下町の迷宮、昭和の幻 (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社 (2012年6月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784408550794

みんなの感想まとめ

レトロホラー短編集である本作は、恐怖とノスタルジーが巧みに融合した作品です。読者は、しんみりとした感情に浸りながら、不穏な雰囲気が漂う物語に引き込まれます。特に「廃屋」や「おかあさんはざしきにいる」と...

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに下町とあるように、各編は田端や王子、荒川、浅草、谷中といった都心の北東部―まさに昭和の空気感がそこかしこに残っているような街が舞台となる。「下町」+「昭和」と来ればつい先年、昭和30年代の下町を舞台にして大ヒットとなった某映画のような“郷愁””ノスタルジー”という言葉がすぐに出てきそうなものだが―

    近頃こそ人情味溢れる時代小説を多く書いてはいるものの、かつては残虐性と血腥さに満ちたホラーで鳴らした著者のこと、郷愁で呼び起こされる記憶が温かく優しいものだけではない、ということを読者に突き付ける。
    といっても、どの作品とも破滅や死を以て結末を迎えるわけでもない。かつてなら間違いなく闇に取り込まれ、破滅を迎えたであろう主人公が生き永らえたり、覗き込み手をかけていた深遠の淵から生還するのを読むと、その辺りは倉阪氏も丸くなったのか、作風の幅が増したのかな―とも感じたり。

    短編集としてはバランスが取れているといえるのかも。

    詳しくはこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2012-10-02

  • 文庫版再読。レトロホラー短編集。ホラーなのでもちろん怖いのだけれど、とてもノスタルジックで優しさを感じられる作品もあります。しんみりと浸って読みたい一冊。
    お気に入りはやっぱり「廃屋」。この句があまりに怖いのは相変わらず。「おかあさんはざしきにいる」がもはやトラウマのような言葉となっています。いろいろ不穏な想像をしてしまうぞ……。
    「まどおり」も怖いなあ。よく考えると、こういう場所って実際あちこちにある気がします。立地条件は悪くないのに何をやっても流行らない場所。そうかやっぱりそうなのか……。

  • 舞台がすべて自宅近辺で情景がリアルに浮かぶ。都市伝説の類よりも生々しい怖さがあると思う。下町と霊というのが意外にマッチすると感じた。

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著者プロフィール

1960年、三重県生まれ。
早稲田大学在学中に幻想文学会に参加、分科会の幻想短歌会を主宰。
1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』(幻想文学会出版局)でささやかにデビュー。
1989年、第一歌集『日蝕の鷹、月蝕の蛇』(同上)を刊行。
平成とともに俳句に転向、「豈」同人。句集に『アンドロイド情歌』『悪魔の句集』『怪奇館』など。俳句関連書に『怖い俳句』『元気が出る俳句』『猫俳句パラダイス』などがある。
1998年より専業作家。ホラー、ミステリー、幻想小説など多彩な作品を発表。近年は時代小説の文庫書き下ろしを多く手がけ、オリジナル著書数は130冊を超える。
趣味はマラソン、トライアスロン、囲碁・将棋、油絵、鉄道など。

ホームページ「weird world 3 倉阪鬼一郎の怪しい世界」
http://krany.jugem.jp/

「2017年 『世界の終わり/始まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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