チームII (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552590

感想・レビュー・書評

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  •  「チーム」「ヒート」の登場人物たちがこの小説でも登場。
     堂場瞬一さんの,陸上長距離シリーズ。

     「日本マラソン界の至宝」と言われ「ベルリンマラソン」「東海道マラソン」で自身の持つ日本新記録を破ってきた山城悟。
     選手生活をしている中で,怪我にはほとんど縁のなかった山城だが,左膝半月板損傷で長期の離脱を余儀なくされる。さらに,所属チームの解散が取り沙汰され,山城の居場所がなくなり,引退も考えるようになる。
     浦大地を始めとする,かつての学連選抜チームが「チーム山城」を立ち上げサポートするというが……。

     また,浦は怪我にも何度も悩まされ,引退を決意する。だが,引退を決めたのとほぼ同時期に母校の城南大学の陸上競技部の監督就任を要請され,それを受けることにした。
     監督就任後,初めての箱根駅伝予選会で,11位。城南大の箱根本戦出場は成らなかった。だが11位となったことで,浦に学生連合チームの監督が回ってきた。

     あのときの学連選抜とは,チームの位置づけも,選手の能力も,モチベーションも違う中でどうやって導いていくのか。監督として駆け出しの浦には,まだ想像もつかなかった……。

     山城,浦だけでなく「チーム」で学連選抜だった門脇や朝倉,城南大陸上部の主務だった青木,それから「ヒート」の「東海道マラソン」でペースメーカーだった甲本。それぞれの登場人物が出てくるたび,ああっとなります(笑)。

     長距離を走るということ。それぞれにとっての人生なんだなあと。
     山城のように,常に日本のトップを走っていたもの。浦のように怪我に悩まされ,実業団ではいい成績を挙げられないまま引退するもの。門脇のように,高校の指導者として陸上に関わっていくもの。
     走るという行為はそれぞれのあり方で,それぞれの人生で。

     うまく言葉に出来ないですけど,尊いです。

     レースでのそれぞれの心情の描き方が,本当にすごくて。
     何度でも読みたいです。

  • 待望の「チームⅡ」、やっと読めた。


    箱根のテレビ中継を観ながらそわそわし始める山城が、なんか可愛い(笑)。

    いっときは確かに、不安を募らせ弱々しさっぽい姿も見せはじめた・・・しかし、それを支える「チーム山城」。

    心を開きそうで開かない、じれったい感じ・・・昭和のラブコメ漫画の如し(笑)。

    それでもなんだかんだと深いところで通じていたのだと安堵して終われるラストシーンも、好きだな。

    ★5つ、10ポイント。
    2018.03.11.古

    • KOROPPYさん
      フォロー&コメントありがとうございまし。
      フォロバさせていただきました。

      安定した面白さのスポーツ小説シリーズですよね。
      フォロー&コメントありがとうございまし。
      フォロバさせていただきました。

      安定した面白さのスポーツ小説シリーズですよね。
      2018/03/12
    • ほんやだワンさん
      いいね!+コメント+フォロー、ありがとうございます。
      今後ともよろしくお願いします。<(+_+)

      堂場作品は、ここんとこスポーツもの...
      いいね!+コメント+フォロー、ありがとうございます。
      今後ともよろしくお願いします。<(+_+)

      堂場作品は、ここんとこスポーツものばっかり読んでます。
      ほぼハズレなしですね。
      2018/03/13
  • 堂場作品スポーツものにハズレなし!(たぶん)。

    山城君の心理状態の揺れ具合の描写が秀逸。
    レース中の長~いシーンも相変わらずウマく文句なし。

    • くんたろうさん
      ハズレなしと聞けば、安心してⅡにも挑めますっ!! 躊躇してたんですが私も一緒に(脳内で)もう一度走りますっ!
      ありがとうございます。
      ハズレなしと聞けば、安心してⅡにも挑めますっ!! 躊躇してたんですが私も一緒に(脳内で)もう一度走りますっ!
      ありがとうございます。
      2015/10/25
    • ほんやだワンさん
      コメありがとうございます。m(__)m

      安心してください、面白いですよ!(←今流行りのヤツのつもり)

      Ⅰの感動には及ばないかもし...
      コメありがとうございます。m(__)m

      安心してください、面白いですよ!(←今流行りのヤツのつもり)

      Ⅰの感動には及ばないかもしれませんが、山城君の人間味が随所に出ていてナカナカ良かったです。
      2015/10/26
  • まず、はじめに読む順番を間違えていたことに途中で気が付いた。順番的にはキング、チーム、ヒート、チームⅡの順だった。読んでいて途中で気が付いたが止める訳にもいかず、最後まで読んだ。結果、すごく面白かったので、順番はどこから読んでもとりあえず楽しめるようで良かった。

    走っている間の、心理描写や葛藤など読んでいて先がどんどん読みたくなる。
    本当にスポーツ×友情って最強。次はヒートに戻ろう。

  • 走った。このシリーズは、読後疲れてる。感情が揺れるし、緊張するし、レースシーンは観戦している時の景色が脳内に浮かぶから、臨場感がすごい。
    天才は人を動かす力があるかも知れないけど、天才を動かせる人は、そんなにいない。だからこそ浦はずっと周りに頼られて、信頼されている。怪我でレースに出れない山城、所属チームの解散、チーム山城…全実のシーンは手が震えるほど怖かった。浦がいなかったら、負けてたかもしれない?
    「俺たちはチームだから」は名言すぎる。前作を思い出せるし、続けて読んでいてももう一度読みたくなる。

  • 怪我をし引退を意識する山城を支えるためかつての「チーム」が立ち上がる…!もう、これだけで胸熱である。
    確かに長距離は個人競技ともいえるだろう。しかし、苦しい時、力になるのは仲間の存在である。
    ラストのデッドヒート、浦の声が山城の力になった瞬間は本当に感動だった…。
    いいチームだ。

  • ホントに山城のようなランナーはいるのだろうか?いや、ランナーではなく、傲慢な奴はいるのだろうか?浦の活躍が思ったより少ないような気が……

  • いいねー、最後の一行、最高。

  • 山城の必要ないものを排他していく考え方、とても共感する。けど、彼は天才だから可能な生き方。でも逃げてみたり、自分でもよくわからない気持ちをもってみたり、人間的でおもしろかった。

  • やっぱり駅伝は素敵だと思った。

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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