午後のチャイムが鳴るまでは

  • 実業之日本社
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感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538440

作品紹介・あらすじ

九十九ヶ丘高校の昼休みは大忙し! 65分間の「完全犯罪」を暴くのは誰? 当代一の俊英が圧倒的な熱量で描く、傑作学園ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 超★5 高校の昼休みは大騒ぎ! ワチャワチャ感が楽しい青春ミステリー #午後のチャイムが鳴るまでは

    ■あらすじ
    九十九ヶ丘高校、間もなく文化祭の控えた学生たちは大忙し。青春のど真ん中を行く彼らに、どんなトラブルが待ち構えているのか?!学園の昼休みの出来事を、全五編から綴る連作短編ミステリー。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    おもろい!そして完成度が鬼のように高い。
    ジュブナイル小説なのでかなりライトな読み口ですが、中身は油断ならず、エンタメ、謎解きとして一級品です。流石は阿津川辰海先生の作品、これでもかっていうほどのコダワリの仕掛けや伏線が随所にみられ、より一層ファンになってしまいました。

    純粋に明るく楽しい作品なので、特にミステリー初心者には超おすすめできる一冊でした。

    ●RUN! ラーメン RUN!
    男子学生二人、昼休みにこっそり学校を抜け出し、激うまラーメンを食べに行くストーリー。タイトルから、かつての名画『ラン・ローラ・ラン』を思い出す。

    一話目として最高の導入、一気に作品に引き込んでくれる。素晴らしいわ、マジで。キャラも愛らしいし、シンプルながらも細かいところに謎解き要素が忍ばせてあるのは流石。面白かった!

    ●いつになったら入稿完了?
    文芸部の部室、文化祭に発表すべく作品をあげるため、部員たちが締め切りに追われていた。そんな中、表紙の装画を描くイラストレーターがどこにもいない?! 部員たちは学校内を探しに行くのだが…

    この大騒ぎ、ドタバタしている雰囲気が素敵すぎて尊い。学生たちの台詞や行動が楽しくてしゃあないですよ、面白すぎです。謎解きもちょうどいいレベルの真相だし、文句なしですね。

    ●賭博師は恋に舞う
    消しゴムでトランプを作ってポーカーをするという、男子学生たちの密かな楽しみ。今回彼らが賭けるものは、マドンナへの告白する権利という、決して負けられない戦いだった。

    懐かしい…私も、サイコロとかカード麻雀を学校に持ち込んだなぁ。あんなにも楽しかった思い出は忘れられないよ。本編、ポーカーの闘いシーンが迫力満点!思った以上に緻密でロジカル、しかも真剣さが伝わってくる。オチも切なく、これぞ青春小説ですね。

    ●占いの館へおいで
    占い部に所属する女子たちが部室で文化祭の準備をしていると、部室の外の男性のセリフが聞こえてくる。そのたった一言のセリフについて、議論を進めるのだが…

    あるセリフから真相を導き出すという、ミステリー界では有名過ぎる例の作品のオマージュです。こんな女子高生いないだろってツッコミは野暮ですね、だって可愛すぎるんだもの。なお議論の内容は本家にも負けないくらいの密度でビビりますよ。

    ●過去からの挑戦
    最終話のあらすじは秘密、ぜひ読んでみて下さい。想像していなかった人の目線で話が進行します。

    ミステリーに慣れた方だと三話目くらいで見当がついてくるんですが、なかなかどうして、しっかりできてます。最終話の大団円もキレイですし、読後感としても爽やかさが満載でした。

    ■ぜっさん推しポイント
    作品全体の世界観として、明るく清潔感があって、コミカルで楽しいんですよ。なにより、学園内のワチャワチャ感が大好きで、若かりし頃の高校生時代を思い出してしまいましたね。

    友達とバカなことを真剣に取り組んだり、誰が好きで付き合ってるだのおしゃべりしたり。そしてこれからどんな未来が待っているのか、期待で胸いっぱいで、毎日が楽しかったなぁ~。そんな思い出に浸れる、素敵な一冊でした。

    • 土瓶さん
      こんばんは~^^

      akiさんの高校時代が楽しそうでいいですね。
      眩しいなぁ~(*^▽^*)
      こんばんは~^^

      akiさんの高校時代が楽しそうでいいですね。
      眩しいなぁ~(*^▽^*)
      2023/10/29
    • autumn522akiさん
      土瓶さん、こんばんは!
      コメントありがとうございます。

      やっぱり学生時代は、何も考えてなくて、楽しかったですね~
      ま、いまもたいし...
      土瓶さん、こんばんは!
      コメントありがとうございます。

      やっぱり学生時代は、何も考えてなくて、楽しかったですね~
      ま、いまもたいして考えてませんけど^^
      2023/10/30
  • ラーメンの話が最高だった。
    「昼休みに学校を抜け出してラーメンを食べに行く話」をここまで面白く、更にミステリーにまでできる作家さんは阿津川さん以外にいないと思う。天才だと思った。

    くだらないことに命をかける男子高校生が何とも微笑ましい。自分は放課後のファミレスだったけど、友達と計画してスリルを味わいながらも楽しかったことを思い出した。

    高校の時には当たり前だった友達と過ごすそんな些細な日常が、今ではとても懐かしい。この本を読んでいる時、遥か昔の高校時代にタイムスリップしたような気持ちになれた。こんな気持ちにさせてもらえるからやっぱり小説って良いなぁ。

    短編だった話が、段々とつながっていく。みんな同じ高校だもんね。終わり方も良いと思っていたら、『あとがき』はもっと良かった。
    阿津川さんやっぱり好きだなぁ。

    ラーメンの話は何度でも読み返したくなる。
    Audibleにて。

  • ある1日の昼休みの話だが5つの謎を1人で解いていく生徒会長いろんな顔を持ち、どの謎も瞬時に解決していく。謎解きが面白く少し難しかったですが読み応えありでした。

  • 面白かったです!
    学園物の青春小説って感じなのですが
    ミステリ要素もあり、短編5編が繋がって
    米澤穂信さんの「クドリャフカの順番」を思わせる
    ような感じが自分はしました!
    側から見ると馬鹿だなって思うことを
    全力で楽しんでるのが
    なんか自分の青春を思い出させてくれるようでした

  • 自分もあれこれやったなー!w

    他人から見れば馬鹿らしいと思うことに青春を捧げた高校時代!

    そんな高校時代を思い出させてくれる本作
    九十九ヶ丘高校のある日の昼休みの出来事を5話収録
    以下の2話が気に入りましたー!


    『RUN! ラーメン RUN!』
    昼休み、体育館裏のフェンスに空いた穴から密かに学校を脱け出す
    向かった先は「麵喰道楽」
    そう、ラーメン店だ!
    一杯無料券を使ってラーメンを食らうために
    外出禁止の校則を破ってチャレンジするミッションは成功するのか?
    タイムリミットは65分!


    『賭博師は恋に舞う』
    ラーメンに情熱をかける奴らもいれば、「消しゴムポーカー」に情熱をかける奴らも
    いつもは賞品のジュースと馬鹿騒ぎを目的とする遊びだが、今回は熱量が違う
    なぜなら今大会の勝者にはクラスのマドンナに告白する『権利』を得ることができるからだ!
    もちろん告白の結果については彼女の一存に委ねられるがw
    あの手この手でイカサマを仕組む彼らの必死さがサイコー!w


    馬鹿げたことにも全力で打ち込む、時間も情熱もあり余っているあの青春時代が懐かしい!
    いやぁ〜、やっぱり高校時代って最高だな(≧∇≦)b

    • 1Q84O1さん
      じゃあ、☆4にしときましょうか〜w
      じゃあ、☆4にしときましょうか〜w
      2023/12/14
    • mihiroさん
      いっきゅうさ〜ん(^_^)v
      高校時代懐かしい〜♪
      1番きゃっきゃっしてた頃で楽しかったな〜。
      そうそう男子ってバカばっかりやってましたよね...
      いっきゅうさ〜ん(^_^)v
      高校時代懐かしい〜♪
      1番きゃっきゃっしてた頃で楽しかったな〜。
      そうそう男子ってバカばっかりやってましたよね〜笑笑

      2023/12/14
    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん!
      ほんと高校時代は一番楽しかったときかもしれません(*^^*)
      懐かしいですよ!
      もしあの頃に戻れたら、またバカばっかり...
      mihiroさーん!
      ほんと高校時代は一番楽しかったときかもしれません(*^^*)
      懐かしいですよ!
      もしあの頃に戻れたら、またバカばっかりするんだろうなw
      2023/12/15
  • 高校生の昼休みに起こるちょっとした謎を題材にした日常ミステリー。高校生の時、バカなことやったよなぁとしみじみ思いながら、楽しく読むことが出来ました。個人的には、男子高校生のバカな昼休みを想起させる、ラーメンを食べに行く話と、賭けポーカーの話が好みでした。

    本作は、昼休みに外出してラーメンを食べに行く「完全犯罪」を目論む生徒やら、急に生徒が消失する珍事を目撃してしまう生徒、賭けポーカーに勤しむ生徒、不可解な言葉の真相を探る生徒、過去の消失事件を解き明かそうとする先生の5つのチャプターからなるミステリー連作短編集です。

    本作全体を通して、ある違和感をずっと感じてたのですが、その違和感が最後に解消されたので個人的にはスッキリした感じはありました。しかし、私自身がもっと派手なミステリーを求めていたこともあって評価としては普通になった感じがあります。

  • 人が死なない日常のミステリー。ある学校の昼休みが舞台の連作短編です。
    今思うとなぜあんなことに情熱を捧げていたんだろうと、自分の学生時代を思い出してニヤリとしてしまう作品でした。
    爽やか青春、お馬鹿なドタバタ劇と思いきや、、、やっぱりそこは阿津川辰海先生、最後のひと手間がにくい演出でした。
    また作中に出てくる「消しゴムポーカー」は、実際に作って、編集者の方と一緒に遊んでみたと聞いたので、本当に学校でやっている感じに仕上がっているのだなと納得しました。
    何も考えずに読める作品で、子供から大人まで、誰にでもオススメできる作品でした。

  • 都内の進学校の昼休みを舞台にした学園ミステリー短編集。

    はたから見ると馬鹿馬鹿しいことに全力投球する高校生たち(特に男子)。
    なんかかわいいなぁ、懐かしいなぁ、青春だなぁ、と微笑ましく思いながら読みました。

    軽いタッチで読みやすく、青春ものにありがちなビターなところがなくて、連作になっているところもポイント高いです。
    まぁ序盤で色々ピンときてしまったけれど。
    大人が読んでも楽しめると思うし、現役の高校生ならミステリー好きのきっかけになるかもしれません。

  • ジャンルは青春学園ミステリー。
    ある高校の65分間の昼休みに繰り広げられる5話の短編で構成されています。

    1話目は昼休みに学校を抜け出して、ラーメンを食べに行くお話し。
    2話目は文芸学部の消えた先輩を探すお話し。
    3話目は消しゴムポーカーの不正を暴き合うお話し。
    4話目は占い研究会の部屋の外で呟かれた「星占いでも仕方がない。木曜日ならなおさらだ」の言葉の意味を推理するお話し。
    5話目は17年前に学校で失踪した女学生の行方を探すお話し。

    1話完結のお話ですが、話を経るごとに徐々に1冊の本としての形を成していきます。
    感がいい人は2〜3話で、物語のカラクリに気づくのではないのでしょうか。

    ミステリーとして勿論面白かったのですが、高校生男子のバカバカしいことに、全力で取り組むあの熱量を久し振りに思い出せました。
    バカバカしいことに全力で取り組むあの熱量は決して大人になると経験する事はできません。高校時代に戻りたくなりました。

  • 青春の匂いがプンプンするミステリー短編集。
    ミステリーといっても、謎解きっぽい爽やかな雰囲気のものばかり。
    高校生男子の憎めない馬鹿さ加減が、なんだか懐かしく面白かった。
    生徒会長の菅原正直はビックリするくらいパーフェクトなんだけど人間味もあって、男女から好かれるのも納得。
    こんな男子のいる高校って、めちゃくちゃ楽しそう!

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著者プロフィール

1994年東京都生まれ。東京大学卒。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」により『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。以後、『星詠師の記憶』(光文社)、『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)、『透明人間は密室に潜む』(光文社)を刊行し、それぞれがミステリランキングの上位を席巻。’20年代の若手最注目ミステリ作家。

「2022年 『あなたへの挑戦状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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