闘う女 (実業之日本社文庫)

  • 実業之日本社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552170

作品紹介・あらすじ

バブル崩壊後の1993年、出版社に就職したひとみの半生は変転の連続だった。不本意な配属、失恋、プロポーズ、予期せぬ妊娠、離婚…。時に家族や友人を裏切ってまで仕事に貪欲であり続けたひとみの20年間を、人と人をつなぐツールの変遷や、移りゆく世相を巧みに織り込んで描き出す。女の狡さと黒い本音全開のこの物語は、あなたの魂を捉えて離さない

感想・レビュー・書評

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  • 「プールサイドの彼方」改題。
    1989年に東京の女子大に入学し、バブル崩壊後の1993年に出版社に就職した石川ひとみ、不本意な配属、失恋、プロポーズ、予期せぬ妊娠・・・。
    彼女の欲望と葛藤をポケベルからインターネットやSNS、移りゆく世相を巧みに織り込んで描き出す。

    「闘う女」とは違うような気がするが、主人公の貪欲さが好ましい。
    (図書館)

  • バブル崩壊後に出版社に就職した、ロスジェネ・キャリア女の黒い欲望と葛藤。近20年の世相も学べる女の本音全開のお仕事小説。
    石川ひとみと言えば『まちぶせ』。♪もうすぐ私きっと あなたをふりむかせるとは、ピュアな恋心の反面、言い換えれば女性の胸の奥にある黒い執念でもある。なぜ、主人公の名前が石川ひとみなのかが、読了後に判明する。同性にも異性にも、社会にも子供にも闘い続けた女の一代記。

  • 2017.03.31

  • 普通に生きることの難しさを考えさせられた。りんは「あなたにとって一番大事なのは自分だった」と母親であるひとみを心の中で責めたが、それはいけないことなのだろうか。私にはひとみは一所懸命に、やれるだけのことをやっているように見えたのだが。

  • バブル期に名門女子大入学したひとみは、大学を卒業後、出版社に入社する。
    恋愛、結婚、育児、離婚、仕事、と、2012年現在まで、ひとみは闘い続ける。

    ひとみと一緒に、半生を歩んだような気持ちになりました。
    ほぼ同じ世代を生きてきているので、懐かしいフレーズもたくさん。
    IT機器の進化、人との繋がり方の変化など、忘れていたことをも思い出しました。

    最後まで強がるひとみが切ないです。
    でも、そんなひとみが魅力的なのかもしれません。

  • 石川ひとみ。

    この名前のアイドルに私は昔、かなり入れこんでいた。

    その人と同姓同名の女性。バブルの頃から現代まで、30年もの彼女の年月が詰め込まれている。

    しかし読み終えて途方に暮れた。何を読み取ればよいのだろうか。。ひとみとりん、この母娘のすれ違う思いは最後まで寄り添わない。どう読んでも、りんが正しくて、ひとみは自分だけを大切にしてきた人だ。最後の最後までそれに気づいてすらいない。気づかぬまま喪失感に打ちひしがれている。りんの言葉を借りれば、この翌日にはすっかりこの喪失感も忘れていそうだな、と思う。

    自分だけが間違っていない、自分が苦しむのは他の誰かのせいなのだと信じ続けることのできる人は強い。いや、弱いのか。

    りんも湖太郎も、ひとみのようにはひとみのことを思い出しはしない。

    ひとりきり。完全な孤独のようなものが、ラストを埋め尽くしていた。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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