モラトリアム・シアターproduced by腕貫探偵 (実業之日本社文庫)
- 実業之日本社 (2012年10月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408550954
感想・レビュー・書評
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大会社の御曹司なのに継ぐ気もなく、目的もなくアメリカに語学留学し、大学卒業しても就職の当てのないヘタレの住吉ミツヲ。前作の男前女子大生住吉ユリエの兄とは思えない情けなさ。コネで有名私立女子高に英語教師として押し込められたが、つぎつぎと教員関係者が殺されていき、あろうことか自分が連続殺人の容疑者に!ところが、教え子の美少女や大富豪探偵や腕貫探偵が寄ってたかって助けてくれようとする。全く馬鹿馬鹿しくてやってられないよというところだが、まあお話としては面白かった。推理の方は、はいはいそうですかというしかないなあ。
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腕貫探偵が謎を解くこれまでの短編集とは違って、一冊でひとつの事件。
前作で腕貫探偵をだーりんと慕うようになったユリエちゃんの弟が主人公。
ユリエちゃんもしっかり登場して、二人のやりとりは楽しめました。
とにかく登場人物が濃い。
キャラが渋滞してる感じはありますが、シリーズの変化球としてはおもしろかったです。 -
ユリエさんの兄、ミツヲ君を中心に物語が展開。彼の過去の封じられた記憶を探りつつ、時間軸と人間関係がグルグル展開していく感じは、「ああ、西澤作品だな~」と安心クオリティ。
腕貫さんあんまりでてこないけど、タイトルが秀逸なので許せちゃう。 -
プロデュース…最後まで読むと意味がひしひしと。前作までで活躍の女傑ユリエさんの兄が主役。女系一族だけに、頼りない男性として描かれているけど…最後までうん。パパを除いてハッピーでめでたしめでたし。
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腕貫探偵の外伝。長編のスラップスティックなコメディミステリ。失われた記憶を取り返すモチーフは他の作品にもあるが上手だと思う。登場人物は、美人ばっかりだが、あんまり萌えとかねらってなくて、個性的で面白い。
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舞台は架空の櫃洗市.2日間に関係者(事務員,卒業生,教員の妻)が4人連続で不審死を遂げた名門私立女子校.そこの新任講師の住吉ミツヲは目覚めると血塗れの包丁を握って女性の死体の脇に倒れていた.もしかして自分が? 他にもあるべき記憶がいくつか欠けているミツヲ.女子高生探偵を名乗る美少女・遅野井愛友の積極的なアプローチにはたじたじである.そして騙される快感.西澤節全開である.腕貫探偵,大富豪探偵他,櫃洗市シリーズの個性豊かな登場人物も勢揃いなので,『腕貫探偵』シリーズ,『必然という名の偶然』を先に読むともっと楽しめる.
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櫃洗市の私立女子高を舞台にした殺人事件。大半は事件の容疑者・住吉ミツヲの視点で進む。このミツヲが頼りない。個性の強い母親と妹の影響か自己主張もろくにできずにただ言われたことに従い、教え子の遠野井愛友に懐かれ、その後振り回され。ミツヲの記憶に不明な部分があり、その謎は後半にやっと明かされる。冒頭で警告されてたのにすっかり騙されました。弟君が亡くなっていたとは、まったく出てこないからおかしいとは思った。腕貫探偵いい仕事してるなぁ。小説に登場した愛友の伯母大富豪探偵の小説が積読本の中にあったのでさっそく読もう。
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ユリエの兄、ミツヲの物語
大どんでん返しありで読み応えあり
腕貫さんがあまり登場しないのが残念 -
腕貫探偵スピンオフ作品。
語り手の新任教師ミツヲは何か記憶の欠落を抱えているような曰くありげな人物で、あまり好感が持てない。彼が私立女子高で続く不審死に巻き込まれることで周囲の人間が事件の真相に迫っていく…
ミステリとしてはちょっとどうなの、という感じだったが、キャラが個性的で読みやすいのはいつも通り。腕貫探偵の出番が少ないのが残念。