メメント (実業之日本社文庫)

  • 実業之日本社 (2012年2月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784408550695

みんなの感想まとめ

「死」をテーマにしたこのエッセイ集は、著者の豊かな体験と思索を通じて、私たちの身近にある死の多様性を描き出しています。ペットや友人、社会的な事件に至るまで、さまざまな死を巡るストーリーが展開され、読者...

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクション

  • オウム真理教のドキュメンタリ映画『A』、『A2』を撮ったドキュメンタリ映画監督森さんの連載エッセイ集。

    タイトルは"メメント・モリ"="死を想う"、から取っている。だったら『メメント・モリ』にしてしまえばいいんじゃないかと思うが、「モリ=森」なので、何かを掛けているのではと思われることがいやだったんだろうか。藤原新也の有名な著書名とかぶるし、「メメント」~ 想う、だけでいいのだとの説明があるが、それだけではないだろう。繊細だけれども、強情な森さんらしい選択なのかもしれない。もちろん会ったことないのでわからないけど。

    「(死を)想う」とのタイトル通り、「死」を巡る多くの体験と思索が綴られている。それは、ペットの死であったり、取材対象の放送禁止歌の歌手の死であったり、昔自殺した友人の死であったり、死刑囚の死であったり、入院患者の死であったり、日々のTVニュースにおける死であったり、宇宙の死であったり、粘菌の死であったり、細胞の死であったり、北朝鮮拉致被害者の死であったり、サリン事件被害者の死であったり、ホロコーストの死であったり、震災下の死であったり、そして父の死であったり。そう思うと、実のところ死はありふれていて、私たちの周りに溢れている。

    メディア批判は相変わらず手厳しい。事実と記憶の多面性や、(悪意ではなく)善意こそが徹底的に人を残酷にさせるといった主張など、他の本で提示されたテーマもしつこく繰り返されている。売れるべき『A3』が売れなかったことへの悔しさと恨みごとも、また出てきている。いいと思う。

    連載物なので、ときにまとまりなくテーマも揺らぐが、最後『われわれはどこからきたのか、われわれはなにものか、われわれはどこへいくのか』というポール・ゴーギャンの有名な言葉で締める、これを読む読者にも少し考えてほしいなあという森さんの期待が透けるエッセイ集。よいですよ。

  • 生と死をテーマにした随筆集。
    筆者の動物好きが印象に残りました。

  • ものごとを安易に断定することなく、何だかいつも、何に対するときもいきつもどりつ煩悶しながら生きているような気がする森達也。
    今回は特にそれが顕著。

  • 自分のダメな部分も文章にしてさらけだせるのはすごいなぁ。久々に森さんのを読んだので、これくらいの長さの文章が考えながらにはちょうどベストでした。

  • 森達也さんのものの見方にはっとさせられることがよくあります。
    メメントモリ=死を想う。

  • 久しぶりの森達也。本作で12冊目。結構読んだな。

    主として生命・死をテーマとした文章を書き連ねている。
    タイトルのメメントは、ラテン語の「メメント・モリ=死を想う」から来ているから、
    そのテーマ設定も頷けるところである。

    善人が大量虐殺を犯す、仮想的が先制攻撃を正当化する等、
    いわゆる森節は健在で、その意味では「世界はもっと~」や「世界が完全に~」
    などからブレはない。

    特徴的なのは、文筆業であることへの違和感・飽きだろう。
    恐らくは2001年発表の「A2」以降、映画のみならず、映像作品を
    ほとんど発表してない禁断症状が出ているとみた。

    しかし、森達也ってこんなに動物を飼っていたのか(好きなのか、とは敢えて書かない)、
    と思えるほど、彼の飼育歴が明らかとなる珍しい作品。

    文庫では「震災、受賞、父親の死」が追録されている。
    慈しみに富む、切なくも美しい追悼の文章。

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや) 広島県呉市生まれ。映画監督。作家。テレビ番組制作会社を経て独立。1998年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i―新聞記者ドキュメント―』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社) 、『死刑』(朝日出版社)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(ちくま文庫)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)、『集団に流されず個人として活きるには』(ちくまプリマー選書)、『歯車にならないためのレッスン』(青土社)、『COVID‐19』、『極私的映画論』(以上、論創社)など多数。編著に『定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会』シリーズ(論創社)など。2023年9月1日、関東大震災の5日後に千葉県の福田村で起きた行商団9人の虐殺事件をテーマにした映画『福田村事件』が公開された。

「2025年 『人はなぜ他者を差別するのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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