エール! (3) (実業之日本社文庫)

  • 実業之日本社
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本棚登録 : 470
レビュー : 79
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408551470

作品紹介・あらすじ

小学生の娘と暮らしながら、新幹線清掃の仕事をするシングルマザーが出合う奇跡とは!?(伊坂幸太郎「彗星さんたち」)ほか全六編。運送会社の美術輸送班、東京消防庁災害救急情報センター、ベビーシッター、農業、イベント企画会社など、多彩な職場で働くヒロインたちの奮闘を描くお仕事小説アンソロジー第三弾。それぞれの仕事の裏側や豆知識も満載。オール書き下ろし!

感想・レビュー・書評

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  • 6人の作家が描く六つのお仕事。
    原田マハと伊坂幸太郎読みたさに選んだ1冊だったけれど
    あまり世間では知られていない職業ばかりで興味深くおもしろい。
    特に長編しか読んだことのなかった日明恩の「心晴日和」が染みた。
    タイトルも素晴らしいね。

    このシリーズはこれが3巻目のようなので他2冊も読んでみようと思う。

  • 様々な仕事をしている女性を六本の短編で取り上げた一冊。
     アンソロジーは新しい作家を発掘するために好きで色々と読んできました。
    好きな作家が出ている物を読んで、他にこの人いいな、と思う人が一人見つかればラッキーという感じでした。
    やっぱり読み始めたきっかけになった好きな作家の作品が一番よかったと思うことが多かったんです。
    でも、この本は違った。。
    読もうと思ったきっかけは、妹のだんなさんが伊坂幸太郎が好きだと言ってて、じゃぁ何か私も読もうと思ってずいぶん前に手元にありました。
    この本、全員初めて読むさっかでしたが、全部よかった。
    美術品輸送スタッフ、災害救急センター、ベビーシッター、農業、イベントスタッフ、新幹線の清掃員の六本でした。
    どの作家もよかったけど、東京消防庁に努めている女性を描いた「心晴日和」が一番でした。
    119番電話を受けている女性が主人公です。
    仕事への思い、声が出せない人からの通報を受けたときの緊迫した空気、主人公の成長。
    短い中にしっかりとエピソードが詰まっていて、きれいにまとまっていました。
    日明恩(たちもり めぐみ)さんという作家らしい。
    初めて知りました。
    この本で出会った作家は全員「脳内読みたいリスト」に登録です。
    いいな、と思う作家を見つけたときのこのワクワク感、いつまでたってもいいですね。

  • そもそもこのシリーズを読み始めたのが、この伊坂先生の短編が読みたかったからなのだけれど
    思いの外どの話も面白くて表題通り元気が出るので1から順番に来て、
    遂にこの3冊目。
    いろんな職種の女性が描かれていて、本当にとても興味深い。

    『ヴィーナスの誕生』
    美術品展示と一口に言っても、華やかな表舞台だけでなく
    作業着に身を包んでトラックで運んでくれる人もいてこそ。
    両極端の場所にいるように見えるふたりの学生時代からの共通の夢が
    叶うというのがとても良かった。

    『心晴日和』
    考えてみれば当たり前なのに、消防というと消防車に乗って現場へ駆けつける
    というイメージが強く、電話を受けてくれる人にまで目が向いていなかった。
    確かにここを襲われればパニックになる訳で、
    そうされない為に通常のコールセンターよりも様々な工夫がされている。
    一点、「みっともよくない」という言葉遣いが気になった。
    正しくはみっともないで、みっとものう、見たくもないから派生しているはず。
    しかし近年はこれを見た目が無い、悪いと捉え、みっともいい、みっともよくない
    という使い方をする人が出てきて、国語辞典でも数社で掲載しているところもあるらしい。
    ただ自分としてはこれは間違った言葉遣いだと思うし違和感が拭えなかった。


    『彗星さんたち』
    は本当に流石伊坂先生で、非常に素晴らしい。
    短い中にドラマとちょっとファンタジックで、でも思わず信じてしまうような
    エピソードを混ぜ込み、ぐいぐい読者を引き込む筆致が相変わらずで、
    近年話題になる新幹線の清掃員を取り上げたところも面白い。
    確かに交通手段である以上、テーマパークや百貨店などと違って
    色んな事情で利用する人がいて、楽しい気分の人ばかりではない。
    その中にあって、兎にも角にも「ちゃんと」するしかない。
    『ラブ・ミー・テンダー』の1曲1分、『ヴィーナスの誕生』の美術館展、
    とさり気なく入れ込んであるし、参考文献と礼文が文末にきっちり入れてあるところも
    伊坂先生ならではだなと感じた。

    常にベストをつくす。見る人は見ている。
    どんな仕事においても言えることであり、シリーズの最後を締めくくるのに
    ふさわしい短編であったと思う。

  • 第3弾にしてラストみたい。
    もっと読みたい気がしてたので残念だなぁ。

    全体的な印象では、
    前の2冊は仕事について悩み足掻き成長する、という感じだったのが
    この第3弾では自分の仕事に誇りを持っているのが大前提、という気がした。
    誇りを持っているが故に悩む、というのか。
    これまでに比べると世界観が繋がっている感覚は薄いかな。
    最後の伊坂幸太郎氏の話で美味しい部分をつまんで綺麗に構築してたけど。

    お仕事小説、という括りとしては、原田マハさん、山本幸久氏のお話は
    若干色合いが違う感じがした。
    マハさんのは仕事に掛ける情熱というよりはアート愛が色濃く出ていた。
    そういう意味ではものすごくマハさんらしいお話ではあるんだけど。
    山本氏のは、たぶん地の文の目線がちょっと異質なんだろうと思う。
    温かくって好きな雰囲気ではある。
    違った意味で色合いが違っていたのが伊坂氏の話。
    お仕事小説とファンタジーって両立するんだ、というのが発見だった。
    個人的に興味深かったのは日月恩さんの話。
    10月から通っている職場が話の舞台に(いろんな意味で)近いので
    膝を叩く場面が多かった気がする。

    それにしても『Love Me Tender』ゆっくり1節で1分とは知らなかったなぁ。
    今度使ってみたいと思いつつ、どのくらいゆっくりなのかが判らない(泣)。

  • お仕事にスポットをあてた短編集第三弾。
    伊坂さん目当てで購入。
    第一、二弾は未読。

    原田マハさんの「ヴィーナス誕生」は美術輸送に携わる女性のお話。
    日月恩さんの「心晴日和」は東京消防庁災害救急情報センター勤務の女性のお話。
    森谷明子さんの「ラブ・ミー・テンダー」はベビーシッターの女性のお話。
    山本幸久さんの「クール」は農業を営む年配の女性のお話。
    吉永南央さんの「シンプル・マインド」はイベント企画会社の契約社員の女性のお話。
    伊坂幸太郎さんの「彗星さんたち」は新幹線の清掃員の女性のお話。

    目当ての伊坂さんの作品は読み始め、文体などからあんまりのめりこめずいつもと違う印象だったが、終盤の設定や話の伏線の集約とその観点の部分では伊坂さんらしさみたいなのが感じられ、なぜだか安心してしまった。

    それほどのインパクトのある内容というものはなかった気がする。
    どれもじわじわとくる感じで、仕事を題材にしている分通常の短編集よりも、きっとみんなそれぞれ印象に残る作品は違うのだろうと思う。

    個人的には「心晴日和」が緊張感のあるやり取りとほほえましいものがあって印象に残った。

  • お仕事小説アンソロジー第3段。
    明日からも、頑張ろう。

  • 小春日和/日明恩 ☆5
    災害救急情報センター通信員

    ラブ•ミー•テンダー/森谷明子 ☆4
    ベビーシッター

    シンプル•マインド/吉永南央 ☆3
    イベント会社契約社員

    彗星さんたち/伊坂幸太郎 ☆4
    新幹線清掃スタッフ

  • 【最終レビュー】

    予約著書・図書館貸出。

    〈6月:第1弾・7月:第2弾既読(同カテゴリにて)〉

    こうして月1で既読する中、影響を受けた度合が自分の中でかなり高かった

    〈エール!シリーズ:既読=完結〉

    ラスト・伊坂幸太郎さんの章を既読した、その瞬間

    自分でもわからないぐらい、いつの間やら

    『着飾らず、透明感のある清々しさ』

    そんな感覚を体感していたといっても過言ではないことを…

    登場人物の女性達一人一人、立場・境遇・環境・世代は全く違う。

    ―根本的に共通すること―

    紆余曲折、右往左往、遠回りながら

    『あらゆる「陰日向な場」』において

    日々、全うし、周りの人達の目線も通して見守られる中

    〈何かしら、ふっと感じた瞬間、自分にとって、大事で大切な『何かに気付くこと』〉を経て

    『自らの歩み』で、ささやかな一歩を、新たに前に歩む。

    〈いたって、ありふれてることだからこそ…〉

    『18のエピソードひとつひとつ』を通して『存分に得たもの』でした。

    最終章・特に印象深く残った内容

    6名の作家陣・全エピソード。

    ※各内容のレビューを…

    1.原田マハさん:ヴィーナスの誕生―La Nascita di Venere―

    どことなく疑問視だった『部分のひとつひとつ』の

    〈Q&A〉を大筋で、なるほど、こういうことかと頷ける内容。

    主催者=新聞社・マスコミが占める、カラクリの裏側あれこれ

    海外美術品展覧会開催までの『長期間の流れの経緯・裏側』

    美術品専用輸送に携わる『ハード、きめ細やかな「緊張感のある姿勢」』

    学芸員のあらゆる角度で携わる役割とは…

    心底から、アートの世界全般に興味津々、究極に好きでなければ、この世界はこなせないこと。

    アートのスペシャリスト=マハさんらしい『空気』が存分に詰まった内容。

    また、美術館・博物館に足を運びたいという心境に。

    2.日明忠(たちもりめぐみ)さん:心晴日和

    あまり普段クローズアップされない

    『消防・救急関連』

    男性社会の世界に女性が入っていく

    [理想と現実の狭間での葛藤。やりきれなず、どうしょうもない心情も抱え]ながら

    ある通報の緊迫感あるやりとり。

    的確に見極め、冷静沈着に対処できた時を境に以降

    『ありのままの自分の気持ちに気づいていくきっかけ』となる、新たな出会い…

    通報を受ける側の目線での

    『仕組み・システムの様々な裏側』がきめ細やかに詳細に書かれていて

    『通報する側』と『受ける側の立ち位置の違い』がかなりあること。

    このエピソードを通して、特に感じていました。

    3.森谷明子さん:ラブ・ミー・テンダー

    家庭と仕事の両立の裏側で活躍する役割を担う

    ベビーシッターに携わる女性のエピソード。

    日々普段から、自分が何を心がけないといけないかという『心構え・研鑽』

    ベビーシッターのNG要項

    ここぞということに、どう対処するかという『臨機応変な処置』

    こういった姿勢を持つことの重要性が描かれていました。

    タイトルに込められた

    『歌の持つ意味合い=主人公の女性自身への鼓舞』

    明子さんらしいなと感じましたね。

    4.山本幸久さん:クール

    最年長のお婆ちゃんが主人公。

    私的には、佐藤愛子さんを彷彿させるかのような…肝が据わり、舞台にも立ったことがあることの共通点を通して、そう感じました。

    農業を取り囲む過疎化の進行…

    現実を受け止めつつ、それにも決してめげず、前を向いて生きている間、移住してきた

    外国人の女性親子(母・娘)との交友、取材で訪れた女性アナウンサーとの出会い。

    彼女達との交友を通して、ほんの一筋の光と共に、彼女達と共に村で生きていくまでの過程が描かれています。

    [世間が知らないことを、知っている]

    お婆ちゃんのメッセージを通して、我々に投げかけられた

    [現実味という意味]がしっかりと込められていることを…

    5.吉永奈央さん:シンプル・マインド

    〈ナット・キング・コール:1954年作〉

    亡き母と主人公の女性=母娘の思い入れ深い『上記のある歌の空気』に沿うかのように

    地方都市を舞台にした

    野外コンサートイベントを巡っての

    せつなく、ほろ苦く、微妙なすれ違いを経て、その果てに、ささやかな何かを見つけていくというエピソード。

    +:イベントへの自治体からの補助金助成の切実な実状も、きちんと書かれていて

    こういう、表沙汰に決して見えない方々が携わっているからこそ、成り立っているんだということも理解できた内容。

    [笑って、つらくても、どうにかやっていける]

    今の私自身に一番とても有り難く感じ得た

    メッセージとリンクしているかのようでした…

    6.伊坂幸太郎さん:彗星さんたち

    母体には、何冊か既読していた

    羽田空港の清掃のスペシャリスト:新津春子さんの存在が背後にあったので

    掃除に関する様々な裏側のエピソード=春子さんを彷彿させつつ読み進めていました。

    世代を超えた男女が、業務に携わっていること。

    残った二割のスタッフが、創意工夫を施しながら、ひとつにまとまり業務に取り組む姿勢

    『小さなエピソードの数々』を通して、何かしらを得ていくこと。

    立派な光景そのものを、ひしひしと感じていました。

    [冷静であれ、親切であれ]

    [できる限りのことをやっているだけ]

    伊坂さんの内容を通して、一番に印象に残った『ふたつのこの「メッセージ」』

    こうして投げかていただけた「感謝」でいっぱいです。

    ―End―

    既読済の作家陣は言うまでもないですが、他の未知の作家さんの方々の内容を通しても、描写の秀逸さが感じられたりと

    〈エール!シリーズを通して〉の

    『新たなひとつの収穫』でした。

    他の作品にもチェックを入れてみようと思える著者の方もいます。後日、チェックを入れてみようと思います。

    仮レビューで書いていた既読済の作家陣の内容をそのまま、ラストに残しながら

    《エール!シリーズ―これにて『完結』―》

    ※最終章:既読済の著者の方々

    ○原田マハさん

    先月:『デトロイト美術館の奇跡』を久しぶりに既読。

    マハさんの領域・アート関連の内容。

    最近、未読だった著書数冊。今後、チェック予定(図書館予約貸出手続済)

    *デトロイト美術館の奇跡・既読レビュー(7.19)

    http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4103317531

    ○森谷(もりや)明子さん

    久しぶりにチェックが入りました。

    図書館が舞台の著書を書かれていることを通して興味を持ち、以下の

    〈秋葉図書館シリーズ・2冊=文庫化されています〉

    自然で和やかな雰囲気に包まれた

    『図書館の描写』と『物語性』

    両方のバランスの良さが印象に残る作風。既読時=単行本で。

    *れんげ野原のまんなかで:14.2.9既読

    http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/448801710X

    *花野に眠る~秋葉図書館の四季:15.1.25既読

    http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4488027431

    ○伊坂幸太郎さん

    森谷さんと同様、最近未読でした。

    〈物語に一番直結していた『引用著書の一冊=ノンフィクション』〉

    後日、この著書にもチェックを入れる予定。

    伊坂さんとの出会いは

    〈堺雅人さん主演映画:ゴールデンスランパー(09)・映画化原作本〉を通して。

    既読著書はありますが、ブクログ当初、レビューなし・記録のみの登録が多かったので

    最近の既読著書を紹介。

    *仙台ぐらし(エッセイ・文庫化されています)

    12.3.17~レビュー記載なし

    3.11震災当時、仙台の自宅にいた伊坂さんの生の目線を通して

    交錯する様々な想いの数々・エピソードなどが綴らています。

    伊坂さんの初エッセイ既読

    +震災当日、仙台において混乱していた生々しい様子が…

    これ以上は、表記はできません…

    *アイネクライネナハトムジーク

    14.10.17:既読レビュー有

    http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4344026292

  • 女性が主人公のお仕事小説アンソロジー第3弾。

    心が疲れた夜に、自分は運が悪い方から1万番目ぐらいかなぁ、よし、明日もがんばろうと思える物語。

    がんばってる人からがんばっている人へのエール。

  • エールという題目だけあり、どのお話も最後は頑張ろう!いいな♫と思える終わり方で読んでいて爽やか!そんな中にも自分に当てはまって感じる事もあったり。ちょっと読むのに楽しかった!2017/3/10完読

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