年下の男の子 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550305

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    マンションを買ってしまった、37歳課長補佐の恋の行方は? 銘和乳業勤務のわたし(川村晶子)は37歳にしてマンションを購入。契約翌日、新製品の健康ドリンクの宣伝用フリーペーパーをめぐってトラブルが発生。価格欄が空白のまま刷り上ってしまったのだ。これは、徹夜で空白部分にシール貼りをするしかない。担当者のわたしは、ピーアール会社の23歳の契約社員・児島くんと夜を徹してのシール貼り作業を敢行。なぜか2人は話が合ったのだが……。

    【感想】
    14歳も年下の男の子に恋心を抱いてしまう。わたしは経験したことがないからわからないけど、確かに躊躇うというか、自分なんかが好きになっていいのかって思うのは当たり前だと思う。晶子は初めからずっと、児島くんのことが気になっていたんだと思う。初めは無意識だったかもしれない。でも途中からは絶対意識していただろうし、その気持ちを懸命にセーブしていたのが、すごくよくわかった。それが見ていてもどかしかった。でも、児島くんの猛アタック。汚れない一途な想い。それに徐々に心を揺れ動かされていく晶子。もしわたしが晶子だったら、歳のことを考えても、将来のことを考えても、絶対に児島くんのことを好きになってしまうと思う。だって、それくらい、児島くんは晶子に真剣だったから。そして、晶子は最後の最後でやっと、児島くんが自分にとってどれだけ大切な存在だったかということに気づかされた。好きって気持ちに、恋心に、愛に、歳なんて関係ない。晶子は児島くんの元へ走った。そのシーンに、わたしは嬉しさと安心を覚えた。良かった、って思った。一度は児島くんを突き放した晶子が、また児島くんのところへ戻ってきてくれたことが嬉しかった。

  • 五十嵐貴久さんの作品は私には合っているらしい。サクサク進む。
    今回の「年下の男の子」は、まさにドラマに出てきそうな話だなぁと思った。38歳独身OLが、取引先の23歳男性と仕事をすることになり、それをキッカケに彼が彼女にアプローチしていく。晶子と児嶋くんの関係が少しずつ親しみを増していくのを追うだけでも面白い。最後の方はちょっと無理矢理まとめた感じもしたが、まぁこれはこれで、一つのハッピーエンドの形かなと思う。

  • 取引先の37歳の女性と23歳の男性が恋愛関係に!!
    37歳の女性はもちろん独身ですが、結婚を諦めたのかマンションを購入。
    そんな時、男性から好意を持ちかけられる。
    戸惑いながらも接近する二人だが、結婚の話になると女性が引き気味に…
    正直、女性の態度には後半、年下の男の子に対してだけではなく、イライラしたけど…

    2017.3.5

  • リカなどよりこういう系の五十嵐作品が好き。

  • 14歳の年齢差がもたらす妙なわだかまりをベースに物語は進んでいく。男性が女性視点を描く難しさが滲みでており、少々ステレオタイプ。痛々しい。
    40前の独身女性ってほんとにこんな気持ちなんだろうか。後書きでも、応援歌って感じの記載があったが、どうなのかな?

  • タイトルと内容が素直に一致している作品。
    37歳、14歳差という言葉が非常に目立つ。

    二人とも奥手ではなく、コミュニケーション能力は高く、外向的であるにもかかわらず、なかなかにもどかしい。
    37歳、14歳差がうまくブレーキになって話を引っ張る。


    終盤、突然二人の関係が変な事に、落ち着くべきところに落ちると思いきや、ラストギリギリでどんでん返しが。
    なんだこりゃ〜、ちょっとイタイ展開ですがNHKっぽいオチで面白かった。

  • 13話からなる、連続ドラマを見ているようでした。
    大手企業に勤める37歳のOL晶子が、恋に仕事に奮闘する、ドタバタ系のヒューマンラブストーリーと言うイメージ。

    突拍子もない出来事もなく、難しい言い回しもなく、スラスラと安心して読めます。

    決して若くない、会社でもそれなりのポストを与えられ、仕事をバリバリとこなす晶子。
    恋愛も結婚も諦めてない!だけど…マンション買っちゃった!どーなる私。
    そんな時、現れた取引会社の独身男性。
    14歳年下のジャニーズ系。人懐こくて、ちょっぴり強引。最近の若い子は、何を考えてるのやら…でも、もしかして、私のこと好き?
    どーなる私。

    ただ、残念ながら、37歳の女性は、恋にもっと貪欲だし、もっと自惚れてるし、もっと自信過剰であって欲しかったというか、自信過剰です。37歳をすでに経験済みの46歳が言うのだから、間違いない。笑
    晶子の悲観的な部分は、女性としての喜びを知らない女のそれで、過去にキチンとそれなりの恋愛をしてきた女は、恋にもっと素直。
    14歳年下!14歳年下!がくどい。
    なんちゃないこと。とは、言わないけど、女も男は言い寄られれば、のぼせるもの。
    「私、すごくない?14歳年下の男の子よ。」と、リアルなら友達に自慢するね。笑
    さらに、慎重に慎重を重ねて、覚悟して付き合い始めたのに、それでも「最近の若い子は…」と年の差を理由にするのは、児島くんに失礼。
    そりゃ、そのうち別れるんだろなとは思う。
    ただ、同年代でも別れるときは別れるのに、年齢差があるから、付き合いながらに「どーせ別れる」って…やっぱり相手に失礼。
    惚れた相手にそんな冷静になれるようじゃ、まだ心底惚れてないね。遊びと言われても仕方のないこと。
    だけど、最後に気がついてくれたので、全部、チャラにします。
    結果、ラストは泣きました。頑張れ晶子!

    2016.02.23
    今年の5冊目

  • タイトルに興味があって読みました。
    うーん。。
    惜しいなぁ。。という感想かなぁ。
    「恋愛小説」を読むぞー!というよりは、「仕事小説」として読んだ方が、読み応えある気がします。
    私的にはキュンキュンする場面がない。
    児島さんと同年代の小川弥生さん、当て馬(とは全く違うけど、書き手としてはそういう役どころだったのでは。。)として、もっとフル活用出来たのでは!
    気になる。。
    クリスマス後に、小川弥生さんの女の勘は発動しなかったのか。
    気になる。
    続編があるらしいけれど。
    それは読まないで、この作者さんの別の作品を読んでみようっと!

  • 歳の差結婚

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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