モップの精と二匹のアルマジロ (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408551159

感想・レビュー・書評

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  • キリコちゃんシリーズ唯一の長編。キリコ,大介夫妻の活躍する話。主見目の女性から新婚のイケメン夫が浮気をしてる疑いがあるといってキリコちゃんが調査依頼を受ける。真相はなかなかに複雑で重い。愛とはなんぞやという問いかけにまで発展する。

  • 清掃人探偵・キリコシリーズ第四弾。
    今回は長編でキリコの清掃活動があまり出てこなかった印象。
    なのにサクっと読める。

  • ある日キリコは、見知らぬ女性から「夫の浮気を調査してほしい」と頼まれる。
    その越野真琴という女性によると、夫の友也は残業は無いのに毎日遅く帰ってくるという。
    調査を始めたキリコと大介だったが、ある日友也が交通事故で記憶喪失になり問題は思わぬ方向に…。
    清掃人探偵キリコシリーズの第4弾。

    シリーズ初の長編。
    今回は初めてキリコと夫の大介が協力して謎の解決に取り組んでいます。
    久しぶりに大介の視点から物語が進んでいくのですが、キリコとの日常生活が初めて描かれていて、何だかほっこりします。
    二人の仲が良すぎて、羨ましくなるほど。

    肝心の謎解きは正直…微妙でした。
    途中で結末が何となく予測できちゃうし、謎の規模が短編並。
    短編でもいいお話を、無理に長編に引き伸ばした感が有り。

    でも、真相自体は切なくも考えさせられるものでした。
    恋情や愛情を感じることはできなくても、他人と寄り添って生きていくことはできる。
    夫婦や人間関係のかたちなんていうものは人の数だけあるのかもしれません。

    キリコと大介のイチャイチャがやたらと描かれたのは、真琴と友也の夫婦関係との対比だったのか…といま気づきました。

  • 大介の目を通したキリコが、これまでのシリーズタイトルじゃないけれど、天使か妖精かという感じに今にもすり抜けて消えてしまい兼ねなそうに思えて不思議だった。キリコ自体は快活に思えるのに、何だか儚くて危うい存在みたい。自分はいまいち冴えないと自覚していて、且つベタ惚れだからかな。きれいな服を、自分が着たらちぐはぐでみっともないことがばれてしまうと思って受け取れなかったと言う真琴のコンプレックスのシーンが、普段意識していないけれどわかる気がして印象的だった。

  • 解説佳多山大地。冒頭の今まで出来る限り掃除をさぼってきた発言に殺意を覚える。。。
    (その分、代わりに少人数で真面目に取り組んだ犠牲者がいたわけで)
    これを機に今までサボった分を肩代わりする人生を歩んで欲しい。。

    とは思わないであろうキリコに本当尊敬の意を。

    全編通しての長編。

    このシリーズ
    強烈に残る、というのは無いけれど
    でも毎日飲むお茶のように、さらりさらりと入ってくる。
    よって、色々忘れてしまうのだけれど
    美味しかった事は覚えているので
    暫くしてまたパラパラ読みたくなる感じ。

    夫が大分成長したな、と思うのは
    勿論彼自信の伸びしろがあり、素直な利点もあるからだが
    キリコの考え方、物の見え方に一緒に付き合ってきた
    結果なのかな、と。

    今回登場したご夫婦と、何らかで付き合いが続いていけばいいな、と。

  • 2人で、事件を解決していくお話し。うーん、やっぱりキリコ一人のほうが好きかなー

  • お掃除キリコちゃんシリーズの長編作品。
    大介の働くビル内で働くイケメン男性がもつ秘密のために事件事故が起こる。。
    軽いタッチでさらっと読めちゃう相変わらず気持ちの良いモップシリーズなんだけど、愛情とか人のつながりとか、そんな身近なことを考えさせてくれる本でした。ほんわかします。

  • 清掃人キリコシリーズ。第三弾にして初の長編。
    なんとなくもやもやとして気持ちの悪い謎にずっと包まれてる居心地の悪さが。最終的な真相も・・・まあ・・そうなのかーくらい。長編にはちょっと間延びした話かもしれない。
    というか、全編通して大介のキリコに対する愛情話が実に多い印象。のろけ小説か。

  • 月刊J-novel2009年11月号〜2010年6月号に連載のものを2011年2月に刊行。2013年4月文庫化。シリーズ4作めにて、初の長編。7章構成。大介とキリコは、ひょんなことからとある夫婦にかかわることに。2章くらいから、とある夫婦の秘密についての予想を立てていましたが、見事にハズしてまして、それもまた楽しかったです。シリーズ復活編とかで、次が当分無さそうな感じで、ちょっと残念です。

  • 清掃作業員探偵キリコの4作目、シリーズ初の長編。ちょっとしたきっかけからある夫婦と知り合い、事件に巻き込まれていくキリコと大介。二人を心配し、ときには憤り、諭すキリコとそれを支える大介。キリコは23歳と思えないぐらいしっかりしていて清掃作業員として色々見て経験しているからなのかな。単なる浮気調査と思っていた話も最後には社会的な問題にまで広がって、少々重い話でした。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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