廃遊園地の殺人

著者 :
  • 実業之日本社
3.20
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本棚登録 : 1826
感想 : 153
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537931

作品紹介・あらすじ

失われた夢の国へようこそ

この推理、未体験ゾーン。



『楽園とは探偵の不在なり』(早川書房)で2020年ミステリランキング続々ランクイン!

新世代の旗手が紡ぐ今年度の大本命!待望の本格ミステリ長編!




プレオープン中に起きた銃乱射事件のため閉園に追い込まれたテーマパーク・イリュジオンランド。

廃墟コレクターの資産家・十嶋庵(としまいおり)はかつての夢の国を二十年ぶりに解き放つ。

狭き門をくぐり抜け、廃遊園地へと招かれた廃墟マニアのコンビニ店員・眞上永太郎(まがみえいたろう)を待っていたのは、『このイリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る』という十嶋からの伝言だった。

それぞれに因縁を抱えた招待客たちは宝探しをはじめるが、翌朝串刺しになった血まみれの着ぐるみが見つかる。

止まらない殺人、見つからない犯人、最後に真実を見つけ出すのは……



2021年最注目の俊英による廃墟×本格ミステリ!



【目次】

第一章 失われた夢の国

第二章 着ぐるみに死す

第三章 燃える迷宮

第四章 事件は巡る、星は回る

エピローグ

感想・レビュー・書評

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  • 2001年10月9日X県Y市旧天衝村のイリュジオンランドという遊園地で、銃の乱射事件が起こり27歳の籤付晴乃が4人を殺害して自殺します。

    遊園地は廃園になり、廃園から20年後所有者の十嶋庵がイリュジオンランドを開放し、イベントとして九人の男女を招待し「このイリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る」と言います。
    応募者の中から選ばれた九人の招待者は以前にイリュジオンランドに勤めていた者と廃墟マニアでした。

    そこで、まず第一の殺人が起こり廃遊園地がクローズドサークルとなり、第二、第三の殺人が起こるという本格ミステリーです。

    コンビニ店員で、なぜか凄い洞察力の持ち主で廃墟マニアの眞上永太郎が探偵役です。
    本には遊園地の地図とマスコットキャラクターのギャニーちゃんのイラストのパンフレット付きで本格的です。

    作者は遊園地のアトラクションを使った本格ミステリーを書きたかったのだろうかと思いました。
    二十年前に起こった事件と今回起こった事件の両方にかかわる人物がほとんどですが、人物名が珍名さんばかりで難しくて誰が誰だか登場人物表もついているのですが、私はわかりにくかったです。
    本格ミステリー好きには楽しめる作品だろうと思います。

    斜線堂さんの個性はラストシーンに出ていたように思います。

  • 廃墟になった遊園地で繰り広げられる殺人劇 暗闇に佇む着ぐるみが不気味な本格ミステリー #廃遊園地の殺人

    過去に惨劇があった遊園地が廃墟になって十数年。廃遊園地を買い取ったオーナーから、廃墟マニアやかつての従業員たちが招かれた。オーナーから宝を見つけろと課題を出されて主人公たちが奔走するが、翌朝見つかったのは血まみれの着ぐるみだった…

    さすが斜線堂有紀さん、読み応えのある本格ミステリーですね。素晴らしいっ
    比較的ライトな書きぶりですが、中身はしっかりとした本格で、最後には驚愕の真相が潜んでいますので油断なりません。登場人物も個性豊かで生き生きとしてるし、また小説が上手いよ。

    本作はなんといっても廃墟になった遊園地と薄暗い過去の雰囲気が素敵ですね。廃遊園地ならではの着ぐるみの死体、もう最高!そして付属のパンフレットがやたらキャッチ―なところも哀愁が漂っててイイ!

    謎解き要素もばっちりロジカルでやられました。ただ正直これは難易度が高いですね。気が付かないよ~

    雰囲気もキャラクターも素晴らしく、ぜひ今後も廃墟シリーズを続けてほしいです。本格ミステリー好きには間違いなく気に入る作品です、おすすめです!

  • 斜線堂作品、今年に入って4冊目。これまでは男女のダークでサイコティックな内容だったが。今回はクローズドサークル。作家さんの力量が見えてしまうこのテーマに挑戦!クローズドサークルの背景、人物設定、殺人、解決と内容の濃い作品だった。遊園地開演前のプレオープンの時に起きた銃乱射事件。この事件により遊園地のオープンが頓挫し20年後に関係者が集まりクローズドサークルとなる。そこで1人、2人、3人と殺害される。目的は?殺人方法は?斜線堂有紀さんの幅広く、多彩な守備範囲に感動する。クローズドサークルが新鮮に思えた。⑤

    • 湖永さん
      ポプラ並木さん こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      こちらから失礼します。
      私は、初読みの著者さんでしたがポプラ並木さんはけっこう...
      ポプラ並木さん こんばんは。
      コメントありがとうございます。
      こちらから失礼します。
      私は、初読みの著者さんでしたがポプラ並木さんはけっこう読まれているんですね。
      いつもレビューには、苦戦してまして…ネタバレしないようにとなるとツラツラとあらすじを書くわけにはいかず、下手な文言になって反省しきりです。
      また、いろいろと参考にさせてくださいね。
      2023/02/07
  • プレオープン中に起こった銃乱射事件のために閉園となり20年が過ぎる。
    その廃遊園地に集められた男女。
    そこで起こる殺人。

    動機は、犯人は、…
    招かれた廃墟マニアのコンビニ店員・眞上が真実へと導いていく。

    遊園地だけあって、仕掛けもいろいろとあるが、人の個性があまり感じられず、名前を覚えるのに苦労した(歳のせいか…)
    廃遊園地だけに、もっと怖さや不気味さが襲ってくるのかと思ったが、そうでもなかった。
    20年前の事件が、関連していたことに焦点を当てていた為にそう感じたのかもしれないが…。

    • ポプラ並木さん
      湖永さん
      共読ですね。
      最近、斜線堂作品を読み漁っています。
      この作品はクローズドサークルの中では面白かったです。
      でも名前の複雑さ...
      湖永さん
      共読ですね。
      最近、斜線堂作品を読み漁っています。
      この作品はクローズドサークルの中では面白かったです。
      でも名前の複雑さ現実味が若干なかったかな?
      背景を掘り下げて詳細が分かったので、納得しました。
      もう少し、ホラー感出してもよかったかかもね。
      では~
      2023/02/07
  • 20年前のプレオープン時の惨劇でそのまま廃園となった遊園地「イリュジオンランド」ある日、持ち主の十嶋の招待で廃墟マニアのコンビニ店員、眞上は彼の地を訪れる。そこには遊園地の関係者や廃墟関係の人物が集まっていた。十嶋により遊園地の所有権が譲渡される「宝探し」を行うよう告げられた招待者達。全員裏がありそうで…。な中で起きる連続殺人。探偵役の眞上の廃墟について語る美学やコンビニ店員の知識での推理がなかなか新鮮。20年前と現代の事件のリンクを丁寧に拾っていくし、廃遊園地わくわくするし、園内マップとか凝ってるし、被害者は着ぐるみ着せられて鉄柵に刺さるし、全体的にはいい感じなんだけどどうもいまいち感が。淡々と進み過ぎるせいかなぁ。

  • 伏線回収は良かった一冊。

    本格廃墟ミステリ。

    かつて起きた銃乱射事件によって閉園、廃墟と化した遊園地に集められた元スタッフや廃墟マニアのメンバー。

    始まるお宝探しの傍ら起きた殺人事件。

    なんだけれど、盛り上がりまでが長い。
    なので正直退屈感は否めない。

    けれど伏線回収は良かった。
    思い返すとカチッとくる感覚を味わえたのは気持ち良い。
    しかも暴かれた真相はなかなかの予想外の重さ、そしてコンビニ店員の洞察力、推理力が新鮮な面白さ。

    人間観察に長けるお仕事なんだな。彼はこれからも廃墟を彷徨い歩くのかな。

  • 面白かったです。

    廃墟の遊園地を舞台に20年前の銃乱射事件と、現在のクローズドサークルで起きる殺人事件を並行して真相に近づき伏線を回収していってます。


    登場人物の名前が変わっているので、なんだか定着しにくいです。

    廃墟巡りをしている主人公と謎めいている十嶋財団、今回が繋がりができた初回なので、是非次回も続いて欲しいです。

  • 2022/04/04読了
    #斜線堂有紀作品

    過去に殺人事件が起きた廃遊園地に
    廃墟マニアの主人公と関係者が集められ
    謎を解いた人に譲られる。
    そして再び殺人事件が。

    折込の遊園地パンフレットなど
    遊び心満載で面白い。
    ストーリーは謎解きパートに入ると
    途端になにがなんだか??な感じで
    全体的に尻すぼみで残念だった。

  • 最後まで楽しめた。この著者の本を読むのは初めてだったのだけど、イメージしにくいこともなく、するするっと物語に没頭できたし、初めは名前が覚えにくいなぁと思っていたがその意味がわかるとこんなにわかりやすい名前はないなと。
    この著者の本を読むのは初めてなのだけど、他のもこんな感じなのかな。
    シリーズものになるのかどうか。なるならちょっと気になる探偵役さん。

  • 読了、というかaudibleで聴いたので聴了、というべきか。図書館が空いてなくて、たまたまキャンペーン中だったaudibleに手を出してみる。聴く良さもあるけど、集中してないとすぐに内容が抜け落ちるね(私が悪いのだけど)。

    内容もまぁまぁ楽しめました!

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著者プロフィール

2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。楽園とは探偵の不在なり』『恋に至る病』『コールミー・バイ・ノーネーム』ほか著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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