心眼

  • 実業之日本社 (2023年7月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784408538273

作品紹介・あらすじ

『ガラパゴス』『震える牛』著者が放つ
警察小説の新たな金字塔!!

「目で見る物語。
心の眼で捉える想い。
焦点が合うその刻を、見逃すな」
杉田智和 声優

あなたの顔が危ない――
すべてが監視されている!

心眼で人を観察しろ。本質だけが浮かび上がる。
街頭に立ち、顔を見続け、
指名手配犯を炙り出す〈見当たり捜査班〉。
新米刑事・片桐は、犯人を見つけられない。
一方、ベテラン刑事・稲本は、圧倒的な結果を残す。
新たに就任した捜査一課長は、ハイテク捜査を実施、
「見当たり捜査班不要論」をぶち上げた。
絶体絶命のピンチを、片桐は脱することができるのか?

目次
第一章 定点
第二章 駐留
最終章 見当たり

みんなの感想まとめ

警察小説として描かれるこの作品は、見当たり捜査班という地味ながら重要な役割に焦点を当てています。新米刑事の片桐は、指名手配犯を見つけることに苦労し、ベテラン刑事・稲本の圧倒的な結果に圧倒されつつも、彼...

感想・レビュー・書評

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  • 社会派の熱い作品が多い作家さんだと勝手に思っていたが、今作は警察小説。
    しかも花形的な部署ではなく見当たり捜査班に焦点をあてた物語である。

    街頭に立ち、道ゆく人の顔をひたすら見続けて指名手配犯を炙り出すのが見当たり捜査班。
    新米刑事の片桐は、先輩の検挙に立ち会うことがあっても自分ではなかなか犯人を見つけられないでいた。
    その中で、ベテラン刑事・稲本は常に単独行動で圧倒的な結果を残す。
    彼の動きを探り、教えを乞うが素気無くされる片桐。
    心眼で物事や人を観察しろ。と聞いたのだが…

    そんな中、新たに就任した捜査一課長は、ハイテク捜査を実施し、立て続けに指名手配犯を逮捕する。
    前時代的な捜査手法は必要ないと、見当たり捜査班不要論をぶち上げる。
    これに対抗するかのように稲本が、班をひとつに纏めて力を発揮する。

    片桐は、心の眼で見逃さずにピンチを脱することができたのか…。


    その人しかできない仕事ってあるのだろうか?とふと思った。
    この見当たり捜査も記憶力、洞察力がなければ無理だろうと…
    忍耐力、集中力も必要だと。
    コロナ禍でマスクをしているとほとんど目だけなので一段と難しいだろう。
    地味な仕事だが過酷な仕事である。


  • 警察もの。
    指名手配犯や行方不明者を街頭で探し続ける部署の面々、トラブル相手は警察内の他部署、
    (重要なのでしょうが)なんとも地味な仕事、特別我々一般社会と関わらない警察内部の争い、
    ・・・ワクワクドキドキの無いまま読了。

  • 最近、刑事が主人公になる小説を読む機会が多く他の小説でも見当たり調査を題材にした
    本を読んだばかりですが、作家さんによって
    着眼点が違うので楽しめました

  • 新米見当たり捜査官の片桐を主人公にした話だけど実質的には稲本がメインを張っている印象。
    片桐の成長していく姿を描いていくのかなと思ったけど徐々に稲本の色が強くなってしまい成長譚としてはやや中途半端な感は否めない。
    今作では監視カメラについても言及しているが、個人情報がある程度漏れるのが当たり前となってきているのと同様に個人個人が知らぬ間に監視されていく時代になりつつあるのかもしれないと思わずにはいられなかった。

  • 帯に「目で見る物語。心の眼で捉える想い。焦点が合うその刻を、見逃すな。」と書いてある。警察小説とも書いてある。目と眼を使い分けている。目は目全体を指し、眼は眼球を指すが、心が付くことで意味は大きく変わる。
    警察小説というと横山秀夫さんを思い浮かべるが、読んでいて、これって横山さんだっけ?と感じる場面もある。

    内容は、見当たり捜査班に配属された片桐は成果を出せないでいた。ベテラン刑事の稲本は次々と成果を上げていく。違いは何か?
    その稲本が言った言葉が「心眼で物事や人を観察しろ。絶対に本質だけが浮かび上がってくる。」と、片桐はそれをモノにできるだろうか?

    見当たり捜査は地道な捜査だが、新たに捜査一課の課長となった大林はハイテク捜査により見当たり捜査は不要だと考えている。大林と稲本には確執があるようだ。それも読み解ける。
    稲本が成果を上げ続ける理由も見えてくる。
    その稲本から片桐が少しずつ学びを得て成長していくところが、この作品の面白さだ。
    終盤は後味が悪い内容もある。監視社会への警鐘とも受け取れる作品だった。

  • 見当たり係という指名手配犯を地道な捜査で検挙する班の話ですが、そこに所属する若手刑事を主人公に、捜査1課から流れてきた凄腕の刑事が次々と指名手配犯を検挙していき、どうしたら自分も検挙できるのか?ともがきながらも主人公が試行錯誤の末、一人前の見当たり班刑事になっていく姿を描いた作品ですが、まさにタイトルの心眼という心理が大事だということを描いでいるのですが、刑事という職業だけでなく、他の職業でも大事な考え方であると考えさせられる作品でした。

  • 著者の作品は、現代の社会問題を色濃く反映させた内容で、毎回新たな視点で見つめ直すことや危機感や身を守る術を考えたりする。

    今回は「見当たり捜査班」を元に新旧、アナログとデジタルの様々な視点を盛り込んでいる。が、ちょっと前半は地味すぎていささか辛抱が必要だったかな。

    監視社会、犯罪には有効化もしれないが、この網の目をくぐる技術も上をいくだろうから、それでも犯罪者は巧みに逃れていく。その時、正直者だけが馬鹿をみる世の中にはなって欲しくないものである。

  • 1984 読んでないけど

    見当たり捜査官は小説にはよく登場しますね。
    リアルでは華々しい活躍、
    という訳ではないのでしょうが、
    縁の下で安全を支えて下さっている事に
    心から感謝申し上げます。

    新人刑事の成長譚、だったんでしょうか?
    方向性が微妙に変化して終わった様な…。
    面白くて一気読みしましたけど…。

  • 主人公は新米刑事の片桐。見当たり捜査班の一員として日々容疑者を追う。膨大な数の「顔」を頭に叩き込み、出入りのありそうな場所を歩き回るが成果は出ない。

    警察が主体の物語に期待するのは、犯人の劇的逮捕、勇猛な刑事、複雑な人間関係、さらに社会に対する問題の投げかけなど、緊迫した内容だが、本作はかなり地味である。警察内部の事情が丹念に描き込まれるが、物語自体は淡々と展開する。ハラハラドキドキ感が極力抑えられ、登場人物たちも目立たない。そうか、見当たり捜査班だからか。

    そんな中、片桐がベテランの稲本を仰ぎ見る様子が、まるで師匠に弟子入りを懇願しているように見えた。ちょっと懐かしいキャラクター設定。彼の謙虚さはまぶしく映る。最先端の犯罪捜査シルテムが、見当たり捜査班の存続を危うくする事態になるが、最後は人の眼や感覚が重要になる、ということか。続編がありそうな終わり方だったので、今後の片桐に期待!

    ところで、ベテラン稲本の風貌は、まさに孤独にグルメを楽しんでいるあの方そのものとしか思えなかった。

  • 見当たり捜査は初めて知りました。
    捜査というより警察の内部抗争かな。
    中途半端な気がします。
    どちらかにシフトして欲しいですね。

  • 主人公、片桐の悩み、心の動揺、そして成長が面白く読めました。なかなか引き込まれました。ただし、ほかの方の感想にもあるとおり稲本の感情は理解できません。組織人として川勝係長も。

  • 見当たり捜査というテーマは新鮮だった。でも見当たりだけでは深みが出ないのか、最後は捜査一課っぽい手法で解決。しかもその活躍を認められて結局一課に行くのかい!

  • 久しぶりに刑事物を読破
    見当たり捜査という今まで知らなかった捜査班の活動は新鮮。でも常に心が重くなるような捜査は読み進めていく自分もキツくなる。なかなか読み応えある作品でした

  • なかなか面白い展開にならずに焦れたが、
    中盤から後半に掛けて面白くなった。
    また主人公の成長を目の当たりにして
    読んでいる自分まで嬉しくなってしまった。

  • 面白かった。片桐さんの一課に行ってからの続きがあるのかな。あったら楽しみです。

  • 相場作品にしては出来が今一つ。監視社会を警告しつつ、見当たり捜査の実際を書いているが、主人公の片桐にあまりにも魅力が無さすぎるのと、見当たり捜査といいつつ、結局証拠からのヨミで成立する捜査で、少し肩透かし気味。全体的にプロットも薄い。著者には失礼かもしれないが、あまり力の入った作品には思えなかった。

  • タイトルから期待が大きすぎたせいか、なんかとてつもなく物足りない…
    最初はなかなか読むスピードが速まる要素がなかったが、途中から興味が湧いてきてどんどん読み進められたものの、主人公がこれで成長したってことでいいのか?というしりすぼみな終わり方で残念な気持ちになった。

  • 多くの人々が行き交う駅や歓楽街で、指名手配犯や行方不明者を探す警視庁見当たり捜査班。配属された新人刑事片桐はベテラン稲本のように実績を上げられずベテラン稲本の技を盗もうとする…。答えは「心眼」。Nシステムや街の監視カメラを使ったハイテク捜査に一石を投じる作品。

  • 稲本さんの言葉も片桐のストーカーまがいの行動も理解出来ず。もういいかなと思い始めたところで、さすが社会派の相場さん。「正義の定義は時代や環境によって変わる。昨日まで一般人でも、今日から法律が変われば被疑者になることだってある。自分の組織の身勝手さと社会の常識とのギャップをわきまえないと、どこかでおかしくなる」Nシステム運用の闇、諸刃の刃。

  • 相場さんの作品にしては物足りない様な気がしたんだけど、いろいろ思うところもあって、じんわり効いてくる。

    ところで、見当たり捜査というのは、もの凄い特殊な能力がないと無理!と思っていたんだけど、フツーに配属されちゃったりするのか!?

    そして、意外と検挙率が高くて驚く…ホントかなぁ?
    こんな人達が活躍してるなら、逃亡中の犯罪者は戦々恐々で、神経すり減らすでしょうな。

    それにしても、犯人逮捕に役立つのは良いんだけど、防犯カメラとかNシステムとか顔認証とか…妙な使われ方をすると、ホント怖いな…。

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著者プロフィール

1967年、新潟県生まれ。専門学校卒業後、時事通信社へ。経済部記者を務める。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。『震える牛』がベストセラーに。『血の轍』『ガラパゴス(上・下)』『不発弾』『トップリーグ』他、映像化作品多数。主な著書に『ファンクション7』『偽金 フェイクマネー』『復讐の血』『共震』『アンダークラス』『Exit イグジット』『レッドネック』『マンモスの抜け殻』『覇王の轍』がある。

「2023年 『心眼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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