動物珈琲店(ペットカフェ)ブレーメンの事件簿 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552293

作品紹介・あらすじ

平井瞳が営む喫茶店は家庭的な雰囲気を売りにしてきたが、ある事件をきっかけにペットも入れるように店の改装を決心、名前も一新することに。その名も"動物珈琲店ブレーメン"。店は常連たちが連れてくるペットで大賑わいとなるが、奇妙な事件もいっしょにやってきて…。ペットカフェを舞台に、犬も猫も大活躍のユーモアミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 知らずに読んだけど、「あなたの猫お預かりします」の関連作品⁇だった!登場人物が被っているので、懐かしい人々に会った感じ☆
    とはいえ、やっぱりわたしにとってはイヤミスでした。だって自分の頼みを聞いてくれなかった上司を逆恨みして、その上司を精神的に追い詰めるために全く関係ない人達の家に放火してまわるとか…パラレルワールドの話もなんか不気味だった。
    どっちの作品から読んでも支障はないけど、うーん…って読後感はイマイチだった。
    またまた可愛い表紙に勝手に騙されました。

  • ほのぼのした日常系ミステリかと思いきや、なかなかどろどろした人間の話だった。

    なお死体は出てこない。

    癌の匂いを感知する犬の太郎丸が出てくる「幕を引くには早すぎる」が好き。

  • 話の中でちょこちょこ話が進み、たいした事もなく普通に常連さんが集う喫茶店。
    常連客になりたい?外から見てたいだけ?
    時々行こう!

  • 動物珈琲店ブレーメンの周囲で起こるちょっとした事件の短編集。探偵役がいるわけではなく、勝手に事件は終息していくので、ミステリーとは言えない気もする…。大伴くんが一番それっぽかったかな。

  •  「宗像さんの福の神」というのを見て、どんな話かなと思って買いたいリストに入れていたんだと思う。

  • 地域密着型の喫茶店は、動物立ち寄り可、な店。

    1話目が終わってから、ですが。
    1話目までは普通の喫茶店で、それからが
    ペット同伴、動物オーケーな店になってます。
    最初の話で、人間関係や地域の関係が出てきて
    2話目3話目と、それらの人がちょこちょこと。
    喫茶店の人間が主人公なわけではなく
    出てきた人達がちらほらと…という感じです。
    そのうち、まったく出てこなかった人が
    話の中心になったり。
    店は確実に出てきますが。

    どこが最初!? と混乱する『家出』話が
    面白かったです。

  • 〇 概要
     「あなたの猫,お預かりします」の続編的な位置付けの作品。平井瞳が営む喫茶店「フラット&シャープ」は家庭的な雰囲気を売りにしてきたが,「犬が電話をかけてきた」という短編での事件をきっかけにペットも入れるように店を改装する。その名も「動物珈琲店ブレーメン」。店は常連たちが連れてくるペットで大賑わいとなるが,奇妙な事件もたびたび起こる。ペットカフェを舞台としたユーモア・ペット・ミステリー

    〇 総合評価
     「九杯目には早すぎる」,「ホームズのいない町 13のまだらな推理」などを読んで,すっかり蒼井上鷹ファンになったのだが,この短編集はそこまで楽しめなかった。ミステリ的な要素があまりない。星新一的な,最後にオチがあるストーリー(世にも奇妙な物語的な話)なのだが,オチが冴えていない。「ノラが家出するわけがない」は二段構えとはいえ,夢オチだし,オチらしいオチがなく,設定をさらっと解説して終わる話も多い。ストーリーテラーとしては一流なので,どれも,設定や話そのものは結構,魅力的なのだが…。全ての話を通じて,同じ登場人物がカメオ出演する,蒼井上鷹ワールドを作っているという部分はよいのだが,それぞれの登場人物の描写が浅く,この設定を生かし切れていないように思えるのもマイナス。ちょっと辛目の評価になるが,★2で。

    〇 犬が電話をかけてきた ★★★☆☆
     佐野豆腐店が火事で店じまいをしてしまった事件と美容室「サン・スーシー」の美容師が足を骨折して入院し,店を休むことになったという事件が起こる。犯人は,陣内先生の歯科クリニックの受付の堂本順子という女性。動機は,陣内先生が好きな豆腐を食べられなくし,いきつけの美容院でカットができなくすることで,仕事を続ける意欲を失わせ,自分の彼氏(歯科医院を首になった)の職場にしようと考えたというもの
     陣内先生の行きつけの美容院の娘,月島真穂という女子高生が飼っているスーちゃんというマルチーズが元気がなくなったことから和江のおばあちゃんが,真穂の家で,マルチーズと留守番しているときに,放火に来た堂本順子を見かけたことで,事件の真相が解明されるという話
     御都合主義だし,ミステリとしてはイマイチだが,意外な真相の話としてはそこそこ。おまけで★3

    〇 この猫に名前はいくつある? ★★★☆☆
     前作でも登場した大伴荘という学生と,その飼い猫ロロが登場する。八百屋店の店主の成美三郎は,川辺倫子という学生の嘘(ペンギンハウスという託児所の借金を返済するために,お金がいる)に騙され,お金を渡す。
     さらに,倫子は,西木田隼という男もだまし,お金を巻き上げる。倫子は,妙典明良という男にそのお金をだまし取られる。妙典は,吉田花恋にお金を渡す。吉田花恋は,結局,ペンギンハウスという託児所にそのお金を寄付することにするという話。この話の中で,ロロはさまざまな場所に登場し,いろいろな名前で呼ばれることになる。入り組んでいるが,なかなか凝った話。ミステリではないが。★3

    〇 宗像さんの福の神 ★★☆☆☆
     宗像みちると宗像美鶴が登場。物置に泥棒が入るが,何も盗まれていなかった。唐三彩という焼き物が登場し,みちると美鶴は,倉庫に唐三彩の焼き物があると思って,それぞれが倉庫を探そうとする。物置にいた泥棒は,西門という骨とう品店から盗んだものを,宗像家の物置にしまっていた。最終的には,そのことに気付いたが,気付いたきっかけは,ふたりが飼っている,「おじいちゃん」と呼ばれるミニチュアダックスフンドだったというオチ。これは分かりにくい上にあまり面白くない。★2

    〇 ノラが家出するわけがない ★☆☆☆☆
     志波勝一というペンネームの推理小説家が登場する。,志波の家で,「ノラ」という名前で飼われているという猫がいなくなる。いなくなった「ノラ」を探しもとめ,酒を辞めて傑作の作品を書き,「ノラ」が戻ってきたというところで夢だと分かるという夢オチ展開。「この猫に名前はいくつある?」に出てきた,妙典明良と川辺倫子が再登場し,犯罪に巻き込まれるという展開の上で,更に目が覚めるという二段の夢オチ。これはさすがにひどい。雑誌連載だったようで,なんとか仕上げたという作品なのかも。★1。

    〇 幕を引くには早すぎる ★★★☆☆
     「犬が電話をかけてきた」に登場したマルチーズの太郎丸が再登場。太郎丸は,ガンの人を匂いで見分けることができるという。保丸というアパートのオーナーが登場。中学校時代の同級生である的井初枝が,生前葬をするという。大学生の大伴も再登場。火事になった豆腐店の佐野という人物も登場。佐野と初枝には昔,因縁があって…保丸は,初枝がガンであることを佐野に伝えることで,佐野に改めて豆腐を作らせることに成功する。保丸は,初枝にガンであることをばらしてすまないと謝るが,初枝は自分がガンと気付いておらず,初枝は,自分の生前葬を企画することで,古い友人と自分自身の命の両方を救ったというオチ。ミステリとは言えないが,きれいなオチの秀作。これは★3 

    〇 猫は秘密を嗅ぎつける ★★☆☆☆
     桜井りくと同棲しているニートの関口健人が登場する。同居している猫のカイに全く関心がなかった健人が急に感心を示したことなどから,浮気を疑う。実際には,いつも登場するクロネコのロロと仲良くなりたかったというオチ。詐欺事件もからんでややミステリ的な要素もある。カイがいなくなる事件もあって,設定はちょっとややこしいが,最後は,カイと再会するというハッピーエンド。とはいえ,出来としては★2程度か。

  • 6編の連作短編集。旅のお供の文庫本として借りる。字も比較的大きくて読みやすい。でもいまいち面白くなかった。ユーモアミステリとあるけど、ミステリ要素があんまりない。2編目についてはただ猫の足跡を追っただけだもんな。あんまり犬も猫も好きじゃないからそんなにはまらなかったのかも。

  • 喫茶店で謎解きするわけではなく、集まる人たちのそれぞれの事件簿。犬も味の違いがわかる美味しいお豆腐屋さんが気になる。

  • (収録作品)犬が電話をかけてきた/この猫(コ)の名前はいくつある/宗像さんの福の神/ノラが家出するわけがない/幕を引くには早すぎる/猫は秘密を嗅ぎつける

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著者プロフィール

1968年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て執筆活動に入る。2004年、「キリング・タイム」で第26回小説推理新人賞受賞。同年「小説推理」掲載の「大松鮨の奇妙な客」は、第58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に選ばれた。同二作を含む短編集『九杯目には早すぎる』でデビュー。著作に「4ページミステリー」シリーズ、『ロスタイムに謎解きを』『最初に探偵が死んだ』など。

「2016年 『お隣さんは、名探偵 アーバン歌川の奇妙な日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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