する中で三人の関係も少しづつ変わっていくわけです
    子どもからちょっと大人へね
    このあたりもいいのよ!
    幼なじみがちょっとづつ男子女子を意識していく感じがもうね

    そして終わり方も良かった!
    「ひまわり」選書をしてなかったら絶対読まなかったであろう作品
    もう結果でた感あるわw

    【ひまわり】はい、この作品はひまわりがもうど真ん中にいます
    まず作品冒頭に「向日葵流し」と「向日葵男」というパワーワードが2つドーンと出てきます
    なんじゃそれ?もうこの時点読者を捕まえてます
    なんじゃそれ?聞いたことないわ
    「向日葵流し」はこの地域の風習で灯ろうに向日葵の花を乗せて流すという行事で、この行事の中でいろいろ事件がおこります
    (調べだけど実際にはない架空の風習っぽいです)

    そして「向日葵男」です
    子どもたちの噂ばなしに登場する怪人です
    この怪人のことを話していると大きなナタを持って子どもの首を刈にくるっていう
    すごい子どもの噂ばなしでありそうw

    この「向日葵男」にはいろいろな効果があると思うんですよね
    まず「向日葵」っていう強烈な「明」の存在を子どもを殺しに来る怪人というとんでもない「暗」を被せることで、不穏さや、納まりの悪さ、ちぐはぐさを表現してると思うんです
    このちぐはぐさってまさに子どもそのものですよね
    子どもの中にある同時に発生する反対方向の感情、それはみのりたち三人の子どもたちにもあって、それを「向日葵男」に投影されてるように感じました
    (「向日葵流し」も「向日葵男」ほど強くはないけど「向日葵」という「明」に「灯ろう流し」という「暗」を混ぜてますよね)

    また「向日葵男」が存在することで夏の代名詞的な「向日葵」を物語の中心に置いても、一年中物語を進めることができるんです
    物語を引っ張る力を持つワードになっているわけですよね

    「ひまわり」の持つ強烈な「明」のイメージに「暗」を無理矢理注入することで、作品全体を捉えどころない不安定な雰囲気で包み、小学生から中学生へと進む主人公たちの心の不安定さも同時に表現してるのかな

    「ひまわり」の持つイメージを逆手に取ってうまく作品に活かしてます
    でもそれもこれもやっぱり「ひまわり」自体が強い力を持っているってことなんだろうなと思いました

    そしてそして!2作目にしてもう「ひまわり考察」めんどくさくなってきたw
    長いレビュー向きじゃないのよ(´-﹏-`;)

    • ひまわりめろんさん
      本とコさん
      こんにちは!

      そうなんですよね
      一応広く選書したつもりなんで、これはもうひまわりの力です
      ひまわりマジックオーケストラです(ち...
      本とコさん
      こんにちは!

      そうなんですよね
      一応広く選書したつもりなんで、これはもうひまわりの力です
      ひまわりマジックオーケストラです(ちょっと意味が…)
      2023/07/05
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      ひまわりの力‥、そうですね
      選者じゃない方のひまわりの種は
      メジャーリーガーもメッチャ食べてますもんね
      あやかりたい(^.^)
      ひまわりの力‥、そうですね
      選者じゃない方のひまわりの種は
      メジャーリーガーもメッチャ食べてますもんね
      あやかりたい(^.^)
      2023/07/05
    • ひまわりめろんさん
      自分はひまわりの種よりかぼちゃの種が好きです(いろいろ台無し)
      自分はひまわりの種よりかぼちゃの種が好きです(いろいろ台無し)
      2023/07/05
  • すごくよかったです。星6つをつけたかったくらいです。
    この作品の著者の彩坂さんの作品は『夏の王国で目覚めない』に続き2作目ですが、同じ作者の作品とは思えないほど、こちらの完成度が高いと思いました。

    父親の死によって、12歳の高橋みのりという少女が東京から山形県の山辺町に近い桜沢の祖母の家に母親とともにやってきて過ごした4年間の物語です。

    以下、少しネタバレありますのでご注意ください。


    小学校は小さな分校で、みのりは乱暴者の西野隼人、いつも隼人と一緒にいる大人しくて優しい藤崎怜らと同級生になります。
    そこでみのりは級友らや、親同士仲のいい怜とまず、親しくなります。
    乱暴すぎる隼人には最初は悪印象を抱きます。
    みのりは隼人に持っていた不信感を怜に尋ねますが、怜は「隼人はそんなに悪い奴じゃない」というばかりです。
    みのりは、その土地で子どもを殺す怪物と言われる向日葵男に襲われますが、危機一髪で難を逃れます。
    みのりは佐古という教師に父の不在から気を許し車で連れ去られそうになりますが、隼人が気づき助けてくれ、隼人は車にひき逃げされ負傷します。

    そしてみのりたち六年生は、今井先生と別れを惜しみながらみな一緒に卒業し、山野辺の中学校へ進学します。
    そこでまた、みのりの周りで様々な大きな事件が次々に起こります。

    隼人、怜、みのりのキャラクターが際立ちだんだんと隼人、怜の人間性がわかってきます。
    隼人はちょっとかっこよすぎで、怜もまた優しい男の子で、なんでみのりばかりそんなにモテるのって感じがあります。
    でも、大変、密度の濃い大きな痛みをともなう真の青春恋愛小説であり、ミステリーでもあり、家族の小説でもあったと思います。
    みのりの級友、一人一人や周りの大人たちの人物像も、いつもあたたかいお父さんみたいな小学校の今井先生、怜のお母さんで体の弱いけれどもとても明るい春美、ぶっきらぼうな美術教師恭子など、よくできていてとても個性的で上手いと思いました。

    最終章では、分校の級友たちが賑やかに再会します。

    • くるたんさん
      素敵なレビュー!青春小説でもあり…まさに私の言いたいことが全て詰まってます¨̮♡

      温かい読後感も良かったですよね♫
      この作家さんの繊細な描...
      素敵なレビュー!青春小説でもあり…まさに私の言いたいことが全て詰まってます¨̮♡

      温かい読後感も良かったですよね♫
      この作家さんの繊細な描写が素敵でした♫
      2021/04/24
    • まことさん
      くるたんさん。

      ありがとうございます。
      くるたんさんのレビューも素敵でした♡
      くるたんさんも米沢にいらしたことがあるのですね!あち...
      くるたんさん。

      ありがとうございます。
      くるたんさんのレビューも素敵でした♡
      くるたんさんも米沢にいらしたことがあるのですね!あちらは県内でも特に雪が多く大変なところだったでしょう。
      この作家さん、他の作品ももう少し読んでみたいと思っています。
      2021/04/24
  • 2023年の年末から読みはじめ、
    2024年元日、読み終えました。

    前半の小学生時代がけっこう長く、しんどい描写もあり「長いな…」と途中で感じてしまう。
    しかし、最後まで辿り着くと、前半があったからこその1つの物語だと納得できる1冊。

    個人的には、中学生時代の みのり、怜、隼人の切ない心の揺れがたまらなかった。

    今年もよろしくお願いします。

    • アールグレイさん
      ねこさん!(=^_^=)
      あけましておめでとう
      ございます!
      今年もよろしく

      そういう本ってよくあります...
      ねこさん!(=^_^=)
      あけましておめでとう
      ございます!
      今年もよろしく

      そういう本ってよくありますね!最初は進展が少なかったりして、読むことがつらい・・・・それがあるから、話全体の良さを知ることができるのかと思います。
      今年も好きな本を自分のペースで楽しく読みたいですね!
      2024/01/02
    • ねこがすきさん
      アールグレイさん
      明けましておめでとうございます。
      コメント&共感ありがとうございます…!
      そうなんですよね、読むのが捗らない部分もありなが...
      アールグレイさん
      明けましておめでとうございます。
      コメント&共感ありがとうございます…!
      そうなんですよね、読むのが捗らない部分もありながら、最後まで読めてよかった1冊でした★

      それでは、今年もよろしくお願いいたします♪
      2024/01/02
  • ダークで残酷で、容赦ない現実。
    思春期に感じる心と身体、関係性の変化に対する違和感やもどさしさ、戸惑いは、当時の私にもあって懐かしく、共感する。
    闇が深いけれど、読後感は幸せな気持ちになりました。

  • 心掴まれた一冊。

    良かった。

    舞台は山形の集落。少年少女の4年間、そこに絡む不穏な事件を描いた青春ミステリ。

    向日葵、残酷さ、ざわつきが漂う中での丁寧に描かれる三人の心の機微、大人に一歩近づく細やかな瞬間が時に眩しく時に痛いほど心に響いてきた。

    次第に見えてくる彼らに流れる交錯する思い、裏側とも言える時間。

    全てを知った時、今まで見て感じてきたものがクルッと姿を変える、この瞬間にせつなさと共に心掴まれた。 

    最終章がまた秀逸。
    みのりの心情がひしひしと伝わってくる。

    大人になったからこそわかることも多々ある。

    苦しみをバネに…どんな思い出もきっと無駄なんかじゃない。

    • まことさん
      くるたんさん。おはようございます!

      私もこれ、すごくよかったです!
      星6つをつけたかったくらい。
      まず、隼人と怜の対称的なキャラク...
      くるたんさん。おはようございます!

      私もこれ、すごくよかったです!
      星6つをつけたかったくらい。
      まず、隼人と怜の対称的なキャラクターがすごくよかったし、もちろん三人の間の友情。
      大人たちの目線もよかったです。
      また、山形の四季が細やかに描かれていて、いいなあと思いました。
      冬のひっぱりうどん。春の山菜採り。ずんだもち他。
      実は、この作品の舞台は、私の地元で、著者の彩坂さんにもお目にかかったことがあります♪
      2021/04/24
    • くるたんさん
      まことさん♪おはようございます♪
      まことさんも楽しまれて一安心!良かったですよね〜、なんとも言えないこの三人の友情、関係。
      辛い場面もあった...
      まことさん♪おはようございます♪
      まことさんも楽しまれて一安心!良かったですよね〜、なんとも言えないこの三人の友情、関係。
      辛い場面もあったけど自然描写に癒されました。
      え、地元?彩坂さんにも⁇素敵!
      私も山形、米沢に住んでたことありますよ♫
      大好きな県の一つです¨̮♡
      2021/04/24
  • ”向日葵男”はいる!
    それは誰?

    読み進むうちに、田舎の濃密な空気感や
    生と死、暴力などの強烈な描写に圧倒された。
    主人公たちが十代の子どもであるにもかかわらず、
    暴力や死の描かれ方がかなり際どく
    文字を追うのが辛くなる場面もあった。

    その反面
    山形の自然や風習、食べ物などが
    作者が山形県出身ということもあってか
    生き生きと目に浮かぶようで楽しめた。
    親や地域の人たちとの関わり、
    友情、ほのかな恋愛を通して
    少しずつ成長していく姿にも共感。

    ミステリー好きとしては、
    主だった謎がかなりの割合で主人公である少女の
    ひらめきや想像で語られるのがちょっとムムム?
    でありました!

  • ミステリーという観点からいうと、先が読めてしまう部分も多々あったので、惹かれるところは少なかった。
    でも、青春ストーリーとしては良かった。
    小学生~中学生という多感な時期のみのりと隼人と怜の三人の関係性や心情、山形の田舎での様子が細やかに描かれていて、自然の豊かさと相反する閉塞感を感じながら読んだ。

  • またお一人オイラと波長があう作家さんを発見出来た。

    話し言葉以外の文章がわりと多めで普通は苦手な書き方だ、オイラにとって。

    ところが、リズムがあう!
    あっというまの400ページだった。

    一読をお勧めします。

  • 父親が亡くなって母と山形の山間の小さな集落に引越してきた6年生のみのり。乱暴な少年の存在や、不気味な向日葵男の気配に怯えつつも、優しい同級生や自然の恵みに囲まれた環境に馴染んでいく。時折不穏な出来事が折り込まれつつ高校卒業まで過ごし、自身も成長し周囲の人も変化していく。いつまでもこのままでいたいのに、時は一律に流れるという事実が切ない。
    前半、話が都合よく進むのが不自然に思えて気が削がれたけど、最後まで読んで良かった。

  •  わかりきっていたラストのはずなのに、鳥肌が止まらない。

     みのり、隼人、怜の物語。

     父親を亡くし、心に空洞ができたみのりは、住んでいた東京から母親の実家である山形県に移り住むことになった。

     不安を抱えていたみのりだったが、優しい男の子、怜の存在がみのりを支えてくれた。でも、女子にも平気で暴力を振るう隼人の存在が疎ましかったが、隼人は怜の親友だった。

     平凡な生活を送りながらも、いくつかの事件が起こる。それら全ては向日葵男の仕業だと考えられ・・・。

     みのりたちが住む桜沢には向日葵男がいるという噂があった。悪いことは向日葵男がやったのだと子供たちは信じていた。

     さて、私たち読者はみのりたちが小学生から中学生、そして大人になるまで見守っていくわけだが、その描写が本当に瑞々しくて、自分が子供の頃に感じていたことや、思っていたことなどをリアルに表現している。

     この物語は、子供たちが持つ感情を見事に表現することに成功している。また、その子たちの成長を目の当たりにでき、同時にミステリーも味わえるという実に贅沢な一冊に仕上がっている。

     これから読む人が純粋に羨ましい。子供の頃に感じたあの感情を味わいたい人には是非読んでいただきたい。個人的にはめちゃくちゃ隼人が好きだ。

  • 『向日葵を手折る』彩坂美月著 「寄り添う」を見つめ続ける物語
    https://www.47news.jp/culture/entertainment/book/5514731.html

    山間部にある閉鎖的な集落の光と闇を描く 作家・彩坂美月が作品に込めた想いとは | インタビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/639114

    向日葵を手折る|実業之日本社
    https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53767-2

  • 自然の中の人間模様が心地よく、いつまでも読んでいたくなる、青春ミステリーでした。
    とにかく前半はお腹が空いてきます。
    食用菊や茸、そしてあけびの肉詰め、山葡萄ジュース、よもぎパン、ウコギ飯、菜の花のおひたし、辛し和え、べーコンとノビルを炒めたパスタ、ノビル餃子、納豆を入れたひっぱりうどん、タラの芽やカタクリ花の天ぷらなど、山形県の季節に合わせた食事話しが所々にきて、最高です。
    そこに夏の日差しや山からの景色、神社までの石段、暗闇の沼、夕方からはじまるお祭り、向日葵流しの川、そして真っ暗な夜空の星など描写が素晴らしく、雪が降る日に窓を開けたまま風呂に入るところも良かったです。
    それだけでも充分楽しませているにも関わらず、向日葵ミステリーでジワジワと近づいてくる恐怖もあり、そこに小学生同士のいざこざから徐々に怪奇な出来事になり、中学生の青春もあり、中盤の土砂降りの二人のシーンと、八章の祭りの夜の二人のシーンは忘れられませんね。
    「気がつかなかった!」と思ってしまうシーン続出で、前のページに戻ったりします。
    そして最後ですよね。今井先生の技アリはやられました。
    最近観た映画で、なんとなく是枝監督の怪物を思わせた、伝わらないからこその齟齬が映えていた感がありました。

    個人的に
    「隼人の父も、怜さん父も、かつては向日葵を流した子供だったのだ。」という文章が、全体をフォローしている一番好きな言葉でした。そして彩坂美月さんの想いも含まれている気がしました。
    もう一度言っちゃいます。
    いつまでもこの世界をのぞいていたかった。

  • 面白かった!ミステリーの要素を入れながら青春を描いている作品。本格的なミステリーを望む人には物足りないだろうけど、ハラハラしながら読み進められて、深夜0時前から最後まで一気に読んで寝不足になりました。
    父をクモ膜下出血で突然亡くし、母の実家である山形の僻地に越してきたみのり。そこで同級生の怜と仲良くなり、田舎の生活に惹かれて行きます。しかし、父を亡くした大きな喪失感と、何故か周りでおきる不穏な事件が織り交ざる日々。そして子どもを鉈で襲うとかいう、向日葵男の噂。医者の娘で美しい同級生雛子に暴力的な態度を見せる隼人。なのに、優しい怜は隼人と親しい。
    山の自然と閉鎖的な生活、厳しい冬、小学校~中学校の多感な感情が向日葵という小道具を有効的に使って描かれていました。最後一気にみのりたちが大人になって終わります。その辺が物足りない人と、余計に感じる人いるのかな、と思いました。みのり目線で書かれてるからみのりの見た目描写ないけど、もっと「綺麗」だとか、中学で告白されたりとか書かれていた方が、ゲスいけど萌えるかな。ま、文学的には今のままでいいんだけどね。
    結構残酷な描写あるので、中学からがいいと思います。ハナ~(泣)。

  • 王様のブランチで紹介されていたので購入しました。

    内容紹介から察するに青春小説に軽めのミステリーが加えられた作品なのかと思ったのですが、意外とバイオレンスで残酷な描写があったため、驚きました。明るい部分と暗めの部分の落差がありすぎた印象でした。

    父親がくも膜下出血により他界し、母の生まれ育った山形に移ることになった主人公・みのり。
    そこでは、ある噂が広まっている。向日葵男という子供を殺す怪物がいるという。そうしている間に向日葵が切られたり、襲われたりとミステリーなことが起き、しまいには・・・。果たして、向日葵男の正体とは?

    物語としては、主人公の小学6年と中学の約4年間が語られています。明るい部分では、田舎での人との交流や恋を匂わせるような描写が描かれていて、青春っぽさが描かれています。
    一方、暗い部分では、暴力シーンや残虐シーンなどバイオレンスで残酷な内容に仕上がっていて、あまりの落差にびっくりしました。
    田舎ならではの結束力が故に起きた悲劇の連鎖。事件の真相が切なく意外で衝撃的でした。伏線も散りばめられていて、正直期待していなかった分、よく出来上がった作品でした。

    基本的には、みのりの物語ですが、他に登場する怜や隼人の物語としても解釈できました。中学生としては重すぎる出来事が次々と迫るのですが、その状況下での3人の絆が良くも悪くも固くなっていくのが垣間見られます。
    切なく痛々しかったです。

    前半は、ちょっと退屈かなと思いましたが、段々と衝撃的展開になっていくので、グイグイと惹きこまれました。

    最後の章では、みのりが大人になった物語です。前の章まで、あの人がどうなったのかわからないまま終わったので、気になっていました。最後は直接的な表現ではなく、匂わせる表現でしたので、それがかえって感動を誘わせてくれました。色んな意味で衝撃を受けた作品でした。

  • 私はこの作家さんは苦手なんだな。
    評価が高かったので読んでみたけど、読むのが辛すぎだ。
    怜のお父さんがDVなのも早々に気付くし、無駄に長い。途中から斜め読みしてしまった。

  • ふと手にした本でした。表紙のイラストに惹かれたのかもしれません。
    そうして一読した今、読んでよかったと感じています。おすすめします。一人の少女と、二人の男子。不思議な出来事の中に、彼らの思いが重なって、素晴らしいお話しです。

  • 父親を亡くした小学6年生が成長していく物語。
    喪失感が強いみのりが母親の実家に引っ越し、そこでの人や自然との出会いが彼女に前を向かせ、父親の死を受け入れ、成長していく姿がたくましく、温かく感じました。
    母親の実家がかなりの田舎にあり、内向きな環境が故の事件が発生する。少し唐突感はあるけど、その分は若さ故の焦燥感がマッチしてるのかなとも感じました。
    みのりが怜のことを「これからもずっと怜って呼ぶ。」のところや、美術の顧問がみのりに「生き残れ。生き残って、大人になれ」のところは強く印象に残りました。
    若さって良いなと思ってしまう一冊です。

  • 普段、自分からミステリーは選ばない。
    びびりだから。
    怖かったら夜眠れないからw

    でも、評価が高くて、夏で、吸い寄せられるように手に取った一冊。

    前半はミステリーだったのに、最後急に追い討ちをかけるように甘酸っぱい恋の風が吹いてくる。

    青春ってそうなのかもしれない。
    世の中の色々なものに怯える小学生時代と、
    誰かを好きな気持ちに戸惑い
    恋心こそがミステリーになる中学生以降のあの感覚。

    伏線には気づきながらも、主人公のみのりが
    どちらをすきになるのかとか、
    どちらとくっつくのかが気になってしまったーー。
    浅はかな自分でした。

  • 主人公のみのりが小学6年から中学3年の4年間に過疎化した村で体験した物語。ミステリーなのかホラーなのか。恐怖の対象「向日葵男」は本当にいるのか、それとも子供達の生み出した虚像なのか。章が進むうちに、鮮烈でそして切ない青春物語へと昇華してゆく。そして明かされる真実を知り、虚しさとやるせなさが募る。「現実において、守ってくれるはずの親が、学校が、不安やさみしさや絶望や、いろんなものが、時に子供を殺す。」という一文がこの物語を如実に物語る。

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著者プロフィール

山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他の著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『サクラオト』『思い出リバイバル』などがある。本作『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

「2023年 『向日葵を手折る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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