腕貫探偵、残業中 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550824

感想・レビュー・書評

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  • 腕貫探偵シリーズの連作短編第2弾、かな?
    最初の短編から定石を外して、いきなりレストランが襲撃され、その客の中に腕貫さんがいるという設定だ。いつもの簡易机とパイプ椅子じゃないところが、ちょっぴり残念な気がした。他の短編でも定石を外しているのがあって、変化球ぽい。私としては、定石の方がすっきりしていていいんだがなあ。でもまあ、腕貫さんになついてしまう女子大生の住吉ユリエが男前でかっこよく、腕貫さんと同じ美食家というのがなかなか面白かったかな。事件のトリックのほうは、無理無理感横溢だけどね。

  • シリーズ2作目。腕貫探偵のプライベートに迫る6篇の連作ミステリ。

  • 前作同様の連作ミステリー。
    人をバカにした発言の多い探偵という印象でしたが、今作はプライベートだからなのか少しやわらかめ?
    前より不快な印象はなく、むしろちょっとおもしろい。
    彼に惹かれる物好き美人のおかげかな。
    相変わらず推理力はすごい。
    予想外の結末か多く楽しめました。

  • ここまで来ると好みの問題でしかないと思うけど、私はやっぱりこの雰囲気好き。
    しかも前作より面白いかも。前作読んで高まっていた期待に見事に応えてくれて満足。

    一応短編集。
    初編では腕貫さんは割と謎な人物で、ともすれば悩みを抱えてる人だけに見える妖怪(!)なのかな、くらいに思ってたけど、今作は全部腕貫さんの勤務時間外にもたらされた相談事になってる(だから「残業中」ね)。
    確かに毎回受付時間に来るクライアントの話にしていたらワンパターンというかマンネリ化してたかも。
    お、今回はこういう趣向か!と思いながら、一方で腕貫さんのプライベートが描かれることで謎めいた部分がなくなって世界観が壊れるんじゃないかとの危惧もあった。
    でも、相談したことない女子大生に「易者」と思われるくらいには認知されてることが分かったり、意外にグルメな一面が見れたりして、これはこれで楽しかった。
    あと、おんなじ登場人物が出てきたり、事件が全部櫃洗市で起こってるもんだから、レストランとかホテルとか何度も同じ施設が出てきたりして、もう事件は知ってる街で起こってるような気分になる。そうやって読者は作品の世界に引き込まれちゃうんだよね。うまいなぁ。

    んで、ミステリの部分もしっかりしてると思う。こんなの分かりっこないってレビューもあるけど(そしてそれは否定はしない)、その分腕貫さんの鮮やかな推理力が映えるというか。

    そしてなにより「軽い」ので、自分の精神状態を気にせず読めるのも魅力だな(シリアスな話は読む方も体力使うからね)。

  • 腕貫さんの所には食事の時も非番の時も相談が舞い込む、シリーズ第二作。 

    腕貫さんも宛ら、ユリエちゃんのキャラが良かった。 クオリティも申し分なし。

  • 腕貫探偵シリーズの連作短編第2弾。
    プライベートな時間に持ち込まれた相談の謎を解き明かしていきます。今作では腕貫探偵に人間味が加わってプライベートではグルメ、しかもかなりこだわりの食通であることが発覚。

  • グルメ情報と謎解きの両方楽しめます。

  • 単行本で読んだ

  • 腕貫探偵に続けて読みました。短編集で読みやすかったです。

  • 今作の腕貫さんは、時間外労働というか、プライベートな時間に持ち込まれた相談の謎を解き明かしていきます。
    グルメな腕貫さん…風体や表情は相変わらずですが、そんな一面も見られて、だけど鋭い視点での謎解きには相談者と同じく、聞き入るように読み進めてしまう。
    それぞれの話の登場人物の細やかな描写も、現実にいそうな感じがしてしまうくらい、物語に入っていけるし、やっぱり面白かった。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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