貴女。 百合小説アンソロジー

  • 実業之日本社 (2024年6月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784408538570

作品紹介・あらすじ

“百合”って、こんなにも自由。
新時代の名手が魅せるさらなる高み。
全編新作アンソロジー!

あなたの気持ちが知りたい。喜びも苦悩もその先も。
珠玉の六編とそれを彩る六点のイラスト。
究極のコラボレーションが実現!

青崎有吾「首師」/扉イラスト いくたはな

織守きょうや「いいよ。」/扉イラスト むっしゅ

木爾チレン「最前」/扉イラスト タカハシマコ

斜線堂有紀「最高まで行く」/扉イラスト あきやまえんま

武田綾乃「恋をした私は」/扉イラスト くわばらたもつ

円居挽「雪の花」/扉イラスト 高河ゆん

カバーイラスト るぅ1mm
カバーデザイン 円と球

みんなの感想まとめ

多様なストーリーが織りなす新たな百合の世界を描いた作品は、自由で自然な感情を大切にしています。短編形式で読みやすく、各作家の個性的な文体が光る中、思い出に残る作品ばかりです。特に、友情と恋愛の境界を探...

感想・レビュー・書評

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  • 売れっ子作家陣が綴る百合小説作品集、ラブリーな魔法で陶酔しちゃう! #貴女 #百合小説アンソロジー

    ■きっと読みたくなるレビュー
    前作『彼女。百合小説アンソロジー』に続く、いまを時めくミステリー作家陣によるアンソロジー。

    あいかわらずキュンキュンさせてくれる本シリーズ。今回はミステリーよりも百合要素がマシマシで、読んでると別世界に昇天させてくれます。

    テーマはひとつなのに、様々なアプローチで楽しませてくれますね。皆さん各々の強みを出されていて、先生らしいなって作品ばかりでファンとしては嬉しい限り。

    恋愛なんか久しくしてないなー、百合なんてよくわかんねーよと思っている中高年層にこそ読んで欲しい作品。想像以上に心が揺さぶられること請け合い、前作も素晴らしいのでセットでどうぞ。

    ●恋をした私は/武田綾乃
    女子高生である真の両親は、父親の不倫の末に離婚することになった。父の新しい結婚相手まりえは20代の美人、真には持ち合わせていない魅力で満ちあふれていて…

    導入の第一章がめっちゃ上手い、短編のお手本かと思った。そしていつものとおり、女性の感情の起伏を描くのがプロの技。ホント感心しちゃう。読んでるこっちが魔法にかかってちゃって、吸い込まれていく感じがするんすよ。植物のクダリは何かあるかなと思ってましたが、しっかり先生らしさも出ていて愛せる作品でした。

    ●雪の花/円居挽
    父親と折り合いの悪かった娘、みおりは父親を崖から突き落として殺害してしまった。どうしてよいか困惑したみおりは、ある女性からもらった連絡先から相談をすることに…

    母親に抱かれたような温かさ、しかしそれは犯罪という冷たさも併せ持つ。なんかこわっ! 秘密を持つって、恋愛と同じで大人になることの入り口のような気がする。

    ●いいよ。/織守きょうや
    女子高生の真凛は、同級生で成績トップで美人の清良と出会い恋に落ちる。真凛の猛烈アプローチの後、二人の仲は徐々に深まってゆく。ある日真凛は、共通の友人である松風と清良の不穏な会話を聞いてしまい…

    『キスに煙』でも思ったけど、先生は恋している人を心情を描くのがマジ上手。女子高の恋愛ごっこを片影を見たと思いきや、あまりにストレートでノックアウトです。弾丸のように、強くまっすぐな気持ちが眩しい! これぞ恋のリアル感情ですね。三人の距離感が徐々に変化していく様子も胸が焦がれる。

    ●最前/木爾チレン
    田舎から上京してきた地下アイドル、夕暮みみかはエゴサーチで減っていく失望していた。ただ一人の熱烈ファンからのコメントだけが希望だった。あまりに続くアンチコメントにみみかは絶望し、自殺を図るが…

    序盤からは思いもよらない展開で惹きつけられました。支え合いながら成長していく二人がキレイ… 推し文化のポジティブさが出ていて好き。

    ●首師/青崎有吾
    戦国時代、武将の生首を作ることを生業としている女首師の物語。ある日、女性武将の生首の依頼をうけ、そのために彼女が囚われている場所を訪れる…

    化け物作品、発想力と芸術性がハンパねぇ。エンタメだけど純文要素もたっぷり。どうやったらこんな物語を生み出せるんだろう。たぶん皆さん一番引き込まれるのは、あのシーン。私は完全に取り憑かれました。この一文、一生忘れない。

    本書引用――蛆が死体を喰む音が鳴る。

    ●最高まで行く/斜線堂有紀
    大学の先輩と後輩の物語。先輩が交通事故にあい、記憶喪失になってしまった。後輩はこの好機に乗じて、先輩と半同棲生活をはじめるが…

    二人の心情のズレ具合をコミカルに描きつつも、関係性の発展を魅せてくれる。ミステリー作家先生らしい展開もお上手で、楽しく読ませていただきました。先輩後輩の間柄って、友人関係には存在しない絶妙な隙間があって不思議。

    ■おわりに
    世界中には80億の人間がいますが、年齢、性別、国籍、人種、宗教など様々なクラスタが存在する。「ひとりの人間」と「ひとりの人間」が惹かれ合い、支え合い、励まし合って生きてれば、本作の物語のようなラブリーな世界になると思うんだけどな。

    第三弾を待ってますので、実業之日本社のご担当者さま、作家先生の皆さま、よろしくお願いします。

  • 本の帯に書いてある通りです。自由で自然
    サスペンス、歴史物、アイドルもの等内容も様々で、文体も個性的です。アンソロジーでは珍しく、後で思い出せない作品がありません。
    編集者の作戦であろう、可愛いピンクの表紙に躊躇した人にも是非読んでもらいたいです。

  • 百合小説、初めて読みました。
    ってか、百合小説って言葉知らんかったし…

    でも、面白かった❤️
    短編で読みやすいし、可愛いお話あって、面白かった‼️

  •  木爾チレンさんの作品を読みたくて手にしました。
     「最前」というタイトルのアイドルになった女の子のお話しでした。
     作品のタッチは『神に愛されていた』と似ていました(当たり前)。文章のリズム感が好きです。

     百合小説って、こういう感じなんですね。
    女の子の友達をリスペクトして憧れて、やることなすこと大好きで全肯定している親友関係と百合との境界はどこなんでしょうか?
    性愛があれば百合で、無ければ親友なんでしょうか?
    相手を恋人だと思えば百合で、友達だと思えば親友なんでしょうか?
    付き合おっかってなれば百合で、宣言がなければ親友なんでしょうか?
    性的指向が女性なら百合で、男性なら女性の親友ということなんでしょうか? もしどちらかが指向を偽っていた場合は? アセクシャルだったら?

     結局のところ、お互いをかけがえのない人だと思いあえる人に出会えたら、その瞬間だけで幸せですよね。
    その先がどうなるかなんて当事者にも分からないし、まして部外者には二人の間のことは分かるはずもない。

     大人になると気持ちを伝え合うのはなかなか難しいですね。
    あ! 気持ちが強いから却って伝えづらいのかも。軽い気持ちならコミュ障にも自意識過剰にも陥らないのかもしれない。
    あぁ、これは恋の一種だわ。
    その切実さが百合なんだわ、きっと!
    で、熱量の違いや不器用な振る舞いで、すれ違いや悲劇が起こったりするんだね。

    かわいいね、人って。

  • 本タメで紹介されていて面白そうだと思ったので手に取った。
    武田綾乃、円居挽、織守きょうや、木爾チレン、青崎有吾、斜線堂有紀の6人による百合小説アンソロジー。
    どれも違った百合を表現していてとても良かった。

  • Audibleで読了。
    彼女。に続いて読了しました。

    全体的にミステリ要素もあって良かった。
    中でも円居挽の作品が私は好き。

  • 百合短編。どれも趣向凝らして、面白かったです。青崎有吾「首師」が一番好きでした。
    「恋をした私は」武田綾乃
    園芸部の地味な私は転校と引っ越し嫌で、離婚した父の方に同居、父の不倫相手と暮らす。不倫相手は美しく、私をも磨いてくれた。でも、高校卒業したら、家をでないといけないの?彼女とは他人?
    「雪の花」円井挽
    私はずっと家のために過ごさせられた。突発的に父を殺したが、アリバイは作れるのか?逡巡する私はふと、女性から貰ったものを思い出す。
    「いいよ。」織守きょうや
    私はテストで二位。一位を探しに弓道部に行き、もともと友人の友梨佳と、一位の清良を見て、清良の美しさに虜になる。
    「最前」木爾チレン
    落ち目の地下アイドルみみかは自殺を配信しようとしている。自分を推してくれるフォロワー、@sathumaimoのことを考えたりしながら。そして、今の旬のアイドル、最上れつはなぜ自分を推していたのか。
    「首師」青崎有吾
    瑪瑙姫を死んだことに偽装するために、首師として呼ばれた鷹緒は若い女性。しかし、腕は確かで仕事にかかる。瑪瑙姫の実物をみた鷹緒はその容貌から、これまでの首とはかけはなれた美しさを感じ、首を作れない。鷹緒の苦悩、瑪瑙姫の真の望み、依頼者の欲望渦巻く混沌。
    「最高までいく」斜線堂有紀
    大好きな先輩が事故で記憶喪失に。私は先輩の恋人で同居していたと偽って、偽装同居を始めた。

  • BLは読むけど、百合って読んだことがない、と思った時に見かけた本。

    シスターフッド的なものもあればカップルものあれば、叶わぬ恋もあれば、憧れ的なものもあり、様々なテイストだったけど、戦国時代を舞台にした作品は面白かったな。

    ただなんか、短編だから致し方ないかもしれないけど、自分のセクシャリティに向き合っていない感じはあって、そのせいか不自由さとか苦悩的な感じはなかったのが少し残念でした。

    2025.2.25
    43




  • 『貴女。』読了。
    書き下ろし百合小説アンソロジー第2弾。
    なぜか若手ミステリ作家が多く「百合ってこんなにも自由だ」という煽りに恥じない捻っているれけどいやらしさもなく。。
    円居挽「雪の花」、青崎有吾「首師」もよかったけれど、やはり締めの斜線堂有紀「最高まで行く」が最高までいってた。

  • 表紙買い。短編集なので読みやすい。百合であろうとなかろうと物語として面白い。普段読まない作家さんばかりだったので試し読み感覚で読めた。
    一番面白かったのは「首師」次点で「いいよ。」「最前」。
    売る前提で読んだら予想以上に面白かった。この本も文庫で出して欲しい。

    恋をした私は
    親友の扱いがあんまりだと思ったが、主人公視点で見るとあのような感じなのだろうか。そしてラストは、水仙を使って…の方に持っていくのか。思っても見ない方向に進んだので驚いた。でもすぐに犯人としてバレるのではないかな。途中で出てきた家族写真に引っかかったけどやはり憎んでいたのか。伏線があるのがよい。確かに自分を変えてくれたり、知らないことを教えてくれる人を特別に思ってしまうが、父の不倫相手を手に入れたいっていうのも随分と歪んでいる。親が親ならという感じ。親友とくっついてほしかったし可哀想。母の好意にも気づかず、大切で良い人はそばにいたのに、恋は盲目とはまさにこのこと。ここまで人を変えてしまうのか。一作目だったので面白くて衝撃的だった。

    雪の花
    今まで自分で考えて行動したことがない。これが初めての殺人。それがなぜか高揚する。それは果たして罪を犯した背徳感?か、恋なのか。タイトルの通りいつの間にか消えていくような話だった。これは百合というよりミステリー系として楽しめた。

    いいよ。
    高校生、青春という感じ。文章も簡単で学生感があるが、情景も心情もわかりやすく、内容や文面に薄さはない。
    合鍵を渡されるのは嫌。家の中を見られる=自分の中を見られているようだ。その会話があるからこそラストが良い。練習場の盗み聞きのシーンは良かった。情景と心情が伝わってくるのが辛い。けれどそこから状況が変わっていくのが面白い。
    終わり方がもどかしい。「清良は笑って、」の続きは!?となる。文章が途中のまま物語が終わるなんて斬新!
    親友の存在が良い味を出してる。親友はただ応援してただけなのか。どちらかを好きではなかったのか。気になる。

    最前
    アイドルという苦悩の先にある、キラキラと描写された自殺へのシーンが非常に印象的で、まるでステージのような表現も相まって不謹慎だけれど、きれいだと思った。アイドルにしてくれたセリフを夕焼けに向けていうのも良い。
    学生時代のベタな展開を持ってきたが、ベタで王道の百合だからこそ最高。学生時代からお互いを思っていた。それに気づかないまま憧れ、目標にし、嫉妬し、約束を果たす。何気ない出来事が人を大きく変えるのだなと思った。
    サツマイモと最前の意味がわかった時は、話の作り方が上手だなと思った。感動、と一言で済まない、切なく嬉しくもどかしく青春の甘酸っぱさを味わえる作品だった。

    首師
    最初、映画の小道具を作っているのかと思ったら本当に戦国時代の話で驚いた。でも昔の方が同性愛はポピュラーだったと思うとぴったりではないか。足元に布をしている時点で歩けないのだとわかり、ラストもあらかた予想できた。
    性的なシーンもあったが、時代が時代だし、話に重要な場面なのだと思って読んだ。あまりこういうシーンは好きではないのだが。戦国、捕虜、それを助けたい、姫=美しいものであり惚れてしまう、身分や身なりの差、王道が詰め込まれていて良い。
    本物の美しさと出会い、今までの自分の仕事や美しさについて悩み、発狂する姿、死をおろせないほどの美しい人の存在に苦難する制作日々は、非常に鬼気迫る気持ちにさせられた。生と死、美と醜、本物と偽物。道中もラストも展開は予想できたが、それを超える面白さだった。

    最高まで行く
    文章が独特。でも読みやすい、わかりやすい、主人公の気持ちになれる。ギャグっぽい感じで面白い。サクサク読める。ギャグが上手い=言葉遊びや選びが上手い、語彙が多い、テンポがいい。扉絵と中身が全然違うというか予想してたのと違った。手紙からの展開は予想がつかなかった。
    ありそうでない話で面白かった。人物の心情と面倒くささがリアルに書かれていて良かった。
    タイトルと本文のつながりはよくわからなかった。

  • 多彩な百合小説が読めるアンソロジー。
    いやあ、どれも面白いんだよねえ。
    織守さんの百合、めっちゃ可愛いかったな。
    何から何まで微笑ましい。
    青崎さんの戦国時代百合は斬新。
    首師を主人公にするところがまた良い。
    あの結末もこの時代ならでは。
    でも一番気に入ったのは斜線堂さんの百合ですね!
    個性的なキャラと二人のコミカルなやり取りが楽しい。
    ある瞬間、頭に描いていた物語の印象がくるりと反転するあの感じもたまらない。
    もう全部好きだ。

  • 武田綾乃さんの話がやはり面白かった。チレンちゃんはちょっと期待外れ

  • 武田綾乃と青崎有吾目当てで買ったのだけれど、他もとても良かった。

  • 個人的にはどれも前作「彼女。」を超えなかった…(前回が傑作ぞろいだったこともありますが…)

    いくつか感想を。
    ・武田綾乃「恋をした私は」
    →父親の愛人に惚れていく女子高生の話。
    一途に主人公を気遣う友人がいわゆる「かませ」的になっているので素直に応援できない…

    ・木爾チレン「最前」
    →アイドルとファンの話だと、個人的に頂点の傑作である斜線堂さんの「ミニカーだって一生推してろ」があるので、売れないファンと唯一のファン(学生時代のいじめられっこで現在は乃木坂的なアイドルの頂点)。関係性も読めてしまったし全体的に薄い…

    ・斜線堂有紀「最高まで行く」
    記憶を失った先輩の恋人の振りをする話。
    破綻が見えている薄氷の上のような関係は「百合である値打ちもない」に通ずるけれど、あれほどの切実な訴えかけるものがないまま、どうにも没入できなかった
    一番好きな作家さんだけにうーん。主人公が軽薄? 先輩にそこまでの魅力がないから?

  • 百合を摂取したくて&好きな作家さんを発見したくてアンソロジーを読む。6本全部よかった!
    「恋をした私は」のラストがゾワっとして好き。好きな人を手に入れるために親でさえ手にかけるんだ。そして自分に向けられる好意には気付いてないところが罪だな〜と。
    「雪の花」見知らぬ女に救われて、それが次へとまた連鎖していく。ミステリ色強くておもしろかったです。
    「いいよ。」恋人のフリから始まったふたりがフリじゃなくなっていくのがかわいかったです。ストレートかわいい百合だったかも。
    「最前」アイドルを救ってくれるのはいつだってファンなんだ。
    「首師」首を作る職人と囚われの姫様の話。命を失うことよりもつらいことがこの世にはあるんだろうな。
    「最高まで行く」斜線堂先生らしい軽やかな筆致だけど酷い話でやっぱり好きだ〜になりました。記憶喪失という装置の使い方がうまい。

  • 青崎有吾さんの話が読みたくて手に取る。
    生首を作る首師という特殊な職業の話。城主でもある姫への恋愛と首師への矜持が天秤に乗る話で面白い。

  • 結構好みが分かれるお話も結構あったが、個人的には青崎有吾さんの『首師』と織守きょうやさんの『いいよ。』がぶっちぎりで好き

  • チレンさん目的で読んでみた。あと武田彩乃先生。
    わりと児童書ぽかった。
    チレンさんのが一番面白かった。
    こういう色んな人が書いた小説をまとめた本は、純文学で揃えるとか、ターゲット層を統一するとか考えた方がいい。

  • いいよ。
    最前
    最高まで行く
    面白かった。

  • どの作品も味わいが多種多様でとても良かった。
    特に、織守さんの百合が心にブッ刺さって、読んでいる間ずっと胸キュンが止まらなかった。ずっとハッピーな雰囲気なのに、感情描写の一つ一つに質量があって良かった。

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